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ウルガ URGA(劇場)

2005-04-04 22:59:52 | ヨーロッパ映画/イギリス・フランス (2
uruga

監督 ニキータ・ミハルコフ
制作 1991年/フランス

随分前に、二本立て上映の劇場で偶然に見ることになった(笑)映画なのだけど、とても印象に残っています。

こうして調べてみると制作はフランス、このニキータ・ミハルコフ監督の映画は他に『黒い瞳』をテレビで見ました。
残念ながら、細かいところは忘れてしまったけど、マストロヤンニと美しい女優との絵画のような映画でした。
ミハルコフ 監督作品に興味が出てきましたよ。

さて、『ウルガ』は珍しくモンゴルが舞台です。
草原を渡る”風”を感じさせてくれる、雄大な自然に惹かれたました。
ドキュメンタリーのような映画で、これといったストーリーもありません。
モンゴルのある家族の日常が時に滑稽に語られます。

モンゴルといっても、お隣はもうロシア。
ロシアの男が草原の砂地に車のタイヤをとられ抜け出せない。
モンゴルの男が手助けしたことから二人は友達になり、彼を自分のパオに招待する。

モンゴルの人の一番のもてなしは家畜のヤギを葬ってお客に振舞うことです。
神聖なヤギの処理、解体を見つめるロシアの男の複雑な顔が興味深かった。

モンゴルでは家族全員がパオで一緒に暮らします。
ウルガ」とは馬を追う棒のことで先に赤い布が付けてあります。
ウルガを草原に立てて、男女は誰はばかることなく愛し合っていいのです。
大自然の懐に抱かれて、なんて甘美なことでしょう。
「ウルガ」が立つ時、誰もそこには近寄りません。

モンゴルの男が草原で、うたた寝をして「ジンギスカン」の幻を見ます。
その昔、この草原をジンギスカンが駆け巡ったのですね。

自然と共に、日々営まれる生活。
ここには人が生きるに必要なものだけしかありません。

その自然と生活もいずれ失われる、そんなラストに少し胸が痛かったです。