貧困の連鎖と言う言葉がある様に、逆に豊かさの連鎖というものも当然あるだろう。
人は生まれる環境を選べない。どんな家に生まれるか？によってある程度その後の
人生は左右されると思う。しかし、それが全てではないとも思うのだ。
友だち2人と食事した。私が年末にコロナの濃厚接触者になり（陰性だったけど）、
年末年始おとなしく自宅待機していたことを、たまたま他の友人から聞いて知った
Ｍが電話をくれ、話しているうちに久し振りに会おうかと。
もう1人Ｓを誘って3人で、ゆったりしたところでと、ホテルの日本料理店で、個室で、
大きなテーブル挟んで1人と2人向かい合わせに三角形に座り『遠いね(^^;』などと
言いながら久し振りの対面を喜ぶ。
お店はとても空いていて、他にお客さん居るの？状態だったけれど、食事をしながら
話をしていて、ちょっと興奮すると『声デカいよ』等とお互い注意しながらお喋り。
6時に始まり8時には別れた。あっけないみたいだけれど、それでいいのだ。
元気な顔が見れればいい。
子供や孫の話と共に、昔の懐かしい話なんかも出て親の話もする。
Ｍは年1に旅行に行くグループで、Ｓは月1の6人会の中の1人だが、皆知り合い。
同じ学校で8年一緒に過ごした仲だ。
私たちは比較的恵まれた環境で育った方だ。独身時代の境遇は似たり寄ったり。
話をしていてつくづく思ったのは、私たちの親も又、結局ぼんぼんでお嬢ちゃま
だったということ。凄い話がボンボン出て来る。昔ねぇ・・・。
ただ、裕福なお家であっても、それを維持・継続して行くと言うことは並大抵の
ことでは無く、大変なことでもある。
私たちは、自分たちが親にしてもらったと同じ事を自分たちの子どもにしてやれて
いるか？と聞くと、ほとんどが”No！”と言う。時代も違うし仕方ないのかも知れない。
生まれ育つ環境・境遇は自分で選べるものではないので、たまたまそういう星の元に
生まれたことは有難いことだとは思う。でも皆それに胡坐をかいて来たか？
違うよ。
お見合いならそれなりのお家に嫁ぎ、恋愛でもそれなりの人と結婚し、決して最初は
苦労なんかとは無縁の結婚をしたかも知れない。でも何の努力も苦労もせずに、今が
有る訳ではないだろう。大きな家に嫁げば舅・姑・小姑がつきもので苦労するし、
商家では身体もしんどくて大変だ。皆弱音を吐かずに頑張って来たのを見て聞いて
知っている。壮絶な話も有る。皆本当に強い。
専業主婦ならプロ並みの家事能力だ。家がキレイでお料理の腕は抜群！ご主人の
愛してやまない奥様だ。（夫・妻 と言わないところがワタシ古いんだろうね）
独身は友人と会社を興し大きくし数十年。最終的には創立メンバーの１人として
経営陣として残った。どれほどの努力と工夫と我慢をして来ただろう。
かくいう私？私は夫婦別れして泣きそうな気分になったのはほんの一瞬だった。と思う。
堕ちてなるものか！のなにくそ精神で生きて来た。あの時代、離婚を恥と思う古い
感覚の親は冷たかったが、義姉や兄に助けられた。感謝している。だから私は義姉には
足を向けて寝られない。大事にする。お年玉に10万円あげようと、今なら安いこっちゃ。
真のハイソサエティとは、こんな苦労や努力とは無縁の、ゆったりとした時間の流れる
本当に優雅な生活なのかも知れない。でも私ら程度の裕福さは、努力や根性と背中合わせ。
皆が皆、のほほんと生きて来た訳では決してないだろう。
何が言いたいかと言うと、確かに親も豊かだったし自分らも良くしてもらった。
豊かさの連鎖も確かに有りはするだろう。だけれどだからと言って何の努力もせずに
その恩恵に与るだけでボーっと生きて来た訳じゃない。その豊かさを守る為に皆努力を
し、頑張っても来た。最初はちょっと得だったかも知れないけれど、その後の人生は
自分たちの努力の結果だよと言うこと。
私は、その金銭的だけではない、色んな意味での豊かさを失わずに生活している、
自分の姉兄にも友だちにも敬意を表したい。みんな偉いよと。人に言えない苦労も
あったに違いない。でも皆あっけらかんとしているよ。
守るってことも大変なんだ。言い換えれば堕ちようと思えばすぐにでも堕ちられる。
気を抜けばすぐにダメになる。油断なんか出来ない。そこにはやはり大きな努力が
伴うってこと。
だから、逆に、大変かも知れないが、困難かも知れないが、貧しさの連鎖からも
抜け出せることは可能なのではないか？と思う。本当の貧しさを知らない人間が
何を言っている！？と言われるかも知れない。確かに、その泥沼のような世界が
あるとしたら、本当には理解出来ていないのだろう。
でも頑張れば、努力すれば、その努力もハンパなものじゃないかも知れないが、
今よりはマシな世界があると言うことを知って貰いたいとも思う。甘い？
頭使って体使って心使って、皆生きているんだよ。