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●【能登を襲った巨大地震/狙撃兵】《役立たずかと思うほど鈍くさい動きに、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである》

2024年01月28日 00時00分18秒 | Weblog

[↑ ※「サルまで怒る 自民の腐敗」(週刊金曜日 1454号、2023年12月22日・2024年01月05月合併号)]


(2024年01月13日[土])
やはり、どうやら検察は「利権」「裏金」党の議員らの犯罪を暴くつもりは無いらしい。横領、背任、脱税、贈収賄の罪に問えないのならば、せめて不記載罪で「利権」「裏金」党議員には5年の公民権停止」を、と願ったが、無駄だったようだ。検察のさじ加減で、犯罪の判断が左右。権力には媚を売り、貸しを作る。
 ならば、やはり大事なことは政権交代。民主的な方法で政権交代を達成しなければいけない。傍観者ではいけない。単なる野党批判に堕していてはいけない。#選挙に行かないとこうなる #自民党に投票するからこうなる ← 諸悪の根源はコレ。赤木雅子さんの仰るように、「自民党以外の人が財務大臣になったら、全てを調査し直して、本当のことを明らかにしてもらえる」はずだ。政権交代で、数多のアベ様案件の一つに希望の光が見えてくる。赤木雅子さんの話を受け、古賀茂明さんは《私は、その言葉を聞いて、そのとおりだと思った。裏金疑惑で絶体絶命のピンチにある自民党政権が倒れて政権交代が起きれば、雅子さんの夢が叶うかもしれない。私は、心の底からそうなることを祈っている》。また、目取真俊さんも、《年末の最後まで沖縄は国に踏みにじられ、暗澹とした思いで新年を迎えねばならない。だからといってウッチント―して生きていくことはできない。腐りきった政治を変えていく努力を続けましょう。裁判で勝てないなら、今の政治を根底から変えるような政権交代を実現すればいいだけのことだ。「絶望の虚妄なること希望に同じ」(魯迅)》。

   『●自公政権が続く限り、ヅボヅボ党の誰が首相になろうが地獄は続く。道は、
      政権交代しかない…《議会政治、財政民主主義が崩壊した戦時体制》
   『●郷原信郎弁護士「政治資金規正法は真ん中に大穴があいたザル法。法改正に
      向けた議論も本格化しないと、政治とカネの問題は繰り返される」(1/2)
    《中野晃一・上智大教授(政治学)は「世襲や現職が選挙に有利な中で、
     与党議員が実質的な『企業・団体献金』といえるパーティー収入や
     裏金まで集めて資金を得ていたとなれば、野党が勝てるはずがない
     あらためて自民党派閥政治のゆがみがあらわになった」と批判する。
     それでも、捜査で政治生命を絶たれる議員が出る程度では、
     「自民1強体制は変わらないと考えている。「平和外交による
     安全保障、個人の暮らしや命を守るといった憲法に基づく価値観を、
     国民の側で広く共有することが必要だ。(立憲主義を重んじる
     野党を支えて、選挙で政権交代を起こす長期政権で起きた不正を
     けん制する作用が働かなければ、『アベ政治は終わらない」》

   『●赤木雅子さん「自民党以外の人が財務大臣になったら、全てを調査し直し
      て、本当のことを明らかにしてもらえる」はずだ…政権交代が希望の光
    《そして、こうも付け加えた。「自民党以外の人が財務大臣に
     なったら、全てを調査し直して、本当のことを明らかにして
     もらえるのではないかと考えることもあります」と。私は、
     その言葉を聞いて、そのとおりだと思った。裏金疑惑で絶体絶命の
     ピンチにある自民党政権が倒れて政権交代が起きれば、雅子さんの
     夢が叶うかもしれない。私は、心の底からそうなることを祈っている

   『●《検察は行政機関でありながらも政治からの中立性と独立性が求めら
     れる。しかし、安倍官邸は法務省を通じて検察の捜査に介入していた…》

 日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/「世間が忘れるのを待つ」自民・安倍派の裏金問題めぐる岸田首相の姑息な思惑】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/334416)によると、《自民党の裏金問題に検察はどこまで切り込むのか──、メディアと世論次第になってきている。日本の検察制度は「起訴便宜主義」で、起訴するか否かについて検察がサジ加減で決めることができる。政治資金規正法で言えば、会計責任者が有罪になれば議員も失職する「連座制」の規定が弱い》。

 そして、キシダメ政権による復興への支援や援助の鈍さ…。アベ様をはじめ、カルトとヅボヅボな利権政党がさんざん言ってきた「悪夢のような民主党政権」だが、キシダメ政権は「悪夢」どころか、「悪魔」的、「地獄」的政権。「利権」「裏金」党やお維の国会議員のやる気の無さも目に余る。お維祭りや賭博場開帳なんて、中止の一択でしょう。あまりに見苦しいだけ、山本太郎さんをバッシングして、何の意味があるのだろうか? 長周新聞【能登地震被災地で政府と行政が今すぐすべきこと れいわ・山本太郎参議院議員が現地から発信(全文)】(https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/28708)を読んでみればいい。
 長周新聞のコラム【能登を襲った巨大地震/コラム 狙撃兵】(https://www.chosyu-journal.jp/column/28629)。《役立たずかと思うほど鈍くさい動きに、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである。難儀な状況に置かれている国民にたいして、「愛はあるんか?」と思うのである》、《なお、今回の地震では、能登半島にある志賀原発の存在も危ぶまれている。福島第1原発の二の舞いにもなりかねず、震度7で無傷なわけがないからだ。そして、撤回に追い込まれたとはいえ、仮に珠洲原発が建設されていたらどうなっていたか――も考えさせられる。地震列島と原発列島が共存するという無謀さである》。

   『●アベ様派のデタラメの系譜…村上誠一郎議員《安倍氏の政権運営が「財政、
       金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判》
   『●《クーデター》《テロ》を追認する司法…《一内閣の一存で転換させた
     「解釈改憲」に追随…「憲法の番人」の本来の役目》を放棄した仙台高裁
   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電所
      …「悪夢のような民主党政権」と比較して、今のキシダメ政権の無残さ
   『●世界中の《人を呼んで祭りをする会場にはそもそも不向き…ゴミ処分場とし
     ての優位性は、祭り会場としては最悪の欠陥…「ゴミの島 夢洲の正体」》
   『●《「自民党の自浄作用は期待できない」──。政治資金パーティーの
      裏金疑惑に火を付けた神戸学院大教授の上脇博之氏はそう断言する》
   『●(こちら特報部)《「政治とカネ」で孤軍奮闘…毎年発覚する政治資金問題、
      そろそろ「上脇さん頼み」を脱却した独立の公的監視告発機関が必要》
   『●自民党「政治刷新本部(仮称)」の凄いメンツ…本部長・キシダメ総裁、
     最高顧問・すがっちとド「アホウ節」氏、事務総長・木原誠二幹事長代理

   『●能登半島地震と珠洲核発電所建設計画凍結と断層の上に建つ志賀核発電
     所…それでも再稼働・新規建設したいという核発電〝麻薬〟中毒患者ら

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https://www.chosyu-journal.jp/column/28629

