カモは水面採餌ガモと潜水ガモに分かれることは知られていますが、水面採餌といっても種類によって様々です。最近ヒドリガモが海岸になぜ現れるのかに興味があり、カモの採餌行動を観察してみました。
これは琵琶湖で見た姿ですが、ヒドリガモは陸上で草などを食べています。ほかのカモに押し出されたとかでなく、陸上を好んでいるようなのです。ここは湖岸の公園ですので、人がよく通ります。人が近付くと水面に逃れ、人が立ち去ったのを見計らって陸上に上がっているのです。陸上での採餌はこのほかマガモもします。
浅瀬ではオカヨシガモが倒立して底の餌を食べていました。
ヒドリガモはこうしたことが苦手なのかどうか?
なお、ヨシガモはオカヨシガモよりも沖合に多く、オオバンといる場所が同じように思えました。
14日日曜、富雄川沿いで夏場のセグロセキレイたちがどこにいるか探しに行きました。
冬場よりも湛水区間が増えていて、思ったより川には居場所がなさそうでしたが、市街地を少し出たところの資材置き場で子育て中のセグロセキレイを目撃しました。どうやら川よりも周辺の水田で餌を探しているみたいでした。一方ハクセキレイは高架道路の足場のような場所でみかけました。
夏場、繁殖するセグロセキレイのつがいは、かならずしも河川に頼るのではなく周辺の水田を生活の足場として活動しているのではないか?と思いました。ほかではどうなんでしょうか?また、このことろ学園前のセグロセキレイのねぐらに50羽ほどのセグロセキレイが集まってきているらしいですが、彼らは独身者ではないかという考えもあります。昼間の彼らがどこにいるのかもまだ明らかではありません。なにしろ川でみかけるセグロセキレイはほんとにわずかなのです。
学園前は市街化されているが、周辺には水田が残り、瀬と渕をもつ川が見られる。緑も多い。こうしたことがこの地域の自然の特徴をつくっているらしく、それを巧に活用して生きもの達は生き抜いているらしいのです。
学園前に発見されたセグロセキレイのねぐらからはじまって、それではそこに集まる(であろう)セキレイ達は、昼間どうしているのか?を探るために11月30日、周辺の川沿いに歩きました。
出発はこども昆虫塾のフィールドでなじみの大渕池公園、ここは台地上にあり、谷に下ったところが秋篠川の源流部。奈良の川はほとんどの川に風雅な名前がついています。秋篠川は秋篠寺の近くを、西大寺の奈良ファミリーの前を通って南下し大和川に向かう川ですが、その源流部は住宅地の中です。源流と言っても三面張りの小さな水路(写真)ですが、ここにもセグロセキレイ、キセキレイ、ハクセキレイがいます。
秋篠川の源流はニ名中学のあたりで暗渠に入りわからなくなっていますが、ここから尾根を越えると富雄川です。途中法融寺の周辺の学園前近くと思えないのどかな村風景をすぎ、富雄川に降ります。法融寺の近くではカワセミの巣らしきものをみつけました。写真のまんなか右よりの穴がそうです。
富雄川に降りたあたりには井関がありますが、現在は使用休止中で、川はせき止められずに流れています。もっと降って周囲が完全な農村地帯になると井関は年間運用され、しかも連続するので川のほとんどの部分はダム湖化してしまい、セキレイは井関のすぐしたぐらいでしか見ることができません。皮肉なことに富雄駅周辺(写真は富雄駅から少し下ったところ)にはダム湖化されず瀬や淵が残されています。ここは環境が多様なおかげでセキレイ類ばかりでなく、コガモ、カルガモ、カワセミ、イソヒヨドリ、コサギなどさまざまな鳥が暮らしています。