GF*BF

GF*BF 《女朋友。男朋友(GF*BF)》

久し振りに映画カテゴリー更新(というかブログ更新も久し振りw)
シネマート六本木で観賞

昨年の大阪アジアン映画祭で評判がかなりよく観たいと思っていた作品で
東京では昨年5月の第4回AQFF・アジアンクイア映画祭で上映された作品。
この上映時に初めて観賞。今回の一般公開では字幕も一新されていて
より深く作品のテーマを表すようになっていた。

作品のストーリー等詳細は公式サイトでどうぞ

この作品はかなわぬ想いを抱いたままの27年間の3人の男女の物語。
愛情をぶつけ、想いを伝え、それでもかなわぬ気持ちをどうやって自分の中で
収集して消化していくのか。
気持ちを隠し、相手を思いやり友を助け尽くしていても、報われないいらだち。
若い頃、そんな思いを抱いた事のある人は多いのではないか?

台湾の1985年は戒厳令下の時代。
高校生だった3人、美宝・心仁・忠良はすれ違う想いを持ちながらも
多感な時期を厳しい社会状況と家族、高校でのささやかな抵抗と
3人での無邪気なふれあいや美しい自然の中で深い友情と共に過ごしていた。
1990年、民主化運動盛んな頃は3人の関係にも微妙なずれが生じてくる。
新しい世界がそれぞれに広がってくる。
2000年台、再会した3人はかっての美しい自然の中で過ごしていた無邪気な関係は
消え去り、無彩色の世界の中にどっぷりとはまり、身動きが取れなくなっていた。
美宝の姿に自分を重ね合わせ、「鏡を見た。」と言った忠良。
その時社会人になって色がなかった自分を変えたかったのか
学生時代に美宝からもらった赤いチェックのシャツを着て今の恋人に別れを告げる。
美宝と心仁も二人の世界を貫き通すのには、あまりにも過酷な現実が。

時を経て、かわいらしい双子の姉妹の父となった忠良は
二人を心血をそそぎ深い愛情を持って育てた、と言った。
若い頃の何物をも恐れぬ行動は、年齢を経て深い後悔となって
心の中に溜まっている。過ぎ去った過去は後戻りはできない。やり直しも効かない。
苦い思い出ばかりが心に残っているが忠良は
姉妹を育てることで、過去にとらわれず未来に目を向けることが
できるようになったのではないだろうか。
観ている自分も同じように過去にとらわれず
新しい希望を持ちなさい、と言われているような気がした。
せつなさ、苦さ、痛み、優しさ、悲しさ、いとしさ、全ての感情がが心に響く作品。

台湾の緑あふれる豊かな水の渓谷、
高校の水泳部の水のはられたプール、
共同生活を送る屋敷の庭の豪華なプール
昔の高校のプールを訪れるもそこには水のはられていないプールが印象的。

パンフレットも内容充実の『GF*BF』はシネマート六本木他で公開中。


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