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●馬奈木厳太郎弁護士《現在、賠償金は東電しか払っていない。国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり…政策に大きな影響》(1/2)

2022年06月17日 00時00分50秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2022年06月16日[木])
[その2へ]

原発さえなければと思います」―――《原状回復》なき《原発回帰》は許されない。
 長周新聞の記事【なぜ電力不足が起きているのか? 「儲からぬ」と火力を休廃止 再エネに必須なバックアップ電源なし】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/23747)によると、《政府は7日、電力不足に備えた対策を協議するための関係閣僚会議を開いた。電力需給のひっ迫は東日本大震災直後に深刻さが指摘され「計画停電」などがおこなわれたが、その後全国の原発がすべて停止するなかでも電力不足や停電は起こらなかった。それが今ここにきて政府が「深刻な電力不足」を騒ぎ、家庭や企業での節電を呼びかける方針を出すなど慌てている。本当に電力は不足しているのか、それはどこからきているのかについて見てみた》《電力の安定供給はどこへ?》《電力自由化後の変化》《「脱炭素」がもたらす弊害》《原発の再稼働促す狙いも》。

 そして、最大の戦犯は未だにのうのうと政治家で居続けている。最大の戦犯・アベ様が、核発電所を新規に作りたいそうです…正気じゃない。「アベシンゾウ」とでも名付けては如何か?

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
          責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
     今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
     彼が求めていることは責任をとってくれです。
     「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とって
     やめたか申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
     樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
     2013年3月11日に福島地裁に起こした
     「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟
     には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》

   『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士
      「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や
      国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる
   『●高松高裁原発避難者訴訟…《「長期評価」を真摯に受け止めていたら、
       遅くとも東日本大震災の前までに、さまざまな津波対策は取れた》
   『●東京電力核発電人災後に《福島県から千葉県などに避難した住民ら
     43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審》で逆転判決
   『●《「国に法的責任はある」−原発事故で千葉県に避難した人々が起こした
        訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した》
   『●東電核発電人災、仙台高裁上田哲裁判長に続き、国の責任も認めた東京
      高裁白井幸夫裁判長による逆転勝訴判決―――この判決の意義とは?
   『●《政府機関の地震予測「長期評価」に基づく試算から原発への大津波の
      到来は予見できた…対策の先送りを許した国…国に重大な法的責任》


 東電や自公政府、《火事場ドロボー》の皆さんは、さっさと「原状回復」して見せてくれよ。


[※ ↑号外【国の責任認める/東京高裁 千葉地裁判決覆す/原発避難集団訴訟 東電にも賠償命令】 (福島民報 2021年02月19日)]


 さて、生業訴訟…「生業を返せ、地域を返せ!」がようやく最「低」裁に。
 東京新聞【福島第一原発事故、国の責任は 17日に最高裁が初判断 原発避難4訴訟の争点とは】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183386)によると、《東京電力福島第一原発事故で避難した住民らが国に損害賠償を求めた4件の訴訟の上告審判決が17日、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)で言い渡される。原発事故の国の責任について最高裁が判断を示すのは初めてとなる。判決次第で国と東電を相手取った同種訴訟をはじめ、避難者への賠償の見直し議論や今後の原発政策など広範に影響が及ぶ可能性がある。(小沢慧一)…福島訴訟弁護団の馬奈木厳太郎弁護士は「現在、賠償金は東電しか払っていない。国が『加害者』となれば賠償の在り方が根元から変わり、除染や汚染水の海洋放出問題など、原発事故に関わる多くの政策に大きな影響を与える」と意義を強調する》。



[※ ↑【連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟】 (東京新聞 2022年06月11日)]

 そして、東京新聞のシリーズ記事【「歩く風評被害」と言われても、私は逃げない 覚悟決めた原発事故被災者福島訴訟の中島孝原告団長/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」①福島】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/182747)。《原告団長として被害を訴え続けることで周囲から非難されるだろうと覚悟していた。「歩く風評被害」と近隣住民から言われた時はこたえた。だが、東電と国に原発事故の責任を認めて謝罪させ、原告以外の被害者も救済するという気持ちは揺るがなかった》。
 【「悔しいから、くじけなかった」 原発事故被災者群馬訴訟の原告・丹治杉江さん/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」②群馬】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/182959)。《◆事故を防ぐ機会は「何度も何度もあったのに」 10日午後6時前、JR前橋駅前で、丹治杉江さん(65)はマイクを握っていた。「事故の原因をはっきりさせ、2度と同じように涙を流す人を見たくない」 2012年11月から毎週金曜に始めた脱原発を呼び掛ける活動は、483回目。次回17日には駅前に立たない。その日、自身の裁判で最後の判決が最高裁で言い渡される》。
 【「ふるさと奪われ、なんでこんな仕打ちを…」 原発事故被災者千葉訴訟の原告・南原聖寿さん/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」③千葉】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183201)。《「国と東電にふるさとを奪われ、何でこんなに苦しい仕打ちを受けないといけないのか」。原告団に加わった時から、その思いは変わらない。裁判を通じて「国は東電に責任をなすりつけ、東電は安全対策よりも経営のことしか考えていない」と痛感した。5年ぐらいで終わると思っていた裁判は、想像以上に長期化した。「責任の有無はすぐに分かるはず。どうしてここまで引き延ばすのか不思議でならない」と嘆く。南原さんはかつて、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが発生する火力発電よりも、原発は環境に優しいと前向きにとらえていた。だが、放射能で汚染した土の保管や長期化する廃炉作業を目の当たりにし、考え方は完全に変わった。「国の管理監督責任をもっと拡大することが将来のためになる。最高裁は忖度せずに判断を下してほしい」》。
 【「若者が希望持てる判決を」 原発事故被災者愛媛訴訟の原告・渡部寛志さん/連載「6・17最高裁判決/原発被災者4訴訟」④愛媛】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/183388)。《15年1月、松山地裁での第1回口頭弁論で、国の冷酷な態度を見せつけられた。避難生活の苦しさを法廷で意見陳述しようとしたところ、国の代理人は「(裁判の)証拠にならないから不要だと、耳を傾けようとしなかった。その後も延々と科学的な論争が続き、傍聴席で疑問に思った。「この裁判に、避難者の居場所はあるのだろうか」》。

   『●星北斗座長「甲状腺がんは放射線の影響とは考えにくい」 
            …では、何が原因なのか?、を説明して下さい!
   『●2011年の『X年後』:星北斗座長「現時点で 
     放射線影響は考えにくい」…なんて気安く発言して大丈夫?
   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を見て
      みたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?
    《とくに、原発事故による放射性物質の拡散の影響、それによる
     疾病の増大、小児甲状腺癌の発生と検査体制の問題については、
     とても数十行の文章では意を尽くせない。それについては稿を
     改めようと思う》

   『●《【原発耕論…】福島事故で被ばくしたこどもたちに、不安なく過ご
     せる未来を!(311子ども甲状腺がん裁判)》(デモクラシータイムス)
   『●子ども甲状腺がん裁判《東電側…弁護団…「原告らは…甲状腺の健康
     リスクの上昇には関わりがない」などと因果関係を否定》…血も涙も無し

 一方、米山隆一さんのツイート(https://twitter.com/RyuichiYoneyama/status/1535472059093876736)で知りました…《福島甲状腺検査の立役者星北斗氏を擁立した自民党》。こんなデタラメが許されるのですか? 「ふくしまの”命”を守る。」(https://hoshi-hokuto.jp/)って、何かの冗談か?

   『●3.11から11年で、この有様…《配管は…事故直後…炉内の汚染蒸気を
     放出する排気(ベント)で使われた。11年が過ぎても、人が近づけない》

 さらに、この有様でも《原発回帰》したい? まず、《原発回帰》してから言いなさい。
 【器具がまた食い込み動かず 汚染配管2本目の切断を中断 東電福島第一原発】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/182880)によると、《東京電力は10日、福島第一原発(福島県大熊町双葉町)の1、2号機間にある高濃度の放射性物質で汚染された配管の撤去作業を18日ぶりに再開し、2本目の配管の切断を始めたが、トラブルで中断した。チェーン状の切断器具が配管に食い込み、動かなくなった。3月にも同じトラブルがあり、食い込み防止策を準備していたが、うまくいかなかった。工法の見直しを迫られる》《3月末にあった同様のトラブルも、配管の片側9割を切った際に起きた。食い込み防止策を検討して2カ月後に作業を再開した際、配管が自然に切れてしまっていたため、用意した対策を現場で試せなかった。配管は計135メートル。2011年3月の事故当初、原子炉格納容器の破裂を防ぐため、炉内にたまった高濃度の放射性物質を含む蒸気を外部に放出するベント(排気)に使われた。今後の工事の支障になるため、26分割して取り除く。2月末に始まった作業はトラブルが続き、1本目(長さ約12メートル)の切断は5月23日に成功。この配管の切断面では、毎時3シーベルトと人が数時間浴びれば死亡する高線量が検出され、作業手順を見直していた。(小野沢健太)》。

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●《政府機関の地震予測「長期評価」に基づく試算から原発への大津波の到来は予見できた…対策の先送りを許した国…国に重大な法的責任》

2022年03月18日 00時00分19秒 | Weblog

[※ ↑号外【国の責任認める/東京高裁 千葉地裁判決覆す/原発避難集団訴訟 東電にも賠償命令】 (福島民報 2021年02月19日)]


(20220313[])
沖縄タイムスの【社説[原発避難] 東電賠償確定 国も救済責任免れない】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/921080)。

 《裁判において東電は、中間指針に基づく賠償額で十分だと主張していた。しかし最高裁は、避難継続による精神的損害のほか、生活基盤の喪失や変容に伴う慰謝料を認め、指針を上回る額の賠償を命じた二審の判断をそれぞれ是認した》

 当然、国にも重大な責任あり。《福島と千葉の二審判決は、政府機関の地震予測長期評価」に基づく試算から原発への大津波の到来は予見できたと指摘し、対策の先送りを許した国を批判した。規制当局として国に重大な法的責任があるのは明らかだ》。それに、津波だけでなく、そもそも、地震そのもによって核発電所は破壊、管は破断していた可能性は否定できないのではないですか。まさに《人災》。ましてや、ミサイルでも撃ち込まれようものなら…。
 仙台高裁・上田哲裁判長に続き、国の責任も認めた東京高裁・白井幸夫裁判長による逆転勝訴判決 ――― この判決の意義とは? 白井幸夫裁判長は、《防潮堤の設置などの措置を講じていれば「津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかった」と認定。国が規制しなかったことと事故との間に「責任を認めるに足りる因果関係がある」として「規制権限を行使しなかったことは国家賠償法上、違法だ」とした》そうだ。真っ当な司法判断。
 そして、高松高裁も同様だった。さらに、最高裁も《二審の判断をそれぞれ是認》した。

   『●「想定外」という言い訳は許されない
    《実は、東電の福島第一は津波に弱く、炉心溶融の危険性があることは、
     5年前から指摘されていた想定外などではない。福島第一で
     想定されている津波、チリ地震津波クラスに遭遇すると、大きな引き波に
     よって冷却用の海水を取水できなくなるといわれる。この引き波による
     取水停止が、炉心溶融に発展する可能性を、2006年に国会で共産党の
     吉井英勝議員が質問している。
       二階俊博経産相(当時)は善処を約したが、東電は具体的な改善を
     行なわなかった。東電には地元から改善の要望書も出されているので、
     津波による炉心溶融の「危険性の指摘」を知らなかったはずはない
     百も承知だったのに、素知らぬ顔ですべての原因が想定外の巨大地震に
     あるかのように振舞っているとしたら、なかなかの役者である》

