gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/136366)と、NPJで知った琉球新報の社説(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-190529-storytopic-11.html)。
長い記事。日刊ゲンダイでしか書けないちょっと長めの記事。検察の問題であると同時に、検察と癒着したマスコミの問題でもある。反省なき電力会社や政治家が原発再稼働や原発輸出をしようとしているのと同様、反省なきマスコミは5月9日に控訴へと誤誘導するはず。本件に関しては、不毛な裁判が続くことになりそう。
密約裁判などを経験する沖縄では、検察審査会の問題点を的確に指摘している。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/136366】
小沢報道は全部ウソだったと謝罪の必要
2012年4月28日 掲載
無罪判決でも犯罪人扱い報道
小沢元代表は、大新聞テレビを訴えた方がいいんじゃないか。そうでないと、連中は懲りない。この謀略報道の洪水は止まりそうにない。
検察のガセ情報をさんざんタレ流して小沢の政治生命を抹殺したくせに、無罪判決が出た後も、「それでも残る疑惑」だの「国会で説明責任がある」と書き立てている大マスコミ。中には、「ほとんど有罪」の大きな見出しを掲げたり、識者のコメントを使って指定弁護士に「控訴しろ」とそそのかす記事もある。こうなるともう完全な人権侵害だ。人物破壊だ。
どうして、そこまでして狂ったように小沢を葬りたいのか。一体、大新聞テレビはだれの回し者で凶器を振り回しているのか。
そもそもこの小沢裁判は、「無罪判決」の中身を論評する以前の問題である。その価値もない。起訴したこと自体が疑惑、間違いだったのだ。
政権交代直前の09年3月、地検特捜部は小沢の元秘書を突然、政治資金収支報告書の「記載ミス」という微罪で逮捕し、その立証が困難とみるや、別の秘書を立て続けに逮捕。収支報告書の「記載ミス」は無数にあるのに、小沢以外の政治家には目もくれず、執拗に小沢を狙い、失脚をもくろんだ。
当初、特捜部は「ゼネコンからの裏献金があるに違いない」「小沢をやれる」と“妄想”を抱いて突っ走ったが、結局、何もナシ。すると、今度は、デッチ上げの捜査報告書を作って検察審査会(検察審)の審査員を“誘導”。ムリヤリ、小沢を「強制起訴」させたのが経緯だ。
検察が勝手に筋書きを描き、見立てに沿う作文調書を作り、それでも起訴がムリなら検察審を使う――。どう考えても不当不法。こんなデタラメ捜査手法、起訴が許されたら、司法はどんな冤罪もデッチ上げられる。民主主義国家じゃなくなってしまうのだ。
元毎日新聞記者で、政治評論家の板垣英憲氏はこう言う。
「民主主義国家には基本的人権を守るためのルールが決められています。
つまり、適正、適法な手続きです。ところが、今回、検察の捜査手法は
無法の積み重ねで、検察審の審査内容はいまだに分かりません。つまり、
適正、適法な手続きとは到底、言えないのです。『小沢氏ならいいだろう』と
軽くみるムードもありますが、有権者の負託を受けた政治家だからこそ、
より慎重な手続きが必要なのです。今回のような捜査手法、起訴が許されるなら、
誰でもすぐに犯罪者にされてしまう。大変、恐ろしいことです」
小沢事務所が問われた取るに足らぬ政治資金の記載ミスに比べ、検察、裁判所がやってきたことは数倍、数十倍も悪質なことなのだ。
<その批判もなく小沢は実質有罪、政治的けじめをつけろと叫ぶ大マスコミの狂気>
その意味で、小沢事件は司法の信頼の根幹を揺るがし、ゾッとする検察官による捜査報告書の捏造まで明るみに出た。
それなのに、大マスコミは批判の矛先を司法権力に集中させようとしない。
〈結論はシロだが、「潔白」ではなく「灰色」という司法判断〉(読売社説)、〈裁かれたのは、私たちが指摘してきた「小沢問題」のほんの一部でしかない〉(朝日社説)などと、改めて小沢を責め立てる。本末転倒だし、トチ狂っているとしか思えない。
そもそも大マスコミの小沢追及の論調はブレまくってきた。もはや一行も触れようとしないが、批判の出発点は「ゼネコンからの裏ガネ」だった。
ところが、今は「収支報告書は秘書任せ」「秘書への監督責任」のみをあげつらう。実にチンケな話で、小沢の「道義的責任」「政治的責任」「国会での説明責任」を仰々しく糾弾するのだ。
