岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

Sさん、Tさんと赤倉登山道を登る(その1)

2007-11-05 07:18:31 | Weblog
(今日の写真は冬の赤倉登山道沿いの風物である。この登山道がこのように雪に覆われるのは間もなくだ。3日に登った時の風情とはまったくの「別世界」である。だが、季節的には初冬、標高1400mよりも上部では、すでにこの写真のような世界が広がっていた。)

      ☆ Sさん、Tさんと赤倉登山道を登る(その1)☆

 朝4時少し前に目が覚めた。まだ早いかなと思ったが、そのまま起床した。用意しておいた「登山の服装」に着替えた。この時期の「登山用服装」と「装備」は「ピッケルとアイゼン抜き」の冬山装備と考えればいい。
 今日はSさんと岩木山登山の日である。Tさんが「路線バス」のない「赤倉登山道」まで私とさんを車で「運ぶ」役目を買って出てくれて、その後一緒に登ることになっていた。 6時30分に拙宅を出発することになっていた。平均して、毎日2000字以上のブログを書いているが、これには長い場合は2時間ぐらいはかかる。暢気に書いていたのでは「登山の準備」や「朝食」も出来ない。まずは、洗顔をした。それからそのために前もって下書きをしておいた、「ブログ書き」を始める。何とか、20分足らずで、その日の分を書き上げて「貼り付け」が完了である。
 あとは、ゆっくりと「忘れ物」がないように注意しながらザックのパッキングやら朝食だ。最後に、妻が造ってくれたおにぎりとおかずを詰める。
 そうこうしているうちに6時をまわり、まず、Tさんがやって来た。今日はいつもの軽自動車でなく「ボルボ」である。そして言う。「大きい方がゆったりしていていいでしょう」と。
 遅れること5分してSさんが「軽トラック」でやって来た。私が支持した方向とは別な道路を通って来たから、どこかで「迷った」のであろう。
 出発の30分までにはまだ時間があるので、2人にコーヒーを味わってもらった。それでも6時25分には「ボルボ」に3人が乗っていた。

 赤倉登山道の入り口を出発したのは7時5分である。小雨が降っている。雨具の上を着けての行動となった。赤倉沢に架かっている橋を渡る。目の前はブナを中心とした二次林である。ところどころにミズナラなどが生えている。それぞれ葉をほぼ落としている。
 登山道は落ち葉に覆われて、まるで「クッション」のような感触で、足に優しい。
 赤倉講の社屋が並ぶ奥には「湧水」がある。そこで、その水を口にふくんで「禊ぎ」の真似事をして「身を清め」た。
 何故この場所に集中して「社屋」が多いのだろうと考えたが、そのカギはこの「湧水」ではないだろうか。「砂漠のオアシス」とその周辺の集落形成をみると、その答えは簡単に出てくるだろう。
 尾根に取りつくために登り始めた。石仏一番のある場所の手前には31日に確認しておいた「ミヤマママコナ」が健気にも一株一本だけでまだ咲いていた。
 標高560m、信仰の道、石仏とともにする山旅が始まった。だが、その実は「石仏とともにする山旅」なぞと言うにはほど遠い、特にSさんにとっては「難行・奇行の登山」となったはずなのである。
 一番石仏は如意輪観音である。あらゆる人々に救済の手をさしのべるという観音さまである。一番目に相応しい。
 Tさんのその日のカメラは、懐かしい「ニコマート」である。早速登場となった。この手のカメラを私も持っているが、それは世界の「ニコン」にあらず、日本の「ペンタックス」である。「PENTAX・LX」というが、最近はまったく出番がないと「押し入れ」の中で泣いていた。
 便利さと現像・プリント・フイルム代のいらない安価に負けて、もっぱらペンタックスのデジカメである。ただ、レンズだけは互換性があるので、「PENTAX・LX」の時から使っているものを数本だけは今でも使っている。              

 その日の「オーダー」はトップが私で、次がSさん、最後尾がTさんである。Sさんを挟んで進むのである。トップの私には必然的に「ルートファインデング」という役目がまわってくる。…とは言ってもこの時季だと「登山道」が見えているし、積雪があっても登山道は「轍」のように引っ込んでいるので、「道」を失うということはないので大したことはない。
 50分登っては10分休むという時間配分で、その上「スローペース」で進む。ラストのTさんは写真を写してその分遅れても「スローペース」なのですぐに追いついてくる。
 九番石仏「不空羂索観音」のところで「休憩」になった。この観音様の顔立ちは、この登山道沿いに見られる33体の石仏の中でとりわけ「美しい」。まさに「絶品」である。
 Tさんは、その「不空羂索観音」に近づいたり離れたり、脇にまわったりと色々な角度から撮影している。雨脚が強くなる。葉をすべて落としたブナ林の中なのに、木々の枝や幹を打つ雨の音が激しさを増してきた。
 今朝、ネットで見た天気情報の「アメダス」画面を思い出していた。そして時計を見た。
 …8時5分、「ああ、割と正確な情報だ」と思った。その情報では「7時30分から8時30分」までが小雨ではなく「本降り」を示していた。
 だが心配することはない。これも30分もすれば通り過ぎていく。その上、この低い気温だから、このまま登り詰めていけば、標高の高い「場所」では雪に換わる。「濡れ」を心配する必要はないだろう。
                   (この稿は明日に続く)