   『●”原子力発電”という箱を開ける覚悟と、(とりようの無い)開けた責任
    《この日、これまでに原発問題を国会で追及してきた吉井英勝衆院議員
     (共産)が質問。原子力安全・保安院の寺坂信昭院長は昨年5月の同委で、
     電源喪失は「あり得ないだろうというぐらいまでの安全設計はしている」
     と発言していたが、この日は「当時の認識について甘さがあったことは
     深く反省をしている」と述べた。 
       これまでの法廷証言などで電源喪失の可能性を否定してきた班目春樹
     ・原子力安全委員長は「事故を深く反省し、二度とこのようなことが
     起こらないようにしたい」と答えた。 
       また、過去に同様の見解を示してきた前原子力安全委員長
     (現・日本原子力研究開発機構理事長)の鈴木篤之氏も「国民の皆様に
     大変申し訳ないと思っている。痛恨の極み」。電源喪失の事態に備えて
     こなかったことは「正しくなかった」とした》

   『●SLAPPと原発、沖縄
    《[CML 019566] 甘利明の名誉棄損訴訟にSLAPP批判
       甘利明・自民党衆議院議員がテレビ東京を提訴した名誉棄損訴訟が
     恫喝訴訟SLAPPであると批判されている。甘利氏は安倍政権の
     経済産業大臣であった。テレビ東京『週刊ニュース新書』は2011年
     6月18日に甘利氏へのインタビューを放送した。
       インタビューで取材陣は福島原発事故を自公政権の安全対策の
     不備に起因するのではないかと追及した。甘利氏は「津波は想定外」と
     責任回避するが、取材陣は日本共産党の吉井英勝・衆議院議員の
     「巨大地震の発生に伴う安全機能の喪失など原発の危険から国民の
     安全を守ることに関する質問主意書」を提示した。そこでは津波被害など
     による電源喪失に起因する原発事故の危険が指摘されている。
       福島原発事故が想定外でないことを示す事実であるが、この趣意書を
     突き付けた直後にインタビューは中断された。インタビュー中断の事実は
     番組で報道された。この番組放送に対して甘利氏は名誉毀損として
     1000万円もの損害賠償を求めてテレビ東京を提訴した》

   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
             核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
       事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●高松高裁原発避難者訴訟…《「長期評価」を真摯に受け止めていたら、
       遅くとも東日本大震災の前までに、さまざまな津波対策は取れた》

 そして、最大の戦犯は未だにのうのうと政治家で居続けている。最大の戦犯・アベ様が、核発電所を新規に作りたいそうです…正気じゃない。「アベシンゾウ」とでも名付けては如何か?

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
          責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
     今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
     彼が求めていることは責任をとってくれです。
     「あれだけの事故を起こして被害を出してだれか1人でも責任とって
     やめたか申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
     樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
     2013年3月11日に福島地裁に起こした
     「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟
     には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》

   『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士
      「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や
      国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる

 東電や自公政府、《火事場ドロボー》の皆さんは、さっさと「原状回復」して見せてくれよ。

   『●台湾有事を煽り《ロシアのウクライナ侵攻のような軍事衝突にまで
     エスカレートさせてはならない…外交による対話を強めなければならない》
   『●誰が壊憲を望んでいる? COVID19禍のドサクサ、ロシア侵略の
     火事場ドロボー1号、2号、3号…らによる壊憲など許されるはずもない
   『●《思考力あるならば殺し合わずに済む方法…、政治力を持って開戦に
     至らない道を見つける事だ。ところがその政治家本人が核武装を…
   『●《当事者でない他の国が声をあげ、国際世論をつくり出すことが、理不尽
       な状況の抑止につながるというのは、国際社会の常識ではないか》!
   『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?
       「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です
   『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
      政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》
   『●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に
      残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》
   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない
   『●《政府は過去に原発が武力攻撃を受けた際の被害予測を報告書に
     まとめていたからだ。しかも、その被害予測は凄まじい内容だった…》
   『●《【原発耕論…】福島事故で被ばくしたこどもたちに、不安なく過ごせる
         未来を!(311子ども甲状腺がん裁判)》(デモクラシータイムス)

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/921080

社説[原発避難] 東電賠償確定 国も救済責任免れない
2022年3月6日 08:40

 東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされた住民らが、国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟のうち福島、群馬、千葉の3件で、最高裁は東電の上告を退ける決定をした。

 二審判決のうち、約3600人に総額約13億9千万円の支払いを命じた部分が確定した。国が定めた基準「中間指針」を上回る賠償義務が認められたのである。

 同様の集団訴訟は全国で約30件ある。東電の賠償責任が確定するのは初めてだ。

 裁判において東電は、中間指針に基づく賠償額で十分だと主張していた。

 しかし最高裁は、避難継続による精神的損害のほか、生活基盤の喪失や変容に伴う慰謝料を認め、指針を上回る額の賠償を命じた二審の判断をそれぞれ是認した。

 そもそも中間指針は被害の重大性に見合わないと指摘されてきた。第1原発周辺の自治体なども増額を含めた見直しを求めている。当然の判断である

 東電は最高裁の決定を受け「判決に従い対応していく」とコメントした。未曽有の事故を起こした企業としての責任を誠実に果たしてもらいたい。

 ただ、それでも十分な賠償とは言えない。

 自主避難者への賠償額の少なさにも疑問の声が上がっている。原告の中には、今回の決定が他の同種訴訟に波及することへの懸念もある。

 国は最高裁の決定を重く受け止めた上で中間指針を見直し、被害者への救済を手厚くすべきだ。

■    ■

 3件の訴訟は、国の責任については二審で判断が割れていた。福島と千葉の二審判決が国に賠償を命じた一方、群馬訴訟では請求が棄却された。

 最高裁は来月、国と住民側双方の意見を聞く上告審弁論をそれぞれ開く。夏にも判決で統一判断を示す見通しだ。

 上告審では、巨大津波を予見し、対策を講じていれば事故を回避できたかどうかが争われるとみられる。

 原子力事業は国の政策として進められてきたものである。さらに国には原発が安全に運転・管理されているかを監視する役割がある。

 その責務が果たされたかどうか厳しく問われなければならない。

 福島と千葉の二審判決は、政府機関の地震予測長期評価」に基づく試算から原発への大津波の到来は予見できたと指摘し、対策の先送りを許した国を批判した。規制当局として国に重大な法的責任があるのは明らかだ

■    ■

 原発事故からやがて11年を迎える。被ばくへの不安や仕事の事情で今なお古里を離れて暮らす人は大勢いる地元に戻っても平穏な生活を取り戻せないままの人もいる

 地域や家族のつながりを壊された上、これだけの年月がたってなお、賠償や責任問題が解決されないことに憤りを覚える

 国会の事故調査委員会は、国と東電の「なれ合い」があり「明らかに人災」だと指摘した。国には自らの責任を直視してもらいたい。
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●東電核発電人災、仙台高裁上田哲裁判長に続き、国の責任も認めた東京高裁白井幸夫裁判長による逆転勝訴判決―――この判決の意義とは?

2021年03月17日 00時00分13秒 | Weblog

[※ ↑号外【国の責任認める/東京高裁 千葉地裁判決覆す/原発避難集団訴訟 東電にも賠償命令】 (福島民報 2021年02月19日)]


(20210228[])
海渡雄一さんによる、レイバーネットの記事【最高裁で確定させ国としての脱原発を確実に〜「千葉避難者訴訟」逆転勝訴の意義】(http://www.labornetjp.org/news/2021/0223kaido)。

 《さる2月19日に千葉避難者訴訟について東京高裁(第22民事部 白井幸夫裁判長)が、東電と国の責任を認める判決を言い渡しました。この判決の推本の長期評価の信頼性と国の責任に関する判示部分は、私が被害者代理人としてかかわっている東電刑事裁判、原告代理人としてかかわっている東電株主代表訴訟の帰趨に大きく影響するものです。この裁判の一審判決では、国の責任を否定する判決が出されていましたが、東京高裁で見事に逆転勝訴判決を勝ち取られた原告団と弁護団に敬意を表したいと思います。この弁護団の団長は福武公子弁護士です。福武弁護士は、私も加わったもんじゅ訴訟弁護団の事務局長でした。以下、この判決の内容を紹介し、この判決の意義について述べたいと思います。(海渡雄一)》


 《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や国が「原状回復」してみせてくれよ。

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
          責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
     今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
     彼が求めていることは責任をとってくれです。
     「あれだけの事故を起こして被害を出してだれか1人でも責任とって
     やめたか申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
     樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
     2013年3月11日に福島地裁に起こした
     「生業なりわいを返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟
     には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》

   『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士
      「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や
       国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる
    「民事裁判では、地裁に続き高裁レベルで、《国と東電に損害賠償などを
     求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は一審福島地裁判決に続き
     両者に賠償を命じ》ました。仙台高裁上田哲裁判長によるものです。
      「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」という訴えが、
     一部認められました。

      国や東京電力が責任を果たす方法は明確で、簡単です。《原状回復
     して見せてくれればよいのです。もう10年が経とうとしています。
     さっさとお願いします。
      …出来ない、不可能というのであれば、やるべきことは一つしかない
     でしょ? 《国や東電は被災地を事故前の状態に戻すことができない
     現実を直視し》、何を為すべきですか?」

   『●東京電力核発電人災後に《福島県から千葉県などに避難した住民ら
     43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審》で逆転判決
   『●《「国に法的責任はある」原発事故で千葉県に避難した人々が起こした
        訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した》


 仙台高裁・上田哲裁判長に続き、国の責任も認めた東京高裁・白井幸夫裁判長による逆転勝訴判決 ――― この判決の意義とは?
 白井幸夫裁判長は、《防潮堤の設置などの措置を講じていれば「津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかった」と認定。国が規制しなかったことと事故との間に「責任を認めるに足りる因果関係がある」として「規制権限を行使しなかったことは国家賠償法上、違法だ」とした》そうだ。真っ当な司法判断。

 責任をもって東電や国が「原状回復」して見せてくれよ! 10年が経ってしまいましたよ。いつになったら元の姿に戻してくれるの? 元の姿に戻してくれれば、皆さん喜んで福島に帰り、生業を取り戻すはずですよ。
 東京電力核発電人災から10年。あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン。民主党政権末期・野田政権、アベ様・カースーオジサンによる《悪夢のような》、〝地獄〟の自民党政権は、核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないままです…。

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http://www.labornetjp.org/news/2021/0223kaido

最高裁で確定させ国としての脱原発を確実に/「千葉避難者訴訟」逆転勝訴の意義

最高裁で確定させ国としての脱原発を確実に〜「千葉避難者訴訟」逆転勝訴の意義
海渡雄一(弁護士)