振り出しの「ゼネコンからの裏ガネ」はどうなったのか。小沢に「収賄」の嫌疑をかけた特捜部の「小沢との全面戦争」は、とっくに検察の敗北でケリはついている。
検察は一連の捜査で70社近くのゼネコンを絞り上げたが、出てきたのは不可解な「水谷建設からの1億円」だけ。捜査に参加した元検事の前田恒彦受刑者(証拠改ざん事件で有罪確定)は、小沢公判でこう証言した。
「佐久間達哉特捜部長(当時)は、胆沢ダムを受注した
元請け・下請けのゼネコンごとに、○○社が1億、××社が
2億と夢みたいな妄想を語っていたが、現場は厭戦ムードが漂っていた」
水谷からのカネだって、「石川議員を調べた吉田正喜副部長(当時)も、田代政弘検事も『アレはないんじゃないか』との心証を抱いていた」(前田受刑者)という。小沢が問われた政治資金規正法違反事件は、検察の妄想捜査の残りカスをかき集めたに過ぎないのだ。
「それも今回の無罪判決によって、小沢氏を罪に問える材料は
全て消えたのです。だから、メディアは『政治とカネ』や
『道義的、政治的責任』という漠然とした言葉で責めるしかない。
検察と一体になって『小沢はワルだ』とあおった非を認めようとせず、
悪あがきを続けているだけです。朝日新聞は社説で
『政治的けじめ、どうつける』と小沢氏に迫りましたが、
けじめをつけるべきは朝日の側であり、小沢バッシングに
狂奔した全メディアです」(元NHK記者で評論家の川崎泰資氏)
その朝日は「報道検証」と称して、「本紙は有罪決めつけていない」「検察リークありえない」と自己弁護していたが、ゴタクを並べるのは、どうでもいい。朝日はじめ、大マスコミは「小沢報道は全部ウソでした」と謝罪する必要がある。
<これで消費増税がつぶれたら困ると書くスリカエ>
大新聞の狂気はそれにとどまらない。判決翌日の紙面でさっそく「増税法案、小沢氏無罪も影響」(朝日)、「消費増税に『足かせ』」(毎日)、「小沢系 増税阻止へ反攻」(読売)と大騒ぎしていた。“小沢は数の力で野田政権の邪魔をする”“消費税問題を混乱させるだけで、良い結果を生まない”と、こんな論調のオンパレードだ。
しかし、消費増税が暗礁に乗り上げているのは小沢のせいか? そうではないだろう。国民の6割がノーと言っている増税に突っ走ろうとする野田悪政に正義がないのだ。経済評論家の上念司氏が憤慨して言う。
「デフレ下で消費税率を上げれば、税収が減ってしまうのは
常識です。もちろん、財務省は百も承知。その証拠に、
今月4日の国会で、『デフレ下で国民所得が減っている中、
税率を上げれば税収は増えるのか、減るのか』と追及された
古谷主税局長は、『減少します』とハッキリ答えています。
要するに財務省は、国民は幼稚園児程度だとバカにして、
何も知らせずにダマしているわけです。いま重要なのは
消費増税ではなく、デフレを脱却して税収を増やすこと。
それなのに、大メディアは小沢氏が消費増税を潰すのが
悪いと非難している。揚げ句、消費増税に反対する人の
コメントは、すべて“小沢元代表に近い関係者”と書く。
小沢氏が反対するものは善なんだと読者に思い込ませて
しまおうと、悪質な印象操作をしている。戦前のファシズム報道
そのもので、こんなデタラメはありません」
国を滅ぼすのは小沢ではない。消費増税であり、それを強行しようとする野田政権と財務官僚、その走狗と化した大マスコミの方だ。露骨で薄汚いスリ替え報道にダマされてはいけない。
<政局を書くのはそれだけ小沢の強大な力を認めているからだ>
どうして大マスコミはここまで小沢にこだわるのか。一方では「広がらぬ賛同者」「党内で孤立」と書いているのだから、無視すればいいのだが、それをしない。要するに、小沢が傑出した力を持っていることをマスコミが一番よく知っているからなのだ。
「戦後、刑事被告人になりながら、これほど力を持ちつづけた
政治家は、田中角栄と小沢一郎だけです。3年間も検察と戦い、
党員資格まで停止されたのに、同志が140人もいるのは
驚きです。損得を考えたら、小沢について行くメリットはない。
大勢の仲間がいるのは、政治家としての実行力やビジョンが
並外れているからでしょう。大手メディアが、狂ったように
小沢の疑惑を騒ぎ立てるのは、気になって仕方がない、
無視できない裏返しです」(政治評論家・本澤二郎氏)
もし、小沢が取るに足らない政治家だったら、有罪だろうが無罪だろうが、無視している。
大新聞テレビが、小沢の力量を認めながら、いや、認めているからこそ、なにがなんでも抹殺したいと考えているのが真相なのだ。
