埼玉県高校・障害児学校教職員「九条の会」

教え子をふたたび戦場に送らないために

今日のつい一言  2014.10

2014-10-01 12:59:37 | 意見交流
 各電力会社が再生可能エネルギーの買い取りを中断したことを話題にしてきた(家庭用は別)。15日、今度は経済産業省が「大規模太陽光発電所(メガソーラー)の設備認定を一時中断」等を内容とする素案を「新エネルギー小委員会」に提案した。
 「買い取り」を「義務化」しただけでエネルギー政策の転換がはかれると考えるのは、あまりに見通しが甘かったのだろう。制度的な欠陥があったこと、太陽光偏重を是正し、地熱や風力など、風土にあった総合的なとりくみが必要なことは確かだろう。
 だが、結局は原発が優先され、再生可能エネルギーへの転換にストップがかけられるようであってはならないと思うのである。
 原発建設にかけた投資を回収したいとか、これまで何重にもしかけられた利権を守りたいとかいう、いわゆる「原発村」の牙城は堅固であるのだから、それを上回る決意と長期展望が必要なのだ。
 需要と供給のアンバランスなどという風説は以下の数字によって霧消するはずである。安定供給に対する懸念には、火力発電を放棄するわけではないこと、各電力会社による相互補充の体制の整備をあげればいい。風水力や太陽光発電も環境に悪影響を及ぼすという人がいるが、原発の比ではないとだけいっておこう。
[年間発電量に占める風力と太陽光の割合比較]
 デンマーク(33.8%)、スペイン(20.5%)、ドイツ(12.0%)、イタリア(10.8%)、英国(5.7%)、米国(3.6%)、日本(0.9%)  (10月16日)
 ※ドイツ12.0%とあるのは風力・太陽光に限定してのことらしい。別の資料によると再生エネの割合は27%、50年までに80%をめざすとしている。電気料金への跳ね返りが心配されているが、ドイツでの賦課金は1kwあたり0.0617ユーロ(約8.5円)、年に3500kwを使うとしたモデル世帯で年2.45ユーロ(約330円)に止まるという。

 百田尚樹氏が自身のツイッターで、9月20日に死去した土井たか子・元衆院議長について、「まさしく売国奴だった」などと書き込んだことが物議をかもしている。
 「反日」だとか、「売国」だとか、「非国民」とかいう、戦前に猛威をふるったことばが公然と使用されるようになり、言論の自由がおびやかそうとしている。そのような折も折、この「死者に鞭打つ」こともはばからない乱暴さは尋常ではない。たとえ人物評価にあたって、功罪半ばする事実があったとしてもだ。どうしてNHK経営委員の座に止まっていることが許されるのだろうか?
 政府は14日の閣議で、特定秘密の指定の対象として55の「細目」を明記した特定秘密保護法の運用基準と、法律を12月10日に施行することなどを盛り込んだ政令を決定した。(10月15日)
 ※死んだら政治家は批判を受けなくていい、などということを言っているのではない。(社会党については私だって言いたいことはたくさんある。)「売国奴」というレッテル貼りと、そうした物言いが横行してしまう土壌づくりの危険性を指摘しているのだ。


 九電のみならず、北海道・東北・四国電力も再生可能エネルギーの買い取りを中断することにしたという(10月1日から)。まったく動きがないのは中部・北陸電力のみで、東京・関西・沖縄でもすでに受付を制限したり、上限を設定したりしていることが分かった。
 「申し込みの急増のために需要を越える恐れがあるから」というのがその理由だそうだが、どうにも納得のいかないことである。
 理解できることとして、「再生エネの買い取り」制度のみではエネルギー計画は転換できないことを指摘しなくてはならない。
 そしてもう一つ。電力の需要に対する電力会社の「供給」を脅かすほどに、すでに再生可能エネルギーは普及しつつあるということである。(もちろん、既存の電力会社に供給能力がないという意味ではなく、その逆である。)
 29日から臨時国会がはじまった。安倍首相は所信表明演説で「原子力発電所の再稼働は安全性の確認を前提に進める」方針を強調した。(10月1日)