埼玉県高校・障害児学校教職員「九条の会」

教え子をふたたび戦場に送らないために

『SAITAMAネットワーク402号』で九条の会が紹介されました!

2018-11-30 16:38:27 | お知らせ
 11月6日の記事で、埼玉県高校・障害児学校教職員「九条の会」の会が埼玉機関紙協会の取材を受け、『SAITAMAネットワーク』に掲載されたことを紹介しました。その後、本文が読みたい、との声がありました。機関紙協会に問い合わせたところ、快く転載の許可をいただきましたのでアップします。

  埼玉県高校・障害児学校教職員「九条の会」
   教職員の専門性を生かし
  地域・職場で活動を



 憲法と教基法を守る一点で

 本連載では、「さいたま市教育九条の会」「盲学校9条の会」「和光教職員・退職教職員九条の会」につづく4つ目の教育関連9条の会です。
 「21世紀の平和な日本と世界をめざし、埼玉県高校・障害児学校の退職・現職教職員が一体となり、憲法と教育基本法を守る一点で…(中略)…社会発展と歴史の負託に応えて活動」(設立宣言)する、埼玉県高校・障害児学校教職員「九条の会」。2005年12月3日、蕨市民会館で一橋大学教授(当時)の渡辺治さんを講師に、500人の参加で設立集会をひらきました。埼玉県高等学校教職員組合(埼高教)に事務所を置き、事務局を担うのは現職教職員や退職教員たちです。
 当時の埼高教委員長で設立から関わる米浦正さんは、「教職員は採用時に憲法第99条の『憲法尊重擁護義務』にもとづいて『宣誓書』を提出している。だから、『九条の会』の活動はすべての教職員の賛同が得られるとりくみだ」と話します。組合員だけでなく、校長・教頭・事務長など管理職経験者を含む退職教職員も数多く参加して「憲法と教育」をテーマに活動をつづけてきました。
 米浦さんは「教職員の専門性を生かして、地域や職場で9条を守る草の根の運動に貢献したい」といいます。「地域での憲法学習での講師活動や、学校での主権者教育に積極的にとりくんでほしい」と設立当時からの思いを語ります。

 3年の空白を経て活動再開

 途中、活動が停止していた期間もありました。2009年に民主党政権が発足し、改憲の危機が弱まったことから、それまで年に1回以上開催していた学習会が中断。しかし2012年末の第二次安倍政権発足後、急激に改憲へすすむ情勢に危機感を持ち、「もう一回やろう」と決意。翌13年に活動を再開しました。
 活動はすべてカンパでまかない、会費制はとっていません。現職・OBを含めた事務局会議は、2、3カ月に1回。そのなかで今後の活動を相談しています。教職員は国語や数学、歴史など、さまざまな分野のプロフェッショナル。地域の歴史や自然科学など、講師活動も得意です。県内のフィールドワークをやろうという話も出ています。
 会のブログを担当するのは、退職教員の桜井康夫さん。「退職して自分の家でもできることを」と、13年の再開をきっかけに始めました。会の活動だけではなく、情勢問題や他の9条の会の集会に参加するなど、月に1、2回の更新をつづけています。「ネット空間を『ネトウヨ』(ネット右翼)に占有させない。開かれた場で情報を発信しよう」と、取材した内容をていねいに記事にして発信しています。

 退職者から返信、激励も

 今年は、7月1日に総会と「憲法九条を変えたらどうなる? 子どもの教育」のテーマで小林善亮弁護士を講師に学習会を開催。
 先立って、2006年から2018年までの埼高教の退職組合員約2000人へ手紙を発送しました。その際に、会への参加やカンパのお願い、「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(3000万人署名)を同封しました。すると、多額のカンパ、激励のメッセージとともに、署名も312筆が返ってきました。メッセージに励まされたり、退職後交流のなかった人の近況がわかったり、「やってよかった」というのは事務局の新島善弘さん。「今後の学習会の予定を教えてほしい」という電話もかかってくるなど、退職して平和や憲法というテーマから離れていたところに、ふたたび関心を持つきっかけになったようです。

