映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。先回紹介したグザヴィエ・ドランが脚本を読み自ら主演を熱望した作品「エレファント・ソング」です。
カナダの作家による戯曲を基に作られた本作。グサヴィエ・ドランが演じるのは、美しい精神病患者マイケル。母親であるオペラ歌手の自殺による、14才から5年。精神病棟で過ごしている。
彼の担当医でローレンスの失踪により、手がかりを握るマイケルに院長のグリーンは、事情聴取を試みる。マイケルは、自分のカルテを観ないこと。看護師長をこの件からはずすこと。ご褒美にチョコレートを3個くれることの3つの条件を出し、グリーンの聴取に応じる。
担当医の部屋で交わされるマイケルとグリーンとの心理戦。マイケルは、担当医との関係や生い立ち等を話しながら、失踪への手がかりを言葉巧みに導き出していきます。院長のグリーンは、彼の頭の中を冷静に分析しながら、彼のヒントから失踪の手がかりを探ろうします。
両者にある心理戦が緊張を生み、彼の出生に大きく関わるエレファントソングが手がかりとなって、衝撃的なラストを迎えます。
若きカリスマと言われる、グサヴィエ・ドランの名演に改めて監督の枠を超えた天才の所以を証明した作品です。
