たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『ロミオ&ジュリエット』思い出し日記

2017年05月26日 19時52分50秒 | ミュージカル・舞台・映画
 今年の1月から2月にかけて三回観劇した『ロミオ&ジュリエット』。千穐楽の幕が下りてから、わたし自身も役者さんたちもそれぞれに動きがあり、たった3か月前のことなのにもっとずっと時が過ぎたような気がします。ようやくまだ書けていなかったことを思い出しながらの観劇日記。舞台を提供する側はどんどん進んでいく、観客は時々立ち止まって振り返りたくなったり、いつまでもそこにいたり、このギャップも大切なんだろうなと思います。以前書いていることとだぶるかもしれませんが少しずつ・・・。

 たーたん(香寿たつきさん)のキャピュレット夫人、娘であるジュリエットに「お聞きなさい」と歌う場面。ジュリエットの父親はキャピレット卿ではなく、結婚してから深く愛し合った男性だと歌で告白していきます。凄味がありました。真実を知らされたジュリエットがほんとに怯えているようでした。深紅の衣装を着こなし、色気を感じさせる雰囲気が若手だった男役時代から拝見してきているので、なんだか不思議な感じがしました。宝塚を退団してからいい仕事をされてきているんだなとあらためて思いました。さすがの芝居心。歌も安定でした。甥っ子であるティボルトが吸っているタバコを吸う場面を拝見しながら、うまく言えませんがこういう役を演じられるまでに成長されたんだと、なんだか同世代を歩んできた人として感慨深いものがありました。渡辺さんティボルト、広瀬さんティボルト、相手が違うと醸し出される二人の雰囲気も違っていたと思います。仮面舞踏会の場面、ドレスを着こなした後姿が素敵でした。

 充実のシングル・キャスト陣。岡幸二郎さん演じるキャピュレット卿は衣装も髪型もキャラクターも濃かったです。ジュリエットが自分の娘ではないと知った時、眠る幼い娘を一瞬殺そうとしたけれど可愛い寝顔をみていると殺せなかった苦悩を歌う場面。単独の歌唱場面でしたが、毎回かなり戸惑いながら歌われているのかなと感じました。これは立ち位置が難しい、難易度の高い役どころ。苦悩がそのまま歌に現れているところがかえってキャラクターの苦悩が伝わってきたかなと感じました。岡さんでなければたぶん出せない色気と濃さがありました。

 ジュリエットの乳母はシルビア・クラブさん。東宝初演『エリザベート』でマダム・ヴォルフを演じられていました。それ以来でしたが、歌も演技も毎回安定感抜群で舞台を支えていました。ロミオをジュリエットに渡してほしいと差し出した薔薇の花を、最初自分にくれたと勘違いするところがお茶目で可愛かったです。ジュリエットの幸せを願って歌い上げる場面、ジュリエットの使いとしてロミオに会いに行ったとき、UFOのような帽子をかぶって舞台に登場し、ベンヴォーリオたちにおばさんとからかわれるのをものともせず交わしていく場面など、どっしりとした安定感を感じさせました。お腹がすっごいふくよかにみえるような衣装だったのはそういうキャラクター設定ということだったのかな。ロミオとジュリエットの橋渡し役だったし、登場場面も多くて重要な役どころでした。

 やっと書けました。まだまだ書くことがあるような気がしますがまた後日思い出したときに書ければと・・・。

 2012年『エリザベート』でルドルフを演じた大野さん。宝塚の男役のようなプリンスでした。またミュージカルの舞台に帰ってきていただきたいです。


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