 安倍教育改革に抗して

 2006年に教育基本法が改悪され10年余が経ちました。この間、教育現場は成果主義、管理的な締め付け、教員の多忙化がすすみました。憲法尊重擁護の宣誓をして採用された教職員として、憲法違反の安倍教育改革に抗うために会として活動していきたいと語る新島さん。そのためにも、現場の教職員との連携は欠かせません。多忙化のなか厳しさはありますが、「現職の教職員と退職教職員が一緒に活動していきたい」と話します。


 《連絡先》
   日本機関紙協会埼玉県本部
   〒330-0063
    埼玉県さいたま市浦和区高砂2-3-10 黒沢ビル3F
    URL:http://www.kikanshi-nw.or.jp

9条こわすな!戦争させない11.26オール埼玉総行動

2018-11-28 15:30:26 | 活動報告
 


 11月26日、オール埼玉1万人総行動が大宮駅西口で開かれました。小出重義実行委員長の主催者あいさつの後、山口二郎法政大学教授(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)がゲストスピーチした他、立憲民主党、国民民主党、共産党、自由党、社民党の代表、連合埼玉、埼労連の代表がスピーチしました。女性、青年の代表も発言しました。連合、全労連が結束し、5野党がともにスピーチに立つことが常態となっているところがオール埼玉の強みです。


 スピーチに立った国会議員からは明日にも入管法改定案が強行採決されそうだ、との報告がありました。水道民営化法案も危急の事態を迎えています。入管法改定案の審議でも問題になった「技能実習制度」などは現代の奴隷制である思としか思われませんし、民営化の「民」とは大企業、それも水道民営化で参入してくるのは海外資本であることが予想されているのですから、「カジノ法」とならんで、日本を外国資本に売り渡そうとする行為であるとしか思えません。(老朽化した施設・設備の更新が自治体の財政を圧迫しているというが、そもそも何のために税金を徴収しているのか、企業まかせにして大規模災害などが発生したときにはどうするのか。)


 参加者は主催者発表で8000人と発表されました。

『SAITAMAネットワーク402号』ができあがりました!

2018-11-06 23:46:20 | お知らせ


 先に埼玉県高校・障害児学校教職員「九条の会」が日本機関紙協会埼玉県本部の取材を受けたことを紹介しました。県内各地・各団体の「九条の会」をシリーズで集材している「平和の風9」の第73回に取り上げられたものです。
 このたび、NO402=2018.11.1が発行され、わがSKS教職員九条の会にも寄贈されました。事務局で保管しています。


 《連絡先》
  日本機関紙協会埼玉県本部
  〒330-0063
  埼玉県さいたま市浦和区高砂2-3-10 黒沢ビル3F
  URL:http://www.kikanshi-nw.or.jp


11.3 止めよう!改憲発議-この憲法で未来をつくる国会前大行動

2018-11-05 16:37:11 | 活動報告


 11月3日、改憲発議阻止を訴えて国会前集会が開かれました。主催団体である「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」の呼びかけによるものです。
 永田町駅を降りたときは少し参加者が少ないかと感じましたが、時間を追うにつれて国会を取り囲む道路は参加者で埋め尽くされて行きました。写真は国会図書館前ですが、国会正門前にいた人からはさらに大勢の人たちが集まっている様子が報告されています。主催者発表で参加人数は18000人。「安倍政権を倒そう!」のコールではひときわ力がこもっていました。


10.19国会議員会館前行動がありました!

