本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

新世界より【本】

2013年01月07日 | 【本】
恒例の帰省読書。
今回は深夜アニメ絶賛放送中の貴志祐介「新世界より」です。

毎週気になりつつアニメ(深夜3時とかなので、さすがに録画…。)を見ていたのですが、
相方が購入し、年末前に読破してくれたので、借りて帰りました。
文庫3冊は重かったけど、
ハードカバー2冊の「悪の経典」(昨年)とか、
文庫5冊の「屍鬼」(一昨年)よりはね…。
そう考えると、重い本ばっかり読んでるな…自分。

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1000年後の日本。人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身に着けていた。
注連縄に囲まれた自然豊かな集落「神栖66町」では、
人々はバケネズミと呼ばれる生物を使役し、平和な生活を送っていた。
その町に生まれた12歳の少女・渡辺早季は、同級生たちと町の外へ出かけ、
先史文明が遺した図書館の自走型端末「ミノシロモドキ」と出会う。
そこから彼女たちは、1000年前の文明が崩壊した理由と、
現在に至るまでの歴史を知ってしまう。
禁断の知識を得て、早季たちを取り巻く仮初めの平和は少しずつ歪んでいく。
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一言、すごく面白かったです。

アニメを見ながら「どんな展開に??」と気になっていましたが、
なるほど、こういうことかと。
小説で補完される部分が多かったですが、
SFながらスピード感のある展開や、人間の怖さとか醜さの表現の秀逸さは、
さすがだなと思いました。

ちなみに。

どっぷり浸かり過ぎてしまい、読み直しもしたのですが、
いつもは、帰りの新幹線用に別の本を追加購入するところを、
この後に変な駄作を読みたくなくて、結局選べず、断念。
本当に満足度が高かったんだと思います。


個人的に、SFとかファンタジーを読むとき、
その設定を理解するまでにだいぶ時間がかかり、
途中で面倒になってしまうことが多いのですが、
(特にファンタジーはそれが顕著なので、敬遠してます…。)
本作は、ある程度とっかかりを知っていたのと、
設定自体を紐解きながら、読み進められたのが良かったのかなと思います。
加えて、途中途中に散りばめられる不穏な空気と緊張感が、
読者の恐怖を誘う感じがとても効果的で、読んでいて飽きなかったのかなと。
(とはいえ、夜中にひとりで読むと背筋が寒くなりましたが。)

Amazonのレビューで、この世界観についていけない場合、
駄作と感じる人がもしかしたら多いかも、とファンの人が書いてました。
その点も同感で、あたしはアニメを見ておいて良かったなとやはり思いました。

上・中巻は、話に大きな展開は少ない(とはいえ重要展開も多々あり。)ので、
少し間延びするというか、ちょっとダラダラしてしまうのだけど、
下巻に入ってからは、物語が凄まじく展開するので、
途中で止めることができず、あたしは朝まで読みふけってしまう始末でした。

これと「悪の経典」、どっちが先に出たんだろう?
ちょっとだけ、「悪の経典」の下巻の展開のしかたと似ているんだけど、
設定も、話の展開も、「新世界より」の方が断然怖くて、面白くて、
同時期にメディアミックスされた作品として比較すると、
ちょっと差があるようにも感じます。
まあ、デビュー前からの構想も含む作品と言われているし、
最近の作品と比較したらダメよね。


元々は、相方がとても好きだったので、
「青の炎」で知り、「硝子のハンマー」で疑問符が付き、
でも、「クリムゾンの迷宮」と「黒い家」でどっぷりと魅力にハマった貴志祐介。
(あたしにとっては「悪の経典」は許容範囲でした。)

東野圭吾と並び、あたしをミステリーの世界に導いてくれた作家ですが、
「新世界より」を読んで、貴志祐介の方が若干好きだなと実感。
後半の畳み掛け方が、彼の方が上手い気がします。
あとは、サイコパスとか、個人的に題材が好み。
(東野圭吾の方が、冷静で、ドライな目線を保っている気がして、
それはそれで好きなんですけどね。)


まだまだ未読の作品が残っているので、
ここまで来たら、全部読みたいなと。
とりあえず、次は相方から借りた「ISOLA」を読みます。

年始から良い本に出会えたので、
今年はもっと沢山活字を読まねば、と軽く決意。
(漫画にばかり走らないようにしないとね…。)

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