ある少年の話

2010-11-30 17:28:32 | 学習塾・勉強の仕方

どちらかといえば勉強が嫌い、などというレベルではなく、もはやはっきりと勉強嫌いの部類であることを自他共に認める中学生が入会してきたのは、もう3年も前のこと。

本人としては、出来れば学習塾になど入りたいとも思わなかったでしょうが、当時別の塾に行っていた彼の兄と姉が、そろって高校受験に失敗(それも続けて)、彼の保護者としては、今度こそ必ず公立高校に入ってもらいたいという思いから、上の子で失敗した集団塾を今回は選ばず、ACSの個別指導を選んでくれたのでした。

しかし、集団であろうと個別であろうと、本人の勉強嫌いはそのような違いで容易に解消する筈も無く、この3年間は互いに神経戦の積み重ねでした。

こちらはあの手この手で彼に勉強させ、そして成績アップを実現させたいのに、彼は彼で、あの手この手でこれらを回避し、或いはサボタージュすることの繰り返し。

そうこうしている間にも、彼と同学年の塾生たちは着実に点を取り、成績を上げ、その差は開いていくばかり。

実のところ、私も何度彼に退会勧告しようと考えたか知れません。

そういう思惑で彼の保護者に来ていただいたこともありますが、しかしその都度保護者の悲痛にも聞こえる声に圧倒されたような形で引き続き彼の学習指導を行うということの、これはまさに神経戦の積み重ねでした。

その彼が、これは本当に遅いのですが、3年生の今になって漸く勉強するということの手ごたえを知ることになりました。

保護者や講師たちに連日尻を叩かれ背中を押され、時には励まされ時には叱られしながら勉強に向かい、学校の提出物も完璧に出し切るようになった結果、後期中間の成績~これが確定値になるのですが~が数ポイントも一遍に上がったのです。

正直、如何にも遅い気付きではあります。あれだけ言われてきたのですから、もっと早くに出来ていて不思議はありません。

しかし、それはそれ、こうして小さいかもしれませんが、確かな成功体験を手にした彼は、目下後期選抜での成功を目指して懸命に努力する少年に変貌しました。

いやな疲れ方のする神経戦は終わりましたが、これからが高校入試のまさに本番。

われわれもこれまで以上の努力を傾けて、是非とも来年の春には、彼ともども充実の笑顔を実現したいものです。


ACSアカデミーはこちら