「大手メディアは、小沢が目障りで仕方ないのですよ。
社説などでは、政治に“強いリーダーシップ”を求めながら、
ホンネでは傑出した人物を快く思わないのが、日本のメディアの
伝統です。しかも、小沢は、大手メディアの既得権益を
ブチ壊そうとしている。記者クラブ制度にメスを入れ、
テレビの電波行政を変えようとしている。既得権に
あぐらをかいている大手メディアにとって、
これほど怖いことはない。力のある小沢は、
絶対に潰したいということなのです」(本澤二郎氏=前出)
それで小沢が復権すると、民主党政権が分裂する、社会保障と税の一体改革が遅れると騒ぐ。世間に“小沢不安論”をまき散らす。何かにこじつけてでも、小沢を排除追放したくてしようがないのだ。
<この国の大マスコミは戦前戦中と同じ権力走狗>
こうしてみると、日本の大マスコミがいかに次元が低いかがよく分かる。国民を賢くさせて、国を豊かにさせる発想などゼロだ。小沢無罪判決を受けて、自民党の代議士がツイッターでこうつぶやいた。
「小沢には監督責任、道義的責任はあるが、判決が
出た以上、国会でこの問題を引きずり、時間を費やすべきではない。
デフレ円高脱却など、国会は前向きな政策論争を行い、
一つ一つ方向を出していくべき」
といった内容だ。
小沢喚問を要求して、民主党政権を引っかき回そうとする自民党執行部まで皮肉ったのだが、本当の報道の役割とは、こういうこと。無意味な小沢喚問を書き立てることでなく、国民のためになる知恵を授けることだ。そこを自覚しなければ、日本の沈没を止められるわけはない。
政治評論家の森田実氏がこう語った。
「この国はマスコミによって、どんどん劣化している。
それは権力のチェックをせず権力と一体化してしまった
からです。戦前戦中、軍部のお先棒を担ぎ、国民を
戦争に駆り立てたマスコミは、その反省に立てば、
国民生活を滅ぼす消費増税など逆立ちしても
推進してはいけない。大衆を犠牲にしてはいけないのです。
ところが、財務省や大政党、アメリカの手先として大衆を
脅かして増税を進めて心が痛まない。大衆増税に反対の
小沢さんたちのグループを率先して潰そうとする。
腐ってます。権力の犬に成り下がってしまったのです」
大マスコミがしつこく小沢抹殺報道を続けるのは、「自分たちは権力の走狗です」という堕落の正体をさらけ出していることを意味するのだ。
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【http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-190529-storytopic-11.html】
小沢判決/検察の「闇」が裁かれた 全面可視化しか道はない
2012年4月27日
裁かれたのは検察の深い闇だ。そう受け止めざるを得ない。政治資金規正法違反罪で強制起訴された小沢一郎民主党元代表への判決で、東京地裁は無罪を言い渡し、検察の手法を厳しく批判した。
供述を検察が「ねつ造」したことが明らかになったからだ。大阪地検の証拠改ざんもあった。断罪されたのは検察の体質そのものと言える。もはや検察の調書は信頼できない。取り調べを全面可視化するほか信頼回復の道はない、と法務当局は認識すべきだ。
今回、「ねつ造」された供述はそのまま検察審査会に送られ、強制起訴の根拠になった。検察審査会の在り方も議論すべきだろう。
証拠改ざんに通底
この裁判の最も重要な瞬間は、小沢氏の弁論などではなく、むしろ田代政弘検事の証人尋問だった。昨年12月の公判で田代検事は、事実と異なる捜査報告書の作成を認めたのだ。
2010年5月、田代氏は元小沢氏秘書の石川知裕衆院議員を再聴取した。その報告書には「あなたは国会議員。やくざの手下が親分を守るようなうそをついてはいけない」と検事に言われたのが効いた、と石川氏が述べ、小沢氏の関与を認めたかのように記した。
だが石川氏はかばんに録音機をしのばせ、隠し録音していた。このため、そのような応答は全くなかったことが証明できた。
田代氏は「過去の供述と記憶が混同した」と弁解したが、あまりに不自然だ。録音されていない「供述」はほかにも数多くある。裁判所が弁解を「にわかに信用できない」と退けたのも当然だ。
取調室は密室である。隠し録音をしていなければ報告書が虚偽だとは証明できなかっただろう。ほかの調書類でも同様の「ねつ造」がないと信用できるだろうか。
