夢のあと

釣りには夢があります。夢を釣っていると言っても過言ではありません。よって、ここに掲載する総ては僕の夢のあとです。

アカムシ・タイリクバラタナゴ Part.13  一期一会

2015年11月01日 19時04分31秒 | 社会
今日も低迷。
とても寒い朝でした。日曜日ということもあって朝早くから対岸に人が入って来ました。この釣り場では珍しくちゃんと挨拶をして。
挨拶って先に入っている人がいたらするのは当たり前のことなのですが、どうしてするのかご存知でしょうか?
挨拶は人と人が出合った時に始めて交わすコミュニケーションです。初めて会ったその人に少なくとも“私はあなたの事を嫌ってはいません”という意味を持っています。例えばあなたが僕に“こんにちは”と声を掛けてくれたとします。そして僕がはフンとしたえ顔して黙っていたとします。もしくは聞こえていても黙っていたとします。とても感じ悪いでしょ。これは“私はあなたの事が嫌いです”という表現となるのです。こんな状態でのスタートではこの後に素敵な会話が成されるはずがありません。特に会話をも楽しみながら釣ることが出来るこの釣りにあっては、会話はこの釣りの重要なファクターです。挨拶が出来ない人は最初からこの素晴らしさを捨てているもったいない人です。そして上記のように相手に不快感を与えますので同釣者にとってもあまり気分がいいものではありません。あなたの“おはようございます”“こんにちは”は、釣り場を明るくしますし、釣りの楽しさの100%を可能にしてくれるものです。
 というわけで釣れない上に寒さで震えていた僕に、彼のさわやかな挨拶が心に暖かさをもたらしてくれました。対岸は正直申しましてあまり良いポイントではありません。それを知っているのか知らずか?はたまた僕に遠慮しているのか?は僕には分りませんが、やはりあまり釣れていないようです。僕もまったくの素人ではありませんから、その人の道具立てや釣り姿から発せられっるオーラから結構なレベルに達しているタナゴ釣り師である事は分りました。そこで『こちらでやられたらいかがですか?そっちよりこちらの方が釣れますョ』と声を掛けました。僕が釣っている場所は型狙いの場所ですので、数狙いのチビバラを釣るのには最高の葦際は彼が使っている短竿にぴったりだったからです。すぐにこちらに来た彼は予定通りバシバシ釣り出しました。県央からわざわざ来たとのことですから沢山釣って満足してもらいたいものです。砥ぎ鈎にグルテンというチビバラ使用の彼です、案の定ほぼ入れ掛かりです。僕だとすぐに飽きてしまう釣りですが、彼は『良型が多い』と言いながら喜んでいます。タイリクバラタナゴ釣り師によくある光景ですが、やはりグルテンサイズばかり。小物釣りの極に位置するこの釣りは小物を釣ることをよしとする釣りですからこれが本道です。でも、僕はそういう釣りはあまり好きになれません。釣りが単調過ぎます。道具に頼る釣りっていうことも面白くありません。子供たちを傷付けて楽しいのでしょうか?皆様の子供が傷付けられたら悲しいでしょ。要はそういう釣りを見ていると幼児虐待に見えてしまうのです。小物釣りの極めのタイリクバラタナゴ釣りでも、一匹でいいから大型(親。つまりは老成魚)を釣るって方がなんとなく許されるのではないかと思えるのです。砥ぎ鈎+グルテンは小型がターゲットですから、その仕掛けの関係上どうしても大型はバラすことになります。つまり大きいのは釣り辛い、もしくは大きいのだけをバラす釣りです。僕がこの釣り(砥ぎ鈎+グルテン)から離れたのも、手が荒れるってこともありますが、それは工夫次第で何とでもなりますから、それだけではなく、一番大きな理由はここにあります。
 小物釣りにあって大物を狙うっていうのは可笑しな話なのですが、人の嗜好ですからこれまたヨシなのではないかと思っています。勿論、大物を狙ってたって小物が掛かってしまう事も多々あります。それでも狙った通りの大型が来ると・・・なんか嬉しくて。数釣りをしている人はどこで喜ぶのでしょう?良型が釣れたといってもそれなりのサイズです。大型を狙うのでしたら少なくとも鈎は砥がないでしょう。ですから型狙いでないことは明らかです。数を沢山釣るのが喜びだといっても、こういう人って何匹釣ったかちゃんと数えている人に出会ったことがありません。あくまでも感覚で何十釣れたとか何百釣れたとかそんなレベルです。何を喜び何を目標として頑張ったらいいのか?がまったく解らないことが僕に解らないからそういう釣りに興味が沸かないのかもしれません。いずれにしてもかなり上手な人でしたが、あまりやろうとは思えない釣りでした。

 そんな釣り師と竿を共にした僕ですが、会話は楽しかったです。釣りの種類が違っても同じ魚をターゲットとしているわけですからその会話の中には沢山のヒントが隠れています。その他の釣りの話や釣り以外の話など。話に夢中になっていると釣りがおろそかになります。前回までの紹介でも書きましたが、アカムシ・タイリクバラタナゴは微妙な竿操作が必要になります。他に気をとられていたら釣りになりません。僕がもっとこの釣りを極めていて、話しながらでもいい竿操作が出来るようになっていればいいのですが、まだまだスタートに立ったばかりの僕ですから話してたらタモロコ・モツゴ、そして鮒といった外道のいいターゲットにされてしまいました。話を始めた頃から急に外道ばかりになってしまったのでそのことははっきりと体感できました。結果は画像のように36匹と大低迷。でも、このことが解っただけでも今日は貴重な知見を得ました。

 明日は大荒れの天気とのこと。行くか行くまいか迷っています。彼の釣りを見せていただいて・・・閃いた事もありますし。。。