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●《現行の政治資金規正法…そのような法律は法の体を成していないと言わざるを得ない。これは「ザル法」だとか「抜け穴」だとか以前の問題だ》

2024年05月02日 00時00分49秒 | Weblog

[↑ ※「サルまで怒る 自民の腐敗」(週刊金曜日 1454号、2023年12月22日・2024年01月05月合併号)]


(2024年04月23日[火])
問題は、前提となる事件の真相が分からないことだ》《その金は何に使われたのか。一つ一つを明らかにすることが》(沖縄タイムス)。

   『●「脱税」党「離党勧告」塩谷立氏と世耕弘成氏、「党員の資格停止」下村
     博文氏と西村康稔氏と高木毅氏、「党の役職停止」松野博一氏と萩生田光一氏

 《こんな幕引き許される》はずがありません…《首相は自らを処断せよ》《組織のトップが責任を免れる甘い処分》《首相は自ら身を処すべきである》(東京新聞)。
 カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」「不明」党のキシダメ総裁や〝箕部幹事長〟は御咎めなし、《解党的出直し》どころか、《大甘裁定》。《火の玉》にならないのだから、マスコミや自民党支持者がキシダメ総裁を《火だるま》にしなければいけないのに…。全員議員辞職して然るべき。第一、キシダメ自民党総裁が全く責任も取らず、総裁職を辞めることも無いなんてあり得ない。
 キシダメ総裁や〝箕部幹事長〟は御咎めなしに加えて、そして、第二に、《問題は、前提となる事件の真相が分からないことだ》《その金は何に使われたのか。一つ一つを明らかにすることが》(沖縄タイムス)。

 《その上脇氏は、現行の政治資金規正法に基づいて政治家や派閥、政党、政治団体などが提出している政治資金収支報告書は、その中身をチェックすることがとても困難なことを、自らの経験に基づいて強調する》《総数にして数百万ページはあろうかという収支報告書は…データ化されていないPDF形式で公開されているため、検索をかけたりソート(並び替え)などができない。…報告書を一枚ずつ手繰っていくしかないのだ》《上脇氏は膨大な時間をかけて》…上脇博之さん、いつもながら、本当に頭が下がる思いだ。お話を、何度お聞きしても。
 サルまで怒る「ザル法」。
 神保哲生さんのビデオニュースドットコムの記事【裏金が作り放題の政治資金規正法の大穴を埋めなければならない/マル激トーク・オン・ディマンド (第1202回) ゲスト 上脇博之郷原信郎】(https://www.videonews.com/marugeki-talk/1202)。《今回の自民党裏金問題の発端となった告発をした上脇氏と、弁護士の郷原氏、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が、日本の政治に先進国として当たり前の透明性を持たせるために最低限必要となる施策とは何かを議論した》。

   『●(こちら特報部)《「政治とカネ」で孤軍奮闘…毎年発覚する政治資金問題、
      そろそろ「上脇さん頼み」を脱却した独立の公的監視告発機関が必要》
   『●《「自民党の自浄作用は期待できない」──。政治資金パーティーの
      裏金疑惑に火を付けた神戸学院大教授の上脇博之氏はそう断言する》
   『●自民党「政治刷新本部(仮称)」の凄いメンツ…本部長・キシダメ総裁、
     最高顧問・すがっちとド「アホウ節」氏、事務総長・木原誠二幹事長代理

   『●上脇博之さん《政治にカネ…抜本的な見直し…「政党助成金、企業献金、
     パーティーの全廃」と「政策本位で当選する仕組み」の実現を訴えた》
   『●アベ様派議員だけでなく「利権」「裏金」党全体の問題 ―――― 青木理
      さん《永田町にあまたいる政治部記者はなぜ気づけなかったのか》?

