O's Note

いつまで続くか、この駄文

卒業式

2007-03-16 14:58:00 | 学生と教員の会
 昨日は、朝から湿った雪が降って、足元の悪いあいにくの天気でしたが、勤務先の卒業式でした。
 卒業式が終了すると、そのまま卒業祝賀会。そして例年のようにゼミや部活の皆さんと記念撮影。今年はことのほか豪華な花束をもらいニンマリ。
 今年のゼミ生は、なかなか心憎いことをしてくれました。それがGRADUATIONと題したCD。
 これは、小生とゼミ生全員が「卒業」「春」をテーマに一曲ずつセレクトしたものを一枚のCDにしたもの。全16曲。(ボーナストラックあり、とのことですがまだ聞いてないので、何が入っているか不明。)
 小生とゼミ生が挙げた曲は下記のとおり。

卒業写真(ハイファイセット)
My Graduation(SPEED)
春の歌(スピッツ)
旅立ち(太陽族)
Start Of Something New(Zac Efron and Vanessa Anne Hudgens)
卒業(ガガガSP)
遠く遠く(槇原敬之)
ONE(B'z)
さくら(ケツメイシ)
Bye-Bye-Bye(POLYSICS)
YELL~エール~(コブクロ)
Why I'm Me(RIZE)
THE BRIDGE(GOING STEADY)
旅立ちの日に...(川嶋あい)
さくら(独唱)(森山直太朗)
星になれたら(Mr.Children)

 祝賀会が終わり、ゼミ生たちと2次会に突入し、いつものように3次会でカラオケ。
 「じゃぁ、みんなが選んだ曲を歌おう!」と提案したものの、最初の2曲とさくら(独唱)しか知らないことに気付く。(苦笑)
 ゼミの卒業生の皆さん、ヒマなときにはメールで近況をお知らせください。
 幹事のO君にはホントに感謝です。最後までよくやってくれました。いつまでもお幸せに!(ふふふ)

水道光熱費

2007-03-15 08:00:54 | 仕事(第1業務編)
 ちょっと前から新聞紙上を賑わせている話題に、政治資金収支報告書における農水大臣の不適切な事務所費の計上問題があります。
 今朝新聞を読んでいると、どうやらくだんの大臣だけではなく、与野党合わせて衆参45名もの国会議員が不適切と思われる計上を行っていたようで、こりゃ闇の中に消えていく話題だろうなと長嘆息。
 ところで、電力料、ガス料金、水道料金は、勘定科目では水道光熱費として処理します。一方、政治資金収支報告書では光熱水費と記載されているようです。たしかに、光(電力)・熱(ガス)・水(水道)の3つを総称するものとして光熱水費といういい方はおかしくはないのですが、なぜ一般的に我々が使っている言葉で表現していないのでしょうかね。「それが慣習だから」といわれれば身も蓋もないのですが、わかりやすい政治というのであれば、我々と同じ「言葉」を使ってほしいですよね。

迷惑メール対策システム

2007-03-14 22:00:01 | 電脳生活
 勤務先で、迷惑メール対策システムを導入しました。
 昨日説明会があり、希望者には今日から運用が開始されました。
 このシステム、ある委員の説明によれば「郵送されたどうでもいい郵便物があって、手にとってから捨てるという郵便の場合に当てはめると、郵便配達車を正門前で一旦止めて、どうでもいい郵便物をその場で捨てて、必要な郵便物だけを個人に配達する」という仕組みのようです(相変わらず、たとえがうまいよなぁ)。
 でもって新しもの好きの小生、早速申込み、今日から適用してもらいました。
 考えてみれば、迷惑メールが配信されても迷惑メールボックスに溜めて放置すれば、一定期間後に自動削除されるわけです。最近のメールシステムは、強力な迷惑メールフィルタを備えていますので、不快感さえ我慢すれば、ほぼ間違いなく迷惑メールは迷惑メールボックスに仕分けできます。そのお陰で、一ヶ月で何通迷惑メールが届いたかを調べることもできるわけですし。(苦笑)
 しかし、迷惑メールそれ自体が届くことによる不快感を取り除きたいと思えば、やっぱり元から断たなければなりません。それがこのシステムのウリでしょうか。
 このシステムは、誤判定の解除ばかりではなく、どこでも見ることができて、しかも、いつでも適用を解除できるという利便性があります。
 学外MLは迷惑メールと判定されないように除外設定をしておくと安心とのこと。
 今日、早くも学生さんからのケータイメール2件が誤判定。早速救済措置。ケータイメールも迷惑メールと判定される可能性大といっていたのでそれは仕方ないことですが、ケータイメールを誤判定しないようにいかに「調教」するか、工夫のしどころです。
 こういうシステムを使うと、一体、どれほどの誤判定が出るのかが楽しみになりますね。(悪趣味)

