ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

「人力ヒコーキのバラード」(杉田二郎)

2022-11-10 20:00:32 | うた
退職してから毎朝、NHKの朝ドラを見るようになって久しい。
今回放送しているのは、「舞いあがれ!」
ヒロインが、空を飛ぶ夢に向かっていく物語だ。
大学生になったヒロイン、舞が、先週の放送から人力飛行機に乗るという展開になった。
大学のサークルで作る人力飛行機に乗って、がんばったが飛行記録には遠く及ばなかった。
それでも、空を飛んだ経験は、舞に空への憧れをより強いものにした。

サークルの学生たちの夢であった人力飛行機作りと飛行。
若者たちの夢に向かう雰囲気がすごくいいなあ、と思って見ていた。
若いときに、自分の夢の実現に向かって努力するって、いいよなあ、それに近いことがあったなあ…なんて、思わせてくれた。
これからのドラマの展開も楽しみだ。

さて、「人力飛行機」という言葉の響き、あまりなじみがないけれど、何か自分のもっているCDで、歌を聴いたことがあったと思い出した。

そう、これこれ。

杉田二郎氏が歌っていた、「人力ヒコーキのバラード」。


1970年に「戦争を知らない子供たち」がヒットしたジローズの杉田二郎がソロになって、2枚目のシングルとして1972年に出された曲だった。


ある日 僕は夢見た ヒコーキを作る夢を
自分の足でこいで ブンブン プロペラまわし
空を飛ぶんだよ



曲を作ったのは杉田氏だが、作詞は、「ふれあい」や「聖母たちのララバイ」など名曲の作詞もある山川啓介氏だった。
2人ともまだ20代だったから、こんな夢のある曲を作ることができたのだろうなあと思う。

誰も僕を知らない そんな国へ行きたい
いいのさ笑われても 人には出来ない何か
やってみたいだけ


でも、この部分には、若いがゆえの悩みから逃れたい思いが感じとられる。
他者から笑われたり干渉されたりして、つらい思いもしているのじゃないかとの憶測も生じる。

飛べよ大空高く 僕の作ったヒコーキ
汚れた悲しみには もうさよならさ


「汚れた悲しみ」とはどんなことを指すのだろう。
今の自分は、本来の自分ではなくなってしまっているから、さよならしたいというのだろうか。
単純な詩だしメロディーだから、なおさら感じるものもある。

ある日 僕は飛び立つ 昨日の世界はなれ
車も人も家も あんなに小さくなって
僕を見上げてる

飛べよ大空高く 僕の作ったヒコーキ
汚れた悲しみには もうさよならさ


2番では、つらい現状から、勇気を持って脱出しようという決心をしたことを歌っているのだろう。
「僕の作ったヒコーキ」という部分から、自分の力を信じて前に進もうという挑戦的な意思も伝わる。

久々にこの曲を聴いて、少し忘れていた「挑戦」や「前進」の気持ちを思い出した。
以前に聴いていたときよりもいい歌だなと思った。

歌っていた、かつて「戦争を知らない子供たち」だった杉田二郎氏も、もう76歳であることに、青春時代がはるか以前に過ぎ去ってしまったと思い知ったりもするのである。
コメント
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