能登を襲った巨大地震
コラム 狙撃兵 2024年1月5日

 元日から石川県能登半島で震度7(マグニチュード7・6)を記録する大規模な地震が起こり、その後も当該地域では震度5をはじめとする大きめな地震が続いている。地震の規模としては阪神淡路大震災に匹敵するもので、とてつもない揺れである。石川県のなかでも華やかな都市部の金沢市とは違って、人口減少と少子高齢化の著しい過疎地域だった能登半島――。その人口はおよそ16万6000人で、多くを占めるのが65歳以上の高齢者だという。石川県内だけでも3万人をこえる人々が避難所に身を寄せてここ数日を過ごしているというが、無理のきかないお年寄りが多く含まれている。水、食料、ガソリン、簡易トイレといった物資の供給や、低体温症すら心配されるような環境を早急に解決することが待ったなしであり、とくに現役世代が少ない高齢化地域という特性を捉えた外側からのバックアップ体制、フォローの体制が必須といえる。

 一階部分が押し潰された木造家屋や、傾いたり道路に崩れ落ちた家屋、折れた電柱や地上に突き出した上下水道のマンホール、アスファルトがズタズタに割れてとても車では通れないであろう凸凹の大地など、SNSや報道によって拡散される写真や映像だけ見ても、その揺れの大きさは尋常ではなかったことが伝わってくる。大地の隆起によって道路は半島の各所で寸断され、電気やガス、水道といったライフラインの供給もままならず、孤立する集落がいくつも点在するなど、おぼろげながら報道によって伝わってくる断片はあるものの、未だに被害の全容については自治体機能の混乱や麻痺とも相まってつかめていない。

 珠洲市では全6000世帯あるうちのすべてが全壊かほぼ全壊に近い状態で壊滅的なのだと市長が発信するほどで、しかも能登半島の最奥地で道路が寸断されて陸の孤島と化してしまい、支援物資が届かないという。その他の地域でも車中泊をしようにもガソリンがなくなり、さらに温かい飲み物を沸かそうにも水がなく、ガスもないとか、食料がそもそも尽きてしまって食べるものすらないといった状況が刻々と伝わってくる。いきなり地震に見舞われて誰もが混乱しており、なおかつ運搬手段も限られたなかで初動が後手後手になってしまうことは致し方ない側面もあるとはいえ、「早く物資を!」「水と食料を!」を動かさないといけない局面である。

 こうした国民の生命や安全が脅かされた緊急事態に際しては、基礎自治体や中二階となる都道府県行政が現場を掌握してまともに機能するのはもちろんのことだが、もっとも機敏に対応しなければならないのは、それよりもはるかに権限を有している国である。基礎自治体が備えとして保有している災害対応の物資などもたかが知れており、しかも現場は限られた人員で避難民対応だけでもパニックに陥ることなど目に見えている。災害に対応する司令塔として資金力や動員力を有する国が全面的に身を乗り出して、避難民への物資支援や災害救援体制をとる以外に被災地のフォローなどなし得ないことは明白である。

 しかし、あろうことか東日本大震災熊本地震、各地の豪雨災害など、いつも被災者の自己責任に丸投げしてきたのがこの国の政府で、今回の地震に際しても大臣や首相が作業服に着替えて記者会見こそするものの、数日たってなお「今から自衛隊に被災地のニーズを聞き取りさせます」などと能天気なことをいっている。役立たずかと思うほど鈍くさい動きに、思わずこの連中に「人の心」は宿っているのだろうかと思うほどである。難儀な状況に置かれている国民にたいして、「愛はあるんか?」と思うのである。

 個人がいくら赤十字に募金しようが、「〇〇基金」なるものに募金しようが、目の前で困っている3万数千人の被災者の手助けとしては雀の涙ほどにしかなり得ず、残念ながら限られた力である。それはあるに越したことはないとはいえ、個人の善意やボランティアには限界があるのも事実なのである。それよりも国がマンパワーを動員し、必要なカネを注ぎ込み、初動にもその後の復興にも全面的に関わることの方がはるかに被災地にとっては強力な支援になるし、ボランティアがスコップ担いで被災地支援するよりも自衛隊なり土木のプロたちが重機を持ち込んで作業した方が圧倒的に事は前に動いていくというのも現実である。しかし、いつも放置して棄民するから、ボランティアに出向かなければならない――。これは地震や豪雨災害のたびにボランティアとして現場に赴いてきた人々の実感でもあろう。そもそも国民の善意に被災地支援や復興を丸投げすること自体がおかしいわけで、そんな構造の末端では、「愛は地球を救う」なんてお涙頂戴で募金を募っておきながら、人の善意をくすねるテレビ局幹部がいたり、その愛たるや腐ったものである

 なお、今回の地震では、能登半島にある志賀原発の存在も危ぶまれている。福島第1原発の二の舞いにもなりかねず、震度7で無傷なわけがないからだ。そして、撤回に追い込まれたとはいえ、仮に珠洲原発が建設されていたらどうなっていたか――も考えさせられる。地震列島と原発列島が共存するという無謀さである。

武蔵坊五郎 
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コメント
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●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》

2020年03月11日 00時00分57秒 | Weblog


東京新聞のコラム【筆洗】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2020012302000130.html)。
レイバーネットの記事【「今日は一番言いにくい話をします」/双葉町避難者・鵜沼久江さん現実を語る】(http://www.labornetjp.org/news/2020/0119shasin)。

 《この区切りの付け方はどうなのか。政府はこれまで主催してきた東日本大震災追悼式を発生から十年となる来年二一年までとする方針を発表した▼国が財源を保証している復興・創生期間が二一年三月で終了することを受けての判断だろう。政府にとって震災後十年というのはなるほど、キリの良い数字なのかもしれぬ。されど、その判断が被災地にはどう映るかが心配である。見放され、もはやあの震災は過去のものだと通告されているような気にさせられぬか》。
 《周囲には、双葉町民だということを一切明かさず生きている人もいる。そうすれば職場でも学校でいじめられることがないからだ。鵜沼さんは双葉町民であることを隠さず、テレビや新聞の取材にも応じてきた。いじめやオリンピックへの言及もしたがカットされ、だからこそこういう上映会が貴重なのだと、忙しい農作業の合間をぬって駆けつけてくれた》。

   『●お見舞い申し上げます・・・
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年:
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」…
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                 人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」
   『●東電核発電人災から8年: 《11日の夜9時すぎには、
           東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残って…》

 まず、ᴍᴄちょろ@chorho_speakingさんのこのつぶやき(https://twitter.com/chorho_speaking/status/1232479588938207232)に貼られている映像(するめのよっちゃんver.2 沖縄は日本だ さん)をご覧ください。【【原発】菅総理に住民から怒りの声 福島の避難所(11/04/21)】(ANN news)(https://www.youtube.com/watch?v=FuXW2pq014I)。ブログ主は、涙が出て止まらなかった。

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https://twitter.com/chorho_speaking/status/1232479588938207232

ᴍᴄちょろ@chorho_speaking

2011年のテレビって、こんなでしたよ。

フリーダムです


するめのよっちゃんver.2 沖縄は日本だ さんによる
午前10:36 2020年2月26日
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 アベ様はこれまで何をやってきたのか? アベ様口癖の「悪夢のような旧民主党政権」…あらゆる意味で、悪夢のような最悪な政権はもはや明白です。

 何一つ解決せずに…《政府はこれまで主催してきた東日本大震災追悼式を発生から十年となる来年二一年までとする方針を発表》。東電・政府・原子力「寄生」委員会等は双葉町を「原状回復」してみせてよ!