偶然が続くと・・・。

2007-03-13 09:25:17 | 多分駄文
 昨夜から大荒れの天気。卒業式間近だというのに、雪が積もりました。
 2月2日のブログの続編。
 今朝も地下鉄駅でH大の先生とバッタリ。
 原稿の締切が迫ってきているので、挨拶をしてそそくさと離れました。(苦笑)
 しかし考えてみれば、おおむね8時台にお会いするわけで、K先生はほぼ毎日8時台に地下鉄を利用していると想定すると、時々地下鉄を利用して出勤する小生も8時台。必ずしも偶然といえないかもしれませんね。

長屋紳士録

2007-03-12 19:55:50 | 感激観劇
 昨夜は、両S先生とともに、サンピアザ劇場で上演された東京乾電池の長屋紳士録を観劇しました。
 250席ほどの座席はほぼ埋まり、会場では見知った顔もチラホラ。
 この演目は、昨年6月にNHK教育の芸術劇場で放送され、その時のことはこのブログでも紹介したのですが、生で見ればまた違った見方ができるかなと思いながら会場へ。
 感想は・・・。
 うーん、やっぱり拍子抜け感。(笑)
 柄本明の存在感や角替和枝の表現力にはそれなりに感じ入るものはありましたが、暗転の多用とストーリー展開のぎくしゃく感が、観ている側からすれば何ともいただけない感じ。どうせならストーリー無視でもっとドタバタした内容の方が「らしさ」が出たのではないかと思いました(もっとも、昔の東京乾電池とは違うことを強調したかったのかもしれませんが)。
 今回の東京乾電池の公演は「サンピアザ劇場で芝居を観る会」の最初の芝居。今後地元劇団による3本の公演が予定されています。その幕開け公演だっただけに、ちょっと惜しい感じです。

2026年8月29日(土)

2007-03-10 22:00:00 | 多分駄文
 小生の命日なんだそうだ。
 あと19年。
 ひょんなことから、The Death Clockというホームページを知った。
 「どれどれ」と、データを打ち込む。
 生まれた日
 生まれた月
 誕生年
 性別
 体型(かなり主観的)
 BMI
 「BMI? すぐにはわかんないな。」と思いつつ、ページをよく読むと、下の方に計算のためのデータ入力窓がある。
 フィートとポンドなので、メートル・キログラムに換算するために、別のページを参考に換算。
 データを入れると「望ましい」と表示され「BMIは23」と表示された。
 最後はタバコ。(ははあ、これは喫煙者にタバコをやめるように促すページかぁ?)
 でもって、「Check Your Death Clock」をクリック!

