今朝、淡路島を震源に大きな地震がありました。岐阜市や大垣市では震度2を観測。
瑞穂市にいた私はゆれで目を覚ましました。リスナーのみなさんからは、地震に関するメールが沢山届きました。発生時間が早朝という事から、阪神淡路大震災を思い出したという方も多かったです。
私は今年4月2日、東日本大震災の被災地、宮城県南三陸町に行ってきました。
以下、長文です。
南三陸町は町の7割が津波の被害にあいました。約660人の方が亡くなり、今も約200人の方が行方不明です。
ここは防災対策庁舎。24歳の女性職員・遠藤未希さんが津波が、来る直前まで無線で住民に避難を呼びかけ続けたという場所です。
私が参加したのは、「南三陸町復興応援プロジェクト』の中の「学びのプロジェクト」。地元被災者の方が語り部となって、被災地を案内してくれる学習ツアーです。
この日の語り部は、南三陸町の工藤望さん。3歳になったばかりの女の子のママです。「震災を風化させてはいけない、一人でも多くの人に伝えなければ」と、語り部になったそうです。
町内の各地を回りながら、その場で起こった実話を聞かせてくださいました。
防災対策庁舎には当時53人の職員がいました。4回の津波で43人が流されました。遠藤未希さんも。
生き残った職員の一人は、目の前で流されていく自宅に向かって、そこにいる奥さんの名前を叫び続けたそうです。
折れたままの海岸道路。
津波は奥の山で二手に分かれ、片方は高さ13m、もう片方は26mにまで達しました。
高台にある戸倉中学校。
止まったままの時計。
翌日は卒業式の予定でした。
生徒全員を避難させたあと、逃げ遅れたお年寄り夫婦を助けるために戻った男性の先生が、犠牲になりました。
戸倉中学校からの眺め。2年前、ここには町がありました。
以前の南三陸町。
今は防災対策庁舎はじめ、極々わずかな建物だけが、残っています。
2年がすぎ、ようやく町中のガレキが集められました。このような集積場が多数。夏までには撤去しなければならないそうですが、間に合うとは考えられません。
語り部の工藤さんが避難した上の山公園。1歳の娘さんと、携帯電話、おむつ4枚だけを抱えて逃げたそうです。ほかの荷物をもつ余裕はありませんでした。
公園から見る工藤さんの自宅があった付近。背後に津波の音を聞きながら、自宅が流されていくのを想像するのは難しいことではありませんでした。
高台の高校では、一度避難した生徒たちが、付近の老人施設のお年寄りを助けるために下に戻りました。お年寄りを毛布でくるみ、抱えて山を登る。
でも時間が足りませんでした。
先生は生徒を守るため、救助を途中で打ち切りました。津波は高校生の目の前で、助けられなかったお年寄りに到達しました。
数々のお話を何度も涙ぐみながら聞かせてくださった工藤さん。改めて、一つ一つかけがえのない大切な命が、この場所で消えてしまったことを実感しました。
工藤さんの言葉で心に刺さったのが、「今回の地震で責任感の強い人がたくさん亡くなりました。でも、そう言う人達は生き残らなきゃいけなかった。復興のリーダーになる人だから」。
2年たった被災地の課題を知りました。
真ん中に見えるのは「たかの会館」。”キセキの会館”と呼ばれているそうです。
当時ここでは、330人のお年寄りによる芸能大会が行われていました。建物の強度を知っていた責任者の男性は、玄関に仁王立ちし、「生きたかったらここにいろ!」。
屋上に避難た全員が、一晩立ったままひざまで津波に浸りながらも、無事に朝を迎えたそうです。
「学びのプロジェクト」では、こんな場所も訪れました。南三陸さんさん商店街では、地元のお店が仮設店舗で営業を再開しています。
「弁慶寿司」さんの『春つげ丼』。三陸の海鮮に旬のわかめや野菜も。こんな美味しい海鮮丼食べたことない!!
お吸い物に入っているあぶら麸は地元名物。
三陸わかめと一緒にお買い上げです。
「及善蒲鉾店」のお祝い用かまぼこ。結婚式の引き出物や入園入学の内祝いには欠かせない品。私も息子の入園祝い返しに1セットいただきました。
学習ツアーに参加して、こんなに美味しい食事や愉しいお買い物ができるなんて想像もしていませんでした。もちろん復興支援もあると思いますが、被災地のおもてなしの心を感じました。
「震災のあと、子どもを連れて(被災地ではない)実家に帰ったんですが、すぐに被災地に戻りました。津波のあとに家族を探し歩き続ける人をたくさん見て、家族と離れたくないと思ったから。」
「これまでは毎日生きるのに精一杯でしたが、2年経ってようやく自分のことを考えられるようになったんです。今はね、ママサークルを作って、イベントなんかもしたいなーって思ってるんですよ。」
と工藤さん。3歳の子供を持つ母親同士、ママトークも弾みました。
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今日、地震が起きて、工藤さんが話したことを改めて実感しました。
【地震が起きたら、自分の命は自分で守る】
【大切な人との連絡方法を確認する】
もう一度考え直します。