検察のストーリーに合わせて事実をねじ曲げた点は、大阪地検の証拠改ざんとも通底する。もはや検察の体質と化していた、と疑わざるを得ない。
検察は取り調べの一部可視化を始めているが、全面可視化は拒んでいる。だが一部可視化は可視化しないのと同じだ。検察に都合のいい部分だけを公開し、ほかは隠しておける仕組みでは、可視化の意味がない。法務当局は、国民の信頼を取り戻したいなら、全面可視化を断行すべきだ。
市民団体は田代検事を虚偽有印公文書作成・同行使罪で告発したが、検察は起訴を見送る方向という。大阪地検の証拠改ざんは最高検が捜査したが、今回は東京地検が担当だ。東京地検の犯罪を東京地検が捜査して、公正と言えるはずがない。最高検か他の地検、警察が捜査すべきではないか。
資料開示も必要
検察審査会(検審)の仕組みもあらためて問われる。今回は検察が起訴を見送った事案だが、市民の告発を受けて検審が2回議決し、強制起訴となった。
だが検審の仕組みもあまりに不透明だ。政治的に対立する人が恣意(しい)的に告発することは、いくらでもできる。審査が何回開かれたか、委員がどんなメンバーかも分からない。
検審に開示する資料を検察が恣意的に選ぶことも可能だ。今回の審議も、くだんの捜査報告書を基にしていた。全面可視化と同時に全ての捜査資料を全面開示する仕組みでなければ、公正な審議はできないのではないか。これは裁判員裁判にも言えることだ。
強制起訴が可能になったのは裁判員制度と同じ09年の司法改革からだ。それ以前、検審が起訴議決をしても、警察官や検察官が身内の犯罪をかばうかのような不自然な不起訴が続き、市民の不信感が高まったことが背景にある。
だから強制起訴の仕組みの必要性にはうなずける点もある。だが政治家は起訴だけで議員辞職を迫られてしまう。特定の政治家を恣意的に排除できるかのような仕組みは改善の余地がある。国民的議論で改善策を導き出すべきだ。
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gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/135340)。
『●水谷建設裏金問題、小沢一郎氏でなく自民党議員だった!?』
誰も後追いしていないの? 「無実の人間に罪をかぶせた検察とメディアは、疑惑を明らかにする責任がある」ハズじゃないの。当時、郷原信郎さんらの警告にもかかわらず、あれほどバカ騒ぎし、小沢バッシングをしつこく続けたマスコミは、なぜこの(これら?)自民党議員の詮索をしないのか、全く不思議だ。当時、一体どのような意図を持って取材し、バカ騒ぎして見せたのか。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/135340】
小沢事件 特捜検察姑息な組織防衛シナリオ
2012年2月25日掲載
チンピラ検事聴取の裏で画策する
<「おとがめナシ」は絶対に許すな!>
小沢捜査のデタラメで火ダルマ炎上中の東京地検が、ウソの捜査報告書をデッチ上げた田代政弘検事(45)を事情聴取していたことが分かった。任意で複数回聴取したほか、当時の上司からも経緯を聞いたという。
田代検事については、市民団体が虚偽有印公文書作成の容疑で刑事告発している。ヤクザまがいの取り調べを繰り返したチンピラ検事の逮捕は当たり前だが、それだけで済む話じゃない。裁判所は「違法不当な取り調べは組織的に行われた」と検察組織を断罪している。検事3人が逮捕された大阪地検特捜部と同様、田代検事の上司だった特捜部長や副部長、その上の幹部の関与まで、徹底的にウミを出し切るのがマトモな組織の姿だ。
ところが、周知の通り、検察はマトモじゃない。この期に及んで組織防衛を画策し、田代検事を「おとがめナシ」にしようとしているからムチャクチャだ。ベテラン司法ジャーナリストが言う。
「田代検事聴取の報道では、何の容疑で事情を聴いたのか、
全く報じられていません。しかも、田代検事の『過去の取り調べと
記憶が混同した』という主張ばかりが伝えられている。
“故意ではなかった”“よって組織は無関係”としたい検察の意図を感じます。
大阪地検の一件での苦い経験もある。フロッピーを改ざんした
前田恒彦検事を逮捕したら、上司の関与を次々と暴露されてしまった。
結果、特捜部長と副部長までイモづる式に捕まる事態になった。
同じことが東京地検でも起きれば、検察は完全崩壊です。