 別窓が開いて命日が表示されたが、開いた瞬間、その日まで秒単位でカウントダウンが始まっている。
 あー、もう時間がない!(苦笑)

 ちなみに「タバコを吸わない」を選択してクリックしてみると、命日は2033年4月5日(火)。7年長生きできるわけか・・・。

今時の中高生は・・・。

2007-03-09 21:11:07 | 多分駄文
 「プロフ、問題になってるんだってね。」
 長女の問いかけである。
 「うん、記事になってるね。」
 「ところで、○(娘の名)の学校でもやってる娘、いるの?」
 「一杯いるよ。中学生でもいるし。」
 ・・・・・。
 「プリクラ写真を貼り付けたりしてるし。プリクラからケータイに送れば、貼り付け簡単だし。」
 ・・・・・。(まさか)
 「個人情報なんか出しているの?」
 「出している娘もいるよ。メルアド書いてる娘もいるし。」
 ・・・・・。(ま、まさか)
 「ヤバイぞー、あれは。仲間だけが見てるわけじゃないんだし、全世界で見れるんだぜ。しかも、エンコーに利用されることもあるし。」(牽制)
 「そうだよね。」
 「あのランキングを見たら、まともなプロフとH系が混じってるしね。」(たたみかけるように牽制)
 「うん。」
 「ところで、○もやっているの?」
 「やってるよ。でも、個人情報は入れてないよ。」
 ・・・・・。
 不安が尽きない今日この頃。

リトリート

2007-03-08 22:21:00 | 多分駄文
 今朝、地元新聞の一面に、知事が来夏のサミット誘致を表明したことが記事になっていました。
 その記事に関連して、社会面に小さいながら囲み記事が掲載されました。

 道が掲げる「リトリート」
 「隠れ家」? 訳語いろいろ

 上の2行は横書きの見出しです。
 記事の最初には、次のように記載されています。

 道がサミット誘致のキャッチフレーズの一つに掲げる「リトリート」(retreat)には、「隠れ家」や「静養地」「避難所」といった訳語のほか、「引きこもること」の意味もあり、サミットに密室のイメージがつきまといそうだ。(以下略)

 実はリトリートという言葉は、勤務先ではずいぶん古くから使われていて、小生が赴任して数年経った頃の学長は、「教員リトリート開催のご案内」のような文書の中で、リトリートとは、もともとは退修(静修だったか、記憶が不鮮明)の意味で、日常とは違った場所に身を置いて、解決すべき課題を考えてみる機会のことである、というようなことを書いていました。勤務先はキリスト教主義の大学ですので、本来はキリスト教用語(行事)として使われていたものを勤務先でも使用したと思われます。
 このリトリートは現在でも行われていて(一昨日、学科リトリートがありました)、何かを決定する会議としてではなく、現下の課題について、勤務先を離れて(別に離れなくてもいいのですが)、メンバーが意見を出し合う場と位置づけられています。(「ガス抜きの場」と揶揄するむきもありますが。)
 ところで、記事に戻って、サミットでもリトリートという用語が使われてきているようで、誘致しようとするサミットでも、北海道は、先例に従い、リトリートという用語を使い、それが上記のような記事になったものと思われます。
 ちなみに、英辞郎でretreatを検索すると、たしかに「避難」「引退」「引きこもり」などが第一義となっています。retreatそれ自体の意味はそれでいいのかもしれません。
 でももともとリトリートは外来語であり、米国か、英国かはわかりませんが、この言葉を最初にサミットで使った国が、キリスト教の影響を受けている人種が多い国であるとすれば、当然、そこで使われるリトリートという言葉は、キリスト教用語から来ているものと考えることが妥当だと思うのですがいかがでしょうか。(英辞郎でも、4番目の意味として「めい想[静修{せいしゅう}](期間{きかん})」と出ています。)
 開催候補地が山の上のホテルだからとはいえ、首脳が「サミットを機会に静養する」とか、「隠れ家でこそこそと計略をめぐらす」、「サミットを隠れ蓑にして引きこもる」という意味ではないと思うんですがねぇ。案外、首脳達はそう思っているのかもしれませんが・・・。(苦笑)

