久しぶりに品質の良い邦画を観ました。とはいっても、WOWOWで観ましたので、封切り映画ではありませんが‥。
ピアノの調律師としてプロフェッショナルを目指す若者が主人公です。弾き手・聴き手の要望をベストのバランスで実現していく職人技と、森の中で育った主人公が独特の感性で、澄み切った音をさらに深みを与えていくプロセスが、観る側のハートまで、まるで洗い流してくれるようで、大変心地の良い映画でした。
ピアノの音に対する拘りはもちろんですが、音の背景にある映像表現も素晴らしく、北海道という舞台設定と併せて、しばらく余韻に浸れる映画でした。
なお、主演の山崎賢人も良いのですが、上白石萌音・萌歌の姉妹が素晴らしく、特に繊細な精神の持ち主を丹念に演じていた、姉の萌音の存在感が特筆されます。
ちなみに「羊」とはピアノの弦を叩くハンマーの先のフェルト部分、「鋼」とはピアノの金属弦のことだそうです。