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【雑感】傾く電柱、削られた歩道 武装警察部隊襲撃事件ルポ【和文/中国新聞】

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200808050193.html

 【カシュガル(新疆ウイグル自治区)5日共同=松岡誠】大きく傾いた電柱。歩道には爆発で削り取られた跡がいくつもある。中国新疆ウイグル自治区西部のカシュガルで起きた武装警察部隊襲撃事件の現場。四日深夜に北京などから海外メディアの報道陣数十人が駆け付けると、ウイグル民族の住民らが続々と集まった。

 「ダンプカーが猛スピードで突っ込んだ。直後に二人組がダンプから飛び降り、襲いかかったんだ」。初老の男性が事件の経過を説明し始めて間もなく、制服警官と民間治安組織の部隊が殺到。「家に帰れ」「撮影するんじゃない」。警官らは警棒を振り回し、住民や報道陣が退散するまで執拗しつように追い立てた。

 事前にテロ計画の情報を得ていながら、襲撃を防げなかった失態を隠そうとするかのように、地元当局は厳しい情報封鎖の態勢を敷いた。

 「夜明けに大きな爆発音を二回聞いた。それ以外のことは全く知らない」。現場近くにいたウイグル民族の住民らに事件について尋ねると、一様に表情をこわばらせて、口を濁した。

 その後、現場周辺は数十台の警察車両が取り囲み、夜を徹して厳重な警備が続いた。約五十メートル離れた場所に陣取って様子を見守る数十人のウイグル民族の住民。街灯の弱々しい明かりの下、緊張感が張り詰めていた。

 地元警察当局はウイグル独立派「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」によるテロ計画の情報があったとして、テロリストによる攻撃との見方を示した。しかし、同自治区のクラシ・マハスティ副主席が一日に「独立派の動きは極めて限定的だ」と述べ、テロ対策に自信を示していただけに、当局が動揺しているのは間違いない。

 犯行声明はこれまで出ておらず、逮捕されたウイグル民族の男二人や背後に存在するとされる組織の動機は分かっていない。二人に対して厳しい取り調べが行われているのは間違いないが、五輪直前に国際社会の不安感が拡大するのを防ぐため「中国当局は具体的な捜査経過の説明を五輪期間中は伏せるだろう」(中国人研究者)との見方も出ている。

 


 地勢的かつ宗教的な理由から、ETIMはイスラム系テロリストと関係が深いと思っていたが、今回のヤクザの出入りじみた手口からだけ考えると、テロの手法としてはやや独特なものを覚える。
 根本には日本など想像もつかない所得格差があり、さらにその大本には「共産主義の汎民族性」とやらを口実にした、中国当局の少数民族支配(つまり帝国主義)があるので、そのあたりをなんとかしない限り、オリンピックなどという恰好のアピールポイントをテロリストが見逃すわけがない。
 中国共産党も、もともとはテロリスト(当時は共匪と呼んだ)だったのだから知らないわけがないのだが、4世代目にもなると都合よく忘れられるものらしい。

 今回のテロについては、ETIMが身体張ってアピールするまでもなく、武警が勝手に自爆するありさま。↓


新疆で邦人記者ら2人を拘束・暴行 中国武装警察【日経】
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080805AT1G0500V05082008.html
 【カシュガル(中国新疆ウイグル自治区)=多部田俊輔】中国新疆ウイグル自治区・カシュガル市で起きた武装警察に対する襲撃事件を取材していた日本人の記者1人とカメラマン1人が4日夜、武装警察に身柄を拘束され、暴行を受けた。

 暴行を受けた2人は東京新聞カメラマン(38)と日本テレビ記者(37)。襲撃事件が起きた武装警察施設付近で取材していたところ施設内に連行され、約2時間にわたり拘束された。目立ったけがはないが「報道の自由」を制限する中国当局の姿勢を改めて浮き彫りにした。

 武装警察に対する襲撃事件を巡って、捜査当局は拘束した容疑者2人からの聴取や押収した爆弾などをもとに動機や背後関係の調査を進めているとみられる。逮捕したのは28歳と33歳のウイグル族の男。武装警察を狙ったテロ事件との見方を強めているもようだ。(11:24)


 中共も国際社会に対して、非難のネタを自分からまく必要もないと思う。
 北京の警備もモノモノしいだけらしいし、万が一なにかあっても、無関係な市民に被害がないように祈りたいのだが。
 テロ対策にジェット戦闘機まで繰り出して演習しているので、余計な被害を拡大させる気満々である。


続報:
武装警察、記者暴行で「おわび」=全面謝罪はせず-中国カシュガル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080805-00000106-jij-int

 【カシュガル5日時事】中国新疆ウイグル自治区カシュガルでの武装警察隊襲撃事件を取材していた日本人の記者とカメラマンが拘束され暴行を受けた問題で、同市の武装警察幹部は5日、市内のホテルで暴行を受けた記者と会い、「申し訳ない」とおわびした。
 ただ、同幹部は部下が暴行に及んだ背景として「言葉の壁のほか、(記者という)身分が分からなかった」などと釈明。「(事件発生を受けた)警官の興奮した精神状態を理解してほしい」とも述べ、全面的な謝罪には至らなかった。
 事件では武装警察隊の16人が死亡。日本人記者らに全面謝罪し、警官の行為を非難すれば、組織の権威低下を招きかねない上、「テロとの戦争」を展開する上で隊員の士気に影響すると考えたとみられる。
 ただ、同席した市の外事弁公室幹部は謝罪の意を明確に表明した。 


>身分が分からなかった
 そんな、「中国では、身分がわからない人間に対しては、武装警察が一方的に身柄を確保し暴行してもいい」などと、本当のことをばらしたこの幹部は出世できない。
 それにしても、「一般市民が、突然政府の暴力組織に連れて行かれ、暴行を受ける」なんて光景は、ウイグルでは日常なのだろう。

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