今時の小学校では・・・。

2007-03-07 22:18:28 | 多分駄文
 「DVD、HDに入れてくれる?」
 次女のお願いである。
 2月中旬に1泊2日の宿泊研修があった。
 見れば、同行した教諭がカムコーダーで撮影した宿泊研修の様子を編集したDVD。
 各家庭で見ることができるようにと、各学級ごとに回しているらしい。
 往時は同行したカメラマンがせっせと撮影して、その写真の注文を受け付けていたが、今は、DVDに焼いて各家庭に回すらしい。
 顧客サービスが充実していると考えるべきなのでしょうな、やっぱり。

諸口

2007-03-05 22:28:15 | 仕事(第1業務編)
 簿記用語の一つに「諸口」というのがあります。
 どう読むと思いますか?
 ショコウ(音読み)、モロクチ(訓読み)。どちらも不正解。重箱読みをして「ショクチ」と読みます。「残高」も重箱読みですね(あれ、「音読み」自体が重箱読みじゃないですか)。
 この諸口、取引を仕訳帳に記入する方法のところで扱いますので、簿記の授業では、比較的最初の方で出てくると考えてもいいでしょう。(ややレベルが上がると特殊仕訳帳というところで、また出てきます。)
 取引を仕訳帳に記入する場合に、勘定科目が2つ以上あるときには、勘定科目の上に諸口と書きます。
 たとえば、次のような具合です。

「3月5日 商品5,000円を仕入れ、代金のうち、2,000円は現金で支払い、残額は掛とした。」

 仕訳帳に記帳しないで、仕訳だけを書く場合には次のような仕訳になりますね。
      (借方)仕 入 5,000  (貸方)現 金 2,000
                         買掛金 3,000
 ところが、これを仕訳帳に記帳するときには、次のように書くことになっています。
       (仕 入) 5,000   諸  口 
                  (現 金) 2,000
                  (買掛金) 3,000

 もっとも、仕訳だけを書く場合にも「諸口」を使ってもいいと思われますが、そのように教えることは、まずありません。
 では、なぜ仕訳帳にはこのように書くのか。
 実は、明確な根拠はないようです。いえることは「簿記教育の慣習だから・・・。」
 ちょっと気になって手もとにある簿記の本をいろいろ読んでみたのですが、やっぱり明確な根拠は見あたりませんでした。
 中村忠先生は、比喩を使って次のように説明しています。

「これは、貸方勘定が複数であることを注意させるために書かせるのである。ちょうど電車の運転士が発車のときに『出発進行』と唱えるように。」(中村忠『簿記の考え方・学び方(五訂版)』税務経理協会、2006年、p.134)

 中村先生がいうには、アメリカにはこういった用語も処理もなく(p.125)、そのルーツはイギリスにあるといわれるが、イギリスの書物をあたってもそれらしきものは出てこないと述べています(p.135)。そして「こんな目印はなくても一向に困らないのであるから、なくしてしまったほうがよいと私は考える。」(p.135)とさえ、述べています。

 思えば、最初に簿記を勉強したとき、「この諸口というのは勘定科目なのかどうか」悩んだことがあります。しかも「どんなとき諸口を付けるのか」ということも悩んだ記憶があります。(講義を聴いていない証拠ですね。苦笑)
 新年度に向けて講義録を作成していますが、今日は、ちょうど諸口を使う内容の講義録をまとめていましたので、改めて考えてしまいました。

