「富者の傭兵」か、「われわれ」の世界か、それとも「同一労働、同一賃金」という世界が良いのか。
サークルでの飲み仲間の一人がサラリーマンを辞め、小さな会社を立ち上げたのですが、サラリーマン時代はかなり「富者の傭兵になるべきか、われわれという仲間に浸るべきか」で悩んだようです。
彼は、「今、起業しても厳しいと分かっていたけど、虐げ、虐げられ、押し付け、押し付けられしている内に、一人二人と兵隊が会社を去り、残された人間で凝りもせずまた待遇面での奪い合い。
こんな事で人生終わって良いのかな」と思い、独立したと言ってました。
独立には飲み仲間も協力
オーナーはいいお客さん、人脈を紹介し、不動産マンは場所の情報を提供し、ロトマンは知り合いの銀行員を紹介。私はITマンを紹介しシステム構築に協力。
補い合うと簡単に出来ちゃったって感じです。
どの世界にも一長一短はあると思いますが、「分かち合い」の経済学 (岩波新書)の本の161、162ページに「同一労働、同一賃金の確立」の良さについて印象に残る言葉がありました。
以下、本文より引用
「このように賃金も社会保障給付も同権化されると、企業の労働費用が高まり、雇用の確保が困難になると批判される。しかし、私たちが生を受けている時代が歴史の「峠」であることを忘れてはならない。より人間的な社会へと産業構造を転換させるためには、三つの同権化が必要なのである。」
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「分かち合い」の経済学 (岩波新書) |
岩波書店 |
内容(「BOOK」データベースより)
貧困や格差は広がるばかり。この「危機の時代」を克服するには、「痛み」や「幸福」を社会全体で分かち合う、新しい経済システムの構築が急務だ。日本の産業構造や社会保障のあり方を検証し、誰もが人間らしく働き、生活できる社会を具体的に提案する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
神野直彦
1946年埼玉県生まれ。1981年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。大阪市立大学助教授、東京大学教授、関西学院大学教授などを経て、東京大学名誉教授、地方財政審議会会長。専攻は財政学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
目次
第1章 なぜ、いま「分かち合い」なのか
第2章 「危機の時代」が意味すること―歴史の教訓に学ぶ
第3章 失われる人間らしい暮らし―格差・貧困に苦悩する日本
第4章 「分かち合い」という発想―新しい社会をどう構想するか
第5章 いま財政の使命を問う
第6章 人間として、人間のために働くこと
第7章 新しき「分かち合い」の時代へ―知識社会に向けて