だから田代検事を逮捕どころか、起訴さえしない恐れもある。
起訴猶予ではクロだと認めることになるため、不起訴です。
そのバーターで、上司のことは一切口にするな、というわけです」
田代検事にも保身に走る理由がある。虚偽有印公文書作成罪で禁錮刑になれば、法曹資格を取り消される。東京・世田谷に構える一戸建ての住宅ローンを返せなくなるばかりか、“ただの人”になって食いぶちも失ってしまうのだ。
「検察が田代検事を不起訴にしたら検察審査会にかけられるでしょう。
しかし、起訴相当の議決が2度出るのかどうか。
小沢事件のような怪しい検察審だと、どうなるかわかりません。
仮に裁判になっても、検察が田代検事を切り捨てたわけではないから、
田代検事は何もしゃべらず、組織は守られます」(司法関係者)
笠間治雄 検事総長は小沢捜査に反対した良識派とされるが、「大阪地検の事件では検事の逮捕に反対した」(事情通)といわれる人物でもある。事なかれ主義で組織防衛に走るとしたら、検察は完全に腐りきっている。
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gendai.net(http://gendai.net/articles/view/syakai/134680)の記事。
あの推認に推認を重ねた裁判長が弾劾裁判請求されるかも、という記事。どこまで可能性があるのかどうかは不明。小沢一郎氏の裁判の検察審査会の裏で糸を引いた方も罪深い。こんな汚い手で小沢氏を葬って一体何になるのか。マスコミの小沢バッシングに騙されてはいけない。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/134680】
あのミスター推認 登石裁判長に突きつけられた弾劾裁判請求状
2012年1月18日掲載
元秘書3人に妄想判決
<「疑わしきは全部有罪」>
司法権力のデタラメが次々と噴出している小沢裁判。非難の声が高まる中、とうとう、陸山会裁判で元秘書3人に“有罪判決”を下した登石郁朗裁判長(57)のクビを迫る動きが始まった。裁判官を罷免するために国会で開かれる「弾劾裁判」で、裁判長自らが裁かれる可能性も出てきた。
推認に次ぐ推認で、元秘書3人を「疑わしきは全部有罪」とした登石裁判長は、一部では“ミスター推認”なんてヤユされている。そんな登石裁判長の罷免を求めて、衆参の国会議員各10人と予備員各5人で構成される「裁判官訴追委員会」に訴追請求状を提出したのは、平野貞夫元参院議員だ。
平野氏はその書面で、〈登石裁判官は憲法に対する職務を著しく怠っただけでなく、憲法原理さえも冒涜した〉と指摘。〈適格性や資質に重大な欠陥があり、弾劾裁判によって罷免すべきである〉と、切り捨てている。
捜査当時、麻生政権の森英介法相が「大久保秘書の逮捕はわたしが指示した」と漏らしていたというエピソードも明らかにしている。
平野氏がこう言う。
「西松建設事件からスタートした一連の小沢排除の捜査と裁判は、自民党の麻生政権から始まった。『政治捜査』で始まった事件だから、東京地裁の判決も『政治判断』となる可能性は排除できません。法務省・検察・裁判所の劣化に対する憤りが訴追請求の真意です」
司法腐敗の象徴が小沢裁判というわけだが、この請求が訴追委員の賛成多数で受理されたら、登石裁判長は万事休すだ。今度は訴追状が国会の弾劾裁判所に送られ、裁きを受けることになる。
さすがに、国会議員30人からなる「裁判官訴追委員会」も、法務委員会に11年間所属した元参院議員の平野貞夫氏が書類を提出したことで“無視”できないとみられている。
「いまや司法の信頼は完全に失墜しています。報告書にウソを書き連ねた田代政弘検事が告発され、登石裁判長には訴追請求が突きつけられた。国民もネット上の議論を見ていると、大マスコミが作り出した世論への迎合ではなく、法と証拠に基づいた判決を求めている。脱線事故で業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本前社長に“無罪判決”が出たが、裁判所も頭を冷やしたのではないか。世論に迎合していたら“有罪”にしたでしょう」(司法関係者)
森英介氏も名を連ねる訴追委員会のメンバーがそれでも請求を無視するようなら、彼らこそ国会で追及し、罷免すべきだ。
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少し前になりますが、東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012011102000054.html)。