学歴汚染

2007-03-04 19:40:00 | 涜書感想文
 いつの頃からか読むようになった小島先生(静岡県立大学)のブログ
 そのブログで、これまでの経過をまとめて単行本として出版するという告知があり、早速注文して読みました。
 小島茂著『学歴汚染~日本型学位商法(ディプロマミル)の衝撃~』(2007年1月、展望社)
 表紙からして毒々しいのですが(装幀も小島先生)、内容も「ヤバイよな」と思われる内容でした。
 この本は、小島先生がかかわってきたディプロマミルとのやりとりを、2004年6月25日から2006年12月21日まで、時系列的にまとめたものです。すでにブログや関連するホームページでだいたいの流れは知っていたのですが、こうして改めて読んでみると、いかにディプロマミルに騙されやすいかが透けて見えてきます。
 実は、大学教員になりたての頃、一冊の本を読みました。
 喜多村和之著『大学淘汰の時代-消費社会の高等教育』(1990年3月、中公新書)
 喜多村先生は高等教育論で有名な方で、15年以上も前に「大学は淘汰される」ということを主張していた方です。その本の中に「ディプロマミル」という言葉があり、それ以来、ディプロマミルという言葉が忘れられませんでした。
 ディプロマミル(Diploma Mills)。Diplomaは学位(卒業証書)、Millは工場ですので、学位工場ということになります。喜多村先生の本を読み返してみると、喜多村先生はディプロマミルを「ニセ学位販売業」と表現しています。一方、小島先生の方は、「学位商法」と表現しています。
 両先生の表現からわかるように、大学の名をかたり、学位(卒業証書)を法外な金額で売りさばく「商売」(会社)がディプロマミルというわけです(ディプロマミル以外にディグリーミルともいわれます)。
 喜多村先生の本では、「アメリカにはディプロマミルがある」ということで、アメリカの実情を紹介した内容でしたが、小島先生の本では、ディプロマミルの日本校とのメールや書簡でのやりとり、ディプロマミルに騙された被害者の言葉など、日本におけるディプロマミルの実態を採り上げています。
 日本に住む我々にとって、どうしてディプロマミルのような会社が成立するのかというのが疑問として上がります。
 これを小島先生は次のように説明しています。

 文科省が大学設置の認可を一括管理している日本と違い、アメリカでは、正式に大学を設置するには、原則的に、州の設置認可を受け、かつ、高等教育基準認定協議会(CHEA=Council for Higher Education Accreditaion)や教育省(Department of Education)から公認された民間認定団体からアクレディテーションという基準に認定を受けなければならない。アクレディットされていない、つまり、正式な大学とは認定されていない大学のことを「非認定校」(Unaccredited school)と呼び、オレゴン州をはじめいくつかの州は、一部の例外を除き、こうした大学の学位の売買や利用を法的に禁じている。(小島、p.13)

 アメリカでは、大学として設置しても(名乗っても)、まず州の認可を受け、次に認定団体から認定されない(認定基準を満たしていない)場合、正式な大学(日本でいう文科省管轄の大学)とは見なさないというわけです。裏を返せば、アクレディテーションを受けなくても、大学を名乗ることができるともいえるわけです(州の認可の有無にかかわらない)。
 もっとも、小島先生も指摘していますが、アクレディテーションを受けていない大学(非認定大学)すべてがディプロマミルというわけではありません(認定を待っている大学もあります)。しかし、アクレディテーションを受けていない大学は、その時点ではディプロマミルと見なされる可能性があることも事実です。
 
 さて、先にも書きましたが、喜多村先生が上梓した時代と小島先生のこの本との決定的な違いは、ディプロマミルの被害が対岸の火事ではなく、日本で現実に起こるようになったということです。そのもっとも大きな要因は、インターネットの普及とe-Learningです。
 本書で採り上げられている(実際に闘った)ディプロマミル日本校とのやりとりの中で、小島先生は次のように書いています(先方への手紙の一部)。

 私も、自分のホームページにも書いてあるように、インターネットによる通信教育(eラーニング)の普及を時代の流れとしてとらえています。同時に、問題は、ディプロマ・ミルや非認定大学がそれを悪用することであると、主張しています。

