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DVD 家へ帰ろう

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映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、友への約束を果たすためにアルゼンチンからポーランドへの旅に出かけた老紳士の秘密を描いた映画「家へ帰ろう」です。

僕の映画のライフワークとして欠かせない作品が、ナチが起こしたユダヤ人への悪行をテーマにしたものです。なぜ、観るのか?それは、戦争の残酷さが生身の体を通じて伝わり、また人種差別による起こる人間の所業を端的に表しているからです。そして、差別なき人々の姿や行動がもっとも美しいと感じるからです。

アルゼンチン監督のパブロ・ソラレスは、自らの祖父やポーランドでのユダヤ人迫害で国を追われた同世代のユダヤ人の体験の中から、90歳の老人が、かつてナチから匿ってくれた友人との再会を願い実行に移した出来事と出会い、この作品を完成させています。それは、閉ざしていた忌まわしい過去への心の解放を意味しているのではないかと感じます。

物語は、ホロコーストから逃れた老紳士が、過去に置き忘れた約束の品を届けるために旅に出かける物語です。アルゼンチンに住む88歳の仕立て屋アブラハムは、店舗兼自宅を引払い家族により施設に入ることに。自宅を整理する中で、彼が仕立てた古いスーツが出てきます。アブラハムは、故郷ポーランドで使用人の同い年の少年によりホロコーストから逃れた経験を持っています。ある夜、アブラハムは、古いスーツを持ってアルゼンチンからポーランドに家出を実行します。

遠い記憶を頼りに、わずかな金をもってヨーロッパを縦断しながらポーランドに向かう旅は、彼にとっては悪夢として残る過去の記憶とドイツ人への憎悪があり、その思いと年老いた肉体の中で旅をすることは過酷で、旅で出会う人々の親切心も素直に受け入れられず、旅は困難を極めます。しかし、ヨーロッパで出会う人々の心は、そんな彼の過去とは違い平和で、平等な眼で接してくれ、次第に彼の心の中にある悪夢の日々が次第に薄らいでいきます。

そんなアブラハムの姿をホロコーストから救ってくれた友人との過去を対比させながらユーモラスに描いてます。そしてラストの感動の再会が輝きを放ってました。

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