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気ままな毎日を綴ります。

実家

2022-01-10 | 家族

引っ越そうと思うんやけどいいかな。もう随分前のことです・・・。
兄が仕事の都合で街中に引っ越すという。実家は長男の兄が継いだ。
お兄ちゃんの好きなようにしたらいいよと返事した。
私と妹がどうこう言えません。でも正直あの家が無くなるのは残念だった。
亡き両親の思い出がいっぱいあるからだ。
息子たちも、おじいちゃんおばあちゃんに繋がる思い出の家。
今でも時々話に出てくる。

南向きの坂の中腹、2階の窓からは瀬戸内海が見えた。
淡路島が見えて今思えば抜群の環境だった。
私の憧れは海が見える家に住みたい~きっとここにあるのかも知れない。
この家は、両親が新婚時代に私の祖父が買ってくれたそうです。
神戸の西の端で隣は明石市。街中からはやはり不便。

この家は、たったひとつの夫の設計した個人住宅だった。
それが、この世から無くなってしまった。残念ですね。
・・・40年も前の話です。平屋から2階建てに建て替えました。
何を思ったか、父が婿殿に是非設計してほしいと無茶な注文を。
設計は専門外なので、設計事務所に勤めている友人にアドバイスをもらいながら、
父の希望通りの設計図を夜な夜な書いていました。
人が集まることが多かったので、二間続きの人が集まれて葬式も出せる家。
実際に父と母はこの家から見送りました。
何より母が喜んでくれたのはトイレを洋式に、水道の蛇口を上下式に変えたこと。
今では当たり前ですが、リューマチで手足の悪かった母が
本当に喜んでくれました。夫のお陰で少し親孝行が出来ました。

縁もゆかりもない街中に住む兄の家は「実家」の思いは皆無です。
でも家具や食器には実家の思い出があって懐かしくなる。
この珈琲茶碗まだ使ってるんやね~。
正月に兄の家に集まっていたのも、いつしか無くなってしまった・・・。
この年齢になるとあの家が懐かしい。

夫の家は義弟が継ぎ、義弟が亡くなった後は甥が継いで健在です。
夫が子供のこ頃から育った時のままありますよ。
甥の代になり行くことも無くなり、特に思いは無いようです。

息子たちが、ただいま~と帰って来る家。
孫たちが、じいじばあばと遊ぶ家。
ここが息子たちの「実家」です。
いつまでも元気でお帰り~と言ってあげたい。
この家も継ぐ者がいないので、いつかは無くなる運命ですが。