せつなく朽ちた鉄扉

雑草地帯・日記部門。硬軟色々取り混ぜて、よろず話題の書き捨て場。
なおAdsenseはgooが勝手に出してるだけ。

所詮は赤字ローカル線

2006-06-08 01:08:06 | 宇宙、航空系
思うのだが、有人宇宙飛行というのは、赤字ローカル線みたいなものではないだろうか。


普通の交通機関というものは、街Aから街Bまで人やものを運ぶ。双方の街が大きければ大きいほど、交通機関の利益は大きくなるが、一方、もしくは両方の街が小さいとなると、利益を出すのは難しくなる。

宇宙に人を運ぶというのは、今のところ、目的地が国際宇宙ステーションしかない。せいぜい運んで数ヶ月に数人か。それ以外には遊覧飛行だけだ。これではコストがかかる割りにニーズが低いという、まさしく赤字ローカル線状態だ。

で、今までのところ、赤字ローカル線を国や自治体が立て直せたという話を聞いたことが無い。


ということで、有人宇宙飛行は国より民間がやったほうが良いと考えている。(爆)

#極論? 結構真面目に考えたんだけどなぁ。


まぁ、宇宙飛行が本格的になるのは、宇宙に産業が出来てからだろうなぁ。
民間宇宙ステーションなり、工場なり。ビジネスで宇宙に行くようにならないと。

それまでは観光主体なんだから、やっぱり民間でやってた方がいいような気がする。

「松田は日本の人間の宇宙飛行を見くびります。」

2006-06-08 00:34:31 | 宇宙、航空系
今度は宇宙開発のあんまり良くない話。
 
■Matsuda Plays Down Japanese Human Spaceflight
(SPACEDAILY:英語)

英語は全然ダメなので、うほmoon先生に翻訳して頂きました。
 
■松田は日本の人間の宇宙飛行を見くびります。


これは松田岩夫・内閣府特命担当大臣(なんだそりゃ)がアメリカで話した内容の記事らしい。

記事としては「日本は独自で有人飛行をする気が無い」という方向なんだけど、読んでみると、どうやら話はそれだけに留まらない様子。

 ・ロケット開発は最優先事項
 ・月、火星探査より地球周回衛星(商業or探査衛星)が大事
 ・宇宙開発は、日本の競争力を維持するための柱の1つ。
  → 少子高齢化対策や、脱石油化と同列の扱い。

どうやら、この大臣にとっての宇宙開発というのは、直接的に、社会や経済に見返りのあるものにのみ価値がある、という物らしい。
いかにも小泉内閣、財政再建途中の国の大臣の発言だと思う。税金は国民の生活のために。最低限の投資で最大限の効果を、という訳だろう。

確かにその考えにも一理あるのだが、問題は、その考えのために切り捨てられるものの重要性だ。

 ■「はやぶさリンク」:イオンエンジンは無事、サイエンス誌で特集(松浦晋也のL/D)

はやぶさ関係の記事だけど、読み進むと予算不足と認識不足にあえぐ現状を嘆く内容になる。
同じ松浦氏が日経BPで書いた記事がこちら。

 ■松浦晋也の「宇宙開発を読む」(日経BP)

既に予算はJAXAという組織を昔のまま維持できる状態に無い事が分かる。
汚く例えれば、1切れのパンを殺し合いで奪わせるような、そういう組織状況だと言えよう。一番弱い、一番味方の少ない奴から死んでゆく。JAXAなら、それが科学探査衛星や有人飛行計画という事になるのだろう。

まぁ、確かに有人飛行は国がやるべきものではないと思う。民間がやるべきだ。

しかし、科学探査、特に深宇宙探査はそうは行かない。通信のための巨大な設備、海外(特にNASA)との連携、タイムラグを持つ状態での管制。どれも特殊なノウハウが必要だし、そんなノウハウは国家機関しか持ち得ない。

確かに経済的には貢献するものは少ないかも知れない。しかし、学術的には大きな進歩をもたらし、理学研究を活性化してくれる効果がある。その見返りは遅いかもしれないが、きっと10年後、20年後に有能な人材を多数輩出という形で返ってくるはずだ。

だからこそ、現状には失望を禁じ得ない。
探査衛星は止めるべきではないと思う。

どうせ止めるなら、「きぼう」モジュールの方が先だと思うのだが。