   『●裏金問題:〝平和の党〟〝子育ての党〟…〝むじな〟ではなかったとして
     も、ボロボロの下駄にへばり付いた、泥の混じったどす黒い《下駄の雪》
   『●アベ《昭恵氏が引き継いだ「自民党山口県第4選挙区支部」の残金
     には約2400万円もの政党交付金が含まれている…原資は国民の血税》
   『●《検察は行政機関でありながらも政治からの中立性と独立性が求めら
     れる。しかし、安倍官邸は法務省を通じて検察の捜査に介入していた…》
   『●新しい四文字熟語「集団泥縄」…【こちら特報部/「まるで集団万引した
     人間に万引防止策考えさせるよう」自民党の政治刷新本部の顔触れに…】
   『●心なき《岸田政府が打ち出した被災者支援策…等の窓口における最大20
     万円の特例措置による「貸し付け」だと聞いて耳を疑った》(狙撃兵)
   『●《裏金づくりのテクニックにたけた政治家…保守政治家などと言える
     代物ではない政治家の保守というものがいかに薄っぺらかったか…》
   『●パー券キックバック・裏金化疑惑…カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏
     金」党、きちんと《けじめ》をつけると「そして誰もいなくなった」状態に
   『●腐敗「政治刷新本部」、もともと「利権」「裏金」党の「集団泥縄」に期
     待できる訳もなく、その馬さんや鹿さんな《「××につける薬はない」》
   『●アベ様政権以来、腐敗しきった、真の意味での〝悪夢のような〟「利
         権」「裏金」党政権…悪魔のような、地獄のようなキシダメ政権
   『●またしてもこのまま有耶無耶? 《企業献金の禁止、政党助成金の廃止が
     必要》《告発していた市民団体「議員本人が処罰されないと意味がない」》
   『●《「連座制」…わざわざこれを持ち出さなくても済む方法…会計責任者を
     政治家本人に限定するか、代表者を政治家本人として会計責任者を廃止》
   『●全て《不明》と訂正、後藤祐一議員「脱税の疑いがあるマネーロンダリング」
      …「利権」「裏金」「脱税」党を政権から引きずり下ろすしか道はない
   『●カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」「不明」党の松野博一
       前官房長官、今度は、アノ官房機密費と云う《ヤミ金》を自身に支出
   『●「公金チューチュー」という揶揄がブーメラン…【杉田水脈氏側への
      「キックバック」は872万円 安倍派が政治資金収支報告書を訂正】
   『●「裏金」「脱税」党の杉田水脈議員…《スナックやキャンプ場で政治
     活動?》《会合費…政治活動として会合…しかしスナック? バーベキュー?》
   『●やりたい放題な「裏金」「脱税」党の鈴木俊一財務相《“納税行うかは
     議員が判断すべき”》…んっ? 我々も納税するかどうかを判断可能?
   『●<政治まんが>佐藤正明氏《確定申告会場…「不明です」「はい国税が
      お決めになることです」「書籍代です」「はい真摯に対応します」…》
   『●(こちら特報部》《繰り返す「在日特権」論…杉田氏を含む裏金議員の問題
       が問われた政治倫理審査会開催の日に、本当の特権は誰にあるか…》?
   『●カルト協会とヅボヅボな利権裏金脱税党…《存在しない特権を唱えたり黙認
      したりしてきた側が「政治家特権」を享受してきた》(こちら特報部)
   『●上脇博之さん、大変だったでしょうね…《PDFを一枚一枚たぐりながらの
     気の遠くなるような地道な作業だったはずだ。政府がデジタル化推進…》
   『●カルト協会とヅボヅボな「利権」「裏金」「脱税」党議員が倫理を語る
     …泥棒に倫理を語らせる愚かさ、しかも、証拠も示さず、ウソつき放題
   『●「甘い利」を得た人、ダーク再び…「つかみ金」政策活動費を、幹事長
     在任《35日間…8回に分け、計3億8000万円の政活費を受け取っていた》
   『●「脱税」党「離党勧告」塩谷立氏と世耕弘成氏、「党員の資格停止」下村
     博文氏と西村康稔氏と高木毅氏、「党の役職停止」松野博一氏と萩生田光一氏

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https://www.videonews.com/marugeki-talk/1202


【上脇博之×郷原信郎×宮台真司×神保哲生:裏金が作り放題の政治資金規正法の大穴を埋めなければならない 【ダイジェスト】】
https://youtu.be/voW4scNJI_s


2024年04月20日公開
裏金が作り放題の政治資金規正法の大穴を埋めなければならない
マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1202回)


ゲスト

上脇博之 (かみわき ひろし)
神戸学院大学法学部教授
1958年鹿児島県生まれ。84年関西大学法学部卒業。91年神戸大学大学院法学研究科博士後期課程を単位取得退学。博士(法学)。北九州大学(現・北九州市立大学)法学部助教授、同教授などを経て2004年より神戸学院大学大学院実務法学研究科教授。15年より現職。著書に『誰も言わない政党助成金の闇』、『ゼロからわかる「政治とカネ」』など。

郷原信郎 (ごうはら のぶお)
弁護士、元検事
1955年島根県生まれ。77年東京大学理学部卒業。民間企業勤務を経て80年司法試験合格。83年検事任官。東京地検、広島地検、長崎地検、東京高検などを経て2006年退官。08年郷原総合法律事務所(現・郷原総合コンプライアンス法律事務所)を設立。10年法務省「検察の在り方検討会議」委員。11年九州電力やらせメール事件第三者委員会委員長などを務める。著書に『“歪んだ法”に壊される日本』、『「単純化」という病』など。


概要

 政界を揺るがしてきた一連の裏金疑獄は、これから最も重要な局面を迎える。そもそも不正を引き起こした法律上、制度上の原因を探り、必要となる法改正をめぐる議論が国会で始まったからだ。

 今回の裏金問題は元々、神戸学院大学の上脇博之教授が赤旗の取材を受けた際に、自民党の各派閥が政治資金パーティの収入を正しく報告書に記載していないことを知り、自らも調査を発展させた上で刑事告発したことが全ての発端だった。東京地検特捜部が捜査に着手すると、単なる派閥によるパーティ券収入の不記載や虚偽記載にとどまらず、多額の裏金が議員に還流されていたことがわかり、一大スキャンダルに発展していった。

 その上脇氏は、現行の政治資金規正法に基づいて政治家や派閥、政党、政治団体などが提出している政治資金収支報告書は、その中身をチェックすることがとても困難なことを、自らの経験に基づいて強調する。総数にして数百万ページはあろうかという収支報告書はウェブ上で閲覧が可能になっているが、一つ一つのページがデータ化されていないPDF形式で公開されているため、検索をかけたりソート(並び替え)などができない。驚いたことに現行制度の下では、政治資金規正法が守られているかどうかをチェックするためには、数十万から数百万ページはある報告書を一枚ずつ手繰っていくしかないのだ

