以下の記事に「体内時計は親時計(脳)が自律神経を介して子時計(全身の細胞)をコントロールしています。」「真っ暗の環境で寝ることが、いかに大切か」と書かれています。
なかなか体内時計をコントロールするのは難しいですよね。
夜間に働く人が体内時計を誤作動させない方法
◎当直日は夜食抜きで1時間でも仮眠を
今回は夜間に働く人のために「体内時計」の誤作動が少しでも起こりにくくするための方法についてお話しします。
NHK特集『病の起源』で、なぜ、がんという病気が増え続けているのかを放送していましたが、それは夜中に仕事するようになってからだと結論づけています。シフトワークを本職とされる方は、長期的には体に相当な負担がかかるということをまず認識することが大切です。
シフトワークは、大きく3タイプに分けられます。Aタイプは通常勤務に加え、定期的に夜勤業務がある方。医者がこれに該当します。当直明けの勤務は、通常勤務ですので体力がいります。Bタイプは昼夜逆転タイプで、タクシー運転手さんやプロ野球選手など。Cタイプは、時差ボケが不定期に起こりやすい環境で仕事をしている方。パイロットや客室乗務員、マスコミに多いタイプです。
Aタイプの方は当直日もふだんの生活スタイルが基本です。夕飯が19時なら当直日も19時に食べる。大事なのは、夜食は一切食べないこと。夜中にお腹がすいても、いつもの朝食時間までガマン。口にしていいのは、水だけです。もしパートナーがいたら、1時間でもいいので交代で仮眠を取りましょう。それもメラトニンの分泌が最大量になる22時〜2時のゴールデンタイムに真っ暗なところで。体内時計の誤作動を少しでも抑えることがポイントです。
◎真っ暗にして寝るのが大切なポイント
次にBタイプ。朝方に寝て、昼に朝食、19時頃に昼食の方。夕飯の時間は2案あります。お腹がすく真夜中に食べるか、仕事が終わった明け方に食べる。ポイントは「分食」。つまり、おかずのみにして、炭水化物抜きです。どうしてもお腹がすく場合は、リンゴやバナナ、ゆで卵を食べます。大切なポイントは、真っ暗にして寝ること。遮光カーテン+アイマスクをおすすめします。
CタイプはAとBの応用です。まず、睡眠時間を確保すること(7時間前後が理想的)。そして、必ず真っ暗にして寝ることです。食事は、なるべく規則的に1日3食(1食は分食)を心がけましょう。どんなに忙しくても、バナナ1本でいいのでお腹に入れる。1日のトータルカロリー摂取量は標準カロリーを超えないよう意識しましょう。
体内時計は親時計(脳)が自律神経を介して子時計(全身の細胞)をコントロールしています。親時計が、子時計をチューニングしてくれるのです。親時計は「睡眠」と「光刺激」によってコードされていることを考えると、睡眠時間の確保、真っ暗の環境で寝ることが、いかに大切かがおわかりいただけるかと思います。
齋藤真嗣医師
さいとうまさし/1972年生まれ。ニューヨーク州医師。専門は、腫瘍内科・感染症。著書に70万部超の『体温を上げると健康になる』。