2018-10-20 19:21:06 | お知らせ

 10月19日、安倍九条改憲NO!辺野古新基地建設は断念を!安倍政権退陣!10.19国会議員会館前行動が行われました。総がかり行動実行委員会などによって呼びかけられました。沖縄県知事選での玉城デニーさんの勝利を受け、それでも改憲発議や沖縄の米軍新基地建設を強引にすすめようとする安倍政権にNO!の声を突きつけようというとりくみです。
 立憲野党からは立憲民主党の菅直人氏、共産党からは田村智子氏、社民党からは福島瑞穂氏がスピーチに立ちました。新基地建設反対のとりくみからは、本土からの持ち込みが計画されている大量の土砂が、いかに環境破壊への危険性に満ちているかの訴えがありました。原発関連では、福島で逃げ遅れとされてきた人々の死については、救助隊が近くまで到着していながら放射線量が高すぎて近づけなかった事実が隠されてきたこと、各地の原発裁判の経過などについて報告がありました。
 雨模様の中でしたが、参加は2900人と発表されました。国会がはじまる24日にも12:00~13:00にかけての国会行動が提起されています。たたかいはここからです。


11.22オール埼玉総行動の呼びかけがありました!

2018-10-16 13:37:52 | お知らせ

「集団的自衛権付き」自衛隊の憲法明記を許さない!11.26オール埼玉総行動
2018年11月26日(月) 18:30~19:30
大宮駅西口
主催:「安保関連法」廃止!集団的自衛権行使容認「閣議決定」撤回を求めるオール埼玉総行動実行委員会


◆関連して提起されている行動は以下のとおりです。

10月19日(金)『安倍九条改憲NO!辺野古新基地建設は断念を!安倍政権退陣!10.19国会議員会館前行動』 18:30~ 衆院第2議員会館前~国会図書館前

11月3日(土)『止めよう!改憲発議-この憲法で未来をつくる11.3国会前大行動』14:00~(13:3プレ企画) 国会前ステージ他

11月19日(月)にも国会前行動が予定されています。

九条の会がアピールを発表しました

2018-10-10 12:28:45 | お知らせ
9条改憲NO!の巨大な世論の輪を
 -自民党総裁選・臨時国会を前にして-


 秋の臨時国会を前に、安倍改憲の策動は新たな局面を迎えています。9月20日の総裁選に立候補を表明した安倍晋三首相は、地元下関で8月12日、「自民党として次の国会で提出できるよう(改憲案の)取りまとめを加速する」と述べました。続けて、麻生派が総裁選に向けての政策提言で打ち出した「来年の参議院選挙までの憲法改正国民投票実施」という方針に「基本的に考え方は全く同じ」と述べて、改憲強行に改めて異常な決意を表明しています。対抗馬の石破茂元幹事長も、9条2項削除による改憲を主張し、緊急事態条項導入などの改憲に意欲を示しています。
 9条2項を維持したまま「自衛隊を憲法に明記する」自民党の9条改憲案が、現在の9条を根本から破壊して、日本をアメリカと一緒に海外で「戦争する国」に変えてしまうことを、すでに私たちは繰り返しアピールしてきました。九条の会も参加して昨年9月からスタートした「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」による3000万署名運動は、5月3日時点で1350万筆に達し、その後も3000万を目指して草の根に広がっています。
 こうした広範な改憲反対の世論を前にして、自民党は、今年の党大会では9条改憲案を正式に決定できず、通常国会の憲法審査会で改憲案について議論することすらできませんでした。「臨時国会で改憲論議に持ち込み、参院選前に国民投票」という安倍首相らの言説は、こうした世論に対するあからさまな挑戦です。
 今、6月の米朝首脳会談等を通じて、アジアの平和実現に向けて大きく前進するチャンスがおとずれています。私たちが、真に平和を望むのであれば、憲法9条の立場を堅持して、この動きに積極的に参画していくことが求められています。それは、沖縄の辺野古新基地、イージスアショア、オスプレイ配備など、日本をアジアにおける戦争の拠点にするたくらみに対して断固として反対することと深く結びついています。また、核兵器禁止条約の署名とその発効に背を向ける政府の立場を転換させることも、アジアの平和の実現に重要な一歩となるでしょう。
 自民党が新たな総裁の下で臨時国会を改憲策動の新たな盛り上げの場にしようとしている今こそ、臨時国会を改憲論議の場に決してさせない、次期通常国会で改憲発議を絶対に許さない、そして来年の参議院選挙では改憲派の3分の2の議席獲得を許さず安倍内閣を退陣に追い込むという意思を固めましょう。それが改憲を阻む最大の保障です。そのために、3000万署名運動の達成を目指して新たな決意で取り組みましょう。                        2018年9月14日 九条の会