 上脇氏は膨大な時間をかけて、報道などで各派閥のパーティ券を大量に買っていそうな政治団体の支出と、パーティ券を売っている派閥の収入を突き合わせることで、辛うじて4,000万円あまりの記載漏れがあることを突き止め、これが今回の刑事告発につながった。しかし、赤旗による地道な調査報道と上脇氏による刑事告発がなければ、今も当たり前のように還流や裏金作りが粛々と行われていたことになる。実際、パーティ券の売り上げの還流による裏金作りは少なくとも2005年には始まっていたことが、共同通信によって報道されている。

 また、収支報告書は監督する権限を与えられた省庁や第三者機関が存在しないため、実際は報告内容が正確かどうかを誰もチェックしていない状態にあるというのも驚きだ。法律に基づいてどんな規制が設けられていようが、更にその規制をどれだけ強化しようが、最終的にそれが遵守されているかどうかを誰もチェックしていないし、したくてもそれが物理的に困難ということでは、そのような法律は法の体を成していないと言わざるを得ない。これは「ザル法」だとか「抜け穴」だとか以前の問題だ

 他にも現行の政治資金規正法に基づく制度の中で、「最低でもこれだけは変えなければならない」ことを列挙したものが、上脇氏が理事を務める公益財団法人政治資金センターとビデオニュース・ドットコムの人気番組『ディスクロージャー・アンド・ディスカバリー』の司会を務める三木由希子が理事長を務める情報公開クリアリングハウスから「政治にかかわる資金の透明性確保を求める意見書」という形で公開されているが、その内容を見ると、これまで政治資金規正法がいかにザル法だったかを痛感せずにはいられない

 その上で、政治資金の野放図な実態を熟知している上脇氏は事実上の企業・団体献金の抜け穴となっている政治資金パーティも禁止すべきだし、政党交付金も廃止すべきだと主張する。企業・団体献金そのものには賛否両論があるが、上脇氏が問題にするのは、企業は政治資金収支報告書の提出義務がないため、受け取った派閥や政治団体側が正直にパーティ券収入を報告しない限り、その実態を知る術がないことだ。どこかの企業が記載義務が生じる20万円以上のパーティ券を買っていても、あるいは150万円の上限を超えて購入していても、受け取った側がそれを記載せずにすべて裏金に回していても誰にもわからないことになる。

 また政党交付金については、そもそも政治資金の規律を全く守れない政党や政治家に100億円単位の交付金を渡すことは、「盗人に追い銭であり「依存症患者に麻薬を渡すようなもの」に他ならないからだ。

 検事時代に政治家の裏金問題を捜査した経験を持つ弁護士の郷原信郎氏は、今回有権者の期待とは裏腹に裏金を貰っていた議員の摘発が3人にとどまった理由を、「政治資金規正法の真ん中に空いた大穴のため」と説明する。複数の政治団体を持っている政治家が、裏金をどの団体に入れたのかを明確にしない限り、検察は「起訴状が書けない」という刑事訴訟法上の問題が生じる。そのため政治家が政治資金の受け皿として使える団体を一つに限定するなどの法改正が必須だと指摘する。

 国会では政治資金規正法の改正案の審議が始まろうとしているが、これまで与党側が出してきた改革案はあまりにもいい加減なものばかりだ。有権者がよほどしっかりしなければ、「私たちはこれからも裏金作りに勤しみますと宣言されているような改革案でお茶を濁されて終わってしまいかねない。

 政治資金規正法はその第一条で、政治を国民の「不断の監視と批判の下」に置くことがその目的であると宣言しているが、上脇氏や郷原氏が提唱する法律の改正案はいずれもそれを実現するためには不可欠なものばかりだ。現行の法律は不断の監視はおろかまったく監視ができない代物になっている以上、抜本的な改正が待ったなしだ。一刻も早く「金のための政治」を終わらせ、国民のために働く政治を取り戻すためには、有権者のわれわれ一人ひとりが、まずは現行制度の問題点を知ることで、デタラメな改革案に騙されないようにすることではないか。

 今回の自民党裏金問題の発端となった告発をした上脇氏と、弁護士の郷原氏、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が、日本の政治に先進国として当たり前の透明性を持たせるために最低限必要となる施策とは何かを議論した。
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●錬金術スカオジサン…《コスパを高めて支援者から強欲にカネをかき集める違法スレスレの錬金術。あまりにも、品性下劣な集金方法》

2020年11月21日 00時00分45秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日)↑]



日刊ゲンダイの記事【菅首相えげつない灰色“錬金術パーティー” 規正法に抵触か】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280226)。

 《ガメついパーティーを開催しまくっているのは、菅首相が代表を務める資金管理団体「横浜政経懇話会」。総務省と公益財団法人「政治資金センター」が公開している懇話会の収支報告書(2011~18年分)をチェックすると、利益率はバカ高だ…菅事務所は、パーティーへの参加の有無にかかわらず、支援者からカネを巻き上げているようだ…コスパを高めて支援者から強欲にカネをかき集める違法スレスレの錬金術。あまりにも、品性下劣な集金方法だ》。

 カネに意地汚い錬金術オジサン。自民党には、こんなのばかり。マスコミは、なぜ大騒ぎしないんでしょうね? アベ様政権下での、スカオジサンによる《メディアコントロール》の故ですか?

