意外 Accident






2009年11月23日

意外 Accident  香港 2009年

監督:鄭保瑞
出演:古天樂、任賢齊、馮淬帆、葉璇、林雪



異色なやり方の殺し屋(ルイス・クー)が絡め取られてゆく極上の心理サスペンス。
ジョニー・トーが製作を手がけ、
香港のロケ撮影も冴えて抑制のきいた静かな不穏さの奥に真実が潜む。
ヴェネチア映画祭コンペティション上映。

以上 FILMeX公式サイトより 





冒頭の事故が起きるまでの見せ方がうまいので、映画に引き込まれてしまう。
ルイスたち4人は殺人を請け負って、事故に見せかけて対象を殺す。
「意外」とは英語訳のように日本語では「事故」の意味。

ルイスたちは綿密な調査と準備を行い、どこにも証拠を残さない。
実行に移す時も慎重さは同じで、少しでも想定と違えば実行には移さず撤収する。

そこまで慎重になる主人公は、ある日の依頼の現場で起きた仲間の交通事故を見て、
事故と故意の区別がつかなくなる。
「これは事故?これは謀殺?!(是意外?是謀殺?!)」
海報の言葉がその通りに主人公の心の中に浮かぶ疑念なのだろう。

少しずつ追い詰められていく主人公がだんだんと心のバランスを崩して
物語はサイコサスペンスの様相を呈してくる。
後半は殺人を犯す過程ではなく、心理描写とその結果だけになり、
やや、その手の映画作品と同じような表現が目につきちょっと冗長になって惜しい。
最後の事故の見せかける仕組みだけはタイムリー(香港公開前の時期)なもので
これは今年撮影していた、という恩恵か?
でも最後の結末は予想通り。
これはあとで聞いたところによると大陸の公開などを視野に入れると
こういう選択になってしまうのかもしれないけどもう少しひねりのきいた結末を期待した。

とはいうものの、香港の街をロケに存分に使った撮影はかなり見ごたえがある。
やはり杜峰プロデュース作品だなぁ…




雨の中の決行シーンも印象的だが、気になったのは乗り物のシーン。
やっぱり、オクトパスは使わないのね。そんなところに感心してしまう私って(笑)




↓馮淬帆(スタンリー・フォン)って最初観たことある俳優さんだなって思ってたら、
後で聞いたらたくさんの映画に出ている香港のベテラン俳優で、言われてみれば
《男たちのバッカ野郎》《五福星》などなどコメディ映画にいっぱい出ていた。
かなり年配になっていて、しかも役柄が○○○になる、ということで
最初はわからなかった。




↓これは今年9月に中環で撮った写真。
映画の後半でこの道路に書かれた標識が出てきたのでついでに(笑)
出てきたのは『望 左 LOOK LEFT』だったので惜しいけど。




↓TRAILERも貼りつけ。



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
Unknown (やっほー)
2009-11-28 22:25:03
無駄のない、緊張が緩まない、素晴らしい作品でした。

そう!あ、オクトパス使わないんだ、やっぱりってあたしも思いました。
家輝さんも使ってませんでしたね。

もはや使わないのは、はじめての旅行者か、犯罪者くらいか(笑)

望左は気付きませんでした・・・。
もう一回DVD、見てみます。
 
 
 
やっほーさん (亜美)
2009-12-01 17:26:02
頭から緊張が続くので、後半がちょっと惜しいのですが、大陸公開とかを視野に入れたりすると、
仕方ないかもしれませんね。

オクトパス、やっほーさんも気づかれたんですね。
《跟蹝(天使の眼、野獣の街)》でも雪ちゃんの足がついたのはコンビニで使ったオクトパスからだったから、犯罪者は使わないですよね。
私たちは旅行者だから、しっかり使っちゃいますけど。
「望左」確認してくださいね~
 
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