先日淀川干潟を見学する機会がありました。そのとき、はじめてカワザンショウガイとはどんなものか知りました。カワザンショウガイ・・一般にはあまりなじみのある貝ではないかもしれませんが、淀川河口干潟ではありふれた小さな貝であり、今までも他の干潟でその名前は聞いたことがありました。しかし、印象に残っていませんでした。というよりあまり熱心に見たことがなかったのでしょう。おまけに近くのものがあまりはっきり見えなくなってきているので、カワザンショウガイのような本当に小さな貝が見えてなかったのです。
ところが今回これがカワザンショウガイですと紹介されて、はじめて積極的にその小さな姿を見たところ(写真上)、急に見えたのです。まさしく「サンショウ」!そして、今まで干潟の上のごみかヨシの破片の散乱かと思っていた小さな物体がすべてカワザンショウガイであることがわかったのです(写真下)。
1㎡あたり30いや50個体はいるでしょうか?十三干潟は14haということですから、400万個体から700万個体、淀川河口域全体では数千万個体というカワザンショウガイが、おそらくひとつひとつの動く範囲は小さなものでしょうが、それが何千万という単位で営々と干潟の表面をこそげて食べながら這い回っているのだと想像したら、その集合パワーのすごさを感じずにはおられませんでした。彼らが干潟表面の有機物の処理を担当している主役なんだと思いました。