   『●アベ様やウルトラ差別主義者らは政治資金パーティーによる
       《荒稼ぎ》…一方、《やはりなかった「前夜祭」の記述》
   『●《桜を見る会は、事実上の有権者買収》…公職選挙法・
     政治資金規正法・財政法を無視して国会議員で居続けるデタラメ
   『●政治資金パーティーによる《荒稼ぎ》…晋和会や素淮会などの
     〝ポケット〟に入り、税金とごちゃ混ぜにして、「会合費」などとして支出

 【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/安和で土砂積み込み・搬入に海と陸から抗議】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/812f5254b461297497e1de7f57770231)によると、《辺野古の海の埋め立てを止めるには、多くの人が安和や塩川に集まって、土砂の搬入を止めるしかない。これが現実だ。沖縄の民意や地方自治、民主主義の尊重を訴えても、それを平然と踏みにじる日本政府に対し、何の幻想を抱けようか。軟弱地盤の問題があるから、いずれ工事が止まると思ったら大きな間違いだ。難工事で工事が長引き、予算が投入されればされるほど笑う奴らがいる。米軍にしても、辺野古新基地工事が行われている間、公然と普天間基地を使い続けることができるから何も困らない》。
 同時に、沖縄イジメの張本人。錬金術オジサンであり、イジメオジサン。辺野古は破壊「損」…愚かさに気づいても原状回復出来る訳もなく…空しい。

   『●《思いやり予算日本要請…必死に米軍を引き留めつつ、沖縄に負担を
     押し付け続ける日本政府の手法はかつての植民地主義をほうふつさせる》
   『●《埋め立てに使う土砂を、沖縄戦の激戦地だった沖縄本島南部から
      採取することが新たに盛り込まれた…「戦没者に対する冒とくです」》
   『●《戦争で亡くなった人の血や肉が染みこんだ土や石を、新たな軍事基地
      建設に使用するのは人間のやることじゃない》…《人柱》でいいのか?
   『●目取真俊さん《「負担軽減」という名称とは裏腹に、高江でも辺野古
     でも機動隊や海保を使って市民を弾圧し、工事を強行してきた張本人》

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280226

菅首相えげつない灰色“錬金術パーティー” 規正法に抵触か
公開日:2020/10/20 13:20 更新日:2020/10/20 13:26

     (カネの集め方がえげつない(菅首相、2018年)
      /(C)日刊ゲンダイ)

 学術会議の候補者任命拒否の説明不足で支持率が軒並み下落した菅政権。さらに評判を落としかねない事実が分かった。菅首相の政治団体が、政治資金パーティーの開催経費をケチりまくり、ボロ儲けしていた疑いがある。「たたき上げ」だから余計にカネに意地汚いのか、えげつない“錬金術パーティー”の実態をあぶり出す。

 ◇  ◇  ◇

 ガメついパーティーを開催しまくっているのは、菅首相が代表を務める資金管理団体「横浜政経懇話会」。総務省と公益財団法人「政治資金センター」が公開している懇話会の収支報告書(2011~18年分)をチェックすると、利益率はバカ高だ。

 例えば、18年は「新しい国創りセミナー」を4月16日以降、東京・千代田区の「ザ・キャピトルホテル 東急」で計5回開催。1回目は支出計約104万円に対し収入は914万円と、利益率は88・5%に上った。残る4回も79・8~90・7%とかなり高い。他の年も利益率は軒並み80~90%と高水準だった。

 高い利益率の要因は、パー券購入者1人にかかる経費の安さ。高級ホテルではあり得ない“お手頃価格”になっているからだ。ジャーナリストの立岩陽一郎氏も18日付の「Yahoo!ニュース」で、この問題を追及。〈1人当たりの経費は2000円ほど〉〈(パーティーを)開くのは「不可能」〉と指摘した。

 政治資金規正法は、収入1000万円以上のパーティーについて、パー券購入者数など詳細の記載を義務付けている。懇話会開催のパーティーで該当するのは2回。①11年11月開催の前出のセミナーは、収入1506万円で、支出が約162万円。購入者は705人。②12年10月開催の「すが義偉君を励ます会」は収入1780万円で、支出は約171万円、購入者は769人――。それぞれ、支出額を購入者数で割ると、確かに1人当たりの経費は約2300円となる。

 ①の開催地はやはりキャピトル、②は「ANAインターコンチネンタルホテル」(東京・港区)だ。いずれも都内屈指の高級ホテルで、1人2300円程度でパーティーを開けるわけがない。首相動静を見ると、菅首相のキャピトル通いが目立つ。ホテル側が菅首相に便宜を図り、格安でパーティー開催を引き受けたのか。

 キャピトルとANA両ホテルに問い合わせたが、共に「お客様のプライバシーにかかわる情報は開示できない」と回答。キャピトルは「当ホテルの会場は立食形式でも最大500名までしか収容できない」(担当者)と付け加えた。少なくとも11年開催分はパー券を購入した205人が不参加でなければ、政治資金規正法上、虚偽記載に当たりかねない。


■参加不参加にかかわらずパー券代徴収は規正法違反の疑い

 菅事務所も「(705人は)『対価の支払いをした者の数』であり、『参加者人数』ではない」と回答。パー券購入者=参加者でないことを認めた。菅事務所は、パーティーへの参加の有無にかかわらず、支援者からカネを巻き上げているようだ。

