リチャード・ギアが自称フィクサーを演じ国際的な騒動を巻き起こすブラックコメディ「嘘はフィクサーのはじまり」を観賞。
リチャード・ギアと言えば、アメリカンジゴロやプリティーウーマンで演じた2枚目のプレーボーイのイメージが僕にとっては強く印象付けられていて、年をとって渋さをまし男前ぶりに磨きがかかっています。そんな渋い二枚目のギアとは違う見たことのないギアに会えるという振れ込みもあり興味深く観賞しました。
物語は、ギア演じる自称金融界のフィクサーノーマンが、イスラエルの政治家に靴をプレゼント。数年後、その政治家が首相になり、親友となったノーマンに様々な依頼が殺到し、彼のその後に暗雲が起ちこもります。果たしてノーマンはフィクサーとして乗り越えることができるのか。
先ずは、フィクサーといっても、どことなく身なりが野暮ったく見える役柄、ギアの映画でのカッコよさは微塵もなく、お人好しの姿と想像を超える事態に翻弄されていく様は確かに今までに見たことがありません。
ただ、二枚目俳優ギアの持つ優しさは、年を重ねても健在。正体不明のフィクサーながら憎めない男として悲喜劇を演じる姿はお見事です。そして、誰も傷つくことなく迎えるラストに涙が出ます。これからもリチャード・ギアの新しい魅力を期待できる作品でした。