不可能をなくすことは、科学・技術の役割の一つだ。
巨大システムが急激に使用不能となり、既往の科学・技術をもってしては廃棄不可能な場合、廃棄のための技術開発を進めるのがよいのか、使用不能でなくすることに技術開発を進めるのがよいのかを考えてみよう。
廃棄のための技術開発では、それが成功したところですべてが終わりになる。後に得られるものは何もない。
使用不能といったん思ってみたものを、再起させる技術なら、科学者も技術者も頭の使い甲斐があるだろう。
対象が世の嫌われものであれば、なおのこと意欲も湧くに違いない。
受け入れられやすいことだけを楽しみながらやって一生を終えるのでは、科学者とか技術者とか名乗るのも恥ずかしかろう。
天変地異に負けないシステムにするには、何をどうすればよいのか。
弱点をよく知っている危険を唱え続けてきた学者たちの知恵も取り込んで研究を進める度量を、みなが持つように、まず座禅の合宿からでも始めたらどうだろうか。