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塔本シスコ展 シスコ・パラダイス 岐阜県美術館

日本にもグランマがいた!岐阜県美術館で開催中の素朴派の画家「塔本シスコ展 シスコ・パラダイス」を紹介します。

最初に僕の率直な感想が日本にもグランマがいた!です。グランマとは絵画ファンならご存知の通り、アメリカを代表する素朴派(ナイーブ派)の画家グランマ・モーゼスです。岐阜県美術館から送られる展覧会案内で知り、塔本シスコさんの半生がモーゼスの半生を重なり観たいなと思い先日鑑賞してきました。

塔本シスコさんは、1913(大正2)年熊本県八代市に生まれます。シスコの由来は養父の夢であるサンフランシスコからきてるそうです。46歳の時に夫の急逝で心身ともに衰弱する日々から立ち直るために息子が残した絵画材料とキャンバスを使い絵を描き始め、2005年に91歳で亡くなるまで描き続けました。

53歳の時に大きなキャンバスの絵を描き始め、その作品は身近な花や植物や地元の公園や子供や孫たちとの旅行、故郷の思い出などを描き、そのモチーフは多種彩々です。風景画はグランマ・モーゼスに、植物や動物を描いた作品はルソーに相通ずるものがあり、さらに明るさが満ち溢れる色彩や大胆な構図には彼女の独自の世界を感じます。そして何よりモチーフに対する深い愛情を感じます。

素朴派の画家たちは、絵画の技術を学ぶ環境になく、不遇な人生を経験しながらも絵を描く情熱に満ち溢れた人々です。素朴派を代表するルソーやグランマ・モーゼスに引けを取らない独自の観察眼と色彩感覚をシスコから感じます。そのことは今回の展覧会のスタートとなった数多くの素朴派の画家をコレクションする世田谷美術館からも証明していると思います。

200点以上の大作が並ぶ会場は、まさにパラダイス!すべての作品が撮影可能ですのでお気に入りの作品をカメラに収めとどめてみてはどうでしょうか。岐阜県美術館での会期は6月26日まで、その後7月9日からの滋賀県立美術館での展覧会が最終となります。

絵を描くことに半生を捧げた人生絵日記をぜひ、あなたの手でめくってみてください。


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