埼玉県高校・障害児学校教職員「九条の会」

教え子をふたたび戦場に送らないために

つい一言 2018.2

2018-02-19 20:20:27 | 意見交流
自分のブログと重複するのですがこちらにも投稿させて下さい。せっかくブログを開設しても投稿がないとなかなか訪問してくれる人がありません。かといって、同一人だけの投稿では個人ブログになってしまいますので、この記事を更新していく形態をとりたいと思います。まあ、枯れ木も山の賑わいということで…。(元西部A高校 Y.S)


 前回話題にした再生可能エネルギーについて、政府のかかげる再生エネ割合の目標が低すぎるのではないか、との声が自民党内部からも出ているという。その一人に、河野外相が「世界平均は現在24%。(これから)目指す数値が今の世界平均ということは外相として悲しい」と発言したという。だが、河野氏については、その程度の発言ではとうてい挽回しようもない問題発言があったのだ。
 米トランプ政権は核戦略の中期指針「核体制の見直し(NPR)」で、核兵器の使用条件緩和を盛り込んだ。具体的には、いわゆる戦術核兵器の製造と配備をすすめ、核兵器の使用についてのハードルを下げていこうというものだ。
 かつて毛沢東は「核兵器は張り子の虎だ」と言い放った。つまり、威力が巨大すぎ、ひとたび核戦争が勃発すれば世界そのものが破滅してしまうのだから、アメリカといえども核兵器の使用には踏み切れまいと高をくくったのだ。
 戦略核兵器については相手に使わせないための「抑止力」論、あるいは「核均衡」論が確かに存在する。だが、その論理を是とすれば北朝鮮のように自分の国も核兵器を持ちたいとする国は現れてくるだろうし、緊張が高まりこそすれ、緩和されることはあり得ない。
 それより何より、アメリカは先制不使用という態度はとっておらず、実際に朝鮮戦争、ベトナム戦争、キューバ危機など、核兵器の使用は何度も検討されたということを忘れてはならない。
 現在、戦術核兵器の保有量はロシア側の方が多く、またクリミア紛争の際にロシアは戦術核兵器の準備をしていたという報道もあった。それらに対抗するための戦略という意味合いがあるのだろうが、何よりも世界におけるアメリカの相対的な地位の低下を反映していると考えるのが妥当なところだろう。だとすれば、ますます核兵器使用の閾は低くなる。
 さて、日本政府はどう対応したか? アメリカがNPRを発表したのが2日、河野外相はその翌日に「高く評価する」との談話を発表したのだ。より詳しく書くと、「米国による抑止力の実効性の確保とわが国を含む同盟国に対する拡大抑止へのコミットメント(関与)を明確にした。」という理由付けによるものだという。
 つまり、戦術核兵器についても「抑止力の実効性の確保」が目的だとしているのだが、あまりに楽観的すぎはしないだろうか? アメリカの核戦略の変更はもちろん北朝鮮も刺激したことだろうし、極東アジアでも緊張を高めていくことだろう。朝鮮半島・極東アジアの非核化は遠ざかるばかりであろうし、暴発の危機が高まることは避けがたくなる。河野外相は衆院予算委員会での野党の追及にも自説を曲げなかったという。
 最近、怒りを覚えたこと、というので資料を保存しておき、記事を書き始めたところで米フロリダの高校で銃の乱射事件が発生した。トランプ大統領は被害者を招いた席で、「もし銃に熟練した教師がいたなら、襲撃をあっという間に終わらせることができただろう」という意見に対する賛同を求めたという。賛成者が少数であったにもかかわらず、銃で武装した教師にはボーナスを支給することも検討するなどと発言したそうだ。(補足すれば学校の武装化は「全米ライフル協会」が支持しているとのこと。)
 学校で生徒を教育する立場にある教師に銃を持たせ、その使用によって問題を解決させようというような思想の持ち主に、核兵器は「抑止力(であって実際には使用されない)」というような理性をいささかでも期待することが出来るだろうか? (2月23日)