※九条の会のHPはこのブログからリンクしています。

埼玉県九条の会一覧を作成しました

2018-10-03 18:44:16 | お知らせ
 地域で活動している九条の会について知りたい、との要望のこたえ、「埼玉県九条の会一覧」を作成しました。ベースとなったのは日本機関紙協会埼玉県本部が発行している『SAITAMAネットワーク』のシリーズ「平和の風9」です。
 『SAITAMAネットワーク』では2012年11月号から毎月各地の九条の会を取材し、記事にしてきました。今年の10月号で72回を数えます。
 このブログでの一覧の公開はしませんが、事務局に問い合わせていただければ、「住まいの近くの九条の会に参加したいが連絡先を」といったご要望にお答えできると思います。
 なお、先日高校・障害児学校教職員九条の会も取材を受けました。近々、掲載の予定とのことでした。楽しみです!


自民党が「終戦記念日にあたって」という声明から削除したもの

2018-08-17 12:55:06 | 一口メモ
ニュースサイト「リテラ」が「安倍首相が終戦の日めぐり露骨! 靖国神社の源流の神社に参拝し、自民党声明から「民主主義、基本的人権の堅持」削除」(2018.08.15.)をアップしています。自民党は「終戦記念日にあたって」という声明で、昨年の声明には書かれていた「今後も自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を堅持」を削除したとあります。
昨今の自民党議員の発言を聞いていると、かくありなむ、というところです。彼らがアジア・太平洋戦争を反省していないどころか、戦後的な価値観に憎悪を向けてきたことが分かります。
9月の総裁戦後、安倍首相は改憲の動きを早めるといっています。彼らの決意が固いというなら、我々もまた、いっそう決意を新たにしなければなりません。

 まるごとの引用になりますが、拡散を希望して以下に全文を転載します。

http://lite-ra.com/2018/08/post-4191.html


 「安倍首相が終戦の日めぐり露骨! 靖国神社の源流の神社に参拝し、自民党声明から「民主主義、基本的人権の堅持」削除」(2018.08.15)

 終戦記念日を迎えた本日、安倍首相は全国戦没者追悼式に参列し、「戦争の惨禍を二度と繰り返さない、歴史と謙虚に向き合いながら、どのような時代であっても、この決然たる誓いを貫いて参ります」と式辞を述べた。

 しかし、「歴史と謙虚に向き合う」と口にする一方で、アジア諸国への加害責任については一切言及しなかった。さらに、安倍首相は今年も靖国神社に「自民党総裁 安倍晋三」の肩書きで玉串料を奉納。代理として靖国神社に趣いた柴山昌彦・自民党総裁特別補佐によると、安倍首相は「本日は参拝に行けずに申し訳ない」と話していたという。

 しかも安倍首相は、昨日に山口県宇部市にある琴崎八幡宮を公式参拝。じつは、この琴崎八幡宮は〈靖国神社の源流となった神社〉(同八幡宮HPより)なのだという。つまり、安倍首相は総裁選を控え、靖国神社の代わりとしてその“源流”に参拝することで、極右支持者たちにアピールしたとしか考えられない。

  戦意高揚のための装置であり侵略戦争を正当化する靖国神社にあからさまに思いを寄せておいて、「歴史と謙虚に向き合う」と宣う──。このような歴史観に立つ人間が、改憲によって戦争ができる国に変えようとしていることは恐怖以外の何物でもないが、きょうはもうひとつ、安倍首相が目指す改憲を暗示する声明が公表された。自民党の「終戦記念日にあたって」という声明だ。