ンッ? 東京新聞の見方が変わった? 検察批判や裁判所批判など、今まであまり記事になっていなかったように思います。検察の行いや裁判官の「推認」判決などに何の批判もなく、小沢バッシングのみに夢中になるマスコミの姿は異常で、この件に関しては東京新聞も同じようなものかと思っていました。少し変わってきたのでしょうか。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012011102000054.html】
小沢元代表公判 4億円の説明をもっと
2012年1月11日
民主党元代表小沢一郎被告が法廷で「政治団体の仕事はすべて秘書任せ」と述べた。無罪をあらためて強調したわけだ。問題の四億円について納得いく説明こそ、政治家の信用回復の鍵となろう。
初公判から約三カ月間に、検察の捜査に疑問符が付いた。一つは事実と異なる捜査報告書の問題だ。「(元秘書の石川知裕衆院議員が)議員なのにウソを言ってはいけないと言われた。あれが効きました」と書かれている。作成した検事は法廷で「その通りのやりとりはなかった」「記憶が混同した」と答えた。
問題なのは、この報告書が小沢元代表が陸山会事件に関与したとする石川議員の供述調書の裏付けとなっていることだ。市民による検察審査会が強制起訴に持ち込む根拠となった可能性がある。
もう一つは、捜査に加わった大阪地検元検事の証言だ。建設業者の取り調べメモでは、一億円を渡したとする水谷建設以外は「小沢元代表側に現金を渡していない」という業者ばかりだったと述べた。「渡していない業者」のメモは検察審のメンバーには明らかにされていない。つまり、検察があえて、検察審に起訴議決を促そうとする、きわどい手法をとったとの見方も浮上するのだ。
もともと小沢元代表は「国家権力の乱用だ」と訴えていたが、陸山会事件そのものが、はじめに「筋書きありき」の捜査ではなかったかという想像すら湧く。
石川議員ら元秘書三人に対する判決では、土地取引の原資となった四億円を隠蔽(いんぺい)しようとしたと推認し、三人が共謀したことも推認するなど、推測を重ねて有罪に導いたとも批判されている。
小沢元代表の裁判では、裁判官は一切の予断を排し、厳格な事実認定に基づいて、四月に予想される判決に臨むべきだ。
小沢元代表もさらに説明を尽くさねばならない。四億円の問題は政治資金収支報告書の虚偽記載の動機に直結するポイントだ。
その説明が政治資金から銀行融資、個人資産などと変わった。どれが正しい答えなのか、なぜ変遷するのか。国民が納得しないのは、小沢元代表の姿勢にも原因がある。
陸山会事件後は沈黙状態にあった小沢元代表は、現政権を強く批判し、自らの派閥を糾合し「動く小沢」に変わってきた。政治活動に信頼回復を目指すなら、それを支える政治資金の明朗化こそ、越えるべきハードルである。
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魚住昭さんのWP『魚の目』(http://uonome.jp/)に出ていた最新記事(http://uonome.jp/read/1990)。
検察に踊らされた、反省なきマスコミの小沢バッシングのバカ騒ぎを信じるか、記者生命をかけてもよいとまで言い切る魚住さんの検察批判を信じるか? 私はもちろん、村木厚子氏 冤罪事件や安田好弘さんの嫌がらせ逮捕などからも、魚住さんの言説を絶対に支持します。
これは先日の東京地裁の判決前に書かれたもので、それでも「記者生命をかけても」とまで仰っている訳ですが、やはりこの高裁判決には相当に問題があります。例えば、THE JOURNAL(http://www.the-journal.jp/)の山口一臣さんの三つの記事(判決要旨を読んで(その1)http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/10/post_802.html、判決文コピペ事件http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/10/post_803.html、判決要旨を読んで(その2)http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/10/post_804.html)を読むだけでもこの判決文の問題点が良く分かります。検察やマスコミの問題と同程度に、裁判官にも非常に大きな問題があります。
