65オヤジのスタイルブック

DVDハンナ・アーレント

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、ユダヤ人哲学者のナチス裁判レポートの顛末を描いた「ハンナ・アーレント」です。

 

終戦記念日だった15日の昨日、テレビでは先の大戦を描いたドラマと映画が放映されていました。毎年訪れるこの日に、戦争がもたらす残酷さや悲惨の中で人間として生きた人々の姿が描かれて胸を打ちます。

今回の作品は、逃亡先で逮捕されたナチス戦犯のアドルフ・ハイヒマンのイスラエルでの裁判レポートにより、哲学者としての地位さえも脅かされ事態にまで陥ってしまう状況を克明に描いています。そして、沈黙を続けていたいた彼女が大学教授の職を辞めさせられる事態に直面し、学生たちに向けて反論の講義をする8分間のスピーチが、戦争がもたらした悪の本質(悪の凡庸さ)を示し胸を打ちました。改めて偉大な哲学者を演じたバルバラ・スコヴァの名演が光ります。

ユダヤ人として母国イスラエルを愛し、反ユダヤ主義者の活動家として多くのユダヤ人を危機から救った彼女が、愛する同胞からの非難中傷を浴びながら哲学者としての愛と信念に生きた彼女。民族の壁を越えて善悪と美醜について人間として思考し続けることの重要さをこの映画から読み解くことができます。


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