せつなく朽ちた鉄扉

雑草地帯・日記部門。硬軟色々取り混ぜて、よろず話題の書き捨て場。
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もう一度ガソリン精製能力を計算してみた。

2011-03-22 23:35:13 | 雑談雑感

昨日、ガソリンの需要と供給について概算してみましたけど、供給側の計算が色々間違っていたので、再度計算してみます。

昨日の記事で大きく間違えていたのは2点。

  1.四日市は関東じゃない!(笑)
  2.ガソリン精製方法は「分解ガソリン脱硫」だけじゃない!

1はまぁバカがバカを露呈したというところですが、2はちょっと不勉強でした。
出光興産のページによると、ガソリン精製には3ルートあるんですね。

  ・分解ガソリン脱硫
  ・ナフサ接触改質
  ・アルキレーション

昨日は「分解ガソリン脱硫」の能力しか計算しなかったので、露骨に供給不足という結果になった訳ですね。(汗)

ということで、この3つの値を合わせて、再度計算してみました。




極東石油工業 千葉0.67
出光興産 千葉 0.49
東亜石油 京浜 0.49
鹿島石油 鹿島 0
富士石油 袖ヶ浦 0.56
コスモ石油 千葉 0
東燃ゼネラル 川崎1.61
新日本石油 根岸 1.16
合計 5.12


※数値の単位は「万キロリットル」


各社名は数値の基となった石油連盟のデータ(Excelファイル)によるものです。現在は社名が違うものもあります。
鹿島石油の鹿島製油所とコスモ石油の千葉製油所は操業停止中なので0になっています。また、富士石油の袖ヶ浦製油所は昨年に常圧蒸留装置を削減している(PDFファイル)ので、この数値は石油連盟のデータの73%にしてあります。


で、ご覧の通り、関東の製油所の供給力は1日5.12万キロリットルと出ました。

昨日、関東の需要が一日だいたい4.9万キロリットルとしましたので、確かにフル操業で1日分の需要を満たせる事になりますね。一応報道の通りでしょうか。

ただ、余剰は5.12-4.9=0.22万キロリットルしかないので、昨日推測した「不足分は5日分の需要、25万キロリットル」を満たすには、なんと113日かかる計算になってしまいます。これは辛い。
但し、コスモ石油の千葉製油所が復活できれば、6.18万キロリットルの供給が可能ですから、この場合は19日で潜在需要に追いつくことになります。ということで、今はこの製油所の復活をちょっと期待しておきましょうか。

 ( まー復活したらしたで、半年程で供給過多になりそうですが……。 )

ちなみに、操業停止中の室蘭、仙台、鹿島、コスモ千葉の製油所を抜いた全国のガソリン精製能力は、15.2万キロリットル/日くらいにになります。昨日の推測どおり、全国需要が1日14.7万キロリットルとすると、やはり全国的にもほぼギリギリという状況になっています。

恐らく東北の潜在需要は関東よりずっと悪く、10日分以上でしょう。津波の被害で車の台数も減っているでしょうから実際には見当がつきませんが、東北のガソリン需要が落ち着くのは、かなり先になるかも知れません。



なお、現在は各製油所とも大増産中らしいので、この数値より多めに生産できている可能性は充分にあります。どの程度かは分かりませんけど、少なくとも収拾まで113日ってことは無いでしょう。

自分で計算しておいて何ですが、本当にこんなに長引いたら政治問題になりますから、輸入して帳尻合わせますよ、きっと。(苦笑)