   『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》…
                 原状回復して見せたのか? 誰か責任は?

 石井宏昌記者による、東京新聞の記事【原発事故で自主避難の丹治さん「福島の復興はまだ先」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/gunma/list/202002/CK2020021202000144.html)によると、《東日本大震災から来月十一日で丸九年となるのを前に、高崎市で十一日、被災地への理解を深めようと市民団体主催の学習会があった。東京電力福島第一原発事故で福島県から群馬県に自主避難した丹治杉江さん(63)が苦悩する避難者や原発事故被災地の現状を報告。「東京五輪を機に政府は原発事故が終わったかのように強調するが、原発立地地域の復興はまだ先福島の現状を知ってほしい」と訴えた。(石井宏昌)》。

   『●カネ色の五つの輪: 「巨大なビジネスなのにボランティアは
             タダ働きっておかしいと思うのは、私だけ?」
   『●「アンダーコントロール」な訳がない…そもそもウソにウソを
       重ねて、金(カネ)色の五つの輪をニッポン誘致しておいて

 金(カネ)色の五つの輪、いったい、なにが復興五輪か?
 阿部岳さんによる、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]聖火は「聖」なのか】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/541537)。《▼東京五輪のリレーは今月始まる。ここに来て、組織委員会が変なことを言い始めた。沿道から撮影した動画はSNSに投稿してはいけない、見つけたら削除を要請するという。ナチス時代にはなかった放映権ビジネスで、放送局に配慮した ▼しかし、競技会場と違って天下の公道は貸し切りではないし、入場の約束事もない。民間団体である組織委が通行人に指図する根拠は不明だ ▼大会の機運を高めるリレーも、商業主義が行き過ぎればスポンサー企業のためだけのイベントになる。ただでさえスポンサー枠で走者が決まり、発着点に営業所が選ばれている…▼出発点になる福島県には原発災害が終わったことにされる警戒感もある。日本でなぜか「聖火」と呼ばれるあの火は、外国語では単に「五輪の火」。過剰にありがたがっていると、大事なことを見落としそうだ。(阿部岳)》。

 東京新聞の記事【原電が断層データ書き換え 敦賀2号審査、規制委が批判】(https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020020701002648.html)によると、《原子力規制委員会は7日、原子炉建屋直下に活断層があると指摘されている日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の審査会合で、原電が提示した地質データに不適切な書き換えがあると指摘した。審査の根幹に関わる問題だとしてこの日の会合を打ち切った。問題となったのは原電が2012年に実施した掘削調査の記録。従来の資料では「未固結粘土状部」と記載していたが、7日の資料は「固結粘土状部」に変わっていた。会合で規制委は「元のデータの書き換えは絶対にやってはいけない。倫理上の問題だ」と批判。原電は、別の方法で詳細に観察した結果を踏まえ記載を修正したなどと弁解、陳謝した》。
 あ~ぁ、核発電「麻薬」中毒な皆さんはやることなすことがデタラメ…何が「世界一厳しい」安全基準か!  「推進」な「寄生」委員会にさへ指摘される始末…。

   『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…日本原電は
               東海第二原発の再稼働をしたいらしい…

 日刊ゲンダイの記事【“復興五輪”強調に怒り 福島県民「内閣支持率30%」の衝撃】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/268223)によると、《安倍内閣を「支持する」は、前回の昨年9月調査から11・1ポイントも下落し、30・3%。逆に「支持しない」は、13・6ポイント増え、53・9%になり、支持と不支持が大逆転したのだ》。
 《700人から回答を得た》…まだ3割はアベ様の内閣を支持! 正気?

 レイバーネットの記事【共同声明 : オリンピック聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」】(http://www.labornetjp.org/news/2020/0225hasegawa)によると、《2020東京オリンピックへ向けての聖火リレーが始まろうとしています。しかし、未曽有の原発被害の渦中にある私たちは、「オリンピックどころではない!」と言わざるを得ません。原発事故の被害者がどれだけ「復興五輪」を歓迎しているでしょうか。忘れもしません。2013年9月、ブエノスアイレスでの招致演説で安倍晋三首相はこう言ったのです。状況は、アンダーコントロール」「汚染水の影響は、港湾内の0.3平方キロの範囲内で完全にブロック」「健康問題については、今までも、現在も、将来も全く問題ありません」と。あれから6年。いま、私たちの目の前にある現実は、どうでしょう。メルトダウンした核燃料は所在すらつかめていません。壊れたままの原子炉建屋には毎日百数十tの地下水が流れ込み、ALPS処理汚染水は溜まり続け、漁民や住民の意思を無視して海洋への放出が画策されています。(共同声明より)》
 な~にが「復興五輪」だ!

   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も3基で
      計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?

 東京新聞の記事【女川原発2号機 正式適合 再稼働「地元同意」焦点に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202002/CK2020022702000154.html)によると、《原子力規制委員会は二十六日に定例会合を開き、東北電力が再稼働を目指す女川(おながわ)原発2号機(宮城県女川町、石巻市)が、新規制基準を満たしているとする「審査書」を決定した。これで審査に正式適合した。適合は九原発十六基目となる。女川原発は東日本大震災の震源に最も近い原発で、地震と津波で大きな被害を受けた。被災原発の適合は日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)に続き二基目。再稼働は安全対策工事が完了する二〇二〇年度以降の見込み。今後は地元同意手続きが焦点となる。規制委の更田豊志委員長は記者会見で「震災の影響をきちんと確認した上で、(適合を判断した」と強調。審査結果を地元に説明する機会があれば、専門用語などを使わずに分かりやすく伝えられるよう準備する意向を示した。宮城県知事、女川町長、石巻市長はいずれも「議会の意見を聞いて判断する」などと述べ、再稼働への賛否を明らかにしなかった》。
 「地元」首長、こんなことを許していいのか? 3.11東電核発電人災を忘れたのか?

   『●JOC臨界事故で何が起きたでしょうか?…《人が制御できない
          なんて恐ろしい。政府は…本当のことを言っていない》

 東京新聞の記事【<東日本大震災9年>双葉町 一部避難指示解除 駅周辺 帰還困難区域で初】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020030402000162.html)によると、《政府は四日、東京電力福島第一原発事故で福島県双葉町の全域に出ている避難指示を、駅周辺の帰還困難区域など一部で解除した。第一原発が立地する同町は避難指示が出た十一市町村で唯一、全域避難が続いていた。事故以来約九年ぶりに人の出入りが自由になり、復興は一歩前進した》。
 東電や政府は「原状回復」して見せたのですか? 何《歩前進》しないといけないのですか?

 桜を見る会には予算をつけて詐欺師までも招待し、政府の追悼式は止める。どんな神経か?

