ダイビングと生き物の写真ブログ3~魚・鳥・花・蝶・トンボなどなど

ダイビングの海の写真、動物・鳥・魚・昆虫などの生き物、自然風景の写真、これらを中心に気ままにブログを書きます。

ごあいさつ/使用機材/撮影地

野鳥・昆虫・ダイビングの水中写真の3本柱でブログをしています。基本的に、美しい生き物を綺麗に撮りたいと思っています。
大阪近辺で長い天体望遠鏡レンズ(BORG77ED2/71FL)に迷彩テープを貼っている若手がいたらきっと自分です。 最近はOLYMPUS M.ZD300mmF4で撮ることが多いですが・・・。
鳥の数は数えていないので何種類撮ってるかわ分かりませんがたくさん撮っています^^ 数を数えることよりも好みの野鳥をじっくり撮ることに重きをおいています。 近所で見かけたらよろしくお願いします。
カメラ;OLYMPUS E-5(水中用) / OM-D E-M1 MarkⅡ(メイン機) / OM-D EM-5(サブ機)
レンズ;BORG77ED2 510mm(F6.7) / BORG71FL 300mm(F4.2) / ZD50mm Macro(F2.8) / OLYMPUS M.ZD300mm(F4) / M.ZD60mm Macro(F2.8) / M.ZD75mm(F1.8)

撮影地は近場では大阪の北摂の公園・大阪城・淀川河川敷・巨椋干拓地など。
定期的な遠征地は沖縄本島・石垣島・西表島・宮古島・北海道・柏島・舳倉島・台湾など。

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ヒバサンショウウオのバリエーション(旧カスミサンショウウオ高地型)

2019-05-30 17:00:00 | 爬虫類・両生類・淡水魚

GWの対馬遠征の帰りに寄った中国地方の山間部で撮ったヒバサンショウウオ=カスミサンショウウオ高地型を紹介します。
対馬に次いでこちらでも案内してくれた友人が次々に見つけてくれてたくさん撮ることができました。

まずは美しい青色系の2匹。
















ヒバサンショウウオ/Hynobius utsunomiyaorum(Matsui et Okawa,2019)(旧カスミサンショウウオ高地型)
最近、カスミサンショウウオが9種に分かれましたがその1つがこのヒバサンショウウオです。
旧カスミサンショウウオ高地型と呼ばれた集団が広島県の比婆山に因んでヒバサンショウウオと名付けられたようです。
平地のカスミ群が2月に産卵するのに対してこの種は4・5月に産卵をするので素人目にも別種で然るべきだと思います。
この地には友人曰く黄色系と黒色系と青色系のヒバサンショウウオが混在していて、
特に青色系は美しくいわゆる典型的なカスミサンショウウオとは全く別物に感じました。
青色系にも尾の峰に黄色のラインがうっすら見えるので辛うじてカスミ系とはわかりますが、
黄色系のように脇の白小斑もないので素人目には青色系と黄色系は別種にしか見えません。

この場所のヒバサンショウウオの生息密度はかなりのもので、
大き目の石の下にはかなりの確率で黄色系が居て見つけるのは簡単でした。
黒色系は淀んだ少し深めの暗い水たまりにごっちゃり居たのでやはり生息場所によって体色が変わるのかも知れません。
ただ、青色系は曰く50匹に1匹ぐらいの割合とのことで2人で苦労してやっと2匹見つけただけです。
この青色系2匹は若くて小さく細流の始点の湧水に居たので繁殖に関わっているのかは微妙なところです。
もしかしたら、砂礫に棲んでいる上陸間もない若い個体に青色系が多いのかも知れませんね。






黒色系と黄色系はいっぱいいました。










ヒバサンショウウオ/Hynobius utsunomiyaorum(Matsui et Okawa,2019)(旧カスミサンショウウオ高地型)
この沢のヒバサンショウウオのほとんどは黄色系でした。
黄色系は体側に細かい白斑もあり旧カスミ群の標準的な色合いだと思います。
多くは産卵後で卵を守っている雄のようで産卵は4月下旬がピークのように感じます。
黒色系はすぐに逃げていったので1カットしか撮れませんでした。
※この青色系・黄色系・黒色系という表現は友人の個人的な見解です。
 勝手にそう呼んでいるだけで学術的な分類ではないとのことです。









ヒバサンショウウオ卵嚢
卵は生みたてからハッチしそうな卵嚢までいろいろ観察できました。
生息密度はかなりのものですが幼生は共食いをして大きくなる運命なので、
成体まで生き残るのは数パーセント程だと推察できます。


小型サンショウウオの撮影は水面写りを防ぐために黒い傘で日陰をつくり、
自然光ではなくストロボを焚いて撮るのが今のところベターかなと思います。
放っておくとすぐに石や砂の中に潜ってしまうので上手く撮影するのはなかなか難しいですね。
日中よりは夜間撮影のほうが色は映えるのでいいかもしれません。
拡散板を準備すればもう少し反射が少なくて仕上がりはよくなるのかなと思います。
もちろん、撮影後は全て現地でリリースしています。

小型サンショウウオは局地的にしか生息しておらず、
地域によって細かく種分けされ保護もされています。
持ち帰って飼ったりネットで売ったりするアホな輩もいるので、
生息場所などの問い合わせについてはお答えできません。
単なる趣味や思いつきで飼育しても1年と持たないでしょうから、
研究目的や保護目的以外で個人が持ち帰ることは厳に慎まなければなりません。

また、仮に飼育していたものを自然に還すにしても地域的な遺伝的隔離を考えれば、
確実に元居た場所に還す必要があります。
まあ、これは小型サンショウウオに限った話ではなく、
日本の水生生物全般に言えることですけどね。




★参考★カスミサンショウウオの再分類
2019年、1種だったカスミサンショウウオが生息地によって再分類され9種なりました。
・サンインサンショウウオ=山陰山椒魚(鳥取県、島根県)
・ヤマトサンショウウオ=大和山椒魚(愛知県、岐阜県、三重県、滋賀県、奈良県、京都府、大阪府)
・セトウチサンショウウオ=瀬戸内山椒魚(和歌山県、大阪府、兵庫県、岡山県、香川県、徳島県)
・イワミサンショウウオ=石見山椒魚(島根県)
・ヤマグチサンショウウオ=山口山椒魚(山口県、大分県)
・カスミサンショウウオ(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、壱岐島、福江島、対馬)
・アブサンショウウオ=阿武山椒魚(島根県、山口県)
・アキサンショウウオ=安芸山椒魚(広島県、愛媛県)
・ヒバサンショウウオ=比婆山椒魚(兵庫県、岡山県、広島県、鳥取県、島根県)※旧カスミサンショウウオ高地型
この分類にはしっかりした根拠や裏付けがあると推察できます。
面白いのは海を挟んで中国と四国にセトウチやアキ・ヤマグチが分布していることや、
壱岐や対馬にも九州と同じカスミが分布していることです。
これは、日本列島の形成過程による分化の表れなんだろうと思います。
とりあえず、箕面や宝塚の旧カスミはセトウチサンショウウオになったみたいですね。






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