愛国者の邪論

日々の生活のなかで、アレ?と思うことを書いていきます。おじさんも居ても立っても居られんと小さき声を今あげんとす

日本のメディアと「専門家」のよく外れる北朝鮮情報

2012-01-01 | 日記

新しい年が明けたが、「おめでとう」をいう気がしない「元旦」であった。政治の劣化が原因だが、今年は選挙で、あるいは「運動」で、この国の有り様が変わるか、そんなことを考えた1日だった。


「読売」をみていたら
「金正男氏、総書記死亡直後に帰国…国葬は不参加」という記事があった。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20111231-OYT1T00563.htm?from=main2
北朝鮮の「専門家」のコメントは見事に外れたようだ。それにしても北朝鮮はしたたか。日本の情報をよく見ているのだろう。きっと、ほくそ笑んでいるだろうな。
どうも北朝鮮報道とかコメントは、ある種の日本の「期待感」というか、色眼鏡というか、それで情報操作が行われているような気がする。

もう一つ、
「『金正恩同志すなわち金正日同志だ』と元旦社説」という記事の中に、

対米関係について直接的な言及はなかったが、「朝鮮半島平和保障の基本障害物である米帝侵略軍を南朝鮮(韓国)から撤退させなければならない」と、在韓米軍の撤退も要求した。核問題や6か国協議、日本に対する言及はなかった。内政面では、「食糧問題解決は焦眉の問題」とし、農業と軽工業に力をいれるほか、「電力問題も優先的に解決しなければならない」とした。

という面白いことが書かれてあった。日本や米韓にすれば、撤退などあり得ないだろう。だが「基本障害物」という彼らの位置づけは理解できるものだ。日米安保も「基本障害物」ということになるだろうな。米軍の核に囲まれているのが北朝鮮だから。彼らも同じ論法を採用することは当然だ。
だから、次の記事のようになるのだろう。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120101-OYT1T00253.htm

そこで「仕掛けるなら青瓦台を火の海に…北スローガン」という記事が象徴的だ。

朝鮮労働党政治局会議は、2012年の金日成(キムイルソン)主席生誕100年に際して「強盛国家」を建設するとの政治方針も決定し、党中央委と党中央軍事委が31日、「共同スローガン」として発表した。軍事優先主義に加え、「世界的競争力を持つ製品の生産」やコンピューター開発など、瀕死(ひんし)の状態にある経済の再生の必要性も強調されている。スローガンは、金総書記時代の「先軍(軍事優先)主義」と、最高権力者に権限を集中させる「唯一領導体系」を強調し、南北関係については、「敵があえて仕掛けるなら、青瓦台(韓国大統領府)と侵略の本拠地を火の海に」するとの強硬姿勢を打ち出している。

「敵(米韓?)があえて仕掛けるなら、青瓦台(韓国大統領府)と侵略の本拠地を火の海に」という北朝鮮の「強硬姿勢」を打ち出させない方法はあるのかどうか、国民的議論をする必要があるのではないか?
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20111231-OYT1T00418.htm

そこで1日付けの「朝日」6面に
「正恩氏、遺訓頼みの後継  軍依存 経済改革は難題」という記事があった。以下関連する部分を掲載してみると、

北朝鮮の経済は崩壊状態にあり、配給も全人口の1割に過ぎない平壌市で実施されている程度。独裁政治の恩恵を受けてきた特権層の間からも、今後の人事や政策を巡って不協和音が出る可能性がある。
経済を立て直すには改革開放を急ぐしかないが、正恩氏は軍の支持を得る思惑から強硬路線を打ち出しており、共同スローガンでは敵が攻撃を仕掛けるなら「青瓦台(韓国大統領府)を火の海にする」と脅した。対外貿易などで巨大な利権を持つ軍は改革開放には反対の立場で、長期的には正恩氏の権力基盤を弱める存在になりかねない。

「共同スローガンでは敵が攻撃を仕掛けるなら『青瓦台(韓国大統領府)を火の海にする』と脅した」とあるが、「脅し」ているのは、米韓も同じではないか?
この記事は、31日の2面で「正恩氏露骨な軍頼み」という記事をふまえたものだが、そもそも北朝鮮のGDPはどれくらいあるのか、「北朝鮮の経済は崩壊状態」なら戦争なんかできるのか、「対外貿易などで巨大な利権をもつ軍」とあるが、「巨大な」とはどんな内容か、はっきりしない。31日の以下の記事のことならば、「780億円」が「巨大」ということになる。

 軍需経済を担当する非公開組織の「第2経済委員会」が伸長。複数の商社や銀行を保有し、鉱山経営や貿易事業を手がける。独占する無煙炭の輸出で今年は10億ドル(780億円)を超える利益を得たとみられ、弾道ミサイル開発だけで年平均2億5千万ドルを投入できる財力を誇る。既得権を守るため、経済改革の動きに反対してきた。南北間で進めた開城工業団地や鉄道建設などにことごと難色を示した。海外からの投資を呼び込もうと張成沢氏が主導して発足させた合営投資委員会にも、反対しているという。
30日の声明は、正恩氏が父親の残した先軍政治を固守する考えを明確にしたものだ。外交筋の一人は「正恩氏が先軍政治を続けるほど、経済の改革開放は難しくなる」と語る。

最後に、この記事もつけておこう。

 核・長距離砲  米韓の脅威
「我々式の戦争方式と核抑止力などの最先端装備を備えた」
 金正覚軍総政治局第1副局長は追悼大会で金総書記の功績をたたえ、核兵器を保持していく考えを強調した。
 北朝鮮の戦車や戦闘機は老朽化が進んでいる。米韓にとっての脅威は、1.核や生物・化学兵器などの大量破壊兵器、2.軍事境界線近くから直接ソウルを攻撃できる340門の長距離砲、3.韓国に潜入して後方を攬乱する20万人の特殊部隊-の三つの戦力だ。北朝鮮軍の主戦論を支える貴重な戦力になっている。

と書かれているが、
「1.核や生物・化学兵器などの大量破壊兵器」で想い出されるのはイラク侵攻のときの理由だった。これは大嘘だった。それに小泉政権も乗っかって戦争を「支持」した。その総括は未だなされていない!それで日米同盟は深化されていった。

「2.軍事境界線近くから直接ソウルを攻撃できる340門の長距離砲」もどうだろうか?それほど弾薬を持っているのだろうか?これを打ち続けたところで、戦争を勝利に導くことは可能だろうか?北朝鮮は「破れかぶれでやるかもしれない」論もあるかもしれないが、見通しのない戦争がどんな結果をもたらしたか、日本軍国主義をみれば明瞭だろう。日本軍国主義に反対してきた北朝鮮は、その過ちと同じ轍を踏むだろうか?

「3.韓国に潜入して後方を攬乱する20万人の特殊部隊」を養い続ける「経済」になっているのだろうか?「北朝鮮の経済は崩壊状態にあり、配給も全人口の1割に過ぎない平壌市で実施されている程度」との指摘がある一方でこういう記事を平気で書く不思議さ、滑稽さは何を意味しているのだろうか?

最後に、こんな記事があったので紹介しておこう。
韓国銀行(中央銀行)の推計によると、北朝鮮の故金正日総書記の後継者、金正恩氏が受け継ぐ北朝鮮の2010年の国内総生産(GDP)は30兆ウォン(約2兆円)と、韓国の約40分の1の規模
http://manekineco.txt-nifty.com/td/2011/12/201030-63ec.html

元旦に明日のあるを信ずとふ啄木の短歌想ひたりけり


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