   『●東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎしたゲス・ヒトデナシな
               詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達
   『●斎藤貴男さん【ジャパンライフと政界、マスコミ、警察の結託…
       腐った構造】《腐り切った構造は世代を超えて受け継がれ…》
   『●「桜を見る会」税金接待…《稲田氏や萩生田氏、世耕氏
     といった安倍首相の側近議員たちも…招待し、もてなしていた》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
         …関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2020012302000130.html

【コラム】
筆洗
2020年1月23日

 <二千年終(おわ)る閂(かんぬき)真一文字>は俳人桂信子さんの句で二〇〇〇(平成十二)年末の作である。一九一四(大正三)年生まれで当時八十五歳。若くして夫を失い、戦争中も一人で生き抜いてこられた方である。阪神淡路大震災も経験した▼「二千年」とは桂さんにとって、そうした苦しさもあった過去そのものなのだろう。そこに区切りのかんぬきをかけ、前を向いていく。そんな決意が句にこもる▼強さやすがすがしさを感じるが、この区切りの付け方はどうなのか。政府はこれまで主催してきた東日本大震災追悼式を発生から十年となる来年二一年までとする方針を発表した▼国が財源を保証している復興・創生期間が二一年三月で終了することを受けての判断だろう。政府にとって震災後十年というのはなるほど、キリの良い数字なのかもしれぬ。されど、その判断が被災地にはどう映るかが心配である。見放され、もはやあの震災は過去のものだと通告されているような気にさせられぬか▼復興や再生が終わったとは決して言えまい。原発の問題も残る。なによりも、十年が経過しようが、被災地には癒えることのない悲しみがある。キリ、区切り、節目。そんなものは政府や被災地以外の言い分であって区切りの付けられぬ心の痛みが今なお続いている▼<震災十年終る閂真一文字>か。そのかんぬきをかける音は冷たい。
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http://www.labornetjp.org/news/2020/0119shasin

「今日は一番言いにくい話をします」/双葉町避難者・鵜沼久江さん現実を語る

「今日は一番言いにくい話をします」〜双葉町避難者・鵜沼久江さん現実を語る
堀切さとみ(『原発の町を追われて』制作者)

 1月19日、東京・高円寺のフリースペース「グレイン」で、『原発の町を追われて』上映会とトークが行われた。30人があつまり、双葉町から埼玉県加須市で避難生活をしている鵜沼久江さん(写真下)の話に聞き入った。

 「今日は一番言いにくい話をします。お金の話です」と鵜沼さん。「避難者は賠償金もらって、いい思いして」と言われているがとんでもない。われわれ双葉町民には『生活再建のためのお金』として一律100万円渡されました。世間ではもらったお金だと思われているみたいですが、借りてるだけそれも強制的な貸付なんですよ」。

 双葉町民には精神的慰謝料として、一人あたり一ヵ月10万円が振り込まれていた時期がある。このことがマスコミで報道されるや、避難者に対する世間の目は、同情からやっかみに変わった。避難先の小中学校で子どもたちはいじめにあい、働きに出た大人たちは「双葉の人間が来たから仕事がなくなった」と責められた。「だからといって、ひと月10万で生活なんてできません。私は避難先で必死になって野菜を作って売って来ましたが、『賠償金いっぱいもらってるのに、なんで働く必要があるんだ』と言われてきました。8年たった今もですよ」と鵜沼さんはいう。

 双葉町は、福島第一原発事故で今も全町避難を余儀なくされている唯一の町だ。この三月、ついに双葉駅を中心に、一部避難指示が解除される。それに伴い、東京五輪の聖火ランナーが双葉町を走ることも決まった(1月21日朝日新聞)。双葉駅はかつては止まらなかった特急が、止まる駅になるのだという。

 「福島第一原発は今も危険な状態にあります。昨年夏に一時帰宅した時、排気塔の撤去作業をしていたためか、付近の放射線量が上がりました。でも町民には何の説明もありません」。避難するのも避難解除するのも、上から勝手に決められてきた。復興再生計画もそうだ。津波で家が流された海沿いの地域は「水田再生ゾーン」になっている。そこに土地をもつ人は「こんなところでコメなんて作りたくない」という。それを見越して町は、福島県外の農業法人にコメ作りを委託している。国や県が決めたことに逆えば大変なことになるから、町長も町会議員も何も言わない。国が安全だといえば日本中が納得し、帰らないのがわがままと言われる。「だったら総理大臣が家族をつれて住んでみてよそうすれば本当に安全なんだって、国民に伝わるから」と鵜沼さんは笑う。

 会場から「どうなることが復興だと思いますか?」と質問が出た。「双葉町に帰って、農業したいんだという人がいる。じゃあ、あんたの息子は引き継いで農業やるのかって聞くと『俺の息子は帰らねえ』っていう。それじゃあ、何のために双葉で農業やるのか。次世代に引き継げない、あと十年やそこらの自分の満足のために帰るなんて。そのための除染費用を、東電が出すならいい。でもそうじゃなくて、皆さんの税金でしょ? 無駄に使わないでほしい」。

 「双葉町は地図からなくなるんじゃない?」。加須市に避難した当初からそう思っていたと鵜沼さんは言う。周囲には、双葉町民だということを一切明かさず生きている人もいる。そうすれば職場でも学校でいじめられることがないからだ。鵜沼さんは双葉町民であることを隠さず、テレビや新聞の取材にも応じてきた。いじめやオリンピックへの言及もしたがカットされ、だからこそこういう上映会が貴重なのだと、忙しい農作業の合間をぬって駆けつけてくれた。

 親戚や孫からは「もうテレビには出ないで」と言われるが怯まない。現実を話し続けること、それ以外に双葉町を存続させる手立てはないと、鵜沼さんは思っている。「お金をもらったからって黙り込んじゃダメ。やましいことでも何でもない」。双葉町民へのメッセージだ。

2020-01-22 16:02:25
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●「在日沖縄人」石川文洋さん… 《宗谷岬を出発し…沖縄まで約3500キロを約11カ月間かけて完歩》

2019年08月28日 00時00分34秒 | Weblog

[※ 石川文洋さん 【NNN ドキュメント'19/平成ニッポンを歩く 報道カメラマン80歳 日本縦断】(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/user_images/oa_190818.jpg)↑]



報道カメラマン石川文洋さんについての、NTVのドキュメントの前編【NNN ドキュメント'19/シリーズ平成 平成ニッポンを歩く 報道カメラマン80歳 日本縦断】(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/80.html)と、
後編【NNN ドキュメント'19/平成ニッポンを歩く 報道カメラマン80歳 日本縦断(西日本編)】(http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-147.html)。
沖縄タイムスの記事【「古里に戻り安心」 写真家・石川文洋さん 日本縦断の旅で沖縄到着  基地問題撮影しゴールへ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/423128)。
内間健記者による、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]県出身の報道写真家・石川文洋さんが、日本列島を徒歩で縦断する旅で沖縄入り…】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/424531)。
琉球新報の記事【3500キロ歩いて日本列島縦断を達成! 写真家の石川文洋さん「人生最良の日」震災被災地訪問し辺野古、高江へも】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-933262.html)。

 《ベトナム戦争ベなど歴史的瞬間を取材してきた現役報道カメラマン石川文洋さん。80歳になった2018年7月、新たな旅に出た。日本最北端、北海道宗谷岬を出発、太平洋側を通り、沖縄那覇市まで徒歩で撮影しながら徒歩で縦断する》。
 《日本列島を徒歩で縦断する旅を続けている沖縄県出身の報道写真家、石川文洋さん(81)が22日、鹿児島県からフェリーで沖縄の本部港に到着した。名護市辺野古東村高江など基地問題の現場を経由しながら本島を縦断し、6月8日に那覇市のゴールを目指す》。
 《すでに約3300キロを踏破し、新基地建設工事が進む辺野古を改めて訪れ、「沖縄は国がつくり出した災害に苦しんでいる」と語った》。
 《日本列島を歩いて縦断する旅に挑戦してきた報道写真家の石川文洋さん(81)が8日、最終目的地の那覇市に到着した。2018年7月9日に北海道の宗谷岬を出発し、本州、四国、九州を経て沖縄まで約3500キロを約11カ月間かけて完歩した。石川さんは「歩き続けて良かった。私の人生の最良の日というぐらい幸せだ。古里でゴールを迎えることができてうれしい」と語った》。