 さる2月19日に千葉避難者訴訟について東京高裁(第22民事部 白井幸夫裁判長)が、東電と国の責任を認める判決を言い渡しました。
 この判決の推本の長期評価の信頼性と国の責任に関する判示部分は、私が被害者代理人としてかかわっている東電刑事裁判、原告代理人としてかかわっている東電株主代表訴訟の帰趨に大きく影響するものです。
 この裁判の一審判決では、国の責任を否定する判決が出されていましたが、東京高裁で見事に逆転勝訴判決を勝ち取られた原告団と弁護団に敬意を表したいと思います。この弁護団の団長は福武公子弁護士です。福武弁護士は、私も加わったもんじゅ訴訟弁護団の事務局長でした(私は事務局次長)。2003年1月に名古屋高裁金沢支部で川崎和夫裁判長によって「もんじゅ設置許可無効」の逆転勝訴判決を勝ち取った原動力は福武弁護士と原発反対福井県民会議の小木曽美和子さん、そして毎回の法廷に私たちを支えるために出廷して下さった二人の原子力の専門家、久米三四郎さんと小林圭二さんでした。
 この判決は昨年九月の仙台高裁生業判決につづいて、高裁で二例目の住民勝訴判決となりました
 福武先生、おめでとうございます。そして、本当にありがとうございます。
 以下、この判決の内容を紹介し、この判決の意義について述べたいと思います。


第1 はじめに

 2021年2月19日東京高裁(白井幸夫裁判長)は、千葉の避難者が提起していた東電と国に対する損害賠償について、国の責任を認めなかった地裁判決を破棄し、いずれに対しても請求を認める判決を下した。
 その判決要旨は次のとおりとされている。

長期評価
 国の地震調査研究推進本部が平成14年7月に公表した「長期評価」は、三陸沖北部から房総沖の領域で、過去400年にマグニチュード8クラスの大地震が3回発生しているとし、約133年に1回の割合で同様の地震が、この領域内のどこでも発生する可能性があるとする。長期評価の信頼度は「やや低い」とされていたが、過去の地震データが少ないことによるもので、長期評価の基礎となっている科学的知見の信頼性が低いことが理由ではない。
 経済産業相は、土木学会が14年2月に策定して公表した「原子力発電所の津波評価技術」の知見によって規制権限行使の判断をしていた。長期評価と津波評価技術は、いずれも専門家が議論を重ねて得た見解で、科学的信頼性は同等といえる。新たな知見が示された場合、それまで判断の基礎としてきた知見と少なくとも同程度の科学的信頼性があると評価できるのに、新たな知見を判断の基礎としないのは著しく合理性を欠く。
 経産相は、長期評価が公表された後のしかるべき時期に東電に依頼するなどして、福島県沖で発生する可能性のある地震による津波の評価をしていれば、20年の推計結果と同様に、福島第1原発に敷地の高さを大きく超える津波が到来する危険性があることを認識し得た。敷地内が浸水して重大な事故が発生する恐れがあり、福島第1原発が技術基準に適合しないと判断することができる状態にあった。

規制権限不行使
 経産相は、事業者に技術基準適合命令を発するに当たり、事業者が講じるべき措置を想定している必要がある。津波の到来による原発の全電源喪失という重大な事故を防ぐため、防潮堤の設置やタービン建屋などの水密化を想定すべきだった。想定すべき対策が講じられていれば、津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかったと認めるのが相当だ。
 長期評価の公表から遅くとも1年後には技術基準適合命令を発することができたと認められ、それから地震発生までの約7年半を費やせば、技術基準に適合させるための措置を講じることは可能だった。規制権限の不行使と事故には因果関係が認められ、違法だ。

国と東電の責任
 事故は国の規制権限不行使と東電による原発の運転などが相まって発生したと認められる。国と東電は原告らの損害についてそれぞれ責任を負う。国の立場が二次的・補完的であるとしても、国の賠償責任の範囲を限定するのは相当ではない。

損害
 避難生活を余儀なくされた者は、不慣れな場所での生活による不便や困難を甘受しなければならなくなった上、生活の本拠に戻れるのかどうかなどの不安感や焦燥感を抱くことになり、精神的苦痛を被った。
 避難を余儀なくされ、生活物資の調達や周辺住民との交流、伝統文化の享受といった経済的、社会的、文化的な生活環境が基盤から失われた場合や、ある程度復興しても生活環境が大きく変容した場合は、慣れ親しんだ生活環境を享受することができなくなり、精神的損害を被ったといえる。
 暫定的な生活本拠での生活を続けるか、元の居住地への帰還を断念するかの意思決定をしなければならない状況に置かれることや、生活の継続や帰還の断念による精神的損害もある。」
 この訴訟の争点は、東電役員の法的責任をめぐる刑事裁判、株主代表訴訟の争点と、重なり合う点が多い。本稿においては、この判決の判示内容を確認し、これらの事件でも鋭く争われている推本の長期評価の信頼性に関する判示部分を中心に紹介し、長期評価には早期の津波対策の必要性を基礎づける高い信頼性があったことについて、原告の主張を補充的することとする。


第2 異論があったうえで、コンセンサスでまとめられた長期評価には高い信頼性が認められる

長期評価策定の目的

 判決は長期評価の策定の目的について次のように認定している。

「長期評価は,その取りまとめの主たる目的が,国民の防災意識の向上や,広く関係機関により地震防災対策に活用されることにあり,津波評価技術のように,原子炉施設の設置時に想定すべき地震や津波の評価等といった特定の施設や地域について地震や津波を評価する目的を持ったものではなく,想定津波の評価手法を示したものでもない。もっとも,原子炉施設も地震防災対策を要する施設であることはいうまでもなく,長期評価は,そのような施設のーつとしての原子炉施設の地震防災対策に活用されることも目的に含まれていたということができる。」(判決127ページ)


2 長期評価策定時における、海溝型分科会における様々な議論について

 判決は、推本策定時に、海溝型分科会において交わされた様々な議論についても詳細に認定しつつ、異論がありながら、これが多くの専門家によるコンセンサスでまとめられていった過程を、正確に認定している。
「例えば,慶長三陸地震については,メカニズムがよく分からない地震で,資料も少なく波源域も得られていないなどとの意見がある中で,明治三陸地震と同じ場所で起こったとして矛盾がないと整理がされたり,どこでも津波地震が起こるという考え方と明治三陸地震の場所で繰り返しているという考え方のどちらがよいかとの疑問に対して,慶長三陸地震がよく分からない以上,明治三陸地震の場所をとるしかないとの意見が出されたりした。また,延宝房総沖地震については,慶長三陸地震以上に震源域が明らかでなく,プレート問地震ではなく,プレート内地震であるとの指摘もあるとの意見が出るなどした。その後,慶長三陸地震,延宝房総沖地震,明治三陵地震が日本海溝沿いで発生した津波地震であるとして整理する案が示された際には,延宝房総沖地震を入れることへの異論が出るなどし,延宝房総沖地震を津波地震とする見解と津波地震でないとする見解の両論を併記してはどうかとの意見も出たが,その上で波源域が明らかとはいえない慶長三陸地震を入れるとこれが明らかになっているように見えてしまうなどの意見もあった。」
「このようなさまざまな意見が交わされる議論を経て,海溝型分科会では,最終的には,三陸沖で地震が起きる確率を示すことが重要であるなどの見解もあったことから,不確実であることは明記することなどとして,上記三つの地震を三陸沖北部から房総沖の日本海溝寄りの領域で過去400年間に発生した津波地震として扱うこととされたものであり,このような形で公表すること自体への異論が示された形跡はない。」(判決128ページ)


3 長期評価は法に基づき設置された国の機関である地震本部の地震調査委員会として公表されたものである

 そして、判決は、長期評価が法に基づき設置された国の機関である地震本部の地震調査委員会として公表されたものであることを正確に認定している。
 「三陸沖北部から房総沖の日本海溝寄りの領域について,これを一つの領域として扱い,この領域で過去400年に3回の津波地震が生じた可能性があるとする内容の長期評価をとりまとめるに当たっては,海溝型分科会の委員が,それまでの科学的知見を整理しながら,どのように過去の地震を評価するかについての議論を重ね,科学的知見が熱していない点については,異論も示されるなどした中,最終的に,専門家集団である海溝型分科会としての意見として集約したので、あって,それは,長期評価部会及び地震調査委員会に諮られ,法に基づき設置された国の機関である地震本部の地震調査委員会として公表することとされたものである。」(判決129ページ)


4 さまざまな異論の検討を経てまとめられた見解は、「科学的信頼性が高められているともいうことができる」

 そして、結論として、長期評価が、さまざまな異論の検討を経てまとめられたものであり、このような経過自体から、「科学的信頼性が高められているともいうことができる」と、きわめて常識的で、良識に沿った判断が示されている。
 「長期評価は,上記(イ)のとおり,国の機関である地震本部に設置された地震調査委員会において,地震学,津波学等の専門家による種々の議論を経て取りまとめられ,公表されたものであって,その内容も,過去の大地震に関する資料に基づき,それまでの研究成果等を整理し,専門的・学術的知見を用いて将来の地震の発生についての見解を形成したものであることに鑑みれば,相応の科学的信頼性を有するものと評価することができる。
 なお,長期評価の主たる目的が,国民の防災意識の向上や,広く関係機関の地震紡災対策への活用にあることは前記のとおりであり,国民一般に地震発生の可能性を分かりやすく示し,いわば警鐘を鳴らすという観点がとりまとめの方法に反映されている面があり,長期評価自体において言及されているとおり,その後の精度の向上が期待されているものであることは否定できないが,それによって,長期評価の科学的信頼性が大きく減殺されるものではない。
 また,上記(イ)のとおり,とりまとめに向けた議論の過程で,三陸沖北部から房総沖の日本海溝寄りという領域で過去に3回の津波地震が発生したと整理することについては,いくつかの異論が示されたのであるが,長期評価の策定から現在に至るまで,地震や津波の発生メカニズムの解明は未だ十分でなく,その進展の途上にあるのであって,そのような状況の下では,異論が示されることは不可避で、あり,また自然なことというべきであって,そのような異論がある中で,過去の知見が整理され取りまとめられたという点においては,その科学的信頼性が高められているともいうことができる。」(判決129-130ページ)


第3 津波評価技術と長期評価の関係について

1
 津波評価技術とは何のためのものか

 判決は津波評価技術と長期評価の関係について判示をしている。しかし、津波評価技術は、津波の波源を設定した後の、津波高さの評価のための方法を示したものであり、津波波源について、検討を経て一定の見解を示したものではない。
 判決では、このことが誤解されている。
 判決はまず、津波評価技術の位置づけについて判示する。
 「津波評価技術は,原子力発電所の設計津波の設定を目的として策定されたものであり,既往津波の断層モデルを設定し,想定津波を選定して設計津波水位を検討するという手法を提示するもので,論理的,分析的であるだけでなく,設計津波水位を検討する過程で、の想定津波の波源領域区分の設定は,地震地体構造の知見に基づいており, 『これまでに培ってきた知見や技術進歩の成果を集大成して,現時点で確立しており実用として使用するのに疑点がないものを取りまとめたもの』とされているとおり,それまでの科学的知見を集約したものであるということができる。」としている。
 このまとめは、津波評価技術が「既往津波の断層モデルの設定」だけを目的とするように読み取れる点は疑問であり、津波評価技術も、七省庁手引きなどと同じように既往津波が特定されない場所での「想定津波」を想定すべきとしていた。この点を除けば、この認定は正しい。
 続いて、次のとおり、「その策定に関与した専門家や議論の過程,そしてそれを公表した主体のいずれにおいても,科学的信頼性の観点からみて,一方が他方に比して優位であるということはできない。」として、津波評価技術によって長期評価の信用性を低めることはできないと判示し、結果として国として長期評価に基づく検討が必要であったとの結論を導いており、結論においてはこの判断は正しいといえる。
 「津波評価技術と長期評価のいずれについても,地震学,津波学等の相当数の専門家を含む構成員が議論を重ね,しかも双方の議論に関与した専門家もある中で,その議論の結果として得られた見解を,一方は土木学会という学術的権威のある学会が,他方は地震本部という国の機関が公表したものであり,その策定に関与した専門家や議論の過程,そしてそれを公表した主体のいずれにおいても,科学的信頼性の観点からみて,一方が他方に比して優位であるということはできない。」