あ~、それにしても、なんで私が小沢氏を擁護してるのか・・・。それほど、検察やマスコミ、裁判官が酷過ぎるということかな。
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【http://uonome.jp/read/1990】
「陸山会事件」判決 記者生命をかけても私が言いたいこと
NEW!2011 年 10 月 4 日 魚住 昭
石川知裕著『悪党―小沢一郎に仕えて』(朝日新聞出版刊)が売れている。発売直後で9刷5万部だからベストセラーだ。
誰も知らなかった小沢一郎の実像が絶妙の距離感で描かれているから売れるのも当然だろう。数多の小沢本(大抵はヨイショ本か、暴露本だ)が皆駄作に思えてしまうほど良質な作品だ。
石川さんは陸山会事件で政治資金規正法違反の罪に問われている。この原稿が読者の目に触れるころには東京地裁の判決が言い渡されているだろう。(筆者注・この原稿は判決数日前に書きました)
判決内容がどうあれ、私は陸山会事件の取材者として伝えておきたい事実がある。この事件は「小沢潰し」のため仕組まれたものだ。断罪されるべきは検察の不当で低劣な捜査だ。
私 がそう言い切る理由は以下の通りだ。もともと陸山会事件の本丸は水谷建設のヤミ献金だった。04年10月、岩手・胆沢ダム下請け工事受注の謝礼として水谷建設が小沢側に5千万円を渡したという疑惑である。
特捜部の調べに水谷建設の元社長は「六本木の全日空ホテルのロビーで石川秘書(当時)に5千万円入りの紙袋を渡した」と供述した。これが事実なら悪質犯罪だ。小沢本人も逮捕できると特捜部は色めき立った。
だが、このヤミ献金容疑は証拠が希薄すぎた。まず、元社長の供述を裏付ける現金授受の目撃者がいなかった。当日、元社長を全日空ホテルに運んだという水谷建設の運転手の供述も曖昧だった。さらには石川さんが受け取ったはずの5千万円の行方も特定できなかった。
1 8年前のゼネコン汚職で特捜部は自民党の梶山静六・元幹事長を逮捕しようとしたことがある。ゼネコン幹部が「1千万円を渡した」と供述したからだ。だが強制捜査は直前になって中止された。ゼネコン幹部がそのカネを自分の懐に入れていたことが判明したためだ。この例でわかるように業者の供述を裏付ける証拠もなしに現職代議士の石川さんを逮捕できなかった。
となると残る手段は別件逮捕しかない。そこで浮上したのが不動産購入をめぐる政治資金収支報告書の“虚偽記載”だ。ヤミ献金に比べるとカスみたいな「形式犯」だが、購入時期のズレや、小沢氏個人からの借入金の不記載といった外形的事実の立証は容易だった。これを入り口に石川さんらを逮捕し、ヤミ献金受領を自白させて小沢氏の逮捕に漕ぎ着ける―それが特捜部の描いたシナリオだった。
しかし石川さんは昨年1月15日に逮捕されてからヤミ献金受け取りを否認し続けた。
彼の獄中日記には「アリバイを証明して断固戦う」(1月20日)「副部長から水谷についても立証できると言われた。本当にとんでもないことだ。検察は事件を作るといわれているが、本当だ」(1月27日)「副部長は小沢事務所が何千万円もゼネコンからもらったと思い込んでいる。何を言っても無理だ」(2月1日)と調べの模様が克明に記されている。
結局石川さんの「自白」を得られず、特捜部は本丸のヤミ献金立件と小沢氏の起訴を断念せざるを得なかった。戦後検察史でも例のない大失態だった。
そのうえ裁判では水谷建設が胆沢ダムの下請けでメリットのあるスポンサー(幹事社)をとるのに失敗していて、小沢事務所に謝礼を払う理由がなかったことが分かった。水谷建設の元会長も「裏金を渡すとき必ず『見届人』を同席させて相手方への現金交付を確認させるのがウチのルールだが、それをしていないのが解せない」と元社長の私的流用を示唆した。
私の記者生命をかけて言うが、石川さんは嘘をついていない。5千万円のヤミ献金は検察が作り上げた幻だ。たとえ判決が有罪でも石川さんには政治家を続けてほしい。泥にまみれても不条理と闘い続ければ、共感の輪は大きく広がっていく。真実より強いものはないということがきっと証明されるはずだ。(了)
(筆者注・これは週刊現代「ジャーナリストの目」の再録です)
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