 琉球新報のコラム【<金口木舌>文洋さんの旅に学ぶ】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-934713.html)によると、《▼県出身の報道写真家、石川文洋さんが日本列島3500キロ縦断の旅を終えた。原発事故の被害に苦しむ福島、新基地建設が進む沖縄と東京の遠い距離を身をもって実感したに違いない ▼「平和の礎」を訪れ「なぜ、このような状況になったのか。政治ですよね、軍隊ですよね」と語った。写真家はベトナム戦争で庶民の苦しみを直視したように、沖縄戦の苦しみを間近に見つめる ▼「沖縄は良い所だ。半面、大きな基地を抱えている。その中で沖縄の人たちは一生懸命に平和へ向かって生きている」。那覇市のゴールでこう語った石川さんは日本を縦断し、庶民の喜びや嘆きに触れ、カメラで記録した。東京の為政者たちとの距離も。その旅に学ぶことは多い》。


 80歳の現役報道カメラマン「在日沖縄人石川文洋さん、お疲れ様でした! 《宗谷岬を出発し、本州、四国、九州を経て沖縄まで約3500キロを約11カ月間かけて完歩》。6月に、無事にゴール、本当に素晴らしい! 尊敬するフォトジャーナリスト、「現実の戦争を知るベテランジャーナリスト」。

   『●沖縄と報道カメラマン・石川文洋さん
   『●辺野古破壊や高江『標的の村』などなど……
      「本土の人間が「沖縄だからいいや」と差別している」
   『●「在日沖縄人」石川文洋さんの写真集
       『基地で平和はつくれない――石川文洋の見た辺野古』
   『●「現実の戦争を知る
      ベテランジャーナリスト」石川文洋さんの言葉に耳を

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http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/80.html

NNN ドキュメント'19
2019年1月13日(日) 24:55
シリーズ平成
平成ニッポンを歩く
報道カメラマン80歳 日本縦断

ベトナム戦争など歴史的瞬間を取材してきた現役報道カメラマン石川文洋さん。80歳になった2018年7月、新たな旅に出た。日本最北端、北海道宗谷岬を出発、太平洋側を通り、沖縄那覇市まで徒歩で撮影しながら徒歩で縦断する。老練カメラマンの眼に、平成最後の1年をきった日本はどう映るか。石川さんの写真とエッセイを織り交ぜながら2回の放送に分けて、旅の全容を伝える。今回は北海道から福島までの東日本編。

ナレーター/小山茉美・松本光生  制作/日本テレビ  放送枠/30分

再放送
1月20日(日)11:00~ BS日テレ
1月20日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」
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http://www.ntv.co.jp/document/backnumber/archive/post-147.html

NNN ドキュメント'19
2019年8月18日(日) 24:55
平成ニッポンを歩く
報道カメラマン80歳 日本縦断(西日本編)

ベトナム戦争など数々の戦場を取材してきた現役の報道カメラマン石川文洋(80)は2018年7月9日、北海道宗谷岬を出発し徒歩で日本縦断の旅に出た。11月末には旅の中間地点、東京日本橋に到着した。今回の第2弾は日本橋からゴールの沖縄那覇市に向かう様子を伝える。念願の東海道を歩き、時代は平成から令和へ。九州を経て6月、ついに生まれ故郷の沖縄に到着。石川文洋は何を感じどんな写真を撮りながら旅を続けたか-

ナレーター/小山茉美  朗読/松本光生  制作/日本テレビ  放送枠/30分

再放送
8月25日(日)11:00~ BS日テレ
8月25日(日)5:00~/24:00~ CS「日テレNEWS24」
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/423128

「古里に戻り安心」 写真家・石川文洋さん 日本縦断の旅で沖縄到着  基地問題撮影しゴールへ
2019年5月23日 06:39

 日本列島を徒歩で縦断する旅を続けている沖縄県出身の報道写真家、石川文洋さん(81)が22日、鹿児島県からフェリーで沖縄の本部港に到着した。名護市辺野古東村高江など基地問題の現場を経由しながら本島を縦断し、6月8日に那覇市のゴールを目指す。この日もさっそく本部町塩川まで2・5キロを歩いた石川さんは「沖縄の現状を本土に伝えたい」と意欲を示した。

     (日本列島縦断の旅を続け沖縄本島に到着した石川文洋さん
      =22日、本部港)
     (「基地のない沖縄を」Tシャツを示しながら沖縄路の意気込みを
      話す石川文洋さん=22日、本部港)

 2018年7月に北海道の宗谷岬から始まった旅で、これまで約3300キロを踏破してきた。北海道の自然や東日本大震災の爪痕、広島の原爆の語り部、神奈川県や山口県米軍基地を前にカメラを構えた。撮影枚数は1日100枚以上。「気持ちが動いた時にシャッターを切る。歩いているからこそだ」とほほ笑む。

 本部港では友人ら10人の出迎えを受け、顔をほころばせた。「遠くからでも伊江島タッチューが目立っていた。古里に帰ってきたという安心感があり、胸が熱くなった」と話した。

 沖縄路は「基地のない沖縄を」とプリントされたTシャツを着て臨む。残り約170キロ。「生きているうちに平和な沖縄を見たいという気持ちを支えに歩きたい」と表情を引き締めた。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/424531

[大弦小弦]県出身の報道写真家・石川文洋さんが、日本列島を徒歩で縦断する旅で沖縄入り…
2019年5月26日 09:00

 県出身の報道写真家・石川文洋さん(81)が、日本列島を徒歩で縦断する旅で沖縄入りした。すでに約3300キロを踏破し、新基地建設工事が進む辺野古を改めて訪れ、「沖縄は国がつくり出した災害に苦しんでいる」と語った

▼昨年7月に北海道の宗谷岬から那覇市を目指しスタート。歩きつつ1日100枚以上撮影する。13年前に心筋梗塞を発症し、障害者手帳を持つ身

▼以前、日本海側で縦断したことがあるが、今回80歳の節目に太平洋側のコースで2度目の挑戦に踏み切った。古里の沖縄や東日本大震災の被災地再訪も目的。「基地のない沖縄を」と記したシャツでアピールし歩いてきた

▼本紙文化面の石川さんの連載では随時、その旅路を紹介。東北では被災者の声に耳を傾け、特に子どもの被害には胸を痛めた。若き日に従軍取材したベトナム戦争の体験を重ね、悲劇を伝える重要性もつづった

▼そして県民の民意が顧みられることなく進む新基地建設の現場。病を乗り越え、長距離を一歩ずつ踏みしめてきた石川さんが身をもって示したのはあきらめないではないか

▼県内では約2週間歩く。米軍普天間飛行場や米軍牧港住宅地区跡地から発展を遂げた那覇市の新都心などを文字通り足で確認して回るという。徒歩の旅は6月8日に那覇市のパレットくもじ前でゴールする。(内間健)
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https://ryukyushimpo.jp/news/entry-933262.html