2 土木学会の津波評価技術は福島沖の日本海溝沿いの津波地震の可能性を検討して出されたものではない

 この判決は、土木学会の津波評価技術が、福島県沖における津波地震の可能性について検討し、福島沖で津波地震が起きないと判断していたことを前提としたうえで、二つの見解を比較している。
 判決78ページは、この前提について「福島第一原発付近の設計想定津波」との表題の下に、「津波評価技術では, 日本海溝沿いの海域において,北部では海溝付近に大津波の波源域が集中しており,津波地震・正断層地震も見られる一方,南部では,1677年の延宝房総沖地震を除き,海溝付近に大津波の波源域は見られず,陸域に比較的近い領域で発生していると整理された(丙ロ112・2-26頁)。
 この結果,津波評価技術では,福島県沖(日本海溝寄り)においては,1938年の福島県東方沖地震のみが既往の地震であり,福島県沖の日本海溝沿いでは津波地震が発生していないとし,福島県東方沖地震に基づくMw 7. 9の断層モデルを基準断層モデルとして設定したが,福島県沖の日本海溝沿いの領域には,津波の波源が設定されなかった(別紙12 「津波評価技術日本海溝沿い及び千島海溝沿いのプレート境界付近の断層モデル」参照) (丙7・1-59頁,丙112・2-29頁)。」
 この「福島県沖の日本海溝沿いでは津波地震が発生していないとし,福島県東方沖地震に基づくMw 7. 9の断層モデルを基準断層モデルとして設定したが,福島県沖の日本海溝沿いの領域には,津波の波源が設定されなかった」との認定は、東電と国の主張にもとづく認定であるが、前提を欠く議論である。
 土木学会では福島沖で津波地震が起きるかどうかの検討などはされていないのである。
 このことは、次に紹介する群馬訴訟の控訴審において、実施された津波評価技術の策定の中心人物であった東北大学の今村文彦氏による最新の証言記録や千葉訴訟における地裁段階での佐竹証言で明らかにされてきたところである。このことが踏まえられていないことは残念である。


3 添田氏による群馬訴訟控訴審における今村証言の紹介

 この点については、以下のジャーナリストの添田氏による群馬訴訟控訴審の公判報告を紹介する(2018年12月18日 添田孝史 「土木学会で安全確認実は検討していなかった。」ウェブサイト レベル7への投稿
 「土木学会で安全確認」実は検討してなかった - level7 (level7online.jp))。
 「福島第一原発事故で、避難した住民が東京電力と国に損害賠償を求めた群馬訴訟の控訴審第4回口頭弁論が12月13日、東京高裁(足立哲裁判長)で開かれ、国が申請した今村文彦・東北大学教授(津波工学)が証言した。
 今村教授は、土木学会が原発の津波想定(土木学会手法)を2002年にまとめた時の中心メンバーだ。その際、福島沖の日本海溝沿いに将来津波が起きるのかどうかについてどう考えていたのか問われ、「詳細な検討はしていない。今後(2003年以降)の検討課題だった」と証言した。
 「土木学会手法は、福島第一の沖合の日本海溝で津波は起きないと判断していた」と国や東京電力は裁判で主張している。しかし、土木学会では、検討さえしていなかった事実が明らかになった。法廷では、福島沖の津波予測について、以下のようなやりとりがされた。

原告側・久保木亮介弁護士
 (土木学会第一期1999年〜2001年で)既往地震やこれまでの知見のレビューをした。ただ、日本海溝沿いの、過去に大地震の発生が確認されていない領域に、将来の大地震を想定するか否かの詳細な検討はしてない。こういう理解でいいですか。
今村教授
 はい、第一期では。
東電側弁護士
 土木学会手法はあくまで技術的なシミュレーション方法のみを示したもので、これに当てはめる波源は検討していない、持ち越しになったという主張もあるのですが、その点について証人のご認識は
今村教授
 第一期についてはそのとおり。第二期(2003年〜05年)以降で将来の可能性についても確率的に検討した。
東電側弁護士
 第一期では、土木学会手法を検討しています。その策定の過程で、確定論としてどこまでの津波を取り込むか、そういう検討もしていないのでしょうか
今村教授
 当時の研究のレビューはしました。しかし起きていないところにどういう地震津波が起きるかどうか、そういうところの議論は、第二期以降になります。

 (千葉訴訟に関する東京高裁判決も引用している-引用者注)土木学会手法が示している波源域(地図1、赤線は筆者による)で、福島沖の日本海溝沿いは波源が示されていない。これは、検討していないから白いのであって、将来津波が起きないと判断して白くしていたわけではないことが証言でわかった。
 国や東電は、「原発に標準的に用いられてきた土木学会手法は、福島沖の日本海溝沿いで大津波を想定しない。だから福島第一原発に巨大津波は予測できなかった」「福島県沖の海溝沿いについては波源が設定されていないのは、地震地体構造等をふまえて検討した結果、将来津波は発生しないと判断されていたからだ」などと主張してきた。
 一方、政府の地震調査研究推進本部は、2002年7月に、福島沖を含めて日本海溝沿いのどこでも巨大な津波を引き起こす地震が起きうると予測していた(地図2、オレンジ色の領域)。十数人の研究者が議論して、とりまとめている。これにもとづいて計算すると、福島第一で津波は高さ15.7mになることがわかっていた(東電による2008年の計算結果)。
 これについて、国や東電は「地震本部の長期評価は信頼性が低く、土木学会手法の方が優れている」と述べてきた。ところが、今回の今村教授の証言で、土木学会手法は、福島沖に将来起きる津波について、詳しい検討をしていなかったことが示された。
 同じく土木学会手法の策定に関わった佐竹健治・東大教授も千葉地裁で国側の証人として証言した際、「そもそも土木学会の津波評価部会では、個別の地域で地震発生可能性というようなことを議論はしておりません。それは(地震本部の)長期評価部会でやっていること」(2015年11月13日)と述べている。
 土木学会手法の波源設定の信頼性について、国側や東電のこれまでの主張は、国側の証人によって、説得力を失ってしまったようだ。
 口頭弁論で、原告側と、国や東電側、双方からの質問に対し、ほとんどの場合は「そうですね」と肯定し続けた今村教授。しかし、福島沖で将来予測をしたかどうかについては、東電の「検討していたのではないか」という問いをはっきり、繰り返し否定した。
 東電側の弁護士は三度にわたって表現を換えて質問し、「福島沖も検討していた」という発言を今村教授から引き出そうとしていたが、今村教授の答えは変わらなかった。」
 このように、土木学会の津波評価技術が福島沖では津波地震が起きないという見解に基づいているという、千葉訴訟東京高裁判決の認定には根拠がない。しかし、この点の誤りは、判決の結論に影響を及ぼさないし、むしろこの誤りを正すことで、この判決の正当性は著しく強化されるといえる。


第4 国は、長期評価に基づく対策を命ずるべきであった。

国の規制権限行使のための要件

 東京高裁判決は以上のとおり、津波評価技術の位置づけ、判断された事項の範囲について、東電・国の主張に引きずられた誤解があり、このような誤解は東電・国による誘導の結果である。
 しかし、このことは、判決の結論には影響を与えていない。むしろ、この誤りが正されれば、その論理はより強固なものとなるといえるであろう。
 そして、判決は、以下のように判示し、国は長期評価に基づく津波対策を講ずるように東電に命ずるべきであったと判示している。
 すなわち、判決は、「原子炉施設についての技術基準適合命令の発令という規制権限を行使する要件の具備,すなわち,当該原子炉施設が技術基準に適合しているか否かの判断については,その権限主体である経済産業大臣のその時点での科学的,専門技術的知見の下における専門的な判断に委ねられており,その判断をするに当たってどのような科学的知見を基礎とするかについても,規制機関である経済産業大臣の専門的な判断に委ねられているというべきである。そして,その判断が著しく合理性を欠き,規制権限行使の要件の具備の判断に当たってその基礎とすべき知見を基礎とせず,そのために,経済産業大臣において技術基準適合命令を発する要件が備わっていることを認識し得たにもかかわらず,これを認識せず,同命令を発しなかったときは,これを発しなかったことは,許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠くこととなると解される。」と判断の基準となる考え方を定立する(判決134ページ)。この考えは伊方最高裁判決にもとづいたものである。
 このように,科学的知見の採否は規制機関の専門的判断に委ねられているものではあるが,原子炉施設についての規制権限の目的が,ひとたび事故等により放射性物質の大量放出という事態が生じれば,極めて深刻な被害を広範囲かつ長期間にわたってもたらす危険性がある原子炉施設について,万全の安全対策を確保することにあることに鑑みれば,規制機関がある科学的知見を基礎として原子炉施設に対する規制権限行使の要件の具備について判断してきたが,その科学的知見とは異なる新たな知見が示された場合において,その新たな知見に,それまで判断の基礎としてきた知見と少なくとも同程度の科学的信頼性があると評価することができるようなときは,規制機関が,当該新たな知見を規制権限行使の要件の具備の判断の基礎としないとすることは,著しく合理性を欠くこととなるというべきである。」(判決134ページ)と、事故の重大性という伊方最高裁判決にも示されていた事情にもとづいて、国の裁量判断に厳しい枠はめを求めている。この点も、きわめて常識的で、最高裁の判断を意識したものと言えるだろう。


2 本件に対するあてはめ

 続いて、判決は、以上に定立した規範を事件に次のように当てはめている。
 すなわち、「これを本件についてみると,規制機関である経済産業大臣は,相応の科学的信頼性を有する知見である津波評価技術については,原子炉の設置許可処分に先立つ審査の際に津波評価技術の考え方と同様の考え方を用いて津波に対する安全性を確認するなどの方法でこの知見に依拠して規制権限行使の要件具備の判断をしていたのであるが,長期評価に示された見解については,上記のとおり,津波評価技術と少なくとも同等の科学的信頼性を有していたのであるから,それにもかかわらず,原子炉施設についての規制権限行使の要件の具備の判断においてこれを基礎としないとすることは,いかなる科学的知見を基礎とするかが規制機関の専門的判断に委ねられていることを考慮しても,著しく合理性を欠くというべきである。」と判断しているのである(判決134-135ページ)。
 そして、具体的には国・原子力安全保安院には次のような行動が求められていたと判示する。
 「そうすると,規制機関としては,福島第一原発についての規制権限行使の要件の具備の判断に当たって,長期評価に示された見解を基礎として福島第一原発に到来する可能性のある津波を評価すべきであったのであり,それによって,福島第一原発が津波による損傷を受けるおそれがあることを認識し得たと認められる場合には,技術基準に適合しないと判断し得たこととなる。」
 「津波地震の発生領域を設けて震源域を設定し,津波のシミュレーションを行うことは,津波評価技術において示された科学的信頼性を有する手法であるから,具体的には,規制機関としては,まずは,長期評価に示された見解,すなわち,三陸沖北部から房総沖の日本海溝寄りの領域において, M8クラス, M t (津波マグニチュード) 8. 2前後の津波地震がどこでも発生する可能性があり,その発生する津波地震の震源域については,明治三陵地震についての震源モデルを参考にして想定することができるとした見解に依拠して,上記領域内の福島県沖についても,明治三陸地震を参考にした震源域を設定して津波のシミュレーションを行うなどし,それにより想定される津波が福島第一原発に及ぼす影響の有無や程度を調査,検討すべきで、あったということができる。」(判決135-136ページ)


