たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『紅‐ing』_ひとかけらの勇気をもらえた

2020年02月11日 19時34分14秒 | ミュージカル・舞台・映画
 衣舞(いぶ)ちゃんと礼良(れいら)ちゃんの「ルージュの伝言」、すごく可愛かった。退団公演となったエルベとエストレージャスでエトワールをつとめたれいらちゃんの歌声、パンチがあってさすがの歌唱でした。宝塚の娘役としてはもしかしたら個性が強すぎたのかもしれないれいらちゃん、紅さんが声かけてくれてほんとによかったと何心かわかりませんが思いました。聴き惚れながら子供の頃から存在そのものがあまりにも当たり前すぎているせいかユーミンの名前がとっさに脳内再生できず時間かかったことを自覚。確実に老いはやってきているのだということにまた気づかされました。紅さんよりはるかにはるかに年くっている自分が第二、いや第三ぐらいの人生をこれから歩んでいかなければなりません。お金をかけて手放してしまったものをまたお金をかけて取り戻していくには、やり直していくには年をとりすぎてしまいました。自分の前には登れそうにない山、渡れそうにない川が立ちはだかっているようにしか思えず、手放さなければよかったと後悔にむせび泣いた夕暮れ、いやそんなことはない、このタイミングで一度手放すことは必要だった、間違いではない、帰省しなければ一年前大劇場でエルベに出会うことはできなかったと自分にいいきかせた夕暮れ。今の紅さんが歌う、「ひとかけらの勇気」、沁みました。いっちゃん(一路真輝さん)が35周年記念のコンサートで今のわたしが歌う「わたしだけに」を聴かせくれたように、紅さんにはライフソングとしてこれからも機会あるごとに歌ってほしいなと思います。わたしの勝手な願望・・・。

以下盛大にネタバレしています。

 紅ティボルトを場面のことをもう少し。踊っていた田極翼さんと如月蓮さんの二人が対決しているかのような振りがあったのですが、二人の激しく挑みあう様がティボルトの影(魂)と死のように感じたとSNSで書いている方がいてなるほどと思いました。男役だった蓮さんのパンツスタイルのダンスは儚い少年性を感じさせたし、ロミジュリにも出演されていた、トートダンサーとしての表現力をもつ翼さんのダンスはしなやかで力強い鋼のようなものがあって、二人のにらみ合いはいいペアだったと思います。いとこのジュリエットを愛しているのにいとこだから自分のものにすることができない苛立ち、ロミオへの憎しみをたぎらせて最後は破滅するティボルトと、破滅へ導いてやろうと忍び寄る死の影、リフトはティボルトが死の影の前に破滅したことを現わしていたのかな、短い時間の中にドラマのある場面でした。カゲコーラス、少ないメンバーでがんばっていたのかな。チームワーク感があってそれもよかった。

 だんだん時間切れとなってきましたがもう少し備忘録。

 ブルゾン紅子WithBの場面、退団したゆずるちゃんは女優になる、女優はおんなにやさしいと書く、ゆずるちゃんがおんなやさしいになってしまう、はなかなかに意味不明。ベルサイユ宮殿みたいな紅子さんの部屋つながりだったかな、ベルばらの話が出ました。どこまで台本でどこからアドリブなのか、ほんとに気になります。ゆずるちゃんはオスカルみたいに中性的な感じで行くべきよ!と紅子さん。でも(ゆずるちゃんは)ベルばらには出られなかった、出ていないから、ベルサイユのばら〇〇〇周年記念とかあっても出られない、新人公演で一回だけベルばらに出たけど侍従長やったしな、とゆずるさんでは言いづらいことをばんばん口にできる紅子さん、便利キャラだなあ、もちろんいい意味で。楽し過ぎました。イケメン執事のリュウヘイが紅子さんに飲み物、なんだったかな?を差し出すところもあったと思うのですが、セリフを話すことに慣れない小南さん、ほんとがんばってくれたし、やさしかった。紅子さんがパンチした風船をやさしくキャッチしてしまったリュウヘイ執事。紅子さん、困って照れちゃってましたかね。気を遣って遠慮しながらもポイントは外さないBOYSとの絡み、アドリブ返せなかったときは自主練までしれくれたみたいで楽しませてもらえました。

 紅子さん、2回目の登場も客席から。2階席と3階席の人は見えないと思うのでわたしの声をラジオできいていると思ってねというあたりの気遣いさすがでした。すぐ見える所にいくから待ってねえみたいな感じだったかな。『エクレール・ブリアン』の「ひとり星の上で」を再現していました。梅田芸術劇場に銀橋はないので端にすわって、ついに少し歌っていたと思います。歌詞を少し替えていたかな。スカートなので足ひろげられないんだけどねと。楽しんでる?インフルエンザに負けていない?なんとかウイルスに負けてない?と元気いっぱい。客席からの掛け声がばんばんとんで聴き取れないこともたびたび。全部聴き取って返そうとしてくれる紅子さん、パワーありすぎる。掛け声のタイミングで台本どおりの台詞がたぶんとびそうになってしまったのかな、これから台詞を言いますからねみたいな強気な紅子さんでしたが、子どもちゃんにはデレデレで弱いですね。怒ってしまってから子どもちゃんの掛け声もあったことに気づいたのは紅子さんではなくゆずるちゃんだったかな。そうですね、ペットボトルの水を飲んだとき、ボトルカバーに「紅-ing」とはいっていて、特別に衣装部さんがつくってくれたので売ってませんよ、と言うと客席からほしいという声がいくつもあった中に子どもちゃんの声もあって売ってないっていってるでしょと怒ったあとで子どもの声もあったことに気づいたのでした。ちょっとびっくりしましたが、子どもちゃんも一緒になって楽しめた、そういう雰囲気の空間だったということが嬉しいなあと思います。客席参加型。

 オープニングで紅さん、最初まちがえて受け身でと言ってしまい、受け身ではなく周囲に迷惑がからないようにしながら参加型でと呼びかけてくれました。わたしのすぐ後ろの方がすごく笑っていたし、客席全体笑いがあふれていて、これはのっていなかい手はないという雰囲気でした。生の劇場空間って、出演者と客席とで創り上げるものなんだという嬉しみをあらためて感じさせてくれたコンサート。こんな年をとってから楽しみがあることは生きる喜びとなります。6月の新橋演舞場も行きたい、一等席は高いのでまだ坐ったことがないです、るろ剣の時もあきらめました。働く気満々なのに、働く力はあるはずなのに、この地域では、家からでは無理だという現実。4月から収入の目途が、目途が、ああ・・・。

 まだありますがいいかげん時間切れ。明日電話当番?それより家のお湯が出なくなったのきつい。


(舞台写真、日刊スポーツさんからお借りしています。)