3500キロ歩いて日本列島縦断を達成! 写真家の石川文洋さん「人生最良の日」震災被災地訪問し辺野古、高江へも
2019年6月9日 06:30
列島縦断 報道写真家 歩いて縦断 日本一周 平和 震災

     (日本列島を歩いて縦断、温かい拍手に迎えられ笑顔で
      ゴールする石川文洋さん =8日午後1時57分、
      那覇市のパレットくもじ前広場(ジャン松元撮影))

 日本列島を歩いて縦断する旅に挑戦してきた報道写真家の石川文洋さん(81)が8日、最終目的地の那覇市に到着した。2018年7月9日に北海道の宗谷岬を出発し、本州、四国、九州を経て沖縄まで約3500キロを約11カ月間かけて完歩した。石川さんは「歩き続けて良かった。私の人生の最良の日というぐらい幸せだ。古里でゴールを迎えることができてうれしい」と語った。

 ゴール地点の那覇市のパレットくもじ前には妻の桂子さん(55)や県内外の友人、知人らが集まり横断幕を掲げ、拍手で出迎えた。花束を受け取った石川さんは真っ黒に日焼けした顔をほころばせ、喜んだ。

 65歳の時、日本海側を通るコースで約3300キロを列島縦断した。今回は太平洋側を通り東日本大震災や福島県の原発事故、阪神淡路大震災、熊本地震の被災地などを訪問した。5月22日に沖縄入りし、新基地建設が続く名護市辺野古、北部訓練場がある東村高江などに加え、平和の礎がある糸満市摩文仁も訪れた。

 石川さんは故郷でゴールし「イジュの花が咲き、三線、泡盛があり、沖縄はとても良い所だ。その半面、大きな基地を抱えている。その中で沖縄の人たちは一生懸命に平和へ向かって生きている」などと語った。

 2006年に心筋梗塞になり、心臓の血管を広げるステント(網状の筒)を入れた。今回はその体で約10キロのリュックやカメラを担ぎ、連日10時間前後歩いた。

 夕方から那覇市の八汐荘で報告会を兼ねた「日本列島縦断の成功を祝う会」が開かれ、友人や支援者らと喜びを分かち合った。
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●2016年報道の自由度ランキング72位: 「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪

2016年06月11日 00時00分28秒 | Weblog


LITERA 本と雑誌の知を再発見』(http://lite-ra.com/)の編集部による森達也さんのロングインタビュー『映画『FAKE』公開直前、森達也監督インタビュー/佐村河内の意外な「素顔」に迫った森達也監督が社会の二元化に警鐘!「安倍政権もメディアも途上国以下のレベル」』(http://lite-ra.com/2016/06/post-2302.html)。

   『●『王様は裸だと言った子供はその後どうなったか』読了
   『●『世界が完全に思考停止する前に』読了
   『●『悪役レスラーは笑う ―「卑劣なジャップ」グレート東郷―』読了
   『●『A2』読了
   『●『A3(エー・スリー)』読了
   『●『死刑』読了
   『●『ご臨終メディア ~質問しないマスコミと一人で考えない日本人~』読了 (1/3)
   『●『こころをさなき世界のために』読了
   『●『視点をずらす思考術』読了(1/2)
   『●『視点をずらす思考術』読了(2/2)
   『●『ドキュメント・森達也の「ドキュメンタリーは嘘をつく」』読了
   『●『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』読了(1/2)
   『●『それでもドキュメンタリーは嘘をつく』読了(2/2)
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(1/2)
   『●『きみが選んだ死刑のスイッチ』読了(2/2)
   『●『下山事件〈シモヤマ・ケース〉』読了(1/6)
   『●『メメント』読了
   『●『東京番外地』読了
   『●蓮池透×森達也ロング対談
   『●『戦争の世紀を超えて』読了
   『●ビンラディン氏暗殺再び
   『●光市母子殺害事件最高裁判決: 森達也さんの〝目〟
   『●森達也さんのフェイク・ドキュメンタリー新刊、そして水俣病・・・
   『●森達也さん『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」
                               と叫ぶ人に訊きたい』書評

   『●「不安と闘いながら世界に理念を示し続けたこの国に生まれたことを
                                 僕は何よりも誇りに思う」
   『●原発推進のおバカ映画を見て、一体何の教訓を得ろと??
   『●森達也さん「組織全体の病理と民意の後押し」
   『●森達也さん『国民を騙し続けたこの国には秘密保護法など不要』
   『●秘密隠蔽法: 「もっと絶望した方がいい」・・・
        「絶望」させられたのは自公・翼賛野党非支持者ばかり

   『●戦争法案・壊憲法案に「対案」? 
      答えは「No!」、対案なんてクソくらえだ!
   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」「これから4年間で
          この国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」
   『森達也さん、新刊『「テロに屈するな!」に屈するな』:
             アベ様らによる、そんな未来を子や孫に?


 《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありませんメディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。2010年に自由度11だった日本のメディアが、2016年には72にまで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、同じように下落したということです。今のこの国のレベルは途上国以下》。

 ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って」いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか? 
 2016年「報道の自由度ランキング」、ニッポンは72位。「メディアは二流ならば社会も二流」、では、アベ政治も二流?、三流?、…最低流、最下流、粗悪? 自公お維大地支持者の皆さんの気が知れない。

   『●スガ殿曰く「報道が萎縮するような実態は全く生じていない」
                …「日本は今や世界の笑い者」、恥ずかしい…
   『●アホらしき税収不足! 日本の「報道の自由度」72位で、
              「パナマ文書を調査しない国は…と日本くらい」
   『●斎藤貴男さん、大新聞社は「自分たちだけは例外。
        権力にオネダリして、そうしていただいたのである」

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http://lite-ra.com/2016/06/post-2302.html

映画『FAKE』公開直前、森達也監督インタビュー
佐村河内の意外な「素顔」に迫った森達也監督が社会の二元化に警鐘!「安倍政権もメディアも途上国以下のレベル」
【この記事のキーワード】インタビュー, 編集部 2016.06.03

     (15年ぶりの単独監督作『FAKE』を
          6月4日に公開する森達也氏)

 “「現代のベートーベン」全聾の作曲家佐村河内守はペテン師だった!”──2014年2月の「週刊文春」(文藝春秋)のスクープを皮切りに、メディアを巻き込んだ大スキャンダルに発展した佐村河内守氏の“ゴースト騒動”。会見後、佐村河内氏は表舞台から姿を消したが、その佐村河内氏の「素顔」に迫ったドキュメンタリー映画が、6月4日より劇場公開される(公式サイト)。

 タイトルは『FAKE』。監督は、オウム真理教信者たちの日常を描いたドキュメンタリー『A』で物議を醸した森達也氏だ。

 騒動後、自宅に引きこもり状態となった佐村河内氏の日常を通して、“ゴースト騒動とは一体何だったのか、誰が誰を騙していたのか、真実とは虚偽とは何かをあぶり出そうとする『FAKE』は、現在の日本社会を投影する“問題作”でもある。

 佐村河内氏と二人だけの対話を試みる森監督。バラエティ番組の出演交渉に訪れるテレビ局関係者。容赦なく佐村河内氏に質問をぶつける海外メディア記者。騒動後も夫を支える続ける妻。そして、これまでの“佐村河内像”をひっくり返すであろう、衝撃的ラストシーン──。