「パー券購入者が何の対価も得ていない場合、懇話会に単純な『寄付』をしたと理解するのが妥当です。そのため、パー券を購入しながら不参加だった主体が、企業や団体だった場合、企業・団体による資金管理団体への『寄付』を禁じた政治資金規正法に違反する恐れがある。また、購入者が個人だったとしても、対価を得ていない以上、懇話会は『寄付』として処理しなければ、虚偽記載に当たる可能性が生じます。菅事務所は詳細を説明すべきです」(政治資金に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏)

 安倍前首相は「桜を見る会」の前日に開催した「前夜祭」で、会費5000円の激安価格で支援者らを“接待”し、公選法違反で刑事告発された。菅首相の場合は真逆で、コスパを高めて支援者から強欲にカネをかき集める違法スレスレの錬金術あまりにも、品性下劣な集金方法だ
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●御得意の証拠隠滅中? 内閣官房機密費についての最「低」裁「一部開示」判決を無視してアベ様らは何を?

2018年02月20日 00時00分36秒 | Weblog

[※ 自公選挙公約「子育て…」小躍りするアベ様…日刊ゲンダイ(2017年12月19日)↑]



日刊ゲンダイの3つの記事【官房機密費の使途開示が命取り 安倍“隠蔽”政権逃げ場なし】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/221646)と、
【注目の人 直撃インタビュー/機密費と情報公開 上脇博之氏が語る政治資金問題の本質】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/222378)と、
【最高裁判決を無視 安倍政権は「官房機密費文書」開示せず】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/223132)。

 《「開かずの扉」を大きくこじ開けた。官房長官の裁量ひとつで使え、その詳細を明かす必要のない内閣官房機密費について、最高裁判所が一部開示の判決を下した。これを機に、闇に包まれた“金庫”の中身が明らかになれば、盤石に見える安倍政権の崩壊に向けた「アリの一穴」となり得る》。
 《最高裁第2小法廷で1月19日、画期的な判決が出た。時の政権が無条件で使える内閣官房報償費官房機密費の使途をめぐり、大阪市の市民団体が関連文書の開示を求めた裁判で、これまで非公開とされてきた文書の一部について初めて公開を認める判断を下したのだ》
 《近代立憲主義の根幹をなす三権分立さえも、安倍政権は知らぬ存ぜぬだ。最高裁第2小法廷で1月19日、内閣官房報償費(官房機密費)の関連文書の一部開示を命じる初の判決が出てから3週間余り。長い間、ブラックボックスだった領収書のいらない掴みガネの扉を開ける端緒になるかも――と注目を集めたが、ナント!いまだに関連文書が原告の市民団体に開示されていない》。

   『●野中氏の爆弾発言
    「もっと騒がれていいように思うのですが。野中広務氏によるかなり
     衝撃的な爆弾発言ですが、小沢氏へのバッシング(膨大な無駄な
     再捜査・裁判費用発生)に夢中なようです。マスコミや評論家が
     取り上げない理由もあるようですね」
    《自民党の河村建夫・前官房長官がビビりまくっているという。河村は
     政権交代直後の昨年9月に2億5000万円もの官房機密費
     引き出したとして、大阪市の市民団体に背任容疑などで
     東京地検に告発されている》
    《「総理の部屋に月1000万円。衆院国対委員長と参院幹事長に
      月500万円ずつ持って行った」
     「政界を引退した歴代首相には盆暮れに毎年200万円
     「外遊する議員に50万~100万円」
     「(小渕元首相から)家の新築祝いに3000万円要求された」》
    《野中証言にはもうひとつ注目発言があった。「(政治評論をして
     おられる方々に盆暮れにお届け」と明かしたことだ。…鳩山政権が、
     歴代政権の官房機密費の使途を完全公開すれば、
     政界と大マスコミは一気にガタガタだ。》

   『●『創(2010年9・10月号)』読了
    「上杉隆氏、「『週刊ポスト』大反響キャンペーンの舞台裏/
     “タブー中のタブー”マスコミ官房機密費問題の闇」…。
     「マスコミが受け取ることの深刻な意味合い」、
     「「メモ上げ」など記者クラブ問題と直結」。野中広務さんの暴露」

   『●『記者会見ゲリラ戦記』読了
    《畠山 …本当は利益を追求する一私企業にすぎません。その上、
     権力側から無料の記者室など様々な利益供与を受けている。…。
     /…「官房機密費がマスコミに流れたという疑惑》
    「官房機密費、便宜供与とマスコミ・記者クラブ・(都心の一等地で
     タダの家賃)記者室との癒着…。「官房機密費には「記者クラブを含む
     マスコミ関係者に渡っていたのではないか」という〝疑惑〟がある」
     …ことには、記者クラブ・記者室・大マスコミは当然消極的」

 最「低」裁が、「一部開示」とは言え、珍しくも画期的な判決を出したというのに、なぜ大騒ぎしないのでしょうね? もしかして、マスコミが困るのでしょうかね?
 【【私説・論説室から】官房機密費と政務活動費】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018020702000157.html)によると、《最高裁が内閣官房報償費(官房機密費)の一部開示を認める判断を初めて示した。一歩前進だが、そもそも必要な金なのだろうか毎年約十四億六千万円が計上…官房機密費も政務活動費全廃して、必要分を費目を明らかにして予算要求する形に改めたらどうか》。
 「全廃」なんて云う声がほとんど聞こえてこないのは、なぜなんでしょうね?

