本日、大フィル合唱団は、いずみホールに於ける、モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」公演(7日)のために来阪中のジャスティン・ドイルさんとリアス室内合唱団メンバーによるワークショップを受講するという僥倖に恵まれた。
課題曲はベートーヴェン「第九」。ドイルさんとリアス室内のメンバーに教えを乞うのであれば、バッハのモテットやメンデルスゾーン、ブラームス、ブルックナーらのアカペラ作品の方が相応しかったかも知れない。
しかし、大フィル合唱団もフォーレ「レクイエム」公演を終えたばかりということで準備は叶わず、年末の4公演(3人のマエストロ)を控えた「第九」をリクエストし、それに応えてくださったのである。
結論として、たいへん愉しく、有意義なワークショップとなった。というのも、毎年のように歌い続けているうち、知らず知らずに身についてしまった「第九」の歌い方の垢の数々を洗い流してくれたからである(もちろん、そうならないように気を付けているのだが、それでもなお・・)。
ドイルさんの音楽的な要求は王道でありながら新鮮であり、見定めた目標を実現させるためのアイデアの豊富さには目を見張るものがあった。
また、リアス室内合唱団メンバーによるドイツ語ディクションや発声法へのアプローチも示唆に富んでおり、団員各位に大いに参考となったことだろう。
総じてドイルさんからの要求はかなり高度なものであったが、大フィル合唱団のメンバーがそれに見事に対応できていることは嬉しいことであったし、実際、短時間での変化が大きなものがあった。
いずれも、これまで大フィルの歩んできた道に間違いないのなかったこと、また、要求に応えるための下地が出来てきていることの証であるとも言えるだろう。
もちろん、大いなる刺激と感化を受けたのはわたしも同じ。今後のコーラスづくりやレッスン展開へのヒントを授けて頂いたことはこの上もない幸せなことであった。
最後に、このような稀少な機会を用意してくださった、いずみホールさん、後援してくださったドイツ領事館さん、また、広報としリアス室内合唱団に同行され、ライプツィヒ以来の友好を確かめ合った高野昭夫さんに、心よりの感謝を捧げたい。