 森氏の単独監督作としては『A2』以来15年ぶりとなる本作。なぜいま、佐村河内氏なのか。そこから浮かび上がる社会、メディアの病理とは何か。森監督に話を聞いた。

……………………………………

──なぜ、佐村河内氏を撮ろうと思ったのですか。

 もともと興味があったわけじゃない。2014年8月に書籍の企画を持ち込まれて、あまりその気はなかったのだけど彼と会って、2時間くらい話をしました。そのときに彼や、彼を取り巻く環境がフォトジェニックだなと強く感じたんです。特に美男というわけではないけれど、画になるなって。それは彼だけじゃなくて、傍に奥さんがいて、猫がいて。リビングはとても薄暗くて、窓を開けたらすぐ近くを電車が走っている。そういったものを全部含めて画になるなと。それで帰り際に、「あなたを映画に撮りたい」と伝えていました。……まあ無理やりに言葉にしたけれど、ほとんど直感です。


──ほとんどのシーンが佐村河内氏の自宅での撮影ですね。カメラを回しているときに「耳が聴こえているのでは」と感じたことは?

 アレ?って思ったことは何度もありました。でも、その次の瞬間、「ああ、やっぱり聴こえてないんだ」って思ったこともある。佐村河内さんの症状である感音性難聴は、聴こえる音と聴こえない音があり、「聴こえている音も曲がって聴こえる」と本人は言っています。これは体調によっても変わる。考えたら当たり前ですよね。あと、口話(口の形)を読んでいるときもある。佐村河内さんは奥さんの口話はかなりわかるんだけれども、初めて会った人の場合はほとんどわからない。人によって癖がありますから。つまりすべてグラデーションなんです。聴こえるか聴こえないかの二項対立じゃない。多くの聴覚障碍者はこの領域にいます。ところがメディアは、この端数をわかりやすく四捨五入して単純化してしまう。

──佐村河内氏を撮りながら、森監督自身の気持ちが変わっていったということは? あるいは佐村河内氏がメディアを使うことに長けているな、とは感じなかったですか。

 僕自身の気持ちですか? ……変化しなかったと思います。もうこの歳になると、ちょっとやそっとじゃ変わりません。佐村河内さん自身から「こう撮ってくれ」などの注文は、ほとんどなかったな。決してメディアに対して戦略的なタイプではないように思う。たしかに彼にはプロデューサー的な才覚はあったのかもしれないけれど、障害というある意味でエアポケットに入り込んでしまったこととか、偶然による部分も大きかったんじゃないかな。


──『FAKE』のパンフレットには「誰にも言わないでください。衝撃のラスト12分間」という文言がありますね。たしかに観劇後、思わず誰かに言いたくなる圧巻のラストでした。

 映画のラストに関わるシーンも含め、受け取り方は人それぞれです。そもそも人間の感覚なんて、第三者が共有できるものではない。僕にとっての緑は、あなたにとって黄色かもしれない。結局は脳内で感覚器が受けた刺激を神経信号に変換して再現しているわけですから、絶対という言葉は誰も使えない。でもメディアは、これもやっぱり安易に断言してしまう。そして二極化です。騒動前は「全聾の作曲家」と持ち上げて、騒動後は「実は聞こえていたペテン師」と叩く。狭間が見事に消えている。それは非常につまらないし、何よりももったいないです。

──「もったいない」とは?

 たとえば風景画を描こうと思って絵の具を買ってきたとします。でも葉っぱを描くときに、緑の絵の具だけを使う人はあまりいないでしょう。じっと景色を見つめながら、黄色や茶色や、いろいろと混ぜるはずです。地面の色もそうだし、人の肌もそう。白と黒の間にも様々な領域があるはずで、それが僕たちの世界です。だから豊かなんです。でもいまのメディアは、それらをあっさり単純化して、原色にしてしまっている。そのほうが分かり易いし、視聴率や部数もあがるから。

 メディアから受け取る情報で、僕たちは身の回り以外の世界観をつくっています。ところがメディアのこの作業によって、世界はとても単純で扁平でつまらないものに加工されてしまう。本当はもっと様々な要素があるのに、吐息や呻きやつぶやきが消えてしまい、残るのは大きな声と対極の沈黙だけ。それはあまりにもったいない。そんな平面的な世界観のまま、僕は人生を終えたくない。


──たしかに「全聾の天才作曲家」も「ペテン師」も両方ともメディアがつくり出した“佐村河内像”ですね。今回、森監督が佐村河内氏にカメラを向けたのも、この閉塞した社会とメディア状況のなかで一方的にバッシングされた人として、なにか琴線に触れるものがあったではと思ったのですが。

 まあ、後付けでそういうことを言ってはいますが(笑)。もともと日本は「世界一ベストセラーが生まれやすい国」なんです。みんなが買うから自分も同じものを買うという一極集中、付和雷同が極めて強い国。つまり集団として動くことが得意なんです。その傾向が急激に加速している。集団とは群れでもある。イワシでもカモでも、群れはひとつの生きもののように動きます。要するに同調圧力が強くなる。でも人の場合は、イワシやカモのように感覚は鋭くないから、言葉による短い指示を求めます。こうして二元化を進行させながら、集団は共通の敵を探し、その敵を撃退する強いリーダーを求め始める敵がいなければ強引に作り出して、これを攻撃する。歴史にはそんな過ちがいくらでもある。911後のアメリカはその典型です。

 こうした状況に対しての苛立ちは、確かにあります。その意思表明のメタファーとなる回路を見つけたいと思っているとき、たまたま佐村河内さんに出会った。要はそういうことですね。だからといって、その苛立ちや意思表明が作品と関係があるとは思いません。それはあくまでも、撮影を始めたころの僕の心象風景です。


──二元化と集団化というキーワードが出ましたが、日本社会のどのあたりから、あるいは何が原因で、これが深まっていったのでしょう。

 日本人はそもそも集団と相性が良い。でも1995年、オウム真理教による地下鉄サリン事件は不安と恐怖を強く刺激して、人々の集団化をさらにエスカレートさせる大きなトリガーになったと思います。しかもその動きが加速し続けた。『A2』を撮影していた2000年前後は、オウムに対する社会の憎悪が、『A』のときよりもさらに強く大きくなっていることを実感しました。例えば、行政が信者の住民票を不受理にするなど、明確な憲法違反なのに、誰も異議を唱えない悪に対しての徹底した制裁異物の排除高揚するセキュリティ意識。そして足並みそろえる同調圧力。こうしたことが一気に進みます。


──アレフ信者の子どもの就学を拒否するような住民運動も起こりました。

 地下鉄サリン事件は無差別テロと呼ばれている。ならば標的は、自分自身や自分の愛する者だったかもしれない。だからこそ被害者意識が一気に共有されました。日本社会に初めて誕生したパブリック・エネミーによって善悪二元化が激しく促進され、不安と恐怖はさらに連鎖して、集団化のギアがトップに入り続けた。


──集団化によって異論を唱える人たちを排除するような同調圧力が働き、同時に強く分かり易いリーダーを求めるようになった。では、その流れを食い止めるようなものはなかったのでしょうか。

