本番とレッスンの合間、束の間のフリータイム。しばし仕事を忘れて、ブルーノ・ワルター&コロムビア響によるベートーヴェン「田園」を聴く。
ワルターのベートーヴェン交響曲全集は、米コロムビア・オリジナル盤、同テスト・プレス盤で楽しんできたが、今日針を降ろしたのはリリースされたばかりのアナログ・プロダクションズ社による45回転復刻盤である。
この復刻は成功している。ワルターの「田園」に、こんなに骨太で剛毅な一面があったのかと再認識させてくれる名復刻と呼べるだろう。
45回転ということで2枚組4面。第4楽章と第5楽章の間で盤を裏返さねばならないのが唯一の難点(フェイドイン、フェイドアウトされている)だが、これだけ鮮やかで豊かな音質であれば、その程度のことは我慢しなければなるまい。
演奏、録音、復刻ともに素晴らしいが、見開きジャケット内の写真も極上の美しさ。ワルター・ファン、アナログ・ファンなら手にして後悔はなかろう。