埼玉県高校・障害児学校教職員「九条の会」

教え子をふたたび戦場に送らないために

今日のつい一言 2016.9

2016-09-30 16:13:52 | 意見交流
 29日、BSフジの番組で、高速増殖炉もんじゅの廃炉を前提とした見直しが決まったことに関し、馳浩元文科相が原子力規制委員会を「血も涙もない組織だ」と批判したという。(東京新聞)
 いやはや、教科書問題や「日の丸・君が代」強制、国立大学からの文系学部の廃止のことでもなく、自らが1年経たずして(東京オリンピックを控えているのに)文科相を交代させられたことでもなく、よくぞこの人の口から「血も涙も」という言葉が出てくるものだ。
 馳元文科相は「物理的、技術的、費用、予算で可能な限度を越えた要求水準があった。ハードルを高くあげてほしくなかった」とも述べたという(同様のことを桜井ひろ子もどこかの雑誌で書いていた)。元とはいえ、文部「科学」大臣の発言だろうか? 安全よりも原子力ムラの利益を優先させているとしか考えられない。
  ※
 日立・東芝・三菱重工の三社が原発の核燃料製造事業を統合することで調整中とのニュースも報道された。国内の原発がほとんど稼働せず、財務が悪化しており、経費を節減するためらしい。シェール革命のアメリカでは原発は続々廃炉、推進国であるフランスでは原発大手アレバが開発した原子炉にトラブルが続き、5年連続で純損益が赤字だという。世界中で原発市場がしぼむ中、中国とインドが推進に乗り出している。日本あたりが、「先へ進んでも行き詰まりははっきりしているから、もう止めよう」と言わなくてはならないのに、国内で頭打ちになった分をインドあたりに売り込もうと躍起になっている。(9月30日)


松野文部科学大臣は、高速増殖炉「もんじゅ」について、一部の報道で、「政府が廃炉にする方向で最終調整している」と報じられたことについて、「現時点で政府として具体的な方針を決定しているものではない」と述べました。
 そのうえで、松野大臣は、「政府内に、さまざまな意見はあるのだろうと思うが、予算・制度・組織上の課題について1つ1つ丁寧に解決していくよう関係省庁・機関と連携し、できるだけ速やかに結論を出したい」と述べ、文部科学省として、「もんじゅ」の存続を前提に検討を進める考えを強調しました。(NHK news Web)

 先が見えてきたかと思うと、またふりだしにもどる。根源にあるのは原発マネーをめぐる利権の構造に違いない。
 敦賀市の渕上市長は松野文科相と会談し、「われわれ立地自治体はもんじゅの重要性を理解し、国策の核燃料サイクルの研究開発に誇りをもって協力してきた」と存続を要請したとのことである。「もし廃炉にするなら、元の30年前に戻してくれとか、あす目が覚めたら更地になっているようにしてほしいとか、そういう気持ちになってしまう」とも述べたとのことだ。
 気持ちを理解できないわけではないが、もう限界なのではないか? 「経済的影響」というが、これまで地元に落ちた原発マネーが本当に地域を活性化させたのかどうかも検証すべきではないか?
 はじまりは「核燃料サイクルの研究開発に誇り」というのも真実だったろうが、素人目にも研究は行き詰まっており、すでに施設も老朽化している。このまま存続させても、永遠に金食い虫でしかなく、そのおこぼれにあずかるシロアリにまで堕落してはならない。
 そして、ひとたび重大事故が起これば、その影響は地元どころか日本を超えて世界に及ぶのだから。(9月14日)

強行採決から1年!戦争法廃止!9.19国会正門前行動に参加してきました

2016-09-20 16:44:27 | 活動報告

 9月19日、戦争法(安保関連法)の強行採決から1年、「戦争法廃止をあきらめない」と全国各地で集会やデモが行われた。総がかり行動実行委員会の主催による国会前集会に参加してきた。今日は九条の会の幟を立てての参加である。
 天気予報では曇りだったのに、雨は激しさを増すばかり。だが、スピーチに立つ人も、参加者も、意気盛んだった。
 「安保関連法に反対する学者の会」。「立憲デモクラシーの会」、「元シールズ」、「安保関連法に反対するママの会@東京」、「日本弁護士連合会」と力強いスピーチが続いたが、中でも元自衛官の井筒高雄さんのスピーチは海外派兵によっていかに自衛隊員が危機にさらされていくか、「自衛隊員はいつでも命を投げ出す覚悟をしている」などと発言した政治家がどんなに無責任か、怒りの高まりが直接伝わってくるようなスピーチだった。南スーダンへの派遣のための準備がすすんでいるが、海外で行われた戦闘の結果に対する法的整備もなく、負傷した場合の手当の訓練も不足していること、一方、南スーダンはすでに戦場化しており、PKO宿営地に難民が押し寄せている状況であることなどが具体的に語られた。
 参加者数は主催者発表で2万2千人、また全国400箇所以上で行動があったとの報告があった。

 雨でもあり、参加者で通路もいっぱいの状況で、思うように写真も撮れなかった。国会正門前はいつもにもまして警戒が厳重であるように感じられた。