流行語は、現れるもの早ければ廃れるのも早い。
エコという言葉も、欺瞞のにおいを隠しきれずにか、国家事業の破綻がもたらした環境とのちぐはぐが目立ちすぎてか、罹災者の神経を逆なでする危惧を嫌ってか、あまり使われなくなった。
ecosystem という言葉も、古い辞書には、【定冠詞をつけたときに「しばしば、生態系」】などと遠慮がちに書かれている。
エコ、エコと唱えながら、オーガニック・ブレッドが良いと言っては大型外車を繰り出して買いに走ってみたり、高速道路でCO2の撒き散らし競争を演じてみたりしていたのでは、自己矛盾もぬぐいきれないだろう。
「はじめにことばありき」とはどういう意味ですかという、珍問を見かけたことがあった。
考えてみると、あれは珍問どころではなく、言葉が最初に走り出しても、することなすことがついていかない有言爬行のぶざまさを指していたのかとも思えてくる。
大賞などとは無関係の優れた流行語が出てほしい。世の中も明るくなるだろう。