3 国には結果を予見することが可能であり、津波対策を命じてこれを回避することもできた

 以下、判決は東電の津波対策を放棄してきた姿勢を時間を追って詳細に認定しつつ、結論として、次のようにこの部分の結論をまとめている。
 「経済産業大症としては,長期評価が公表された後のしかるべき時期に,一審被告東電に依頼するなどして,長期評価に示された見解に依拠して福島県沖で発生する可能性のある地震による津波の評価をしていれば,福島第一原発に敷地高(0. P. + 10m) を大きく超える波高の津波が到来する危険性があることを認識し得たということができる。そして,そのような津波が到来すれば, ドライサイトコンセプトを採っていた福島第一原発の敷地内に大量の浸水が生じ,全電源喪失などにより重大な事故が発生するおそれがあるのであるから,福島第一原発は省令62号に定める技術基準に適合していないこととなり,規制機関である経済産業大臣は,そのような判断に達し得る状況にあったといえる。(判決138ページ)」
 この判示も結論は正しいが、東電が「ドライコンセプトを取っていた」という認定は東電の主張ではあるが、実際の事実とは若干異なる。東電内では機器の水密化などの他の津波対策も検討されていたことは、本件で原告が提出した東電と日本原電の津波対策に関連する数多くの証拠によって裏付けられている。そして、この判決も結果回避措置としてとるべきであった措置として、防潮堤の設置やタービン建屋、重要機器室などの水密化を想定すべきだったとし、想定すべき対策が講じられていれば、津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかったと認めるのが相当であると判示しており、ドライコンセプトが徹底されていて、それ以外の対策が取れなかったとは判断していない(判決143ページ以下)
 そして、判決は、結論として次のように述べる。

「防潮堤等により福島第一原発の敷地内への津波の浸入を防ぐ措置に加え,タービン建屋の水密化及び重要機器室の水密化が,規制機関において,平成14年当時においても想定することができた措置であったと認められる。そして,平成20年推計の後に一審被告東電においてさまざまな対策を検討していることからみても,これらを組み合わせることによる効果を十分に検討し,具体的措置を実施すれば,平成20年推計による津波と同等の津波,すなわち福島第一原発の敷地南側にO.P.+15.7m程度の波高の津波が到来した場合においても,全電源喪失等の重大な事故を回避することは可能であったということができる。」


第5 結論

1 判決の画期的な意義

 以上に述べてきたとおり、千葉訴訟についてさる2月19日に東京高裁が言い渡した判決は、推本の長期評価に津波対策を基礎づける高い信頼性を認めたものです。そして、国が事故の結果を予見することができ、防潮堤の設置やタービン建屋・重要機器室の水密化の措置を講ずることにより、事故の結果を回避することができたことを明確に認定しています。
 推本の長期評価に基づいて、速やかに津波対策を講ずることなく、土木学会における検討に委ね、何らの対策も講じないで、原子炉の運転を続けていた東京電力とその役員である被告らの対応が許されないものであったことも、本判決によって明らかになったといえると思います。


2 事故の真実を明らかにすることが脱原発の闘いである

 まもなく福島原発事故から10年が経過しようとしています。脱原発をめぐる闘いの最前線は、全国での再稼働をめぐる闘いと事故の真実を明らかにし、どのように語り伝えるかをめぐる闘いの二つが主戦場となっています。福島原発事故に関してはたくさんの事柄が隠されてきました。東電と国による津波対策の方針転換に関する情報の多くは2011年夏には検察庁と政府事故調の手にあったはずです。しかし、これらの情報は徹底して隠匿されたのです。私たちの闘いは原子力ムラの情報隠蔽を打ち破ってきました。この隠蔽を打ち破ったのが、検察審査会の強制起訴の議決であり、株主代表訴訟における証拠の開示であり、東電刑事裁判における指定弁護士による果敢な立証活動であったといえます。
 政府事故調と検察が真実を隠ぺいしたことはあきらかです。これらの情報はなぜ隠されたのでしょうか。考えられる推測はただひとつです。
 原子力推進の国策を傷つけるような事実は、隠ぺいするしかないと、政府事故調と検察のトップは、どこかの時点で決断したのだろうと思います。このことは、福島原発事故そのものに匹敵するほどの、行政と司法と検察をゆるがせる「もう一つ」の福島原発事故真相隠ぺい事件が起きていたのです。その背後では官邸による検察庁に対する強力なコントロールがなされていたとみることができるでしょう。
 いま、刑事裁判で明らかになっていることは、検察が起訴できるだけの証拠を集めていたということです。にもかかわらず、なぜ検察は起訴できなかったのでしょうか。
 不起訴の決定後に東京地検と福島地検で、告訴人に対して異例の不起訴理由説明会が開催されました。私たち弁護団も同席しました。その場では激しい言い争いになりました。
 当時、私たちの告訴によって、これだけの証拠を検事が集めているとは、思っていませんでした。一線の捜査検事たちは、起訴し有罪に追い詰めることができるだけの証拠固めをしながら、不起訴とせざるを得なかったのでした。説明会で、「私たちはやれるだけのことをやったのです」と述べて、私たちの前で涙ぐんだ検事もいました。事故から10年、いま、彼らはどのようにこの事件のことを思い返しているでしょうか。あのとき検察内部で起きたことを知りたいと思います。


3 司法を通じて真実を語り伝える責任

 私は、東電役員の告訴、検察審査会、刑事公判のすべての過程に関わった弁護士として、明らかにすることのできた証拠と事実を、社会に広く知らせていく責任があると考えて、「東電刑事裁判 福島原発事故の責任は誰がとるのか」を書きました。
 いま、日本の司法は危機的な状況にあるといえます。しかし、仙台高裁では、昨年9月国と東電を断罪する判決が下されました。大阪地裁では、昨年12月規制委員会による原発の規制に誤りがあることが指摘され設置許可が取り消されました。そして、2月19日には、本稿で詳しく紹介した東京高裁で再び国と東電を断罪する判決が下されました。司法はまだ生きているのです。良心を失っていない裁判官は残っているのです。
 私たちは、東電刑事裁判の東京地裁の判決では敗れましたが、同じ証拠を駆使して仙台高裁上田コート、東京高裁白井コートは、東電と国の責任を認め、その対応を厳しく断罪する判決を下してくれたのです。大飯の設置許可取り消し判決を書いた森鍵裁判長も含めて、この3人の裁判官には重要な共通点があります。いずれも最高裁で仕事をしていた経歴を持っているという点です。


4 最高裁で国の責任を確定させ、国としての脱原発を確実に

 我々が刑事裁判の控訴審で勝利することができれば、株主代表訴訟で役員の゛帰任を認めさせることができれば、仙台高裁高裁判決と前橋避難者訴訟と千葉避難者訴訟の東京高裁判決の上告審の審理にも直結することになるでしょう。
 東電の役員の刑事責任を問う刑事裁判、東電の役員の民事責任を問う株主代表訴訟と全国で闘われている避難者損害賠償訴訟との緊密な連携が求められています。
 刑事裁判の証拠内容を最高裁にきちんと理解させることができれば、我々は、最高裁でも必ず勝利することができるはずです。
 そして、最高裁における我々の勝利は福島原発事故の真実を後世に語り伝え、脱原発の国民的な合意を形成することにつながることでしょう。千葉訴訟の東京高裁白井判決によって、私たちはそのための重要な足掛かりを得ることができたのです。
 最後にあらためて、逆転勝訴判決を勝ち取ってくださった千葉避難者訴訟の原告団と弁護団に心から感謝して、結びの言葉といたします。

Last modified on 2021-02-23 20:06:34
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●東電や自公政権の無責任ぶりが改めて露見 ――― 《福島沖地震で東電と菅首相が福島原発の異変を隠蔽!…「すべて正常」》(リテラ)

2021年03月14日 00時00分55秒 | Weblog

 (20210228[])
リテラの記事【福島沖地震で東電と菅首相が福島原発の異変を隠蔽! 地震計は故障、汚染水タンクがずれ、格納容器が水位低下しても「すべて正常」】(https://lite-ra.com/2021/02/post-5806.html)。

 《もうすぐ福島第一原発事故から10年の節目を迎えるが、2月13日に福島県沖で発生したマグニチュード7.3、最大震度6強の地震をめぐり、とんでもない事実が次々と判明している。なんと、福島第一原発の3号機に設置されていた地震計2台が故障していたことを東京電力が確認しながら、それを放置していたため、13日の地震のデータを取れていないことが22日になって判明したのだ》。

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
          責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
     今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
     彼が求めていることは責任をとってくれです。
     あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とって
     やめたか申し訳ないと謝罪したかと。そう思っているのは、
     樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
     2013年3月11日に福島地裁に起こした
     「生業なりわいを返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟
     には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》

   『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士
      「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や
       国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる
    「民事裁判では、地裁に続き高裁レベルで、《国と東電に損害賠償などを
     求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は一審福島地裁判決に続き
     両者に賠償を命じ》ました。仙台高裁上田哲裁判長によるものです。
      「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」という訴えが、
     一部認められました。

      国や東京電力が責任を果たす方法は明確で、簡単です。《原状回復
     して見せてくれればよいのです。もう10年が経とうとしています。
     さっさとお願いします。
      …出来ない、不可能というのであれば、やるべきことは一つしかない
     でしょ? 《国や東電は被災地を事故前の状態に戻すことができない
     現実を直視し》、何を為すべきですか?」

   『●東京電力核発電人災後に《福島県から千葉県などに避難した住民ら
     43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審》で逆転判決
   『●《「国に法的責任はある」原発事故で千葉県に避難した人々が起こした

        訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した》

 《すべて正常》? 何もかも異常なのですが…。
 どこが一体《アンダーコントロール》なのですか? 東京電力核発電人災で何か解決した問題ってあるのだろうか? 国や東電は誰一人責任をとらないという無責任ぶり。《福島沖地震で東電と菅首相が福島原発の異変を隠蔽! 地震計は故障、汚染水タンクがずれ、格納容器が水位低下しても「すべて正常」》がそれを象徴している。《1号機と3号機の格納容器で水位が低下》という深刻な問題が発生し、さらには、それを隠蔽。《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯》元行政府の長・アベ様は、今ものうのうと過ごしておられます。数々のアベ様案件でも裁かれることもなく、責任をとることもありませんでした。そして、《自助》大好きな利権漁りカースーオジサンの政権もその無責任ぶりを見事に《継承》。東京電力核発電人災後のこの10年の大半の時期が自公政権であり、何一つ問題の解決を図ることはありませんでした。

 責任をもって東電や国が「原状回復」して見せてくれよ! 10年が経ってしまいましたよ。いつになったら元の姿に戻してくれるの? 元の姿に戻してくれれば、皆さん喜んで福島に帰り、生業を取り戻すはずですよ。
 東京電力核発電人災から10年。あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン。民主党政権末期・野田政権、アベ様・カースーオジサンによる《悪夢のような》、〝地獄〟の自民党政権は、核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないままです…。(形容矛盾もいいところ…核発電は危険の極致であり、《安全》の対極)《安全最優先での再稼働を進めるとともに、安全性に優れた次世代炉の開発》などと口にできる状況ですか? 「原状回復」して見せてくれてから、寝言は言ってほしい。