 インターネットが普及したことにより、アメリカの大学の情報が手に入れやすくなったわけですが、これは、ディプロマミルから見れば、日本人向けに売り込みやすくなったことを意味します。またもてはやされるように出てきたe-Learningという言葉を巧みに利用して、ネット上で勉強できて学位が取得できる、しかも日本語でOKというように、日本人に直接的に売り込めるような環境になったというわけです。
 本書では、ディプロマミルの被害者の話もたくさん出ていますが、心が不安定な状態だった、あるいは、競争相手に負けないようにキャリアアップをしたかったというような要因が吐露されています。
 小島先生のこれまでの警告が実ったのでしょうか、国会で、伊吹文部科学大臣は、大学教員採用時のディプロマミルの使用を調査すると述べました。すでにディプロマミルは、大学教員になりたい人あるいは現役の大学教員にも入り込んでいることを裏付けています。小島先生がディプロマミルを追跡するようになったキッカケの一つが、まさに同僚がディプロマミルからPh.Dを買ったことにあったと述べています(エピローグ、p.217)。
 制度の違いに発する問題とはいえ、今後もじわじわと浸透しそうな詐欺がディプロマミルといえるでしょう。

追記
 本書にも紹介されているサイト「健康本の世界」(khon)は、その名前から想像も付かない内容のホームページです。この中の「大学」には、非認定(含非認可)大学が紹介されています。それとともに、その大学から学位(博士号)を取得したと自らの履歴で紹介している方々(有名人もいる)の名前も紹介されています。

会計講座

2007-03-03 22:32:08 | 仕事(第4業務編)
 今日は午後から、S学院大学の社会連携センターで、NPO会計ボランティア養成講座第1日目でした。
 昨年並みの受講者数を予定していたのですが、今年は広報活動が悪かったのか、参加者が10名程度。昨年は学生さんも3大学から参加していたのですが、今年は1名だけ。
 とはいえ、予定どおりの講座を展開しました。
 小生が扱う範囲は決算書を中心とした財務会計。
 わずか2時間程度の持ち時間でしたので、記帳や決算書作成という具体的なところまで触れるわけにはいきませんので、NPO法に規定する会計の原則の意味と決算書の種類や読み方を採り上げました。
 来週は、会計ソフトを使った実践編です。
 来週だけの参加もOKですので、参加したいという方は、お知らせください。

アフターケア

2007-03-02 19:13:23 | 多分駄文
 文部科学省の大学(大学院)設置・運営にかかわる方針が事前統制から事後統制に変更になりました。つまり、これまでは設置申請に至るまで、微に入り細をうがつような審査を行うものの、一旦設置されるとあとは各大学(法人)にお任せ、というスタンスだったのですが、今度は、設置申請はそこそこにゆるくするものの(規制緩和の一環)、設置後に計画どおりに運営されているかを調査して、不適切な運営がなされている場合には、強く「指導する」というものです。
 昨日、文部科学省から、「設置計画履行状況調査の結果等について(平成18年度)」がプレスリリースされました。その一部が新聞でも報道されましたので記事を読んでいる方もいるかもしれませんね。
 この「設置計画履行状況調査」を、文部科学省は自ら「アフターケア」と称しています。
 文部科学省の文書を読むとそれなりにしっかりした調査委員会を設置して調査を行っているようです。今回は、この調査委員会が問題なしとしない大学(大学院)に「留意事項」という名の「指導」を行っています。(別紙2)
 で、新聞でも取りあげられている大学を見ると、とりわけ、特区構想で設置された大学(大学院)への「留意事項」が多いことが目に付きます。思わず笑ってしまう事項もありますよね(とくに小生と同じ名の専門職大学院など)。
 留意事項を読むと、設置計画が計画どおりに履行されていないことを指摘されているものと、大学(大学院)として、設置計画のいかんにかかわらず、当然大学(大学院)として必要な措置が執られていないことを指摘しているものがあります。両方とも問題ではありますが、とくに後者の指摘は、意識の違いに基づくのではないだろうかと思う側面もありそうです。
 何しろ調査委員は、いわゆる「大学人」です。一方特区構想によって設置された大学(大学院)の理事長は、いわゆる「企業人」です。「大学人」と「企業人」には、意識のズレがあるのではないかと思います。
 大学が企業の手法を採り入れて効率的な運営をするということに同意しますが、企業が、大学運営を企業と同じようにできるのかどうか、悩ましい問題を含んでいると思いながら、新聞記事を読みました。