アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ドラマの中の演奏、進化

2024年03月21日 | ピアノ
ひと昔前までのドラマであれば、演奏シーンは「吹き替え」が常識だった。

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ここで「吹き替え」というのは、演奏の音声がプロによるものであることはもちろん、
手など詳細を映すときは(俳優さんと同じ服を着た)ピアニストの腕になっているという意味である。

もちろん、顔がしっかり映るときはまた俳優さんに戻して撮影するわけだ。

そうすると、確かに手だけが映っているときはちゃんと弾いている様子が見えるのだけど、
手ははっきり見えずに体全体とか(俳優さんの)が映っているときは、なんか動きが不自然…とても実際に演奏しているようには見えない、というのが当たり前だったと思う。

…いつまでそうだった??

私の見た範囲でいうと「のだめカンタービレ」のときには俳優さんたちがすごく頑張って練習するような流れになっていて、
たとえばオーボエ吹きの黒木くん役の人は、モーツァルトのオーボエ協奏曲を練習しまくって、ほぼ完ぺきに正しい指を動かせるようになっていた。さすがにオーボエの音を出すのは難しいから音を出しているわけではない。

のだめ役の上野樹里さんも、猛練習の末、ほとんど正しいあたりを押せるようになっていて、撮影のときは「吹き替え(手のみ出演ピアニスト)」を使わずに、音の出ない撮影用グランドピアノ上で熱演していたようだ(メイキングによれば)。ただし、ピアノをほんとうに(ピアニストが)弾く動きというのは難しいもので、たとえ音と合ったキーを常に押してはいても、「あ、弾いてないな」ということはわかってしまうのだけど…

「さよならマエストロ」では、演奏シーンにはことのほか気合が入っていたようで、芦田愛菜さんも吹き替えなしで(手と顔の両方がばっちり映る画角を多用して)ヴァイオリン演奏シーンを撮っていた。芦田さんは実際にヴァイオリンが弾けるわけではなかったそうだが、この撮影のためにずいぶん熱心に練習したらしく、かなり自然に弓を動かしている。

しかしこのドラマの中で當真あみさん(天音役)の演奏シーンがあったとき、ちょっとびっくりしたのだが…
シチュエーションとしては、始めて二か月間でこれ? 信じられない~めちゃくちゃうまいんだけど、どれだけ練習したの?? みたいなところなので、プロが素のまま弾くのではダメなのだ。そしてプロがわざと下手に弾くのでもかなり不自然な感じになるはずのところ、かなり自然に「うまい」演奏になっていて、これどうやったんだろう? と不思議だったのだ。
あとから知ったのだが、これがほんとの意味で「吹き替えなし」だった。つまり、映像が當真さん本人のものであるだけでなく、音も本人演奏だったとのことである。なるほど。もちろん、撮影が決まってからほんとに二か月とかでそこまで弾けるようにするのはほぼ無理なので、元から習っていたとのこと(たぶんそれコミでキャスティングした?)。

それにしても、求められる演奏シーンのクオリティがここまで上がってくると、俳優さんたちもほんと大変なことである。


今日見かけたX(twitter)で
「普段は既に収録した音を流して、それに合わせて俳優さんの演奏シーンを撮影していましたが、ある日、収録済みの音源が止まった後も全員が演奏を止めず、「晴見フィルの生の音」で演奏を通した瞬間がありました。…しかもその演奏部分には近藤さんのソロも含まれていて…素晴らしいソロをはじめ、指揮・演奏ともに見事にそれぞれご自身の音で弾き終わった現場は、スタッフ・監修・エキストラ問わず、全員がどよめきの声を上げていました。」永井 彩澄さんのポスト

のだめの弾いていたピアノは音の出ないものだったけれど、「さよならマエストロ」の晴見フィルの人たちはみんな本物の楽器を使っていたようだ。放映される音はプロの音で、それに合わせて演奏シーンを撮影しているのだけど、実際にも音は出ていて、それはちゃんと「音楽だった」ということらしい。

ほんとにこれは「迫真の演技」といえるだろう。
「さよならマエストロ」は設定とかストーリーが荒唐無稽というかツッコミどころありすぎなのだが、演奏シーンが来るとなんだか感動させられてしまうというまぁそんなドラマになっていた。ドラマの中の演奏が進化したらほんとに音楽になってしまったということらしい…



----- 今日の録音:
カフェ練習会で弾くときはクラシック以外の曲を入れるようにするプロジェクト
ビートルズ/イエスタディ
使用楽譜
よくばりアレンジで弾くピアノ・ソロ ビートルズ名曲集

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2 コメント

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Unknown (Yoko)
2024-03-22 00:25:10
吹き替えと言えば思い出すのは、ドラマ赤いシリーズです(笑) 昔は堂々と吹き替えでしたね。

クラシックじゃないけれど、ちょっと語らせて~。
役者さんの生演奏ですばらしく楽しい舞台を作っていた自由劇場、初めて観たときの感動ったら…❢❢ 以来35年、今なお私は串田和美さんの作品が大好きで、わくわくして観に行っています~♡ 
(こんな感じ⇒ http://kita-kodomo.dcnblog.jp/top/2020/04/post-4ccc.html 医師会の広報誌に書いた記事だとは驚きですが、書きたくなる気持ちはよくわかるww)
> Yokoさんへ (アンダンテ)
2024-03-23 21:45:50
舞台! 役者さんの生演奏とはびっくりです。
医師会の広報誌w

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