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https://lite-ra.com/2021/02/post-5806.html

福島沖地震で東電と菅首相が福島原発の異変を隠蔽! 地震計は故障、汚染水タンクがずれ、格納容器が水位低下しても「すべて正常」
2021.02.24 10:03

     (首相官邸HPより)

 もうすぐ福島第一原発事故から10年の節目を迎えるが、2月13日に福島県沖で発生したマグニチュード7.3、最大震度6強の地震をめぐり、とんでもない事実が次々と判明している。

 なんと、福島第一原発の3号機に設置されていた地震計2台が故障していたことを東京電力が確認しながら、それを放置していたため、13日の地震のデータを取れていないことが22日になって判明したのだ。

 東電が地震計の故障によってデータが取れていないことを認めたのは、22日におこなわれた原子力規制委員会の「第88回特定原子力施設監視・評価検討会」でのこと。東電の説明によると、3号機の原子炉建屋に地震計が設置されたのは昨年3月。10年前の事故の影響で3号機の原子炉建屋の耐震性が劣化しており、その安全性を確認するために原子力規制委員会が提案して地震計2台が設置されたというが、昨年7月の大雨などによって2台とも故障した。

 だが、東電は故障を把握していながら、そのまま半年以上も放置。そんななかで今回の地震が発生し、肝心の地震の揺れを観測できなかった、というのである。

 地震計の故障を知ってながら交換も修理もおこなわなかったという杜撰さには閉口するほかないが、もっと問題なのは、この事実を東電が地震発生後から1週間以上も“隠蔽”していたことだ。

 東電はこの検討会のなかで、「昨年から故障していると気づいていたが、修復等の対応をとっていなかった」とあっさり述べたのだが、繰り返すが、この検討会がおこなわれたのは22日。13日の地震発生後、ただちに地震計の故障とデータが取れていないことを発表すべきなのに、この問題を隠していたのである。


汚染水タンクのずれを4日間公表せず 信用できない東電 格納容器の水位、圧力低下は大丈夫なのか

 しかも、東電が“隠蔽”したのは地震計の問題だけではない。13日の地震によって福島第一原発の処理水や浄化途中の汚染水が入ったタンクの位置にずれが生じ、14日の午後13時ごろにはその事実を把握しておきながら、18日になって公表したのだ。

 いや、さらに深刻なのは、19日に公表された、1号機と3号機の格納容器で水位が低下している、という問題だ。

〈東電によると、1号機で15日から、3号機で17日以降に、それぞれの格納容器内の温度計の一部で測定温度が低下。温度計が水につかっていないと判断し、水位低下と結論付けた。
 温度計の位置から、1号機で1.9メートルの水位が40~70センチ低下し、3号機も6.3メートルあった水位が約30センチ下がったとみられる。〉(東京新聞19日付)

 10年前のメルトダウンによって格納容器は損傷を受けており、今回の水位低下は13日の地震によってその破損が拡大したことによるものと見られているが、22日に公表された情報でも格納容器の水位は〈その後も低下傾向にある〉。また、水素爆発を防ぐために格納容器には窒素が注入され、圧力が高くなっているが〈1号機では大気圧との差を計測する圧力計の値が1.2キロパスカルから0.1キロパスカルまで下がりほぼ大気圧になっている〉という(NHKニュース23日付)。

 水位だけではなく、圧力も大気圧並みまで下がっている──。東電は周辺の放射線量などに異常はないと説明しているが、水位の低下による核燃料の冷却への影響に本当に問題はないのか、漏れた水はどこに流れているのか、水素爆発の危険はないのか、不安は尽きない。そもそも、地震計の故障を放置し、さらにはその事実を隠してきた東電を信用できるわけがない

 しかし、信用ならないのは、事故対応にあたる菅義偉首相も同じだ

 実際、13日の23時すぎに地震が発生したことを受け、14日2時前に菅首相は報道各社のインタビューに応じたが、このとき菅首相はこう述べていた。

「原子力関係でもすべて異常な報告については、ありませんすべて正常いうことであります」


格納容器の水位と圧力が低下したのに「すべて正常」と言い切った菅首相の無責任

 「『現時点では異常はない』という報告を受けている」と言うのならまだしも(それも「十分な確認はできていると言えるのか」とツッコミを受けるべきものだが)、ところが菅首相は「異常な報告はありません」「すべて正常と断言したのだ。

 6日後になって水位の低下が発表されるなど「すべて正常」とはとても言えない、むしろ続々と危険な情報が明らかになっている状況に陥っているのが現実なのだが、ようするに菅首相は何の根拠もなく「正常だ」と国民に言い張ったのである。

 10年前の事故の際、当時、官房長官だった枝野幸男氏は放射線量について「ただちに人体や健康に影響を及ぼす数値ではない」などと曖昧な表現を繰り返し、「すぐにはなくても後にはあるということか」と批判を浴びたが、今回の菅首相の発言はそうした次元を超えた「根拠のないデタラメ」「はったり」だ。

 こうした態度からは、新型コロナ対応でもはっきりしたように、菅首相が危機管理の重要性をまるで理解しておらず、国民を騙してその場をしのげればいいと考えていることがありありとわかる。

 しかも、菅首相が今回、こんな無根拠なデタラメを断言してみせたのは、菅首相自身が原発政策を推し進めようとしているからだ。

 菅首相は昨年10月26日の所信表明演説で「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という「脱炭素化社会の実現」を打ち出し、それと同時に「原子力政策を進める」と明言。さらにその翌日には、自民党の世耕弘成・参院幹事長が会見で「新しい技術を取り入れた原発の新設も検討することが重要」と発言した。

 そして、昨年12月25日に公表された政府の「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、〈安全最優先での再稼働を進めるとともに、安全性に優れた次世代炉の開発を行っていくことが必要〉と明記されたのだ。


菅首相が「すべて正常」と言い切ったのは原発の再稼働・新設を推し進めたいから

 福島第一原発の事故の反省もなく、グリーンエネルギー政策を盾にして原発の再稼働・新設を推進する──。13日の地震によってさまざまな異常が起きている事実、またも異常を隠蔽した東電の態度を見ても、いかにこれが危険なものなのかは一目瞭然だ。

 いや、いちばん危険なのは、菅首相の姿勢だ。今回、菅首相が留保をつけることもなく「すべて正常」と断言したのは、推し進めようとしている原発の再稼働・新設にケチがつかないように強い言葉で否定してみせたのだろうが、こんな国民に平気で嘘をつく総理大臣が原発再稼働・新設や事故の対応にあたれば一体どうなるか。不都合な事実はすべて「異常な報告はない」と押し切り、問題が判明するまで闇に葬られるだろう。

 自己中心の対応しかしない菅首相には、新型コロナ対応だけではなく危機管理全般を任せることができない。その恐ろしさについて、国民はもっと知らなくてはならないはずだ。

(編集部)
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●《「国に法的責任はある」−原発事故で千葉県に避難した人々が起こした訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した》

2021年03月13日 00時00分22秒 | Weblog

[※ ↑号外【国の責任認める/東京高裁 千葉地裁判決覆す/原発避難集団訴訟 東電にも賠償命令】 (福島民報 2021年02月19日)]


(20210223[])
東京新聞の【<社説>福島原発判決 「万が一」をかみしめて】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/87399?rct=editorial)。

 《「国に法的責任はある」−原発事故で千葉県に避難した人々が起こした訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した。原発政策では「万が一」にも備えるのが大震災の教訓だ。国の賠償責任を認めるかどうか−、原発事故をめぐる各地の訴訟では、この点で地裁判断は真っ二つに割れた。高裁レベルでも、昨年九月の仙台高裁は「国に責任あり」だったのに、群馬県に逃れた人の群馬訴訟で先月の東京高裁は「国に責任なし」だった》

 白井幸夫裁判長は、《防潮堤の設置などの措置を講じていれば「津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかった」と認定。国が規制しなかったことと事故との間に「責任を認めるに足りる因果関係がある」として「規制権限を行使しなかったことは国家賠償法上、違法だ」とした》そうだ。真っ当な司法判断。
 責任をもって東電や国が「原状回復」して見せてくれよ! 10年が経ってしまいましたよ。いつになったら元の姿に戻してくれるの? 元の姿に戻してくれれば、皆さん喜んで福島に帰り、生業を取り戻すはずですよ。
 東京電力核発電人災から10年。あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン。民主党政権末期・野田政権、アベ様・カースーオジサンによる《悪夢のような》、〝地獄〟の自民党政権は、核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないままです…。

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
          責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
     今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
     彼が求めていることは責任をとってくれです。
     「あれだけの事故を起こして被害を出してだれか1人でも責任とって
     やめたか申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
     樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
     2013年3月11日に福島地裁に起こした
     「生業なりわいを返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟
     には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》

   『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士
      「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        
事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や
       国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる
    「民事裁判では、地裁に続き高裁レベルで、《国と東電に損害賠償などを
     求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は一審福島地裁判決に続き
     両者に賠償を命じ》ました。仙台高裁上田哲裁判長によるものです。
      「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」という訴えが、
     一部認められました。

      国や東京電力が責任を果たす方法は明確で、簡単です。《原状回復
     して見せてくれればよいのです。もう10年が経とうとしています。
     さっさとお願いします。
      …出来ない、不可能というのであれば、やるべきことは一つしかない
     でしょ? 《国や東電は被災地を事故前の状態に戻すことができない
     現実を直視し》、何を為すべきですか?」

   『●東京電力核発電人災後に《福島県から千葉県などに避難した住民ら
     43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審》で逆転判決

 《あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”》元行政府の長・アベ様は、今ものうのうと過ごしておられます。数々のアベ様案件でも裁かれることもなく、責任をとることもありませんでした。

   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
      北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
    《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力
     大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。
     今も自分が正しいと確信を持っている。大飯原発の基準地震動
     (耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の
     単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと
     関電は主張していた。私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに
     原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを
     開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いが
     なかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」
     という関電の主張の信用性だった。それが争点なら難しい工学的判断は
     不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の
     日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も
     「ロシアンルーレット状態だった。日本の国策は「安全な原発
     動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて
     危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だった
     と思っている。仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の
     差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、
     基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか
     これは他の原発と共通の問題だ》

   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
           超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》

=====================================================
https://www.tokyo-np.co.jp/article/87399?rct=editorial

<社説>福島原発判決 「万が一」をかみしめて
2021年2月22日 06時56分

 「国に法的責任はある」−原発事故で千葉県に避難した人々が起こした訴訟での東京高裁の判断だ。規制権限の不行使を厳しく指弾した。原発政策では「万が一」にも備えるのが大震災の教訓だ。

 国の賠償責任を認めるかどうか−、原発事故をめぐる各地の訴訟では、この点で地裁判断は真っ二つに割れた。高裁レベルでも、昨年九月の仙台高裁は「国に責任あり」だったのに、群馬県に逃れた人の群馬訴訟で先月の東京高裁は「国に責任なし」だった。

 司法の姿勢が、今後の国の原子力行政に厳しい対応を迫るかどうか影響を与えうるだけに、今回の東京高裁の判決は意義がある。国の法的責任を認めるうえでハードルとなっていたのが、津波襲来の予見可能性である。