 「捏造」「虚偽」「隠蔽」といえば、これもまた国民に対する侮辱としかいいようがない。大手電力会社が「満杯」としてきた送電網は実際には利用率は2割程度(※)で「空き」は十分であったということだ。
 ※2016年の電力業界によるデータによると、全国の基幹送電線の平均利用率は19.4%、最も高いのが東京電力の27%で、最も低いのが東北電力の12%であるという。
 「空き容量なし」という点については以前から疑問視する声が大きく、電力会社側としても真実を公表するしかなくなったということだろう。それでも、各社が「空き容量ゼロ」と公表した路線は全路線の34.8%、特に東北電力は70%近くの路線を「空きゼロ」とし続けているそうだ。
 しかしながら、その理由は将来原発を再稼働した場合を想定してのことであり、つまりは再生可能エネルギーの新参入を阻もうとするためとしか思われない。それでも参入しようとする場合には、高額の増強費用を求められる事例が全国で発生しているという。
 国際再生可能エネルギー機関(IREA)は、再生エネルギーの発電コストは2010年からの7年間で大幅に下がり、世界平均で太陽光は73%、陸上の風力は23%下落したとの報告書をまとめたという新聞記事があった。アドナン・アミン事務局長は「再生エネへの転換は、環境への配慮というだけでなく、今や経済的な選択だ」と指摘したという。
 日本政府の原発=「ベースロード電源」という規定は、原発にしがみつこうとする電力各社には福音のようであるのだろう(というより電力会社側の要望に政府がしたがったというのが真相だろうが)。だが、そのことで電力政策では世界に遅れをとることになってしまうのではないのか? 
 やがては避けがたい廃炉や廃棄物処理まで考えれば、「安全・安心」どころか、原発の「低コスト」神話も今や架空の物語である。省エネ技術が向上し(※)、また人口減が進む日本で、原発のような巨大で暴走おさえがたく、腐臭さえ放ちつつあるかのモンスターと共倒れの道を選択する理由は何もないと思うのである。
 また3.11が近づいてきた。政府は一刻も早く「原発ゼロ」へ舵を切るべきである。(2月22日)


 久方ぶりの「つい一言」の更新なので、最初に近況というのか、最近の心境というのか、そのあたりから書いてみたい。
 「つい一言」だけでなく、今年に入ってからブログの更新そのものが滞りがちなのだが、2月に入るなり少しばかり重い風邪を引き込んだことが大きい。もともと出不精なのに1週間ほど外出もせずにいたし、その後も積極的に行動する気になれなかった。新しい記事を投稿しようにもネタがないというのが本当のところだったのだ。
 11月に不注意で突き指をした。なかなか治らない。いくら何でも長すぎるな、と怪しんでいたが、整形外科にかかったときに見てもらったらへバーデン結節だと診断された。人差し指から小指にかけての第1関節に発生する変形性関節症で、40歳以上の女性に多いのだそうだ。今のところ、突き指だと思い込んでいた中指以外には痛みはないのだが、よく見ると中指以外にも人差し指と小指は明らかに第1関節に結節があり、曲がっている。関節リュウマチとは違うというのを喜んでいいのかどうかは不明だが、やはりキーボードを叩くのに辛いものを感じるようになったのだ。
  ※
 さて、「つい一言」に限ってみると、昨年の10月21日以来、投稿が止まっていた。突然の解散による衆院選挙の前日である。どうもこの辺にも更新が滞りがちになってしまった原因がありそうである。
 怒りを忘れたわけでない。ただ、今日書こうと思っている「裁量労働制」の問題にしても、根の深いところまで突き詰めていこうとすればそれなりの構えが必要になるし、自分に書ききれるかどうかと考えるとつい二の足を踏んでしまう。これだけ大問題になっていることを、何も自分までもが書く必要があるのか、と考えれば気力も萎みがちになる。所詮、蟷螂の斧との自覚にもとづいているののの、この怒りは広がっているのか、人々と共有されているのか、という焦りの感情もある(怒りが広がっているのなら、あの選挙結果にはならなかったはずだ、というやる方なさ)。
  ※
 「裁量労働制」の問題とは、裁量労働制の下で働く人の方が、始業・終業時間を定めた働き方をする人よりも労働時間が短いとした安倍首相の国会答弁が、データに捏造ありとして撤回に追い込まれた一件である。今日のニュースでは、厚労省の調査が一般労働者には1ヶ月で一番長く働いた日を聞き、裁量労働制の調査では単に一日の労働時間を質問したものであることが明かされ、「おわびを述べた」とあった。ちらっと見たTVのニュースでは安倍首相の姿はなかったが、麻生財務相や加藤厚労相といった閣僚たちがなぜかヘラヘラと笑いこけている様子が映し出されていた。
 「森友問題」でも破棄されたはずの文書が次々と明るみに出されている。麻生財務相の答弁は「法律相談であって価格の交渉ではなかった」などという子供だましの内容だった。今回もきっと国民は「子供」のようにことの重大性を理解しないか、「精査中」などという言い逃れや、たわいもない言い訳でだまされてくれるだろうと高をくくっているのだろう。明らかに国民は「侮辱」されているのである。
  ※
 「裁量労働制」=「働き方改革」の根っこにあるのは、安倍・自民党がかかげる「世界で企業がもっとも活躍できる国」づくりである。根底に流れているのはグローバル化社会=競争社会の国際化の現状にあって、競争力を高めなければ国際競争に勝ち抜けない、といったような論理だろう。
 だが、「一将功成りて万骨枯る」ではないが、日本企業が大儲けをあげている下で、国民の生活や健康が損なわれ、家庭が破壊され、次世代の未来が失われるようであってよいはずがない。一時の栄華に酔いしれ、百年の計を忘れるような態度は少なくとも真の政治家のものではない。(2月19日)

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