   『●「誰のための政治…誰のための税金なのですか。
        税金は安倍総理のポケットマネーではありません」!

 さて、只今証拠隠滅中? 《初の判決が出てから3週間余り》…。
御得意の証拠隠滅中でしょうかね? 《領収書のいらない「掴みガネ」》=《内閣官房報償費》内閣官房機密費についての最「低」裁による「一部開示」判決を無視して、アベ様らは一体何をやっているの? 《モリカケ疑惑も機密費をめぐる判決も、問題の根っこは同じ安倍政権は情報公開に対して全く後ろ向きということ。デタラメの極みである》。
 《機密費が裏の政治資金というのか、領収書不要をいいことに国の重要政策が買収されているのではないか》《時の政権が自分たちの政治支配を継続させるために機密費を都合よく使っているのではないかという疑い》は、特に、アベ様や最低の官房長官・スガ殿に係わる大疑惑ですので…証拠隠滅されたのでは、困るんですけど。

   『●裸の王様「記念」小学校・女王様「名誉」校長… 
      証拠隠滅=「文書を存在しないことにする手法」炸裂か?
    《佐川氏は、記録は同省の文書管理規則で保存期間一年未満に分類
     されるとし、「売買契約の締結をもって、事案は終了した
     記録は速やかに廃棄した」と説明した。これに対し、共産党の
     宮本岳志氏は「契約と同時に破棄したのでは調査しようがない
     隠蔽(いんぺい)と言われても仕方がない」と批判した》

   『●森友捜査ツブシ選挙の後の祭りだけれど、
      「関係者を国会に呼ぶなどして、もう一度調査をやり直すべきだ」
   『●人治主義国家ニッポンの人事考査: 証拠隠滅で国税庁長官、
                   犯罪揉消しで警察庁組織犯罪対策部長…
   『●上脇博之さん、「なぜ国側はこれほど低姿勢…。
         学園が買える値段で話を進めるのは常識的にはあり得ない」


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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/221646

官房機密費の使途開示が命取り 安倍隠蔽政権逃げ場なし
2018年1月21日

     (「闇に光が当たった」と上脇教授(右写真中央)/(C)日刊ゲンダイ)

 「開かずの扉」を大きくこじ開けた。官房長官の裁量ひとつで使え、その詳細を明かす必要のない「内閣官房機密費」について、最高裁判所が「一部開示」の判決を下した。これを機に、闇に包まれた“金庫”の中身が明らかになれば、盤石に見える安倍政権の崩壊に向けた「アリの一穴」となり得る。

 最高裁は19日、機密費の支出先が特定されない一部文書についての開示を判決で認めた。具体的には、官房長官が重要政策の関係者に対し、非公式交渉や協力依頼のために支払う「政策推進費」などに関わる文書だ。

官房長官の判断だけで支出できるカネで、領収書の提出義務はない。これまで、外遊する国会議員への餞別や、マスコミ懐柔のため政治評論家に支払われた“工作費”などと報じられ問題視されてきたが、使途については非公開。完全な“ブラックボックス”だった。毎年の予算に計上される約12億円原資は当然、国民の税金である。

 原告の「政治資金オンブズマン」は、安倍首相が小泉政権の官房長官だった2005~06年に支出された約11億円と、麻生政権の河村建夫官房長官時代の09年9月の2億5000万円、そして第2次安倍政権の菅官房長官の13年の約13億6000万円の詳細な開示を求めてきた。最高裁は計約27億円のうち政策推進費などを支出した日時と金額について「開示せよ」との判決を下したのだ。


■内閣は早速「開示要請」を門前払い

 判決後の会見で、「政治資金オンブズマン」共同代表の上脇博之神戸学院大教授ら原告団は、「闇に光を当てる画期的な判決だ」と評価しつつも、「相手は安倍1強。今後、何をやってくるか分からない」と心配もしていた。実際に判決後、原告団メンバーが内閣府に機密費使途の開示を要請する文書を届けにいったところ、警備員に何の説明もなしに突っぱねられたという。

 しかし、いくら身をよじっても逃げおおせるのは無理だ。菅官房長官が13億円以上支出した13年の7月には参院選があった。仮に、選挙前後に膨大な機密費支出が発覚すれば、極めて怪しい。国会での追及は免れず、選挙対策に使ったことでも明らかになれば、「目的外支出で、一発アウトだ

   「そもそも、後ろめたいことがなければ、自ら進んで使途を明らかに
    すべきです。それができなかったのは、やはり後ろめたい支出が
    含まれていたからではないか。疑わしい支出が明らかになれば、
    国会での追及から逃れられないでしょう。それでも明確な答えを
    避けるのならば、証拠文書を『廃棄した』と強弁したモリカケ問題と
    同じです。徹底した情報公開が必要です」
    (高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)

 判決を受け、菅官房長官は「政府として重く受け止める。内容を十分精査した上で適切に対応したい」と言ったが、国会答弁で矢面に立つのは菅自身だ。

 森友問題の佐川前財務省理財局長のように、のらりくらり答弁に終始すれば、政権批判の再燃は必至。もう“隠蔽”は許されない
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/222378

注目の人 直撃インタビュー
機密費と情報公開 上脇博之氏が語る政治資金問題の本質
2018年2月5日

     (「民主主義国家であれば情報公開は当然」/(C)日刊ゲンダイ)