 政府の地震調査研究推進本部は二〇〇二年に三陸沖から房総沖にかけての「長期評価」を公表。福島県沖でもマグニチュード8・2前後の地震が起きる可能性があるとした。今回の千葉訴訟では、地裁段階で当時の経済産業省原子力安全・保安院と東京電力との間で交わされた電子メールが明らかにされた。

 「福島沖で津波地震が起きたときのシミュレーションをすべきだ」と保安院側が求めたが、東電は反発四十分間くらい抵抗したとの生々しい記述があった。残念ながら、このときはシミュレーションは見送られてしまった

 〇八年には東電側が「長期評価」を基に最大一五・七メートルの津波の可能性を試算したものの、対策は土木学会に検討を依頼し、先送りしただけだった

 この経緯を考えれば、「長期評価」が公表されてから、国も東電も津波襲来の危険性を認識していたと考えるのが自然であろう。

 今回の判決も、それを前提に規制権限を持つ国が東電に津波対策などを命じなかったことを著しく合理性を欠いていた断じた全電源喪失を防ぐ措置を想定しなかったことも非難した

 思い起こされるのが、一九九二年の伊方原発(愛媛)をめぐる最高裁判例だ。原発事故は住民の生命・身体、周辺環境に深刻な災害をもたらすから「万が一にも起こらないように」と十分な安全審査を求めたことだ。

 大震災と原発事故から十年。この判例の趣旨に照らせば、「長期評価」を危険信号と受け止め、「万が一の災害」に備えるのが原子力政策を進める国の当然の責務だったはずである。
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●東京電力核発電人災後に《福島県から千葉県などに避難した住民ら43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審》で逆転判決

2021年03月07日 00時00分47秒 | Weblog

[※ ↑号外【国の責任認める/東京高裁 千葉地裁判決覆す/原発避難集団訴訟 東電にも賠償命令】 (福島民報 2021年02月19日)]


(20210221[])
山田雄之記者による、東京新聞の記事【国の責任認める 福島第一原発事故避難者訴訟で東京高裁判決】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/86969)。

 《東京電力福島第一原発事故で、千葉県に避難した住民ら43人が国と東電に計約18億8500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁(白井幸夫裁判長)は国の責任を認めた》。

 白井幸夫裁判長は、《防潮堤の設置などの措置を講じていれば「津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかった」と認定。国が規制しなかったことと事故との間に「責任を認めるに足りる因果関係がある」として「規制権限を行使しなかったことは国家賠償法上、違法だ」とした》そうだ。真っ当な司法判断。
 責任をもって東電や国が「原状回復」して見せてくれよ! もうすぐ10年経ちますよ…いつになったら元の姿に戻してくれるの? 元の姿に戻してくれれば、皆さん喜んで福島に帰り、生業を取り戻すはずですよ。

 アサヒコムの記事【原発避難訴訟、国の責任認める 高裁で2件目】(https://www.asahi.com/articles/ASP2M53R1P2KUTIL060.html?iref=comtop_National_01)によると、《東京電力福島第一原発事故で千葉県内に避難した住民らが国と東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁(白井幸夫裁判長)であった。一審・千葉地裁は国の責任を否定して東電にだけ賠償を命じたが、高裁は国と東電の両方に同等の責任を認めた。原発事故をめぐって避難者が国と東電を訴えた集団訴訟は全国で約30件あり、控訴審判決は今回が3件目。国の責任を認めた判決は昨年9月の仙台高裁に続いて2件目で、国の責任を否定したのは今年1月の東京高裁の1件となった。今後、最高裁が統一判断を示すとみられる。今回の訴訟の一審・千葉地裁判決は2017年9月に言い渡された。一審では18世帯45人が国と東電に計約28億円を求め、千葉地裁は42人に計約3億8千万円を支払うよう、東電に命じた。千葉地裁は、政府の「地震調査研究推進本部」が02年に公表した地震予測の「長期評価」に基づけば、遅くとも06年までに原発の敷地の高さを超える津波を予見できたと認めた》。



 福島民報の【<速報>国の責任認め、東電にも賠償命令 原発集団訴訟で東京高裁】(https://www.minpo.jp/news/moredetail/2021021983773)によると、《東京電力福島第一原発事故で本県から千葉県に避難した住民17世帯43人が国と東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(白井幸夫裁判長)は19日、国の責任を否定した一審千葉地裁判決を覆し、国と東電の責任を認め、両者に賠償を命じた。全国で約30ある同種訴訟のうち、国を被告に含めた控訴審判決は3件目。国の責任を認めたのは昨年9月の仙台高裁判決に続いて2件目となった》。
 原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力正しい理解で豊かな暮らし…もうすぐ10年が経とうとしている。

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
          責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
     今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
     彼が求めていることは責任をとってくれです。
     「あれだけの事故を起こして被害を出してだれか1人でも責任とって
     やめたか申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
     樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
     2013年3月11日に福島地裁に起こした
     「生業なりわいを返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟
     には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》

   『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士
      「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき

   『●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や
       国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる
    「民事裁判では、地裁に続き高裁レベルで、《国と東電に損害賠償などを
     求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は一審福島地裁判決に続き
     両者に賠償を命じ》ました。仙台高裁上田哲裁判長によるものです。
      「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」という訴えが、
     一部認められました。

      国や東京電力が責任を果たす方法は明確で、簡単です。《原状回復
     して見せてくれればよいのです。もう10年が経とうとしています。
     さっさとお願いします。
      …出来ない、不可能というのであれば、やるべきことは一つしかない
     でしょ? 《国や東電は被災地を事故前の状態に戻すことができない
     現実を直視し》、何を為すべきですか?」

 まもなく、東京電力核発電人災から10年。あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン。民主党政権末期・野田政権、アベ様・カースーオジサンによる《悪夢のような》、〝地獄〟の自民党政権は、核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないままです…。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/86969

国の責任認める 福島第一原発事故の避難者訴訟で東京高裁判決
2021年2月19日 21時54分

     (原発避難者訴訟の控訴審判決で勝訴し、垂れ幕を掲げる
      原告代理人の弁護士ら=19日、東京・霞が関の東京高裁前で)

 東京電力福島第一原発事故後に福島県から千葉県などに避難した住民ら43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審判決で、東京高裁(白井幸夫裁判長)は19日、国の賠償責任を認めなかった一審の千葉地裁判決変更し、国と東電双方の責任を認めた。東電に約2億7800万円、うち国に約1億3500万円を連帯して支払うよう命じた

 全国で約30件ある集団訴訟で、高裁判決は3例目。昨年9月の仙台高裁判決は国の責任を認めたが、今年1月、国の責任を認めた前橋地裁判決東京高裁判決は覆した。今回の判断は国の責任を認める2例目の高裁判決となった。


◆津波対策命じなかった国は「著しく合理性欠く」と違法性認定

 この日の判決は、国が2002年に公表した地震予測「長期評価」を「相応の科学的信頼性がある」と評価。国が津波対策の妥当性を判断する際に長期評価を重視しなかったことを「著しく合理性を欠く」と批判し、福島第一原発に大きな津波が到来する予見可能性があったと判断した。

 その上で、防潮堤の設置などの措置を講じていれば「津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかった」と認定。国が規制しなかったことと事故との間に「責任を認めるに足りる因果関係がある」として「規制権限を行使しなかったことは国家賠償法上、違法だ」とした

 国の責任は東電と同程度としたが、原告のそれぞれへの請求額が違うため、賠償額が異なった。

 一審は「国は長期評価に基づき津波の発生を予見できた」としながらも「津波の規模の大きさから措置を講じても、原発事故を回避できなかった可能性がある」として国の責任を否定。東電にだけ約3億7600万円の賠償を命じていた。(山田雄之)


【関連記事】「あきらめず闘ってよかった」 原発事故でふるさと奪われた原告の南原さん夫婦
【関連記事】「津波に対する国の責任」判断割れる 争点は2002年の「長期評価」 原発避難民訴訟
【関連記事】原発の「安全神話」再生産に警鐘鳴らす 福島第一原発事故から10年で民間事故調が報告書を出版
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●《自民党右派の議員秘書にトランプの評価を問うと「戦争をしなかった大統領」と胸を張った。米国は分断という内戦を戦っていたのだ》

2020年11月28日 00時00分43秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日)↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/CNNジョーンズの涙の意味を知ろう】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202011100000097.html)。

 《★さてジョーンズはバイデン当選を喜ぶというよりトランプの終焉(しゅうえん)に対して「多くの人にとって良い1日」とし、トランプ時代に自分の子どもたちがどれほど恐怖を感じおびえてきたか、白人優越主義者や人種差別主義者が武装し、また罪のないアフリカ系アメリカ人やヒスパニックを脅したり、警官が無実の人を傷つけてきたこと、レイシズムファシズムがいかに全米を覆いつくしていたかに思いを募らせたのだ》。

 コラムの〆、《自民党右派の議員秘書にトランプの評価を問うと「戦争をしなかった大統領」と胸を張った。米国は分断という内戦を戦っていたのだ》。一方、《分断という内戦》はニッポンではまだ続いている。7年8カ月にも及ぶアベ様の地獄のような政、それを全て《継承》する陰湿・悪質・強権化した大惨事アベ様政権の違法・違憲オジサン、スカスカオジサン。いつまで《分断という内戦》は続くのか…。

   『●《不安定な労働を拡大させた張本人》学商・竹中平蔵氏…「世界は
     これから数年、痛い目を見たあと、社会の分断解消に向けた議論が…」
   『●沖縄イジメも《継承》… 大惨事アベ様《政権も沖縄の民意を無視
     する体制…それどころか、「アメとムチ」の政策が一層多用される懸念》
   『●同感…《「安倍政権7年8カ月の功罪」…考えてみると、ぼくに
     とっては「罪」ばっかりで「功」はちっとも浮かばない》(鈴木耕さん)
    《そして、なによりも国民の分断!
      これが、安倍政権が残したいちばんひどい“レガシー”》

   『●《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商は〝ベーシック
     インカム7万円〟を「トリクルダウン」だとでも思っているのでは?
   『●《「世界で最も影響力のある100人」(TIME100)…伊藤詩織さんと
         …大坂なおみ選手》、一方、杉田水脈議員がまたしても暴言
   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や
       国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる
   『●リコール対象はコチラなのでは? 大阪市廃止「ト」構想の《関連経費
      として投入された公金は100億円を超える》、さらに公明党と密約
   『●《キンモクセイで世間の鼻をごまかし、学問の自由、言論の自由を
         脅かしかねない「腐臭」に気付かせぬようにしている》(筆洗)
   『●西日本新聞【例えるなら、こんな話か。授業が始まるのに数人の子が…】
          …取り巻きが《デマを流してまでも、必死で政権擁護》の醜悪
   『●《56大学が弔旗や半旗を掲揚…彼らの反応はアカデミズムの
     「白旗」に他ならない。この国の暗澹たる未来を予感…絶望的な惨状だ》
   『●《…「複数の政府関係者」に明らかにさせる乱暴さ。政府の方針に
     対して異なる意見を表明することを「反政府先導」と表記しちゃう乱暴さ》


 町山智浩さんのつぶやき二つ。

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https://twitter.com/TomoMachi/status/1325800857909096449

町山智浩@TomoMachi
スイングステイツ(浮動州)の白人ブルーカラーは、金持ちの党である共和党と、インテリと非白人の党の間で、自分のための党がなくて揺れ動いてきました。それをすくいとったのがトランプでした。本当の分断は左右ではなく「忘れられた」ことだったのです。
………

午後11:02  2020年11月9日
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https://twitter.com/TomoMachi/status/1325801423947264000

