日本統治下の台湾で甲子園出場を果たしたチームの軌跡を描いた映画「KANO~1931海の向こうの甲子園~」を観賞
今月、野球をテーマにした感動作が3本上映されています。ひとつは「バンクーバーの朝日」ひとつは「アゲイン28年目の甲子園」そして、今回僕が観賞した台湾映画の「KANO」です。
1931年、日本の統治下にあった台湾で弱小チームであった学校が、日本人監督の指導の下で一年余りで甲子園に出場し、決勝にまで進んだ台湾代表・嘉義農林学校(KANO)の活躍を描いた作品です。監督には永瀬正敏が、その妻に坂井真紀。もうひとつの物語である台湾の灌漑事業に貢献した八田與市に大沢たかおが扮しています。
かつて松山商業の選手として活躍し、母校のコーチをしていた監督近藤兵太郎が、日本人、漢人、現地の民族の混成チームを指揮し、厳しい練習と熱い情熱で選手たちをたくましく成長させていく様子が詳細に描かれ、選手や監督の熱や汗がスクリーンから飛び散るような感動が全編にあふれています。
この作品のテーマである、野球を通して民族の垣根が取り払われ人々が平等に生きる。政治や社会の状況が異なっても、差別なく球児と言う言葉でひとつになった世界が強く美しく描かれ3時間に及ぶ大作ながら時間を忘れ、球児の一挙手一投足に心を奪われました。
物語を終えてのエンドロール。監督、選手のその後が紹介され、近藤監督や球児のその後の活躍に改めて、日本人が知らなかった史実を現代に蘇らせてくれた台湾監督、スタッフなどこの映画に携わったすべての人に感謝したいと思います。