福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

女声合唱団 KIBI 第3回定期演奏会 無事に終わる

2018-05-28 11:49:28 | コンサート

女声合唱団 KIBI第3回定期演奏会は無事に終わりました。

東京、神奈川などの遠方からを含め、多くのお客様にご来場頂き、誠に有り難うございました。

まず、全プログラムの半数以上を占めるアカペラ作品を破綻なく演奏できるようになったことを心から歓ぶとともに、団員を祝福したいと思います。

このような力が身に着くに至ったのも、2015年に岡山県合唱連盟に加盟し、県のコンクールに参加し始めたことが契機であったことは間違いありません。

最初は、ご近所つきあいを深めるくらいの軽い気持ちで出演したコンクールで、完膚なきまでに叩きのめされ涙を流し、

その後、本気で挑んだ2回もまだまだ力が及ばず、腸の底から悔しい想いをしたものです。


3度のコンクールで結果は出せなかったものの、本気で取り組んだことは確実に実を結んでおります。

これまで以上に、発声の美しさ、音程の正しさ、アンサンブルの精度に気を配ってレッスンを重ねたことがステージで花開き、過去2回の定期演奏会とは次元の異なるステージとなったのです。

目指すレベルを上げたことで離れていかざるを得なかったメンバーもありました。

それはお互いに辛い痛みを伴いましたが、一度高みを目指す歓びと苦しみを知ってしまったメンバーは、もう後戻りはできなくなっておりました。

さて、今回は、はじめての岡山県立美術館ホールでの演奏。

もともとは講演用に作られた空間とかで、音響や使い勝手において音楽専用ホールと同じものを求めるわけには参りません。

はじめは、舞台の後方に雛壇を置いていたのですが、団員間の意思の疎通が困難な上、声が客席に届かないため、急遽、写真のようにピアノを囲む形で並ぶことにしました。

この並びが功を奏し、全員の声が指揮者であるわたしの頭上で出会い、響き合って、親密なアンサンブルを展開することができたように思います。


終演後の拍手は、とてもとても温かなものでした。

とある筋金入りの合唱人(男声)からの「女声合唱を聴いて、こんなに涙腺が緩んだのははじめてです」との声をはじめ、

「KIBIのぶれない姿勢に感動」「心が洗われた」「日本語の発音が美しかった」など、嬉しいご感想も多く頂戴しました。

この日の演奏会の、どこか一部を切り取って、コンクールに出品したとしても、恐らくは減点法による採点で、入賞は果たせなかったでしょう。

しかし、女声合唱団 KIBIは、ひとつのコンサートとして、音楽の美しさ、作品の偉大さ、そして、生きることの歓びを聴衆に伝えることができました。

これこそ、本来の音楽の在り方であり、演奏することの尊さなのだ、と改めて実感しているところです。

団をとりまとめてくれた代表、自主練スタッフ、チラシ&プログラム係、そして、団員を支えてくれたピアノの芝田さん、井上さん、全ての団員と関係者に感謝を捧げます。

写真提供:神田 裕一さん

コメント (2)
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