金融マーケットと馬に関する説法話

普段は資産運用ビジネスに身を置きながら、週末は競馬に明け暮れる老紳士の説法話であります。

【金融】平穏なマーケットが続くと・・ 仕掛ける側の理由

2019-04-22 07:36:35 | 金融マーケット

 久しぶりに、金融マーケットに関する説法話を一つ。

 新年度に入ってから、比較的平穏なマーケットが続いています。背景の相場環境はここで語るまでもなく、やっぱり好調な米国企業業績(トランプ減税効果が剥げた分を除くと、やはり堅調と評価できます)や、米中関係・北朝鮮問題も極端な解決法に向かう可能性が低く、危機感覚が和らいでいることがあります。

 しかし、このような平穏なマーケットが続くと困ってしまう資金があります。相場の動きに乗りながら利益を積み上げていくタイプのヘッジファンドや、イベント発生時あるいはイベントへの備えのためのポジションとして存在しているタイプのファンドなどです。このような輩は、マーケットが静かになり切ったところで「仕掛け」に出ます。年末年始で為替を動かしにいった仕掛けも、彼らの動きだったと言われています。

 市場のセンチメントというのは面白いもので、平穏なマーケットに突如嵐が吹き荒れてくると、慌てふためく心理が働きます。また、ボラティリティに連動するオプション価格が急騰することも、この混乱に拍車をかけていきます。彼らはマーケットを混乱させるだけ混乱させておいて、この機に乗じて、各方面のマーケットでレバレッジを利用した利益を取りに来るのです。

 日本では、今週土曜日からいよいよ10日間の連休が始まりますが、こうした機会は彼らにとっては千載一遇のチャンスなのです。日本勢がリスクヘッジのため、買い持ち売り持ちのポジションを減らすタイミングを待って、仕掛けてくると思います。


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