 2011年の東日本大震災のとき、もしかしたらこの集団化の流れにブレーキがかかるのではないかと、少しだけ期待しました。震災、特に原発事故は、多くの日本人の「後ろめたさ」を覚醒したからです。正確に言えばサバイバーズ・ギルト。この後ろめたさは個の感情です。ならば集団の動きや同調圧力に水を差すかもしれない。しかし結果はそうはならなかった。という言葉がシンボリックに示すように、集団化はむしろ反動で加速し、被災地や原発の問題に関する報道も急激に減少した。たしかに後ろめたさを持続し続けることはつらい。みんなでまとまってひとつの方向に動いたほうが心強いし、ラクだということなんでしょうね。


──その「絆」あるいは「善意」のような言葉は、メディアが扇動した部分があると思います。メディアも震災当初は「原発だ!放射能だ!」と声を大にしていたのが、現在はそれがなかなか言えない状況がつくられている。これについてはどう考えていますか。

 最終的にメディアを動かすのは市場原理です。メディアも営利企業ですから視聴率や売り上げは重要だし、だからこそ数字に結びつく素材を求めていく。朝日新聞も産経新聞も、日本テレビもTBSも、リテラもそうじゃないですか。これを批判するつもりはありません。組織を存続させるために営利追及は当たり前のことです。

 部数や視聴率が取れないから原発問題を取り上げない。それだけです。それをよく「政権のバイアスがかかっているから」と見なす傾向があるけれど、僕はそうではないと思う。メディアは、そこまで考えていない。ならばなぜ、産経と朝日はこれほどに論調が違うのか。マーケットが違うからです。しかも日本の新聞は世界でも珍しい宅配制度でマーケットが固定されているから、市場原理がより剥きだしになります。

 ただし普通の企業なら、営利追及だけでいいかもしれない。でもメディア企業の場合は、ジャーナリズムというもうひとつの柱がある。これは市場原理と馴染まない。社会や大衆が望まなくとも、ときには火中の栗を拾って報じなければならないときがある。けれども日本のメディアは、特にオウム以降、組織のなかのコンプライアンスやリスクヘッジなどが前面に出て、現場の感覚が消えかけている。個が弱いからです。企業としては進化したとの見方もできるけれど、ジャーナリズムとしては衰退です。欧米メディアの場合は、組織は組織として、個は個として、いい意味での摩擦が存在します。『FAKE』では、日本とアメリカのメディアが、それぞれ佐村河内さんに取材するシーンがありますが、その報道に対する姿勢の違いを観て、いろいろ感じてもらえればいいなと思いますね。


──テレビや新聞だけでなく、雑誌メディアはどうでしょうか。

 うーん、雑誌ジャーナリズムって「あえて逆をいく」ところがありますよね。2004年のイラクで、武装勢力に高遠菜穂子さんら3人が人質として拘束されたとき、世に「自己責任」という言葉が溢れました。あれを最初に書いたのは「週刊新潮」だった。その後「新潮」の記者に会う機会があって、「あれはひどいよ」と言ったら、「自分たちは『世間と逆をいけ』と教えられてきた。あのときも、世間は拘束された人たち救え!と人道的なことを言うと予想して、逆張りの主張をした。ところが社会が追随してきたので面食らった。そしたら、みんなが『自己責任だ』となっちゃった」と説明してくれました。


──「新潮」が読み間違えたのか(笑)。

 座標の軸が明らかに動いています。それも一極集中、付和雷同がどんどん進行する形で。だからジャーナリズムも本当に立ちづらい状況になっている。さらにインターネットの出現もあった。エポックとなった1995年は、一連のオウム事件や阪神淡路大震災という日本を揺るがす大事件が続発しましたが、同時にWindows 95が発売された“ネット元年”でもあるんです。ネット社会がスタートし、一般の人々が簡単に情報を発信できるような社会となっていく。こうしたネット社会に対し、既成メディアは当然危機感を持っています。競争原理もより煽られて、さらに刺激的・扇情的になっていった。

──ただ、ここ数年は、逆にスキャンダラスな傾向を強めているのは「週刊文春」ぐらいで、他誌はスキャンダルもスクープも減っていると思います。

 そういえばそうですね。「週刊文春」の一人勝ち。「週刊朝日」や「サンデー毎日」はともかくとして、「週刊新潮」の元気がない。まあでも、ある意味で「文春あっぱれ」とは思います。ベッキーやショーンKもやるけれど、政権スキャンダルもやってしまうという見境のなさ。右も左も関係ない。雑誌ジャーナリズムの王道です。映画『エイリアン』(第1作)で、怯える乗組員が「あいつは強い。なぜならば善悪を超越して、見境やためらいがないからだ」というようなセリフを言っていたけれど、まさしくエイリアン的になっている(笑)。それはそれでいいんです。でもそれが世間の中道になるならば、やはり社会の傾斜がおかしいと言いたくなる。


──安倍政権はいまマスメディアに対して、「公平中立」にやれ!とプレッシャーをかけてきていますよね。

 もしも「公平中立」を本気で具現化するのであれば、絶対的な座標軸が必要になります。でもそんなものは存在しない。座標軸は時代や国によって変わります。情報は“解釈”です。つまり記者やディレクターやカメラの視点。絶対的な真実など存在しない。どこから見るかで情報は変わります。多様な視点や様々な主張が集積された公共的な言論空間を届けることが、本来のメディアの機能です。公正中立や客観などは幻想です。高市早苗総務相のいわゆる「電波停止」発言は、政治家が政治的公平性を判断するとのレトリックの段階ですでにアウトだけど、そもそも放送法の解釈を間違っているのに、メディアは反論できなくなっている。「公平中立」を自分たちのエクスキューズとしてきたからです。「両論併記」も同じです。両端の位置を誰かが決めなくてはならない。つまり主観です絶対的な中立などわからない。それは神の視点です。


──「公平中立」や「両論併記」などと言っているのは日本だけでは。

 アメリカだったら、例えば大統領選が近づくと、FOXは共和党を応援するし、ニューヨーク・タイムズは民主党支持とはっきり主張するでしょうね。読者もそれを認識した上でメディアを選びます。だからリテラシーも身につく。


──この傾向は、安倍政権になってから決定的になったと感じるのですが。

 加速している面はあるとは思います。社会とメディアと政治は、三位一体ですから。政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありませんメディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。

 2010年に自由度11だった日本のメディアが、2016年には72にまで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、同じように下落したということです。今のこの国のレベルは途上国以下。そう考えたほうがいいと思います。

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 15年ぶりの森達也単独監督作品である『FAKE』は、大きな話題をさらうだろう。それは、これまでメディアが撮ることができなかった佐村河内守氏の「素顔」がスクリーンに映し出されるから、だけではない。この作品には、『A』から森監督が紡いできた「世界」の生々しい“歪さ”が潜んでいる。

『FAKE』に合わせて、代表作『A2』が、2002年の公開時にカットされたシーンを含む「完全版」として公開される。この15年で加速した日本社会の亀裂を、ぜひ劇場で確認してもらいたい。
(編集部)

■『FAKE』 監督・森達也
6月4日(土)より、渋谷・ユーロスペース、横浜シネマジャック&ベティにてロードショー、ほか全国順次公開。詳しくは公式ホームページ(http://www.fakemovie.jp/)にて。

■『A2 完全版』 監督・森達也
6月18日(土)〜24日(金)連日21:00、7月9日(土)〜15日(金)連日21:00より渋谷ユーロスペースにてレイトショー
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コメント (2)
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