夢のあと

釣りには夢があります。夢を釣っていると言っても過言ではありません。よって、ここに掲載する総ては僕の夢のあとです。

ただいっぱい釣って欲しかっただけなのに。

2021年04月04日 21時21分16秒 | タナゴ釣り

午前中の酒饅頭ツアーから帰宅した僕。天気予報ではこれから雨が降るとのことでしたが、ツアー中もほとんど雨には降られなかった。オマケに家から眺める空が明るいのです。いつもそうなのですが、我家は雨に嫌われます。今日も降らないのか?雨降りの釣りはカッパ着たりして面倒臭いですが、かといって降ると想定して釣りに行かなくて雨が降らなかったら後悔するに決まってます。ちょっと空模様を見てたのですが“大丈夫”と判断しました。で、タナゴにするか?ソウギョにするか?迷いましたが、今年は近所の川にソウギョが全く遡って来ません。多分下流の工事で、川はほぼ堰き止められていたので、それが大きく影響しているものと思われます。しかし、他のソウギョが釣れる川はちょっと距離があります。でも、時期的にはもう確実に遡がって来てるでしょうし、釣れなくてもそれを確認するだけでも価値はあります。しかし、もし雨が降って来たら餌のパンが濡れたりして厄介な事になります。で、またタナゴ釣りをすることにしました。が、問題は僕が入れる所があるかどうかです。コロナ前は全く問題なかったのですが、現在のタナゴ釣り人気は異常。多分雨が降るくらいではみんな来るでしょうし、雨が降っても帰らないでしょう。もっとも、僕自身もそんなにムキになっている訳ではないので場所がなければ辞めればいいだけと思って出掛けました。
 で、早速用意を整えて出発。案の定、人が居ない釣り場がありません。が、何カ所か回っていたら前回場所を譲った人が居ました。今日はしっかりいい場所で釣ってます。で、声を掛けるとビックリしたよう顔で振り返り、僕だと判ると立ち上がって腰を直角に頭を下げてくれました。で、前回の事を話してくれました。『僕が帰った後、頂いた鈎がハリスから根掛かりで切れてしまって。。。仕方なく市販品の普通の物を使ったのですが、本当に掛からなくなっちゃって。。。諦めて帰りました。』と。続けて『今日は砥ぎ鈎を買って来て釣ってみているのですが、やはり掛からず。どうしてもこの砥ぎ鈎をテストしたかったので、朝暗い内から来て場所取りして、ウキが見えるようになってからずっとやって、やっと先ほどつが抜けた所です(つ抜けとは一つ・二つ・と数えて行くと10でつではなくなるので、10匹を“つ抜け”と言います)。』と。そして間髪を入れずにあのハリス付きの鈎はお持ちでしょうか?もしお持ちでしたら数本譲っていただきたいのですが。・・・いえいえタダって事ではなく、1本5000円で売って頂けないかと。』って。「えっ?5000円でですか?・・・ちょっとぉぉぉ。僕がここに行き着くまでどれだけ苦労してきたか知ってますか?そしてどれだけの歳月と工夫を重ねて来たかご存知ですか?そんな、5000円でなんて・・・こないだも言いましたが、金で魚を釣ろうとしない方がいいですよ。釣り具メーカーが喜ぶだけだし、金持ちだけが釣れる釣りなんて面白くもなんともないでしょう?』ときっぱり断りました。僕の剣幕にビックリした表情で僕を見つめる彼。その直後「“タダでくれ”と言うのであれば話は違いますが。」というと一瞬キョトンとした後、ホッとしたような表情に変わって。。。『でもそれじゃぁ悪いから』と。鈎ケースを見たら6本ありました。で、3本を差し上げました。とても喜んだ彼でしたが、「こんな状態だとこの鈎がないと釣れなくなってしまいますよ。」と言うと『解ってます。前回釣りを終えて・・・あんな細い糸は作れないし、もし出来たとしても鈎に結べないし・・・でもやらなきゃ釣れないし。何とかするか?この釣りを辞めるか?の二者択一で悩んでます。』と。そして早速鈎を僕のに換えたら、パタパタと釣れはじめて。。。今まで掛けられないでいたって事は、朝からずっとコマセを入れていたのと一緒ですから魚が集まっていたのです。で、「隣でやっていいですか?」と聞くと『どうぞどうぞ。それよりこっちの方がいいですよ。』と言って彼の場所を僕に譲ってくれようとしました。で、「いえ、僕はこちらで結構。そんにムキになってませんから。」と伝えると『前回は僕が譲ってもらったので同じ事です。』と。でも丁寧にお断りしました。わざわざ遠くからいらして一生懸命やっている人の邪魔をしたくはありません。沢山釣って行って欲しいと願っているのです。
 その後色々な話をしながら肩を並べて2時間ほど。彼に大型の魚(多分フナか鯉)が掛かってハリスが切られたのを期に“もう辞める”と。3本差し上げたので他の2本を使えばいいのですが、彼曰く、一本は永久保存版で、もう一本は研究用なので使えないとのこと。僕もこれ以上差し上げることもないと思って、一緒に竿を畳みました。
 結局僕は36匹。彼は20匹くらいか?を釣ってました。前回はほとんど色がなかったのですが、今回は少し色が出て来たように思えました。

 今回、かなり彼を困らせてしまった僕。反省すると共に、彼には素晴らしくて奇天烈な工夫を凝らし、是非“いいタナゴ釣り師”になってもらいたいと願って止みません。


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