 本日、自民党が公表したこの声明は、昨年の声明には書かれていた“ある箇所”がごそっと削除されているのだ。去年あったのに、今年削除されたのはこんな文章だ。

〈今後も自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を堅持〉

 言わずもがな、「自由、民主主義、基本的人権、法の支配」は現行憲法の原理原則だ。この重要な文章を、今年、削除してしまったというのは、完全に現在の自民党の本音を露わにしていると言っていいだろう。

 実際、安倍首相の周辺にいる自民党議員たちは、もともと改憲によって「基本的人権」や「民主主義」を制限することを強く主張してきた。安倍氏が会長を務める超党派の議員連盟・創生「日本」が2012年に開催した研修会では、参加議員らが憲法改正に向けて気勢を揚げ、稲田朋美は「国民の生活が大事なんて政治はですね、私は間違ってると思います」と主張。さらに、第一次安倍内閣で法務大臣を務めた長勢甚遠氏は、自民党改憲草案に「反対」だと言い、こうつづけた。

「国民主権、基本的人権、平和主義、これは堅持するって言ってるんですよ。みなさん。この3つはマッカーサーが日本に押し付けた戦後レジームそのものじゃないですか。この3つをなくさなければですね、ほんとうの自主憲法にならないんですよ」

 国民主権、基本的人権、平和主義を憲法からなくせ──。げに恐ろしい主張だが、しかしこれは何も長勢氏だけの意見ではない。実際のところ2012年に出した自民党改憲草案は、基本的人権を《侵すことのできない永久の権利》と定めた憲法97条を全面削除している。

今年3月、憲法改正推進本部がまとめた改憲4項目のうちのひとつである緊急事態条項では、国民の基本的人権を制限する「私権制限」を盛り込むことは見送られたが、やはり人権を制限したいという欲望は変わっていなかったのだろう。

 そのグロテスクな本音がダダ漏れたのが、今年の自民党の「終戦の日」声明からの「自由、民主主義、基本的人権、法の支配」削除なのだ。

「自民党の声明の草案をつくったのは、おそらく安倍首相側近の萩生田光一幹事長代理あたりじゃないでしょうか。いずれにしても、安倍総裁の意向が入っていることは間違いありません」(全国紙政治部記者)

 安倍首相はここにきて、自民党の憲法改正案を秋の臨時国会に提出する考えを打ち出し、総裁選を改憲PRの機会にしようとしている。無論、PRではソフトな話しかもち出さないだろうが、実際の目的は、国民の権利を奪い、戦前回帰を目指すものであることは何も変わっていない。今回の自民党声明文は安倍首相がこの先、何をやろうとしているのかを雄弁に物語っている。(編集部)