 開かずの扉が開いた――。最高裁第2小法廷で1月19日、画期的な判決が出た。時の政権が無条件で使える内閣官房報償費(官房機密費)の使途をめぐり、大阪市の市民団体が関連文書の開示を求めた裁判で、これまで非公開とされてきた文書の一部について初めて公開を認める判断を下したのだ。領収書のいらない「掴みガネ」との批判がありながらも、使途について国は「国益に反する」との理由で一切の公開を拒んできた。

 そんなかたくなな国の姿勢を突き崩すために市民団体の中心人物として闘ってきたのが、政治資金オンブズマン共同代表で神戸学院大教授の上脇博之氏だ。今回の最高裁判決の評価や不正が横行する政治資金問題について聞いた。


■機密費の使い方や公開について法整備が必要

  ――長い間、ブラックボックスだった官房機密費について最高裁が一部公開を認めました。まずは訴訟に至った経緯を教えてください。

 10年余り前に官房機密費について情報公開請求をした時、官房長官から会計課長への請求金額が開示され、ほぼ1カ月に5000万円を2回、1年6カ月で計19億円近い税金が請求されていたのが分かりました。ところが、具体的な使途については一切分かりませんでした。

 よく、「役所に情報公開請求したら、のり弁が出てきた」とか言いますよね。墨塗りされた真っ黒の行政文書のことを。ところが、官房機密費の使途については、のり弁さえも出てこなかった1枚の行政文書も開示されなかったのです。

  ――1枚も開示されないとは驚きますね。

 だから、すぐに国の担当者に電話しました。「官房長官が使ったわけだから、長官の名前ぐらい出せるでしょう」「日付は公開できるでしょう」と部分開示を求めたのですが、取り付く島もありませんでした。ならば「支出の行政文書は何枚あるのか」と聞いたら、それも「機密です」と。これはあまりに酷い対応で、情報公開法にも違反するのではないか。そう思って不開示処分の取り消しを求めて提訴したのです。

  ――最高裁判決では文書の一部開示が認められましたが、細かな使途は不開示です。今回の判決はどの部分が画期的だったのですか。

 機密費のうち、交通費や会合費など領収書のある支出以外で、官房長官が政策の推進のためにほぼ領収書なしに自由に使うことができた「政策推進費」の受払簿の公開を命じたことです。つまり、官房長官が領収書なしに一体いくら使っているのか、という実態が分かる可能性が出てきたのです。

  ――領収書のいらない「掴みガネ」が解明されるきっかけになると。

 そうです。官房長官は毎月、ざっくり言って1億円ぐらい使っていますが、このうち、交通費や会合にいくら使い、政策推進費にはいくら使っているのかが全く分かりませんでした。例えば、1億円の機密費に占める領収書のいらないカネが1000万円なのか、それとも8000万円なのか、によって全く意味合いが異なるでしょう。

 最高裁判決は部分開示だったとはいえ、この「部分」が重要で、これまで1枚も出てこなかった行政文書が出てくる。国民に一番知られたくなかった数字が開示されるわけで、今まで全く開かずのままだった「本丸」の扉に大きな楔を打ち込むことができたと思っています。

  ――10年にも及ぶ機密費訴訟を続けてきた甲斐がありましたね。

国民には知る権利があり国民主権の民主主義国家であれば情報公開は当然。行政には説明責任があります。私は専門が憲法なので、裁判を続ける意義はそういう理論的な部分もあったのですが、それよりも深刻だと感じたのは、機密費が裏の政治資金というのか、領収書不要をいいことに国の重要政策が買収されているのではないかということ。

時の政権が自分たちの政治支配を継続させるために機密費を都合よく使っているのではないかという疑いです。仮にそうであれば、正常な議会制民主主義は成立しません。だからこそ、情報公開請求し、裁判する価値があると考えたのです。


自民党には15億~17億円の使途不明金

  ――「政策推進費受払簿」などはいつ開示され、それを受けて市民団体としては今後、どう活動していくのですか。

 ふつうは判決が出たら即、開示すべきだと思うのですが、1週間を過ぎても内閣官房からは連絡がありません。

 実は判決が出た時、すぐに開示してほしいと文書で申し入れを考えていました。事前に連絡を取ったのですが、なかなか聞き入れてもらえず、判決当日も代理人弁護士が電話で連絡したのですが「誰もいません」と。ですから、私たちは実際に開示されるまでは安心してはいません。当然、開示されたら、数字に整合性があるかどうか、1億円の何割ぐらいを官房長官が自由に使っていたのかを確認したい。次のアクションはそれから考えようと思っています。

  ――ところで、機密費については根拠法が未整備な上、位置付けがあいまいだ、という指摘もありますね。

 報償費(機密費)は内閣官房だけではなく、外務省にも警察にもあります外務省では2001年に7億円もの詐取事件が発覚し、警察でも情報提供者に渡す報償費を裏金化していたという疑惑が生じています。機密費をめぐっては常に不適切な目的外支出が行われているのではないか、との国民の疑念は払拭できません。となれば、きちんと法整備する必要があるでしょう。

 例えば、支出基準を厳格化したり、将来的には使途を開示したり。相手先が民間人なのか、公務員なのかによって開示時期を変える方法も考えられます。今回の最高裁判決を踏まえて、国会でもぜひ、議論が盛り上がってほしい。


