東宝初演『エリザベート』_一路さんインタビュー記事
「とうとうこの日が来てしまった!!そんな心境です。ウィーン、ハンガリー、オランダと、”エリザベート”を観た時のあの衝撃を、今でもはっきりと覚えています。あの感動を日本で、そして帝国劇場で、日本のお客様にお伝えできるのでしょうか!?
不安と興奮の狭間の中、今、幕が上ろうとしています!!
”エリザベート皇后”の人生を、私の身体を通して皆様にお伝えしたいと思っています。」
「ウィーン・ミュージカル『エリザベート』とくれば、この人を抜きに語ることはできない。宝塚歌劇団在団中、タカラジェンヌとして初めて、ウィーンでフォルクス・オーパー管弦楽団とオペレッタのCDを録音してきたのを始め、宝塚バージョンとして日本初演された雪組版『エリザベート』(1996年)で、死の帝王トートを演じた。トートは、一路最後の男役で、退団公演を飾った記念すべき役柄でもあり、宝塚退団後、女優に転じた一作目の『王様と私』(96年)のアンナ約と共に、その硬軟際立った美的演技に対し、第22回菊田一夫演劇賞が贈られた。これまで、8回、ウィーンを訪れたという一路が、今回、男役でなく女優として『エリザベート』に主演することになり、「縁以上のものをウィーンには感じる」と話す所以である。しかも、ウィーンへ行くたびに街中にいるより、郊外で過ごしている時のほうが落ち着きを感じる自分自身を、「エリザベートの気持ちが胸に入り込んできているよう」と、分析する。
演劇史上、ひとつの作品の主役を、いわば男女兼用で演じるのは、稀有なことだ。宝塚のトップスターで爆発的な人気を呼んだ初代トートから、ほぼ4年の歳月を経て、美貌の皇后エリザベートでお目見えする。「トートを忘れることからスタートして、年齢とともに成長していくシシィ(エリザベートの愛称)を素晴らしい楽曲とともに表現したい」と、語る。名古屋市出身。」