町山智浩@TomoMachi
今回ペンシルヴェニア州のモネッセンという滅びかけた街を取材して聞いた、市長が政治家に手紙を書いて、唯一来てくれたのがトランプだった、という話が大事だと思いました。つまり「忘れられた人々」は特定の政党を支持していない。気にかけてくれる政治家を求めているのです。
………

午後11:04 · 2020年11月9日
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 2/4の眠り猫な皆さんを揺り動かし、政に希望を持ってもらう、選挙に足を向けてもらう、間接的な自公お維支持者から脱却してもらうことが重要かな。

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202011100000097.html

コラム
政界地獄耳
2020年11月10日9時16分
CNNジョーンズの涙の意味を知ろう

★日本の文化から言えば往生際が悪い、潔くないなどの形容詞がふさわしいと思える米ドナルド・トランプ大統領の振る舞いだが、CNNでニュースコメンテーターを務めるヴァン・ジョーンズは番組の中で涙を流した。その意味を世界中が知る必要があるのではないか。彼は09年にバラク・オバマ大統領のグリーンジョブ特別顧問を務めている。グリーンジョブとは国際労働機関(ILO)が提唱する環境への負荷を持続可能な水準まで低減させながら事業として採算がとれる仕事のことで、欧州グリーンニューディールやバイデン政権の脱炭素社会推進と合致する。この潮流に日本は追随せざるを得なくなるだろう。

★さてジョーンズはバイデン当選を喜ぶというよりトランプの終焉(しゅうえん)に対して「多くの人にとって良い1日」とし、トランプ時代に自分の子どもたちがどれほど恐怖を感じおびえてきたか、白人優越主義者や人種差別主義者が武装し、また罪のないアフリカ系アメリカ人やヒスパニックを脅したり、警官が無実の人を傷つけてきたこと、レイシズムファシズムがいかに全米を覆いつくしていたかに思いを募らせたのだ。

アメリカファーストという言葉の裏で人権無視や迫害、法の拡大解釈や超法規の乱用、乱暴な言葉や態度、暴力の常態化たった4年で米国の秩序や常識、そして多くの人たちの自由が奪われた。しかしその傍若無人な行為の最中は害を被った人、ターゲットと感じた人しか恐怖を感じない。人々は当事者にならないと痛みを想像しない。転じて安倍・菅政治に慣れてしまった人たち日本学術会議問題怖さに気づかないことと同じだ。自民党右派の議員秘書にトランプの評価を問うと「戦争をしなかった大統領」と胸を張った。米国は分断という内戦を戦っていたのだ。(K)※敬称略
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●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる

2020年10月30日 00時00分17秒 | Weblog


琉球新報の【<社説>「生業訴訟」二審判決 国は重い責任受け止めよ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1202924.html)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>生業を返せ】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1201920.html)。
東京新聞の社説【福島原発判決 「国の責任」かみしめよ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/59383?rct=editorial)。

 《東京電力福島第1原発事故について、司法は改めて国と東電の責任を認めた。高裁では初めての判断であり、責任は国にも東電と同等にあるとした。国と東電は重く受け止めるべきだ》。
 《▼沖縄の企業などでつくる支援組織も2年前に解散した。ことし9月時点で沖縄県内の避難者は218人。来年3月で事故から10年となる中、原発を推進してきた国は上告するのか。避難者の生業はいまだ戻らないままである》。
 《原発事故から九年半。国は「復興」と言いつつ、今年九月末でいまだ約四万三千人もの避難者がいる。国の責任を前提としない賠償基準は早く見直すべきである。原告三千六百二十七人のうち既に九十二人が亡くなっている。国には反省が要る。義務として救済を急ぎ、被災者の生活再建を果たさなければならない》。

 原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力正しい理解で豊かな暮らし…もうすぐ10年が経とうとしている。

   『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
          責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」
    《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
     今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
     彼が求めていることは責任をとってくれです。
     「あれだけの事故を起こして被害を出してだれか1人でも責任とって
     やめたか申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
     樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
     2013年3月11日に福島地裁に起こした
     「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟
     には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》

   『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士
      「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」
   『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
      切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》
   『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
        事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき


 民事裁判では、地裁に続き高裁レベルで、《国と東電に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は一審福島地裁判決に続き両者に賠償を命じ》ました。仙台高裁上田哲裁判長によるものです。
 「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」という訴えが、一部認められました。


 国や東京電力が責任を果たす方法は明確で、簡単です。《原状回復》して見せてくれればよいのです。もう10年が経とうとしています。さっさとお願いします。
 …出来ない、不可能というのであれば、やるべきことは一つしかないでしょ? 《国や東電は被災地を事故前の状態に戻すことができない現実を直視し》、何を為すべきですか?

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1202924.html

<社説>「生業訴訟」二審判決 国は重い責任受け止めよ
2020年10月6日 06:01

 東京電力福島第1原発事故について、司法は改めて国と東電の責任を認めた。高裁では初めての判断であり、責任は国にも東電と同等にあるとした。国と東電は重く受け止めるべきだ。

 原発事故時、福島県と隣接する宮城、茨城、栃木3県に住んでいた約3650人が国と東電に損害賠償などを求めた「生業(なりわい)訴訟」の控訴審判決で、仙台高裁は国と東電に対し、原告3550人に計約10億1千万円を賠償するよう命じた。

 仙台高裁は国の規制権限の不行使と事故との因果関係を明確に認め、「東電を規制する立場の国が役割を果たさなかった」と厳しく指摘した。国の責任が東電の半分にとどまるとした一審判決より踏み込み、東電と同等の責任だとした。国を被告に含む13件の一審判決で、裁判では、7件が国の責任を認め6件が否定し、判断が割れている。他の訴訟に影響を与える可能性がある。

 判決は、大津波の襲来は国の地震調査研究推進本部が可能性を指摘しており、予見して事故を回避し得たと認定した。「国、東電とも経済的負担の大きさを恐れるあまり、津波の試算自体を避けようとした」と批判した。対策の先送りを許した国の権限不行使は2006年末の時点で許容限度を逸脱し、違法だと認定した。

 津波対策を先延ばしにしていた東電の対応を「不誠実」とし、国は「東電の報告を唯々諾々と受け入れていた」と指摘。政策として原発を推進し、規制権限を持つにもかかわらず、津波対策の不備を放置した国の対応を厳しい言葉で非難した。

 原子力安全・保安院についても「不誠実な東電の報告を唯々諾々と受け入れ、規制当局に期待される役割を果たさなかった」とした。

 国は原発を推進する政策を取り、第1原発の設置を許可し、事故の防止と事業者への監督、指導の徹底が求められていた。二度とこのような事故が起きることのないよう、責任の重さを施策に生かすべきだ。

 賠償については、計約5億円を命じた一審福島地裁判決より救済範囲を広げた。国が基準を定めた中間指針は不十分だと指摘して、指針を超えて範囲と金額を認めた。

 原発事故については、国会の事故調査委員会が、規制当局(国)と東電の「なれ合い」があり、「自然災害ではなく明らかに人災」と批判している。同種の他の裁判でも国の法的責任について検討すべきだ。

 事故から9年半が経過した今も、被災者は生活の基盤や地域コミュニティーを失い、回復はままならない。風評被害や放射線への不安も大きい。訴訟の名称となっている「生業を返せ」という原告の訴えは悲痛だ。国や東電は被災地を事故前の状態に戻すことができない現実を直視し、被害者救済のため賠償基準の見直しを含む被災者支援を急がなくてはならない。
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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1201920.html

<金口木舌>生業を返せ
2020年10月4日 06:00
金口木舌 東京電力福島第1原発事故 仙台高裁 避難者

 広辞苑によると「生業(なりわい)」には「五穀が生(な)るように務めるわざ」「世わたりの仕事」の意味がある。「生活を立てるための手段」の意味で用いられる場面も多い

▼東京電力福島第1原発事故から9年半。原告約3600人が「生業を返せ、地域を返せ」と訴えた集団訴訟で、仙台高裁は9月30日、国と東電の責任を認め計10億円余の支払いを命じた。一審よりも賠償額を増やし、救済対象区域の範囲も広がった

▼沖縄に暮らす避難者も約60人が原告。娘と避難した伊藤路子さん(72)は「国と原発が生んだ分断を乗り越えての勝訴だ」と判決を歓迎した。福島県白河市でカフェを経営していた。家族は離散し四重生活。孫に会えず母と死別した

▼沖縄支部長の久保田美奈穂さん(41)は茨城県水戸市から子ども2人と避難した。「大きく前進した。世の中が良い方向に変わってくれたら」と喜ぶ一方、二審判決で水戸市は救済の対象外となった

▼帰郷か、避難先にとどまるか。原発事故に対する健康面への考え方や対応は避難者間でも分かれ、時には家族の絆に亀裂をもたらした避難者は苦悩している

▼沖縄の企業などでつくる支援組織も2年前に解散した。ことし9月時点で沖縄県内の避難者は218人。来年3月で事故から10年となる中、原発を推進してきた国は上告するのか。避難者の生業はいまだ戻らないままである
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/59383?rct=editorial

社説
福島原発判決 「国の責任」かみしめよ
2020年10月3日 07時59分

 「国の責任」と断罪した。東京電力福島第一原発事故を巡る訴訟で仙台高裁の判決は「不誠実な東電の報告を国は唯々諾々と受け入れた」とも述べた。被災者の救済を早く前進させるべきである。

 大地震が来る−それは国の地震調査研究推進本部が二〇〇二年に公表した地震の「長期評価」で予見できたはずである。東電が速やかにシミュレーションしていれば、遅くとも〇二年末ごろまでに福島第一原発に一〇メートルを超す津波が到来する予見もできた。仙台高裁の判決はこのような前提に立つ。

 だが、東電は新たな防災対策を極力回避し、先延ばしした。むろん長期評価は国の知見ともいえ、国も同時に地震の危険性は認識していたはずである。ならば国は東電に対し、ただちに長期評価を踏まえた試算を指示できた。国自身で試算もできた。それなのに、やるべきことをしなかった

 東電からヒアリングした当時の原子力安全・保安院は「規制当局に期待される役割を果たさなかった」とも判決は述べている。東電との緊張を欠いた姿勢は明らかで、原発事故は「人災」であるとの原告側の言い分を事実上、認めたのに等しい。

 これまで国と東電を被告とする同種の一審判決は十三件ある。そのうち六件の判決は国の責任が否定されていた。津波発生は予見できても実際の津波はもっと大きく事故が避けられなかった−などの論法だ。今回の高裁判決はそれを打ち砕き、国の責任論に決着をつけたと大きく評価したい。

 かつ一審の福島地裁判決では賠償額において国は東電の半額にとどまっていたが、高裁は「責任同等」とした。国のエネルギー政策のもとで原発設置の許可、さらにそれを維持してきたのは、まさしく国であったからだ。これも重大な判断である。賠償額の算定を大きく左右する。

 少なくとも東電が賠償の基準とする政府の原子力損害賠償紛争審査会が定めた中間指針では足りない。判決はそれを上回る救済が必要だとの視点にも立つ。

 原発事故から九年半。国は「復興」と言いつつ、今年九月末でいまだ約四万三千人もの避難者がいる。国の責任を前提としない賠償基準は早く見直すべきである。

 原告三千六百二十七人のうち既に九十二人が亡くなっている。国には反省が要る。義務として救済を急ぎ、被災者の生活再建を果たさなければならない
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