木村草太氏講演会 憲法という希望 in かわごえ

2018-07-10 18:10:37 | 活動報告


 7月1日に開かれた埼玉県高校・障害児学校教職員九条の会の総会で地域でのとりくみを報告してくれたHさんから、「今度、川越でこんな集会を開くんだけど」と整理券をいただいた。TVでもおなじみの木村草太氏の講演会、主催は「九条の会」かわごえ連絡会とある。
 以前、川越では九条の会の運動はどうなっているの?と川越法律事務所のWさんに尋ねたところ、あちこちに一杯できているが連絡が十分でなく統一がとれていない、という話を聞いたことがある。かわごえ連絡会は、川越「九条の会」、高階「九条の会」、盲学校「九条の会」、川越西「九条の会」によって構成され、2010年から合同のとりくみがはじまった。今回は9回目になるということだ。
 会場はウェスタ川越、西口再開発の一環としてつくられた。私が川越を離れてからずいぶんの時をへて建造されたから、外観には接しているものの内部には入ったことがなかった。そんなこともあり、あれこれ期待しながら出かけることにした。
 集会は2部構成で、第1部は藤枝貴子さんによるアルパの演奏。アルパはスペイン語でハープのことで、別名ではラテンハープと呼ばれたりするとのこと。藤枝さんは第2回全日本アルパコンクールで3位入賞したのを機にパラグアイに留学し、帰国後はCDを制作したり、全国各地で公演活動を行っている。20分という短い時間だったが、ときに軽快に、ときに情感にあふれた演奏が披露された。
 続いて木村草太氏の講演会である。冒頭、「護憲派、改憲派ということでなく、一人の憲法学者としてお話しをしたい」という断りがあった。考えようによってはたいへん重要な観点であると思った。憲法を守ろうとすれば、護憲か、改憲か、立場を鮮明にしている人々ではない人たち、あるいはその間で揺れている人たちとも話をしていかなければならない。そのとき、そもそも憲法とは何か、人権とは何か、国際法との関係は何か、というような原則をきちんと踏まえておくことは大切だ。
 話されたことはそのようなことだったと思う。近代国家は権力の一極集中(主権国家)によって統治システムを完成させたが、そのことで①戦争、②人権侵害、③独裁の危険を生んだ。憲法はそのような危険を回避するための○○してはなりませんという「張り紙」なのである。「大日本帝国憲法」(1898)も本来は立憲主義のもとに制定されたはずであるが、「法の制限」を認めたために「法律」を作り出す政府の権限が強くなりすぎた。現在の「日本国憲法」(1947)はその弊害を克服するものとして作り替えられた。
 憲法上の権利のうちで「表現の自由」が優越的地位をしめること、その理由と意義、差別されない権利は平等権とイコールではない、それは19世紀末アメリカの「人種分離法」の問題点を解明することから明らかになる、というような話題はどれも興味深いものであった。
 講演の後半は「教育無償化と憲法」と「自衛隊と憲法9条」に焦点がしぼられた。教育の無償化問題についても懇切な説明があったが、日本政府は「無償教育の漸進的な導入」をうたった「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)第13条2(b)及び(c)の規定に係わる留保の撤回」を国連に通告(H24.9、外務省)しており、野田政権時に国際社会に公約したことを5年間放置してきたというのが安倍政権の現状だ、という指摘があったことだけ記しておきたい。
 憲法9条に関連しては、「国連憲章」2条4項に定められているのは「武力不行使」の原則であり日本国憲法9条と共通していること、ただし国連憲章では侵略を行った国があった場合にそなえて42条「集団安全保障」、第51条「個別的自衛権、集団的自衛権」が定められているが、日本国憲法には規定がない。そこで、「9条の禁止範囲はどこまでか」が第一論点となるが、「あらゆる武力行使の禁止」が政府見解であり、通説である。
 つぎに、「9条の例外を認める根拠はあるか」が第二論点となる。これには例外規定は存在しないとする個別的自衛権・自衛隊違憲説と、憲法13条を根拠とする個別的自衛権・自衛隊合憲説がある。憲法13条は「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利」を定めており、その趣旨からして「自国の安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置」を禁じているとは「到底解されない」とするのである(「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」2014.7.1)。つまり、国内防衛作用については「行政」の範囲に含まれるとするわけだが、他国防衛について例外を許容した条文は存在せず、集団的自衛権・国連軍参加は憲法違反となるのである。
 こうしてみると、9条への自衛隊明記改憲については、個別的自衛権+集団的自衛権限定容認を内容とした2015年安保法制を国民投票にかけることになること、従来型の専守防衛にとどめた場合には安保法制の違憲が明確になるなど、重大な矛盾をかかえたものとなる。
 と、内容の紹介が長くなった。TVのニュース番組に出演しているときなどは見解を求められても短時間の中であり、鋭くも無駄のないコメントが出来る人だな、という印象だったが、この日の語り口はユーモアにあふれ、終始聴衆の笑いを誘いながらの講演会となった。
 最後のところで次の予定があり、参加者数を聞き損なったが、あとから尋ねたところ550部用意したレジメが足りなくなってしまったとのことだった。会場にいても盛況は実感していたが、開催にたずさわった方々、お疲れ様でした!



 講演会風景。月曜日の午後の時間帯ということで高齢者の方たちが多かったですが、学校では折から期末考査期間ということで、午後休暇をとりました、という現役の教職員も多数参加していました。