■独裁政権を止めるため情報公開で緊張感

  ――地方議員の公金の使い道にも目を光らせています。

 兵庫県議の政務活動費の不正使用が大々的に報道されましたが、無所属の1年生議員があれほど大胆なことをやるのは例外で、むしろ、議会でドンといわれるような複数回当選している古参の与党議員の方が悪質です。そういう議員は今までマスコミが追及してこなかったこともあって、不正使用、流用の手口がどんどん大胆になっています。

 例えば、作ってもいない市政報告や県政報告の作成代金と称して架空領収書を作って支出したり、自分の政治団体の家賃や人件費に使ったり。政治活動に使ってはいけないという原則があるのに「案分すればいい」とか「使途の上限を設ければいい」などと抜け道をつくって政治資金へと流し込んでいるケースがあります。

  ――とりわけ自民党議員の政治資金の不正使用が目立ちますね。

政党交付金を受け取っている政党の場合、カネに余裕があるために好き勝手に使う傾向にあります。例えば今の自民党には、1980年代のバブル期並みの政治資金が集まっています。余裕があるため、議員だけじゃなく、党職員や秘書も、こんなにカネがあるなら少しは私的に使っちゃえ、となるわけです。

 これは税金である政党交付金の私物化そのもの。それでなくても自民党は使途不明金が多い政党です。党幹事長を中心に一部の議員に政策活動費名目で政治資金が支出されているのですが、その個々の議員の収支報告書を見ても収入の記載がなく、使い道がまったく分からない。

 最近の数字をざっと調べただけでも、年間15億~17億円ぐらいの使途不明金があります。党本部だけでなく、都道府県支部連合会でもあります。彼らの理屈だと、「建前では政治はできない。そういうの(使途不明金)があるのが当たり前」というのが本音なのでしょう。

  ――最後に、憲法学者の視点でとらえた安倍政権についてお聞きしたい。どのように映っていますか。

政治の暴走に歯止めをかけている憲法を守っていない。圧倒的多数の議席を持ち、数さえあれば何でもできると、高級官僚の人事権まで握って好き放題です。どんどん歯止めが利かなくなっています。これは独裁国家と変わりません。こうした姿勢の政権だからこそ、情報公開請求などで緊張感をつくる必要があると思います。闇に隠れて好き勝手に税金が私物化されているのではないかという意味では、機密費訴訟も森友・加計問題も根は同じです。政治の理屈がありません。権力の暴走を決して許してはなりません。

(聞き手=本紙・遠山嘉之)


▼かみわき・ひろし 1958年、鹿児島県生まれ。関西大法学部卒。神戸大大学院法学研究科博士課程後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員(PD)。北九州大(現北九州市立大)法学部教授を経て、現職。公益財団法人「政治資金センター」理事。著書に「告発!政治とカネ」(かもがわ出版)、「日本国憲法の真価と改憲論の正体」(日本機関紙出版センター)など。最新刊は「ここまできた小選挙区制の弊害」(あけび書房)。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/223132

最高裁判決を無視 安倍政権は「官房機密費文書」開示せず
2018年2月14日

     (原告団(中央が上脇博之教授)(C)日刊ゲンダイ

近代立憲主義の根幹をなす三権分立さえも、安倍政権は知らぬ存ぜぬだ。最高裁第2小法廷で1月19日、内閣官房報償費(官房機密費)の関連文書の一部開示を命じる初の判決が出てから3週間余り。長い間、ブラックボックスだった領収書のいらない「掴みガネ」の扉を開ける端緒になるかも――と注目を集めたが、ナント!いまだに関連文書が原告の市民団体に開示されていないことが分かった。

   「(代理人の)若手弁護士が何度も内閣官房に(開示要求の)連絡をしている
    のですが、きちんとした返事がありません。よほど知られたくない内容が
    書いてあるのか。原告らの間では『まさか改ざんしているのでは
    ないだろうな』との話も出ています」(原告の「政治資金オンブズマン」
    共同代表の上脇博之神戸学院大教授)

 いやはや、最高裁で確定判決が出たのだ。一部公開を命じられた国は直ちに開示する義務がある。菅官房長官だって判決後の会見で「判決を重く受け止める」と言っていたではないか。言っていることと、やっていることが全く違う

 今回の最高裁判決では、機密費のうち、交通費や会合費など領収書のある支出以外で、官房長官が政策の推進のためにほぼ領収書なしに自由に使える「政策推進費」の金額が分かることになる。官房長官が領収書いらずのカネをどれだけ好き放題使っていたのかが白日の下にさらされるのだやましいところがないのであれば、国はさっさと公開するべきなのは言うまでもない。それなのに菅は最高裁判決を無視し続けているのだ。

   「最高裁判決に従わないということは、三権分立にも反する。例えば、
    国家賠償訴訟で国が敗訴したら、その日から“利子”が発生するため、
    国は直ちに手続きに入ります。今回のケースは異例、異常なことです。
    原告への開示をダラダラと引き延ばす一方、御用マスコミにリークして
    政権に都合のいい記事を書かせることを考えているのだとすれば、
    とんでもないことです」(前出の上脇博之教授)

 モリカケ疑惑も機密費をめぐる判決も、問題の根っこは同じ安倍政権は情報公開に対して全く後ろ向きということ。デタラメの極みである。
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コメント
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