葦津泰國の、私の「視角」

 私は葦津事務所というささやかな出版社の代表です。日常起こっている様々な出来事に、受け取り方や考え方を探ってみます。

愛子さま登校拒否発表にがっくり

2010年03月08日 21時49分05秒 | 私の「時事評論」
愛子内親王が学習院初等科に登校したがらない状況にある。

原因は校内の乱暴な男の子の与えたストレスのようだ。




こんなニュースが宮内庁の野村東宮大夫の定例記者会見で発表されて、大騒ぎになっている。

伝えるところによると、愛子内親王はこのところ学校にお出かけになっていないが、これは

学習院校内でお受けになられた強いストレスが原因であるという発表だった。

 これを受けて学習院側ではちょっと粗雑な行動で愛子さまをびっくりさせたような生徒の行動が

過去にはあったが、すでに解決したのでご理解いただきたいと、直ちに弁解の記者会見をした。

しかしこの野村大夫の発言は直ちに世界に報道され、英国・デイリーメール、

米国・ABCニュース、スペイン・エルムンド、オーストラリア・シドニーモーニングヘラルド、

タイ・バンコクポスト、ブラジル・グローデなどに日本皇室の王女が「いじめ」で登校拒否を

されたと派手に報道された。

 この騒動が発表されたのは、巷間で問題にされている皇室内部での主導権を争う、在来の宮内庁

筋と新たに権力奪取を狙う小和田氏に近い外務省との醜い争いの結果であるとの指摘なども

なされているが、こんな非常識な発表が出て来る背景を思うと、かなり確率でそんなこともあるの

かと思わせてしまう。

 この報道で、日本人の皇室に対する「私なき」存在であるとの伝統的な信頼感を大きく傷つける

ことになったのは確かであろう。

 さらにこの発表は、民間人である愛子さまの学友である生徒たちの将来にまで、皇室が結果的に

大きな精神的傷を生むことにつながるのは避けられないと思われる。

 私にとってはこのことのほうがショックである。

 加えて、世界の日本の皇室にかける印象も、これによって大きく傷つけられることになった。

 皇室をめぐっての報道には、近年になって、今回の報道事件のように、それを報道する

連中の浅薄さによって、思わぬ大きな悪しき印象を生んでしまうものが多すぎるように思う。

 それらが生ずる大きな原因は、いまの皇室にかかわりを持つ人たちが、日本の皇室の持つ

最も大切な伝統的な長所、培われてきた特質を全く理解しようとせず、皇室の果たしている

精神的な大きな貴重さを評価せず、単なる外面だけを眺めて西欧などの王室と日本の皇室を、

同じものの如くに思いこむ軽率さから来ているものだといわなければならない。

 日本の悠久の歴史が育んできた伝統的な宝物である皇室の本当の価値を目利きする

能力ももたずに、上辺だけで皇室を論ずる君側の奸の跋扈する姿にただただ嘆息するのみである。


3月8日後記

 ニュースでは愛子さまが、雅子妃に付き添われて登校され、見守られながら

一部の授業を受けられた。事態は徐々に改善されているという報道があっている。

だがこれって、事態の改善と受け取るべきものなのかどうか。いろいろの説がある

と思うが、私にとっては、少しもそうは思えない。