クラシックで笑いを取るまでの道

昨日はスギテツのコンサートに行きました。スギテツコンビを知らない方へはこちら:
【小学校の芸術鑑賞会（学校公演）】スギテツ・スクールコンサート・ダイジェスト

　　　　←ネタに走るのってけっこうハードル高い

この動画の冒頭にある、「剣のずいずいずっころばし」は昨日の演目にも含まれていました。クラシック音楽を何か別の音楽と混ぜるアレンジは鉄板ネタで…あ、ネタではなく作品と呼ぶようにと鉄平さんはおっしゃってましたが、しかしここは尊敬をこめて「ネタ」と。

ふつう、クラシック(←純粋な)のコンサートに行くと、客席にいる人はじっとしてしぃーんとして聞いているのが基本ですが(アクション起こすのは拍手のみ)、イキのいいネタに会いますとこれは笑わないということも難しいので、客席から笑いも漏れます。そのうち慣れてくると(?)そんなに押し殺さないで笑っちゃう感じですね。これぞスギテツコンサートという感じです。

「混ぜる」ネタ曲というのは、スギテツに限ったことではないと思いますが、混ぜ方(アレンジ)と演奏の両方が絶妙で、またピアノとバイオリンという、小回りも効きカバー範囲も広いという構成がいいのかもしれません。かなりクォリティーが高いと思います。

かなり長時間のコンサートでしたが目まぐるしく楽しくあっという間でした。

昨日のコンサートは、他アーティストとのコラボが多かったのですが、これも「混ぜる」の別の軸ですね。

登場した人は、

・チェリスト(「世界の車窓から」の人)
・歌(「高音オペラ魔女」の人)
・栗コーダーカルテット(「ピタゴラスイッチ」)
・弦楽アンサンブル

で、スギテツ入れると総勢11名ということになります。杉並公会堂、一階席は埋まっていましたが、二階席は演出上の都合で空で、スクリーンとかその他だいぶスタッフさんも必要で、儲けがたいしたことないなぁとか心が汚れっちまった大人はつい考えてしまいましたが、ほんとにこの軸でいって「混ぜる」ってのはコストかかります。

もちろん大人数で分配しなきゃいけないということもそうなのですが、「剣のずいずいずっころばし」のようなネタならばスギテツのコンサートいつでも使用可能なところ、他アーティストのコラボ曲はいちいちそれ用にアレンジしたり合わせ練習したりしなきゃいけないわけで。

たとえば「栗コーダーカルテット」は、あの脱力系サウンドが魅力ですが、そこを生かして、
ベートーベン交響曲第五番「運命」
を、スギテツ＋弦楽アンサンブルでもってドラマティックに「んじゃじゃじゃーん、んじゃじゃじゃーん」そして
続く部分は脱力系サウンドで
という具合にサンドしていくの。

脱力といえば…

私が「死神登場」(死と乙女)のさなか、半音間違えて全員を脱力させたんですが(爆)

まぁそういう落差がやはり笑いの基本ですね。(←「死と乙女」に笑いはいらない)


プログラム最後は、「トムとジェリー」のアニメに合わせて、音楽＋効果音をスギテツで演奏するというものでした。これはほんとうに素晴らしくて、ほんとうのおもしろさ(上質なネタ)は上質な演奏に支えられてこそと感じました。


ピアノの譜面で、ネタ用のものはいろいろ売ってるんですが、そしてたまにはそういうものにも手を出してみたくはあるんですが、結局踏み切れないのは…ぶっちゃけ演奏クォリティーが確保できず、おもしろくならないからです。笑いを取る演奏のためにはほんとにちゃんと練習しなければならず、でもネタ曲にそこまで時間をかけるのは…!? ただでさえ、弾きたい曲が多すぎて120歳くらいまでピアノ弾かなきゃいけなそうな状況の中、ちょっと難しいですし、本気で仕上げたい曲だったら何度か練習会などで人前にかけつつ三度目の正直で発表会(もしくはコンサート)と持っていくところ、同じネタ曲を複数回聞かされる人たちの気持ちになってみればそういうわけにもいきませんし(^^;;

私がネタ曲に手を出すのは百年早い。というわけでまぁ150歳くらいですかね…

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