命削ってまで晩節を汚さなくても良かった気がするけどなぁ……。

さっさとキャスター降板して早期に闘病に入っていれば、もうちょっと良い評価で、もうちょっと長生きできただろうに。

　■筑紫哲也氏が死去　「ＮＥＷＳ２３」メーンキャスター　(Yahoo!ニュース:産経新聞)
　■筑紫哲也さん死去　「キャスター」お茶の間に浸透　(Yahoo!ニュース:毎日新聞)

この人の事はNEWS23に出てきてからの事しか知りませんが、充分過ぎるくらい印象的な人でした。

２０世紀時代のNEWS23の筑紫氏は、大好きでした。
元々NEWS23が当時絶頂期だったニュースステーションに対抗する形で始まったせいか、やたら表面的に批判を繰り返すニュースステーションに対して、物事の多面性を中心に据えて解説するNEWS23の姿勢は、大人のニュースというか、ようやくまともなアンカーマンが日本にも出てきたと感じさせてくれるニュースでした。

元々左寄りな人だってのは分かってましたし、そんな感じも滲み出ていましたけど、最初の頃は、まだ中道志向の報道でした。

２１世紀に入ってからの筑紫氏は、なんつーかもうどうしたものだか。
ニュースの中でもすっかり取舵いっぱい、左進行な人になっちゃって、さらに持論を無理矢理捻じ込むようなコメントを連発するようになって、見ていて余りに痛々しかったです。もはやNEWS23はニュースではない、筑紫哲也ショーだ、というところまで堕ち果てても絶対に椅子から降りなかった彼。晩年はすっかり目が曇っていた気がします。

丁度世の中が右傾化してきたり、ネットでネトウヨの声がやたら大きくなってきたりしたのと比例しておかしくなっていった気がするので、中和の為に劇薬に劇薬で対抗しようとしたんでしょうか、それとも単に意固地になっただけだったんでしょうか。今となってはもう分かりませんけれど。


そんな訳で、アンカーマンとして大好きでしたけど、同時に大嫌いでした。
きっと自分の一生かけても、この人の評価は自分には答えが出ない気がします。

とにかく、闘病お疲れ様でした。
ごゆっくりお休み下さい。